■スポンサードリンク
時砂の王
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
時砂の王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全77件 21~40 2/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
列島に並び立つ国々の中で、巫女であり王である彌与(みよ)は、不気味な物の怪の襲来を受ける。そこへ突如<使いの王>が現れ、彌与の窮地を救う。彌与こと、邪馬台国の女王・卑弥呼に<王>が語って聞かせたのは、自らが26世紀の未来からやってきた人型知生体であること、そして物の怪たちはETが人類殲滅のために時間遡行させた機械軍であるということだった…。 ------------------- 300頁に満たない時間SF中編です。 <王>ことオーヴィスは、人間身体を元にして、生殖と成長の能力を取り除き、代わりに耐久性と運動性を極限まで高め、外部情報網との連結機能を付与した複合身体という設定です。それでいながら単純な機械にとどまらないよう、彼らは<出歩くこと>を推奨されているといいます。外に出て風景を眺め、音と香りを受け、走り、跳び、人と話す。そうやって創った、素晴らしい想い出こそがこの先の旅路の糧になると信じられているわけです。 そんな人間臭いオーヴィスの過去の恋路が挿入されますが、度重なる時間遡行を経て時間枝が無数に分岐した結果、忘れじの人が無に帰していってしまう。その苛烈な<現実>が突きつけられるところには心引き絞られる思いを味わいました。 作者の大きく広げた想像の翼が描く、めくるめくタイムトラベル物語の壮大さに気圧されます。 いかんせん、中編小説であるだけに、後半の物語展開は少々急な気がします。時間遡行の反復が生み出す複数の並行世界の現出というお話をもっと膨らませることはできたであろうに。 終幕に近いところで登場する「いいか、人を守れ。国だの、故郷だのは捨てろ。そんなものはいくらでも作れる」(255頁)という言葉に胸打たれるものを感じつつも、少しばかりあっけない幕切れであったように私には感じられました。 ---------------- 時間遡行の反復が生み出す複数の並行世界の現出というお話で思い出したのですが、以下の時間旅行SFを紹介しておきます。 ◆スティーヴン・バクスター『』(ハヤカワ文庫SF) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このジャンルは過去から色々なパターンもあり、この作者も当然そういったものは研究されてきただろうが、決して何かのオマージュといった範囲に納まらない素晴らしい構成と独創性だと思う。ヒーローものでもあり、ヒロインものでもあり、とにかくこの本の魅力を是非大勢の方々にも味わって欲しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーにパワーがあるため、タイムパラドックスにかかわる疑問を感じさせない良作。 登場人物も魅力的で惹かれる部分が多く、散りばめられたストーリーが収束していく様子は見事だと感じた。 読後に表紙を眺めて余韻に浸れた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでいて最初はよく作品の雰囲気をつかめませんでしたが、物語の背景が明らかになるにつれて 興奮しっぱなしで最後まで読ませてもらいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
気の遠くなる長い戦いにも始まりがあり、戦うものたちにも理由があり、生き抜くことに意味のあることを語るSFなので堪能して読み耽ることが出来ました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長編では正直いまいちな小川一水ですが、中編や、短編なら光るものが多いです。 ストーリーはこんな感じ。 突如、宇宙より襲ってきたETに応戦する人類。 劣勢を強いられ、撤退に撤退を重ね、いまや人類の生活圏は太陽を遠く離れていた。 太陽から遠く離れ使用できるエネルギーが減っていくジリ貧の中、人類は緩やかに滅びていくだろう。 この状況を打開すべく、人類は、現在使用できるリソースの大半を利用して艦隊を過去へ送る事を決定した。 過去のまだETに対抗しうる時点で、来るべきETの脅威を説き、人類をまとめ上げ、ETに対して勝利を収めるのだ。 その艦隊の中には、この時間枝に恋人ともいえる人を残して出征するアンドロイドの戦士、オーヴィスもいた。 軍は、この時間枝に残る人々に隠している事実があった。 過去への遡行で時間枝が分岐するため、たとえ艦隊が勝利したとしても、この世界の人類は滅亡するであろう事。 つまりこの時間枝の人類を滅ぼしてでも、「人類が勝利するたった一つの時間枝」を手にするために過去に出征するだ。 これは避けがたい滅亡を前にした、人類の一つの賭けであった。 この時間枝の全人類を見殺しにすると知ったうえで過去に遡行する艦隊。すべては「人類が勝利する時間枝」を手にするために。 ETもこれに対抗すべく、時間の遡行を開始する。 艦隊の遡行先ではETとの戦闘、敗北、さらなる時の遡行が始まった。 遡る時の先々で、敗北に敗北を重ね、その度に、その世界枝の全人類を見殺しにして、更に時を遡行する。 いくつの時間枝でどれだけの人類を見捨てたことだろう。 また、オーヴィスには重い事実がのしかかる。 仮にETに勝利を収めたとしても、その時間枝につながる未来では、残してきた恋人は生まれないだろう。あまりにも遠く、遡行しすぎたのだ。 あまた時間遡行を繰り返し、彼はいったい何のために戦うのか。 また、「人類はたった一つの時間枝」を手にすることが切るのか。 これだけの話をたった一冊でまとめてしまうのは、いささかもったいない気もします。 #実際、短編集にはスピンオフもあったりします。 実は、紙の本でも持っていたんですが、あまりにもよかったので、いつでも読みたいと思いKindle版も購入してしまいました。 紙媒体の本を持っていてもなお、Kindle版をつねに持ち歩きたいと思わせてくれたこの作品に賛辞を贈りたいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自分達の出自がETの時間攻撃による改変された時間枝であると言う現実。 戦略知性体があらゆる干渉を行って過去から時間線を有利にして未来から増援を得ると言う 戦略が、戦略知性体がいなくなった事で発動する皮肉。 オーヴィルの最後はやっぱり泣けるけれども、オーヴィルの記録を受け継いだオメガが この先どうなるのかとか気になるな。 あと、「フリーランチの時代」の「アルワラの潮の音」がオーヴィルとアレクサンドルの 短編が良かったな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
(以下で内容に触れています) 主人公である超未来に造られた人造人間は、人類に敵対する謎の侵略者に対抗するため (過去の人類を発展させてともに侵略者を倒すため)に仲間達と過去を遡る。 その過程で、様々な時間軸において技術や交流の歴史を何百倍も早めたりして対抗するも、 その時代の人々の思惑や侵略者の作戦を読み切れずに敗退(さらなる過去に行くこと)を重ねる。 未来人の介入によって大きく変化した各時代の描写や、古代日本の描写が興味深い。 もう一人の主人公である卑弥呼とのラブストーリーもあるが、過酷な戦闘が日常。 幼い頃、本人の意思を全く無視して占いで巫王に選ばれ、ある大豪族には狙われ、 また未知の物の怪と戦う集団のトップとして苦労を重ねた卑弥呼に、 生涯添い遂げられそうなパートナーも用意してある親切さ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっhっっっっっっj | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これは、ヤッパリ、古今の、名作です。 SF史上と、言う意味ではありません。 古今のです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白かったです。 一気に読んじゃいました。 オススメです。 あと、表紙の絵も素敵ですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
状況が悪いところから始まり、時間を遡りながら未来を変えようと奮闘して負け続ける男と、その最後の地点で出会い、新しい未来を切り開いていく女の話…という感じですが、物語がずっと下り坂の負け戦さ、最後の最後でカタルシスが訪れて終わるという構成なので、陰鬱な気持ちになります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
26世紀の知性体が卑弥呼とともに敵と戦うお話です。 惹き込まれてどんどん読めます。 途中で止まらなくなるので注意が必要です。 他の作品の類似性については分かりませんが、 それにしてもあれだけ盛り上げておいて 最後、これはないのでは、とちょっと残念。 『青い星まで飛んでいけ』の中の短編にも こんな感じにしてしまった作品が二、三あり、 この作者の発想や思考の軸は この作品に示されるようなものなのだと思えますが、 謎解きが全てすっきり爽やかに解決!というのがお好きな人には ちょっと残念な読後感になることでしょう。 SFと邪馬台国の話の融合を楽しめる人にはいい作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小川氏の作品は数多くあるが、新規開拓のため短めな作品から、ということで本作品を購読。 時間遡行・タイムパラドックスものにしては、短いながらも非常によくまとまっている。 まとまっているのだが、何だろう、あまり印象に残らなかったというのが正直な感想。 キャラクターがあまり魅力的ではない、というところが最大の要因で、 何万年も報われない使命を背負ってきた割には、あまりにも陰がない主人公のアンドロイド、 卑弥呼という超個性的な枠のはずなのに、無難に優秀なリーダーという範囲に留まるヒロイン。 JAMのような謎の異星知性生命体のくせに、日本の妖怪風な生命体を量産しまくる敵さんサイドの方ばかりが印象に残った。 というわけで、残念ながら小川氏の他の著作にも手を出したい、と思わせてくれるような作品ではなかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近未来での人類vsE.T.の存亡をかけた戦いに留まらず、時間軸が設けられることにより、3次元的にストーリーが展開します。 人類の為に戦うことを使命としたメッセンジャー、彼らを統括する人工知性体、そして邪馬台国・卑弥呼をはじめとする古代日本の人々等、 多種多様な登場人物が織り成すハーモニーも本書の魅力のひとつです。 戦闘シーンの、手に汗握るスピーディーな展開にも引き込まれます。 縦軸(時間)と横軸(場所)の壮大なスケールを舞台にしたSF小説。 これは「買い」ではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
描写ばかりで物語が進まない。おためごかしはいいから骨太な感動が欲しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公が時間修正の影響を受けない、過去に遡り戦闘に行くのに小規模であれ戦闘に一番大切な輸送船も持たず、武装もドローンも含め白兵装備のみであることなど、古風な五月蝿いSFファンを唸らせる様な設定の緻密さは期待できない。 ……と言っても、パラレルワールドもので矛盾が生じないほうがおかしいことは承知している。 私は著者の力量を低く見ているのではない。主人公に肉欲を持たせたことに加え、他の方のレビューを読む限りでも、これは恋愛小説と言うべきではあるまいか。 起承転結で言えば、起承は非常に高いレベルのSF小説であるが、転結では古風なラブロマンスなのである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読者は中高生を想定しているのでしょうか?スケール感、着想などアニメみたいな感覚で、海外の本格SFに比較して、幼稚な印象の読後感です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一冊に凄い密度の物語が詰め込まれて、非常に楽しめました。 私は普段あまり読書はしませんし、読むとしてもライトノベルばかりで、特に最近の若者の例に漏れずSFは小難しくて忌避していました。 しかし、本書を読んだことでSFにとても興味が湧きました。 あまり難しい設定はなく、そのくせ世界観の奥行きが広く感じられ、一つの作品としてだけではなくSF入門用としても適しているのかなと思いました。 本書の内容に関しては他のレビュアーさんが説明しているので省きますが、上述したとおり密度が濃いです。 おそらくライトノベルでこの物語を展開すれば、十冊分くらいに希釈しても十分通用するだろう内容でした。 決してライトノベルを馬鹿にするつもりはありませんが、やはりライトノベルは“ライト”なノベルなのだと改めて実感しました。 メッセンジャーたちだけでなく、モブキャラ一人一人に個や生を感じられ、独特の哀愁が漂う物語ながらも確かな瑞々しさを感じました。 一度読んだだけではこの物語を十全に味わうことができないため、何度でも読み返したくなります。 他のメッセンジャーたちの物語やオーヴィルの詳細な軌跡を辿った物語も読んでみたい気もしますが、それはそれで無粋な蛇足なのかなとも思ってしまいます。 なにはともあれ、とても良い本に出会えました。 SFを忌避している人やライトノベルばかり読んでいる若者もそうでない人も、一度手に取ってみては如何でしょうか。 きっと後悔はしません。 が、私のように、本書が発売した頃に読みたかったと、そう後悔することにはなるかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
薦められて買ったものの、卑弥呼が出てくるのかーなんか安っぽい?・・・と根拠もない思い込みを持ってて暫く読まずに積んでたのですが、 読みはじめたら嵌って一気に読みました。ラストも良かったので、この作者さんの他の本も纏めて買ってしまいました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!