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新月譚
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新月譚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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読み始めは海の物とも、山の物とも分からずにいたけれど、気が付けば掌に嫌な汗をじっとりとかいている展開に。 | ||||
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あらすじを言えば、自らの見た目に自信のない女性が整形を繰り返す、という非常に単純なプロットであるにもかかわらず、非常に引き込まれました。特にその女性のような思いをしたことも、経験をしたこともないのに、必死な想いに強く感情移入しました。とても男性の著者が書いているとは思えず、何度も女性が書いた本のように錯覚しました。とてもつらい気持ちになりますが、必ずまた読むと思います。絶望的な心情描写が秀逸です。 | ||||
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ここ最近は、少年法に関する書籍を多く読んでいたため、当初この作品は、恋愛モノ(生ぬるい感じ)と捉え、読み始めは後悔しました。 終わりまで終始、女性の感情と生活を淡々と描写される一方で、徐々にヌルヌルっと密かに忍び寄る、何かに、すごく心奪われ、途中からはあっという間に読み進めました。 最後は、せつなすぎる・・・ 勝ち組のはずなのに、悲しい人生。 和子が咲良怜花として、多くを知り、探求し、自己実現したことは、一人の女性としてこれ以上にない「勝ち組」だと思います。 ただ、木之内との関係を見た時、果たしてどうだったのか。 どんどん成長し続け、自分よりも稼ぐ和子に尊敬し、だからこそ、どんな状況下でも関係が続いていったのだと思う一方で、 一番はじめに、木之内が和子に対して強い衝動を覚えたのは、和子の咲良怜花の面ではなく、「うん、うん、」と自分の話を熱心に聞いていた和子本来の姿ではないか。 咲良怜花は、人生を謳歌したと思える。ただ、謳歌する=幸せ にはならないとも、この作品では感じました。 違う作者になりますが、「アルジャーノンに花束を」という作品を読んだときに、頭が良くなかったときの方が実は幸せだったという印象を持ったときと、似た気持ちを持ちました。 そして、さいごには、和子は資金力で、木之内を救った。 だけど、その資金があった故に、自らに、最大の不幸を招いてしまったのかと考えました。幸せになるって、むずかしい。 切なくなったけど、読んでよかったです。 三十代、四十代の女性にぜひ読んでもらいたい一冊です。 | ||||
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整形に走るまでのページはだらだら冗長でしたが 後半から一気に読めました。 | ||||
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男性作家なのに、女性の心の葛藤をよく描いていて 驚きました。長編で読み応えがありますが、 サクサクと読めて、作家にまつわる内容なので 自分自身も何か書いてみたくなりました。 ちょっと悲しい気持ちになりますが、好きな作品です。 | ||||
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ひとりの男に翻弄され、人生を捧げたともいえる生き様。 エピローグ最後の一行で涙が出ました。 幸せな人生だったと思えるように生きて行きたい。 | ||||
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絶筆をした女流作家、何とか新たな作品をと、足繁く作家を訪ねる編集者。 やがて、熱意に絆され語られる絶筆に至る壮絶な理由。 読み応え十分でした、貫井さんやりますのー。 | ||||
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物語の展開や、登場人物達の言い回しは昼ドラみたいなんだけど、作品の根底に流れるものは、もっと泥々した情念に感じた。 木之内の一番でいたいが故に、小説家であり続けようと、自己の枠を破っていく葛藤の描写がすざましい。 560頁の長編だが、読み始めたら作品の熱に呑まれて一気に読める。 | ||||
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人を見る目があり優しいのだが、女関係だけは不誠実なオトコに振り回される主人公の情念の塊を、読者はまず喰らわねばならぬ。人間の嫌な部分ばかりで、大変ストレスを感じた。 そんな前半部分も、どうにもならぬ現実を打ち破るべく、小説を書き殴る主人公の描写に鳥肌を立てる為の必要悪だと言えよう。 。 ある出来事で執着から解放された主人公に読者たるワタクシは安堵し、エピローグへ入る。 大変面白かった本文だが、貫井からのメッセージは結びにあるように感じて本を閉じた。そこでたまたま題目を目にする。 『新月譚』新月(見えないがそこにある月)のはなし……「ほぉ」 | ||||
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咲良玲花という作家の中~後半生の物語が主体となった話しですが、小説家の考え方が垣間見えます。もちろんいろんなタイプの人がいると思うけれども、実際、渇望や衝動で小説を書く人はこんな感じなのかもしれないということが伝わってきました。 咲良玲花の作品の「蒼影」という作品が、「中年女性の何気ない日常」を書いているにもかかわらず、日常の中の怖さが表れている代表作というような説明がされていますが、この新月譚が実際それに近いのかもしれません。何気ない日常、ではなく波乱万丈な咲良玲花の人生ではありますが、ミステリーではなく、心の動きが中心となっている作品です。 序盤、絶筆中の咲良玲花の言葉に「~。目標を失った人の人生は、その時点で終わり。今のわたしは、ただ余生を生きているだけ。いつから余生を送るかは、年齢には関係ないことなの。~」とありますが、的を射た素晴らしい言葉です。実際に若くして余生を送っている人も多くいますし、高齢でも現役の人もいますしね。 とりあえず食べるに困らない。住むところに困らない。という普通の生活を送れている人が大きく飛躍したり、脱皮するには、「渇望」や「衝動」をもたらす強烈な外的要因が必要なのかもしれないと感じた小説です。 咲良玲花という人物の、強烈な外的要因を血肉として太く短い後半生を生きていく姿が心に残りました。 | ||||
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自分の容姿に激しい劣等感を持つ女性が主人公です。 一言でいえば恋愛小説なのかなぁ? 劣等感を抱えて生きてきた彼女をはじめて褒めて、愛してくれた「木之内」という男。 彼女が大人になり、女になり、才能を開花させるのに必要不可欠だった彼女にとっての唯一の存在です。 彼女が整形をしたのも、作家デビューしたのも、すべては木之内のため。 木之内ははたから見れば不誠実でずるい男なんだけど、 彼女には名声や他者の目なんかよりも、この人の言葉だけがすべてだった。 すべては好きな男のため・・・私はそんな生き方もありだと思う。 それによって自分の才能を開花できたんだから、この恋は悲しいだけの恋じゃない。そう思いたい。 でも残念なことに書くことをやめてから今日まで、主人公がどう生きてきたかがまったく描かれていない。 そして、書かなくなった理由にも拍子抜け。 主人公の隠された秘密を期待させるような書き方をしているわりにこの程度の理由とは・・・・。 説明不足な点も多いけど、最後まで一気に読ませる吸引力はある作品だったと思います。 しかし何か大きな秘密があるのではとワクワクして読んだのに、あまりにも陳腐な展開でした。 それに気づくまでは楽しめたので、☆は4つとします。 | ||||
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この話の中の恋愛は世間的にはよくある話である。昼メロと言われてもおかしくない。 低評価とする人がいるのもわかる。しかし私はこの本に衝撃を受け、読む手を止められなかった。 主人公は何度も折れそうになる。恋愛をあきらめ小説を書く以外の平凡な幸せをつかむチャンスもあった。 だが一本筋を通し抜いた。 私は女性の人生は流されやすく、流されるほうが楽なことが多いと感じる。 折れない主人公の姿勢に圧倒され、私には無理な生き方だと思った。 主人公の覚悟は並大抵のものではない。 だからこそ女性にはこの作品は書けないのかもしれない。夢物語に思えるので。 桐野夏生「グロテスク」や山本文緒「恋愛中毒」のような女性作家が書く女性の壮絶な物語とは全く違う。 この本は女性の恋愛小説のようであり、小説家としてのサクセスストーリーのようである。 女は不細工だと損だ、不毛な恋は死ぬほど辛い、しかし主人公は幸せな人生を生きることができた。 なぜならどんな外見であっても自分の存在自体を認めてくれた人間と出会えたからだ。 小説の終盤にある通り、女性としてのすばらしい「長い夢」を見せられた気がする。 | ||||
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かなり衝撃的な本だった。美貌の作家は49歳という若さで筆を折る。彼女の回想という形で展開される物語の中で女性の心理をここまで細かく書ける貫井徳郎氏はすごい。咲良怜花という女性の葛藤と魅力。木之内という絶対に出会いたくない、でも出会ってしまったら、怜花のように生涯、虜になってしまうある意味の魔性の男。怜花が容姿に劣等感を抱き、整形により絶世の美女となる。彼女の容姿によって変わる周りの態度。最後の終わり方も良かったと思う。 | ||||
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貫井徳郎はミステリ作家ですが、今回は新境地の恋愛モノ。本作は上期の直木賞候補作品で結構話題になってましたねー(惜しくも受賞はなりませんでしたが・・・)。 で、内容ですが、ヒット作を連発しながら、8年前、突如絶筆を宣言してしまった美人作家。彼女がなぜ小説を書き、絶筆するに至った過程を語る……そこで明かされたのはある男性との壮絶な恋愛の顛末。。。というものです。 一歩間違えれば恐ろしくつまらない小説になってしまいそうなですが、良い意味で期待は大きく裏切られ、よくぞ、ここまで素晴らしい出来に!と素直に感動しちゃいました。 個人的には波長が合って、感情移入できたんですが、一方、できないと若干ツライ感は否めず、いわゆる読み手を選ぶ小説かもしれませんね。 ただそこは貫井徳郎のスゴイところで、一旦ページをめくりだしたら途中で止めるのが難しくなる程の圧倒的なリーダビリティ。直木賞候補になるだけあって、読み手を飽きさせるようなレベルの低いものではないですね。 ちょっと変わった恋愛モノを読みたい人やいわゆるオトナの人にはオススメです。 また、貫井ファンじゃない人は先入観なしに読めるので、きっと極上の読書体験ができるでしょう! | ||||
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貫井氏の作品は初めて読みました。何人かの方が書いておられるように一気読みでした。 好き嫌いの分かれる作品ではあると思いますが,自分の感情の処し方に悶々としたことが ある方には,共感できる部分が多いのではないかと思います。 女同士のやりとりや,主人公の心理の描き方には,男性がこういう風に表現できるのか! と感心させられました。仲がよいように見えて探り合っている関係や,外見で序列化されてしまう現実 (と思ってしまう人もいるということ)などあるあるとうなずいてしまいます。 恋というものは突き抜けると宗教になるのでしょうか。自信を持てない自分に勇気を与えてくれる ただ1つの存在を失いたくない,認められたいと思う気持ちは,恋愛の域を越えた大きな存在なのだと 思います。そういう感性で生きていった主人公の生き方は,器用ではありませんが応援したくなるものでした。 最後の主人公の様子には納得がいきかねましたが,楽しいひとときを与えてくれる本であることには かわりありません。でも,読者を選ぶだろうなあとは思います。 | ||||
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作家貫井徳郎にこんな引き出しもあったのかと思えた作品。 かなりののボリュームがあるが、一気読みだった。それほど、というよりまったく起伏に富んだ話ではないのだが、とにかくリーダビリティの高さは半端ではない。ただ人によって好き嫌いはあろうと思うし、冷静に考えるとちょっと安易さが目立つ部分も何箇所かあったりしたので、満点の出来とまでは行かなかった。 ところで、本作品の執筆期間は作者の奥方が大病を得て、闘病中だった期間と完全に重なっているのはちょっとした驚きであった。 読んでみるととわかると思うが、そういった事情がなければ、身内からの助力とアドバイスをいろいろと受けながら書かれた作品と思ったに違いない。 ところがもし実際にそうなっていたとすれば、この作品自体まったくの別物になっていたかもしれない。 事情をわかって読むと、いかにも男の視点で書かれたストーリーだということがよく分かる。 先に上梓された奥方の闘病記を読む限り、快方に向かわれているようであるが、今後も夫婦揃って良い作品を生み出していって欲しいものである。 | ||||
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「誰かが暗い話を書かなければならないなら私がその義務を負おう。 人に好かれなくても私にしか書けない小説を生み出す意義はある」(文中より) とっかかりはやはり「慟哭」からだったが貫井徳郎氏の本は多分全部読んでる。 以前はトリックに懲りすぎて空回りしたり似合いもせぬ軽いタッチに挑戦して 全く面白くなくなった時期もあり,試行錯誤に付き合うのも疲れたりしたが,ここ数年肝が据わったように人間の暗い情念に真っ向から向き合うような作品を書き続けてくれている。 そう,まるでこの作品の主人公である女流作家のようにだ。 今はどうかドラマ化前提みたいな物語を意図して書く様な流行作家にはならんでくれ,と毎回祈りながら読んでる。 作家には作品が外向きになってゆくタイプと内向きになるタイプがいるが貫井氏は絶対内向きの方が面白い。どうか「空白の叫び」や「乱反射」「後悔と真実の色」みたいな尖って読み手を選ぶ作品,いやそれをも凌駕するさらなるダークな貫井ワールドを堪能したい。 本作は題材を知ってまた試行錯誤かと非常に不安になったのだが,新たな地平に立った傑作と言って間違いないだろう。ジャンルで言えば「恋愛もの」なのだろうが 「女を描く」のはヘタなんだなと思ったので恋する女心の表現の巧みさにビックリ。作者が貫井氏と知らず読んだら山本文緒や桐野夏生あたりを継ぐキッツイ恋愛を描く作家の登場かとだと思ったかも。 女流作家である主人公が描く小説の変化は貫井氏自身の紆余曲折をシンプルにした感があって非常に微笑ましい。(氏はもっと紆余曲折してる) ならば主人公が作品に向かう姿勢が貫井氏そのものであって欲しい。 本作は直木賞受賞に異論なく客観的にみて文章の力から見ても氏の最高傑作かも知れないが,いささか貫井作品としては綺麗過ぎる節がある。 この作品も好き嫌いが分かれるだろうがもっと絶賛派と否定派に分かれる強烈な作品が貫井氏の代表作になって欲しいものだ。 暗い情念で読み手が心を抉ってグチャグチャにされる作品をモノに出来るのは 今の作家では貫井氏しかいないと私は確信してる。 次作ではどんなのが出てくるのか…。早めに新作お願いします。 | ||||
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人気作家・咲良怜花が絶筆してから数年後、彼女の知られざる生涯が描かれた恋愛小説。 550ページ超の長編作だが、飽きることなく最後まで一気に読んだ。咲良怜花の一人の男に対する揺るぎない激しく熱い想いが伝わってきた。 どれだけ男から不誠実な扱いを受けても、彼を嫌いにならず、それを原動力に変えていく生きかたは、一人の男を一生涯愛し続けたといってもよいと思う。 男の女性を褒め称える人柄や不誠実さ、潔さもうまく描かれていたが、なにより咲良怜花の生きかたが印象に残る恋愛小説だった。 | ||||
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貫井徳郎の小説なんだから当然のごとくミステリーと思い込んで読み始め。 美人作家の絶筆の裏にはきっと途方も無い事件が隠されているのだろうと興味津々。 ところが一向に事件が起きない。何度も「そろそろかな?」という場面に差し掛かるが、それでも事件は起きない。 そして、この小説がミステリーではないと気付いたのは終盤も終盤(苦笑)。 しかし、事件が起きないのに全く退屈することなく最後までハイペースで読ませてもらった。 私は基本的に恋愛小説が好きな人間ではない。今まで恋愛小説を読んで面白いと感じたことは無かった人間だ。 だが「新月譚」は本当に面白かった。恋愛小説を読んで初めて面白いと感じた作品だ。 ちなみに主人公に感情移入できたわけでもないし、主人公の愛した男にも何の魅力も感じない。それどころかその男に対しては、その適当な生き方に呆れる部分の方が強いくらいだ。 なぜこれほどまでに自分を魅了したのか?きっと貫井徳郎の読ませる力の賜物だろう。 | ||||
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純粋なものほど、周りに与える影響は大きい。 どうしても女性は、純粋に見える悪?に心を引かれる動物という気がする。 人の人生は小説のように展開しないように一見思えるが、事実として小説以上の人生を送らなければならない人もいる。 そこに小説のような結があるかどうかは別にして。 個人的には、最後の部分が星一つ減らした理由 | ||||
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