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新月譚
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新月譚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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かなり衝撃的な本だった。美貌の作家は49歳という若さで筆を折る。彼女の回想という形で展開される物語の中で女性の心理をここまで細かく書ける貫井徳郎氏はすごい。咲良怜花という女性の葛藤と魅力。木之内という絶対に出会いたくない、でも出会ってしまったら、怜花のように生涯、虜になってしまうある意味の魔性の男。怜花が容姿に劣等感を抱き、整形により絶世の美女となる。彼女の容姿によって変わる周りの態度。最後の終わり方も良かったと思う。 | ||||
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タイトルとレビューと出版社に惹かれて読み初めました。半分すぎからあまりの退屈さに我慢して読み続けました。それにこんな退屈な小説にどんな結末があるのだろうかとも思いました。結果はやはり皆さんの書いてあるとおりです。お金が勿体ないと思いました。凄絶な恋愛の顛末ですか?ちょっと言い過ぎですか? | ||||
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読み終えて、深い失望の淵に沈んでいます。 かつて貫井さんの作品に驚嘆したレビュー子としては、 悲しくてなりません。 要するに全く面白くないのです。 ヒロインにも、彼女の人生に大きな影響を与え続ける男性にも、 まるで現実味がない上に、およそ人間的な魅力がありません。 共感も感情移入もできません。 その上、脇役の登場人物が型通りの人間ばかり。 ストーリーも既視感があり安っぽい。 男女関係をめぐる女性作家の心理を延々とと書き連ねていますが、 現実感のないヒロインと相方、定型的な脇役という人物構成と相まって、 他のレビュアーの方が書いておられるように、まさに「昼メロ」程度のレベルです。 「次はどうなるのだろう」というハラハラ感、 「一体どういうこと?真相を知りたい!」という期待感、 「そういうことか!」という驚嘆、 「うまいなあ」という、構成や仕掛け、対象の切り取り方や描き方の上手さへの賞賛、 そういった優れた小説を読む楽しさに繋がる要素が、この作品からは全く感じられません。 この作品は推理小説ではありませんし、作者も推理小説として書いたのではないでしょう。 それでも、少なくともエンターテイメントであるならば、 上記のような要素のどれかが含まれているべきでしょう。 何か大きな仕掛けがあるのかと思って最後まで期待して読みましたが、 何もないまま終わってしまいました。 最後にとってつけたように「実は…」という小さな要素が開示されますが、 ほとんどの読者が想像するであろう内容どおりのオチなので、 失笑を禁じ得ません。 これで直木賞候補というのは、 作品の内容に引っ掛けた悪い冗談だったのではないかと思う程です。 深い深い失望感を与える小説です。 | ||||
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絶筆した小説家が衝撃の恋愛経験を語り始める といった紹介だったので、どんな恋愛かと期待して読みましたが、私には衝撃のというほどにはは思えず、正直なところがっかりしました。 また、小説家が完璧なまでのすばらしい作品を書いていたということについても、なぜそこまでのものが書けたのかについて、いまひとつ納得性のある説明がなかったと思います。 恋愛中の描写についても、同じような描写が続き、ちょっと退屈な感じがしました。 | ||||
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貫井徳郎はミステリ作家ですが、今回は新境地の恋愛モノ。本作は上期の直木賞候補作品で結構話題になってましたねー(惜しくも受賞はなりませんでしたが・・・)。 で、内容ですが、ヒット作を連発しながら、8年前、突如絶筆を宣言してしまった美人作家。彼女がなぜ小説を書き、絶筆するに至った過程を語る……そこで明かされたのはある男性との壮絶な恋愛の顛末。。。というものです。 一歩間違えれば恐ろしくつまらない小説になってしまいそうなですが、良い意味で期待は大きく裏切られ、よくぞ、ここまで素晴らしい出来に!と素直に感動しちゃいました。 個人的には波長が合って、感情移入できたんですが、一方、できないと若干ツライ感は否めず、いわゆる読み手を選ぶ小説かもしれませんね。 ただそこは貫井徳郎のスゴイところで、一旦ページをめくりだしたら途中で止めるのが難しくなる程の圧倒的なリーダビリティ。直木賞候補になるだけあって、読み手を飽きさせるようなレベルの低いものではないですね。 ちょっと変わった恋愛モノを読みたい人やいわゆるオトナの人にはオススメです。 また、貫井ファンじゃない人は先入観なしに読めるので、きっと極上の読書体験ができるでしょう! | ||||
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貫井氏の作品は初めて読みました。何人かの方が書いておられるように一気読みでした。 好き嫌いの分かれる作品ではあると思いますが,自分の感情の処し方に悶々としたことが ある方には,共感できる部分が多いのではないかと思います。 女同士のやりとりや,主人公の心理の描き方には,男性がこういう風に表現できるのか! と感心させられました。仲がよいように見えて探り合っている関係や,外見で序列化されてしまう現実 (と思ってしまう人もいるということ)などあるあるとうなずいてしまいます。 恋というものは突き抜けると宗教になるのでしょうか。自信を持てない自分に勇気を与えてくれる ただ1つの存在を失いたくない,認められたいと思う気持ちは,恋愛の域を越えた大きな存在なのだと 思います。そういう感性で生きていった主人公の生き方は,器用ではありませんが応援したくなるものでした。 最後の主人公の様子には納得がいきかねましたが,楽しいひとときを与えてくれる本であることには かわりありません。でも,読者を選ぶだろうなあとは思います。 | ||||
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貫井さんの作品は読後感がどっしり、重く嫌な気持ちになるものが多いですが いつも何故か最後まで読まされてしまいます。 これも休日に一気読みしました。 読みだしは結構期待したけど、すぐに作家の話に移ってしまってちょっと残念。 ミステリでもないし、でも恋愛小説って言ってもよいのかどうか。 そして、その作家の話は平凡でありがちなストーリーだけど、でもなんか気になる。 一番好きなところは編集者の横山とのとこ。 どうせなら、木ノ内を切り捨てて横山と新しい道を進んで欲しかったなと。 私が女だからかもしれないけど、感情移入してしまいました。 落ちもなく、筆を折った理由も大したものじゃなかった。 けど、すごくよく書けているなと思いました。 すぐにじゃないけど、またしばらくしたら読みたくなるような気がします。 ☆3.8です。 | ||||
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下回る作品でした。 本の紹介で、この絶筆した女流作家の秘密を期待させる書き方をしていたのに魅かれて、謎を知りたく読みましたが・・・ え、これのどこが衝撃?と首を傾げたくなるある意味謎な展開でした(笑) セリフも含めて、ちょっと昭和テイストのよろめき(!)ドラマ風というか、団塊の世代の男性達に人気のありそうなストーリーなのかなぁと・・ 私には合わなかったようです。 | ||||
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作家貫井徳郎にこんな引き出しもあったのかと思えた作品。 かなりののボリュームがあるが、一気読みだった。それほど、というよりまったく起伏に富んだ話ではないのだが、とにかくリーダビリティの高さは半端ではない。ただ人によって好き嫌いはあろうと思うし、冷静に考えるとちょっと安易さが目立つ部分も何箇所かあったりしたので、満点の出来とまでは行かなかった。 ところで、本作品の執筆期間は作者の奥方が大病を得て、闘病中だった期間と完全に重なっているのはちょっとした驚きであった。 読んでみるととわかると思うが、そういった事情がなければ、身内からの助力とアドバイスをいろいろと受けながら書かれた作品と思ったに違いない。 ところがもし実際にそうなっていたとすれば、この作品自体まったくの別物になっていたかもしれない。 事情をわかって読むと、いかにも男の視点で書かれたストーリーだということがよく分かる。 先に上梓された奥方の闘病記を読む限り、快方に向かわれているようであるが、今後も夫婦揃って良い作品を生み出していって欲しいものである。 | ||||
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「誰かが暗い話を書かなければならないなら私がその義務を負おう。 人に好かれなくても私にしか書けない小説を生み出す意義はある」(文中より) とっかかりはやはり「慟哭」からだったが貫井徳郎氏の本は多分全部読んでる。 以前はトリックに懲りすぎて空回りしたり似合いもせぬ軽いタッチに挑戦して 全く面白くなくなった時期もあり,試行錯誤に付き合うのも疲れたりしたが,ここ数年肝が据わったように人間の暗い情念に真っ向から向き合うような作品を書き続けてくれている。 そう,まるでこの作品の主人公である女流作家のようにだ。 今はどうかドラマ化前提みたいな物語を意図して書く様な流行作家にはならんでくれ,と毎回祈りながら読んでる。 作家には作品が外向きになってゆくタイプと内向きになるタイプがいるが貫井氏は絶対内向きの方が面白い。どうか「空白の叫び」や「乱反射」「後悔と真実の色」みたいな尖って読み手を選ぶ作品,いやそれをも凌駕するさらなるダークな貫井ワールドを堪能したい。 本作は題材を知ってまた試行錯誤かと非常に不安になったのだが,新たな地平に立った傑作と言って間違いないだろう。ジャンルで言えば「恋愛もの」なのだろうが 「女を描く」のはヘタなんだなと思ったので恋する女心の表現の巧みさにビックリ。作者が貫井氏と知らず読んだら山本文緒や桐野夏生あたりを継ぐキッツイ恋愛を描く作家の登場かとだと思ったかも。 女流作家である主人公が描く小説の変化は貫井氏自身の紆余曲折をシンプルにした感があって非常に微笑ましい。(氏はもっと紆余曲折してる) ならば主人公が作品に向かう姿勢が貫井氏そのものであって欲しい。 本作は直木賞受賞に異論なく客観的にみて文章の力から見ても氏の最高傑作かも知れないが,いささか貫井作品としては綺麗過ぎる節がある。 この作品も好き嫌いが分かれるだろうがもっと絶賛派と否定派に分かれる強烈な作品が貫井氏の代表作になって欲しいものだ。 暗い情念で読み手が心を抉ってグチャグチャにされる作品をモノに出来るのは 今の作家では貫井氏しかいないと私は確信してる。 次作ではどんなのが出てくるのか…。早めに新作お願いします。 | ||||
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人気作家・咲良怜花が絶筆してから数年後、彼女の知られざる生涯が描かれた恋愛小説。 550ページ超の長編作だが、飽きることなく最後まで一気に読んだ。咲良怜花の一人の男に対する揺るぎない激しく熱い想いが伝わってきた。 どれだけ男から不誠実な扱いを受けても、彼を嫌いにならず、それを原動力に変えていく生きかたは、一人の男を一生涯愛し続けたといってもよいと思う。 男の女性を褒め称える人柄や不誠実さ、潔さもうまく描かれていたが、なにより咲良怜花の生きかたが印象に残る恋愛小説だった。 | ||||
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昔は貫井さんの小説は楽しみにしていました。最近めちゃくちゃですね。ミステリーとしては、期待していませんでしたが、凡庸なストーリーと魅力ない登場人物ではラブストーリーとしても、大変古くさい。 ご本人が自信満々なのが寂しいですね。 余談ですが、戸梶圭太さんの あの橋の向こうには 恋愛小説 として秀逸ですよ。是非こちらを(笑) | ||||
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レビューの絶賛ぶりにつられて購入しました 一応読み切りましたが・・・ガッカリです 何と言うか、全体的に安っぽいんです 主人公の和子(怜花)は作家として成功、名だたる賞を次々と受賞しながらも突然断筆をしている女性です その半生が語られるんですが、正直そこまでの作家に感じられなくって、全然リアリティが無いです たとえるならば昼ドラだったらありそうかな、みたいな・・・設定と言い展開と言い、昼ドラっぽいんですよね(親友に彼氏を寝とられて仕返しとか、美への執着のあまりに整形手術とか美しくなった挙句に疎まれるとか。。。) 一人の男のために顔を変え、苦しみながらも作家として上り詰めるまでの女なのに、読んでいて何も迫ってくるモノが無かったです 文藝春秋って貫井さん推しなのかしら?とか思いますが、直木賞は獲れない気がします 「乱反射」の冗長さ・説教臭さにもうんざりしたし、もう私は定価で買わない方が良さそうです・・・低評価すみません | ||||
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貫井徳郎の小説なんだから当然のごとくミステリーと思い込んで読み始め。 美人作家の絶筆の裏にはきっと途方も無い事件が隠されているのだろうと興味津々。 ところが一向に事件が起きない。何度も「そろそろかな?」という場面に差し掛かるが、それでも事件は起きない。 そして、この小説がミステリーではないと気付いたのは終盤も終盤(苦笑)。 しかし、事件が起きないのに全く退屈することなく最後までハイペースで読ませてもらった。 私は基本的に恋愛小説が好きな人間ではない。今まで恋愛小説を読んで面白いと感じたことは無かった人間だ。 だが「新月譚」は本当に面白かった。恋愛小説を読んで初めて面白いと感じた作品だ。 ちなみに主人公に感情移入できたわけでもないし、主人公の愛した男にも何の魅力も感じない。それどころかその男に対しては、その適当な生き方に呆れる部分の方が強いくらいだ。 なぜこれほどまでに自分を魅了したのか?きっと貫井徳郎の読ませる力の賜物だろう。 | ||||
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まず、☆5個、4個のオンパレードにビックリ。 みなさん何を評価しているんですか。 ミステリじゃないとのことで、それはまあ覚悟(?)して読みました。 それでも、何か怖いことが起こるのではないか、心理的な恐怖を描くのではないか、 そんな淡い期待を持って読み進めました。 しかし最後まで全くなし。 ミステリではないとわかっていながら、それを期待するのもおかしな話かもしれませんが、 それすら無いのであれば、この本のどこを評価すればいいのか全くわからない。 絶筆した小説家の独白を物語として話は進んでいくが、 例えば「凄い小説を書いた」 これで賞を獲ったと言われて読者はどう消化すればいいのか。 恋をした、浮気をされた、抱かれた、別れた、ただその繰り返しを延々と語られる物語にどう感情移入すれと言うのか。 こんなんで直木賞云々とは、笑ってしまいますよ貫井さん。 まずは最近とんと佳作に巡り会っていないミステリに力を入れた方がいいんじゃないですか、貫井さん。 | ||||
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純粋なものほど、周りに与える影響は大きい。 どうしても女性は、純粋に見える悪?に心を引かれる動物という気がする。 人の人生は小説のように展開しないように一見思えるが、事実として小説以上の人生を送らなければならない人もいる。 そこに小説のような結があるかどうかは別にして。 個人的には、最後の部分が星一つ減らした理由 | ||||
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この小説が刊行され、本の帯に「絶筆した美人作家が隠し通した半生とは?」と言う一文を読み、私の中には大きな期待と早く読みたいと言う欲求が入り交じりながら、この本の中に没入していった。読後、この本は私の期待と私の内なる欲求を見事に満たしくれた。最近読破した中では、ベスト3に入る秀作だと言える。 この著者、貫井徳郎氏の著書は、昨年「灰色の虹」を読んだきりだが、この「新月譚」は、派手トリックを伴うミステリーではなく、人物描写に重点を置く、本格小説という点だ。プロローグを読み始めて、この小説に引き込まれていった。主人公の21歳の女性の描き方が自然で、ある男性との出会いからこの物語が始まる。特にこの主人公が、その男性との恋愛の葛藤の中で、女性特有の『美』への探求を求めていく描写は、百田尚樹氏の「モンスター」を彷彿させられた。特に良かったことは、主人公が、小説を書くに至る動機、葛藤、悩み等々を経ながら、一つの小説を書き上げる過程も私には大変興味があったので、面白かった。また、文壇の諸事情及び編集者との会話、交流等も現実味があって良かった。 エピローグは意外・驚きの面も含まれ、綺麗な終わりを迎えていると思う。読後感が美しい小説だと思う。読破後、インターネットにて貫井氏のインタビューを見る限りでは、この作品を通しての私の思うところと、著者のそれとは殆ど差異がない、と言う事が理解出来た。インタービューの中の著者は、誠実そうで、好感の持てる方のようにお見受けした。この著者の今後の作品が楽しみである。しかも、長編ものを期待したい。 | ||||
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貫井氏の新作。新手のミステリかとおもったら、純恋愛もの。しかも主人公は女性作家でその半生記がテーマ。美貌の50代の人気女性作家が49歳という中途半端な年齢で急に絶筆隠遁。 その理由を若手の編集者が本人にききにいくところから話が始まる。めぐるめく美人作家の半生が語られる。 男性が書いたと信じられないくらい・・女の生き方を見せつけられた。ミステリの手法を使った女性作家の半生記というべきか、純愛談というべきか、とにかく凄い作品! | ||||
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本屋で見かけてタイトルが気になり読みました。 賞も取ってベストセラーを連発していたような女性作家が突然引退してしまったのはある男性との恋愛が原因だったらしく、何が起こったのかを引退後の女性作家本人が告白する内容のストーリーです。(ざっくり過ぎですが) 冒頭で女性作家の作風がある時点からがらりと変わったことに触れています。 それから、ごく普通の若いOLだった女性作家が、コンプレックスやある男性とのゆがんだ恋愛を通して屈辱を感じるたびに、心にどす黒いものを溜めていく様子が書かれています。 それが作家になるきっかけにもなるのですが、屈辱の度合いが酷くなるごとに逆にそれをエネルギーにして作家として成長していき、ついに爆発するような形で作風が別人のように変わり傑作を生み出すまでの過程がゾクゾクして、読むのを止められませんでした。 個人的には引退してしまった理由がちょっと納得いかなかったのですが、作家さんと編集者さんとのやり取りを覗き見した気分になったり、あの爽やかで素敵に書かれていた男性作家さんはあの人がモデルでは?と想像したり、本筋以外でも楽しめた本でした。 私は昔「慟哭」を読んで自分にはちょっと合わないかなと思ったのですが、「愚行録」はかなりおもしろかったタイプです。2冊しか読んでいないのですが、「愚行録」が好きな方はきっと「新月譚」もおもしろいのではと思います。逆に「新月譚」を読んでおもしろかった方で「愚行録」がまだの方には、ぜひ「愚行録」もお勧めしたいです。 | ||||
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一歩間違えれば俗っぽく下品になってしまいそうな物語を、よくぞここまで情念の籠もった美しい物語に昇華させたものだと思います。社会派ミステリーの名手として知られ、毎回重いテーマを読者につきつけてくる著者ですが、本作は問答無用の純然たる恋愛小説。500ページを超える長編ですが、一旦ページをめくりだしたら途中で止めるのが難しくなる程の圧倒的なリーダビリティは今までの作品の中でも最高の部類に入るのではないでしょうか。全編にわたりほぼ文句の付けようがないのですが、唯一、木之内と最初に結婚した女性との離婚の顛末と、その女性のその後がもう少し詳細に語られたらよかったのではないかと思いました(ここはてっきり、後半の伏線にでもなっているのかと思ってしまいましたので・・・)でも、それはほんのわずかな瑕疵。星5つは揺るぎません。 本作で直木賞を受賞してもらいたいですね。これだけの面白くて、充実した読後感を味わえる小説、そうは無いように思えます。 | ||||
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