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西巷説百物語
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西巷説百物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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今度の舞台は関西。 仕掛けを行うのも、いつものメンバーではなく新しいメンバー。 話の組み立ても仕掛けも、ちょっと今までとは違う。 これまでは事件発生して、仕掛けを行って成敗(本人たちにその気があるかは別として)という必殺仕事人のような流れだったが、 どちらかというと「死ねばいいのに」のように、仕掛けによってあぶりだされる人間の罪といったところが描かれている感じ。 そういう意味では、やはりサイドストーリーといった趣きが強いかもしれない。 やはり又市を主役に読みたいというところだろうか。 | ||||
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シリーズ最終作らしいです。 角川MOOK『怪』零号から読み続けている者にとっては寂しい限り。 単発でも好いんで、思い出したように?復活とかしてくれないでしょうかね。「語られざる話」みたいな感じで…。 というか、又市が初登場したのは『嗤う伊右衛門』でして、この「百物語」シリーズは謂わばスピンオフ風に始まったというか。 「江戸噺シリーズ」(勝手に命名。気にしないで下さい)はまだ続くようですので、厳密には又市一味の姿は消えてない、と思いますけど。 楽しみにしてます。 で。 又市の義兄弟こと〈靄舟の林蔵〉を主人公として紡がれた、これぞ所謂スピンオフ、かも。 単行本書下ろしの最終話に又市ゲスト出演してます、因みに。 はい。 又市と、林蔵の遣り方は、口車に乗せてどうにかするという意味で共通項はあると思いますが、 実はそのベクトルは対照的という気も。 又市が、八方塞の状況を解きほぐして再構築するという過程《プロセス》を辿るのに対して、 林蔵は、「なるように為してしまう」というか。 必ずしも改「善」はされてないですが。 でも好いんです。前に進めます。 なんなら人情噺っぽくもあります。 これで最後かリクエスト殺到か。 勿論、続篇を心から望む所の一ファンなのでした。 | ||||
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「巷説」シリーズも五作目。 今回は、舞台を大阪に移しての物語です。 主人公は、靄船の林蔵です。 月の魔性を扱った「桂男」、死人の供養を怠るとどううなるかという「遺言幽霊 水乞幽霊」、狼の血を引く刀匠を扱った「鍛冶が婆」、夜の楽屋の人形争い「夜楽屋」、骸に踊らされた庄屋の凶行「溝出」、赤子を育てた豆狸「豆狸」、そして奸計を巡らし自分の首を絞めることになった「野狐」の7作品が収められています。 このシリーズの魅力は、何と言っても摩訶不思議な世界の様に見えながら、人間の「業」を見事に描ききっているところでしょう。 しかも、そこに登場するキャラクターが魅力的です。 そのあたりが、どちらかと言うと暗くなりそうな話を、それほどでもなくさせている大きな要因でしょう。 どの一編を取り上げても読みごたえのある面白い話ばかりです。 流石「京極ワールド」。素晴らしいです。 | ||||
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元々巷説シリーズは愛読しておりましたので、今回も期待して購入致しました。 読了して感じたのは、又市と林蔵の仕掛けは似ているようで違うものなんだなあということです。 又市は、なんとか人死にが出ないように気を配り、そういう図面を引いていたような記憶がありますが、林蔵はあまり人死ににはこだわってはいないように感じました。仕掛けにも性格が出るのだなぁと。 上手く言葉にできないのが恐縮ですが、今作の林蔵に対しては「無常感」とでもいいましょうか、そんなものを感じました。 前巷説の時の彼より、かなり深み(暗さ)があるキャラクターに成長しています。 本当に巷説は魅力的なキャラクターばかりで、京極先生のお力には脱帽ですよ。 まだまだ続きがありそうな巷説ですが、これからも追っ掛けていきたいと思っています。 取りあえず、「千代田の大鼠」に関わる仕掛けのお話が早く読みたいです←これが出たら完結してしまいそうですが(笑) | ||||
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巷説シリーズの関西版。名を成した分限者、職のプロフェッショナルとして成功した者、不遇な境遇から幸せを得た者等がその過程で残し秘めてきた「瑕」や「狂気」がテーマ。各編の主役は冒頭から「幸せをつかんだ好ましい登場人物」として現れ、一旦は読者の「肩入れ」を呼び込みつつも、靄船の林蔵たちの仕掛けで、徐々に瑕や狂気があらわになってくる。その過程がこの作品の味わいどころ。 「西の物語」ということで当然関西弁の台詞が殆どですが、大阪人の自分にも違和感なく読めました。むしろ関西語圏以外の人に会話のやり取りのニュアンスが伝わるのか心配になるぐらい。以前の巷説シリーズでも玉泉坊など「西の」登場人物の台詞で作者の関西弁の正確さは感じていましたが、全編に渡って関西の空気感が破綻なく表現されています。 相変わらず表紙カバーの裏にまで凝る装丁にも力が入っておりファンならハードカバーで手元に置いておきたい書籍です。 「巷説百物語シリーズ 徹底解説書」という折込チラシ?が付いていて、「人物相関図」や各編の物語を時系列順に並べなおした「巷説年表」など見ることが出来ます。初版以降も付くのかどうか判りませんが、欲しい方はお早めに手に入れるほうがいいかもしれません。 | ||||
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巷説百物語 続巷説百物語 後巷説百物語 前巷説百物語 前後しながらも時間軸で記述されていた御行の又市の物語は、前作まで。 京極先生得意のスターシステムを駆使して、先行作に関係を持たせながらも今回は「西」。 そう来たか。時間軸でなく、「場」を変えてきたのか。 これまで地方の舞台は多いものの、あくまで又市の本拠地は江戸であったが、今回の物語の舞台は大坂。 主役は林蔵。 トーンが違う。 又市の「豪腕」ぶりと比べると林蔵はスマートだ。 しかしその分プロットが強引では? 全体としては、「金」「男」「女」「芸」「名誉」といったものへの「常ならぬ執着」や「物狂い」が背景となっているのだと思うが、いくら「狂って」いるにしても、それはないやろ、と言う読後感が強い。 もちろん狂っているから常軌を逸するのであろうが、常人から推測できるぎりぎりの範囲で収めるのが作家の力であるという気がする。 そこから考えると、「桂男」、「鍛冶が嬶」など、いくらなんでも、という印象を受ける。 | ||||
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又市の相棒である靄船の林蔵を中心とした話が、京極さん独特のタッチで淡々と語られています。 前作とは少し雰囲気が違い、アグレッシブな感じではなく、あくまで林蔵の物静かな空気が作品全体に通じていて、読後感としてはしっとりとした感じでした。 内容は林蔵が大坂で何をしていたか、最後の書き下ろしのストーリーで巷説シリーズの全体像がなんとなく見えてきました。 (出るとすれば・・・)次回作はどんなストーリーが出てくるんでしょうか。京極節が楽しみです。 | ||||
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