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時砂の王
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時砂の王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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文章と構成、下調べのレベルの高さと設定のラノベ感(ポピュラーっぽさ)は評価できる。星五にもできるほど良い。だが文量と展開の満足感は乏しい。あと300ページあれば星四、オチにもっと意外性と美しさ、描写とシーンにスケール感があれば星五だった。sfの大作と比較すると小粒感が拭えない。著名なsf作品を読んだことがないsf入門者、あるいは殆ど本を読んだことのない人には良いかもしれない。 | ||||
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列島に並び立つ国々の中で、巫女であり王である彌与(みよ)は、不気味な物の怪の襲来を受ける。そこへ突如<使いの王>が現れ、彌与の窮地を救う。彌与こと、邪馬台国の女王・卑弥呼に<王>が語って聞かせたのは、自らが26世紀の未来からやってきた人型知生体であること、そして物の怪たちはETが人類殲滅のために時間遡行させた機械軍であるということだった…。 ------------------- 300頁に満たない時間SF中編です。 <王>ことオーヴィスは、人間身体を元にして、生殖と成長の能力を取り除き、代わりに耐久性と運動性を極限まで高め、外部情報網との連結機能を付与した複合身体という設定です。それでいながら単純な機械にとどまらないよう、彼らは<出歩くこと>を推奨されているといいます。外に出て風景を眺め、音と香りを受け、走り、跳び、人と話す。そうやって創った、素晴らしい想い出こそがこの先の旅路の糧になると信じられているわけです。 そんな人間臭いオーヴィスの過去の恋路が挿入されますが、度重なる時間遡行を経て時間枝が無数に分岐した結果、忘れじの人が無に帰していってしまう。その苛烈な<現実>が突きつけられるところには心引き絞られる思いを味わいました。 作者の大きく広げた想像の翼が描く、めくるめくタイムトラベル物語の壮大さに気圧されます。 いかんせん、中編小説であるだけに、後半の物語展開は少々急な気がします。時間遡行の反復が生み出す複数の並行世界の現出というお話をもっと膨らませることはできたであろうに。 終幕に近いところで登場する「いいか、人を守れ。国だの、故郷だのは捨てろ。そんなものはいくらでも作れる」(255頁)という言葉に胸打たれるものを感じつつも、少しばかりあっけない幕切れであったように私には感じられました。 ---------------- 時間遡行の反復が生み出す複数の並行世界の現出というお話で思い出したのですが、以下の時間旅行SFを紹介しておきます。 ◆スティーヴン・バクスター『』(ハヤカワ文庫SF) | ||||
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主人公が時間修正の影響を受けない、過去に遡り戦闘に行くのに小規模であれ戦闘に一番大切な輸送船も持たず、武装もドローンも含め白兵装備のみであることなど、古風な五月蝿いSFファンを唸らせる様な設定の緻密さは期待できない。 ……と言っても、パラレルワールドもので矛盾が生じないほうがおかしいことは承知している。 私は著者の力量を低く見ているのではない。主人公に肉欲を持たせたことに加え、他の方のレビューを読む限りでも、これは恋愛小説と言うべきではあるまいか。 起承転結で言えば、起承は非常に高いレベルのSF小説であるが、転結では古風なラブロマンスなのである。 | ||||
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26世紀の太陽系において、人類はETとの戦闘を続けており、過去の(異なった世界の)人類とその未来を救うために知性体(メッセンジャー)を送り込むという多次元宇宙もの。冒頭で知生体オーヴィルが卑弥呼と遭遇するという設定。ETも時間遡行を実施しており、過去においても戦闘が繰り広げられる。 オーヴィルは無限に分岐する時間樹の中で戦闘を繰り返し、ETとの攻防の接点である3世紀に辿り着く。作品自体は10万年に渡る時空を超えた壮大な闘いのドラマだが、作者の主張は別の所にあるようだ。26世紀においては強大な外敵が存在するために人類は一つに纏まっている。ところが、メッセンジャーが送り込まれた過去においては、国家や様々な組織の意志は不統一。目先の利益や体面しか考えず、将来の展望性に欠ける。現代社会への皮肉であろう。仮にETを全面掃討したとしても、再び混沌が訪れるのではないかとの不安を持つ辺りも同じ趣旨であろう。未来への希望が大切とのメッセ−ジが伝わって来る。 もう一つのテーマは、可能な限り多くの時間岐(世界)を救おうと悲愴なまでに奮闘するオーヴィルの人間性(!)。空虚な心を埋めるように、26世紀時代(オーヴィルとは最早別の世界)の人間の恋人と卑弥呼とを重ね合わせる様に慈しむ姿が本作の見せ所だろう。最後の趣向も気が利いている。他の章ではそれ程でもないのだが、卑弥呼の章では筆力の確かさを感じた。SF以外の分野でも通用する作家ではないのか。頁数が少ない事もあって、構想の割には読み応えが不足している気がするが、逆にコンパクトに纏まっているとも言える。SFファン以外の方にも楽しめる作品だと思う。 | ||||
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登場人物などなかなか面白い設定で楽しみましたし、ほとんど一気に読んでしまったのですが、あとから、よく考えたら、これってバーサーカーそのままだよね。 自己増殖する殺人ロボット、しかもタイムスリップして、祖先を殺そうとするストーリも入っている。 SFとしては、この辺り大いに割り引いて考えるべきですが、ライトノベルの類だと思えば、かなり満足。 | ||||
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