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旅のラゴス
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旅のラゴスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全193件 161~180 9/10ページ
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筒井康隆の作品としては、少し雑味が薄く淡白な味わいがありますが、連作形式をうまく活かした佳作です。 スカシウマとの心の交流や、奴隷として過ごす辺りも大好きで、なかでも人々の未来の幸せを考え、苦労して得た知識を封印するところなんぞ、素敵です。 | ||||
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1986年に書かれた作品である。はじめ徳間書店から出版されたようだが、後に新潮社の出版となった模様。 私の中で筒井氏といえばギャグ、ウィット、あるいは諧謔といったイメージが強い。ところがところがである。本書において主人公ラゴスは常識を大切にする極めつけの善人だ。他に対する攻撃性や棘など持ち合わせず、紳士として振る舞う真っ当な男。ややリリシズム過剰なところが格好良く、そこがまた女心をくすぐる、そんな男の一生をかけた旅を描いた物語なのだ。筒井版「西遊記」とでも申しましょうか…… 筒井氏お得意のギャグ、ウィット、あるいは諧謔とはほど遠い小説であるが、これがまた素晴らしい物語です。。こんなロマンチックな小説も書かれるのですね、筒井先生。改めてスゴイ方なのだなぁと山より高く尊敬します。そしてこのSFファンタジーを海より深くしみじみと味わわせていただきました。 | ||||
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ラゴスの洞察力や考えが 鮮明に描かれています。 あえて言えば良くも悪くも男性向けでしょうか。 小説としては本当に面白い作品で どんどん読み進めることができました。 好みはありますがお勧めできる作品です。 | ||||
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筒井氏の小説はなかなか荒唐無稽な描写が多いが(貶しているわけではない。そこがとても好き)、この『旅のラゴス』は他の作品と違い王道のファンタジーという印象を受けた。 では筒井氏らしくないのでつまらないのか?と思われるかもしれないが、そんなことはない。とても素晴らしい。読み始めたら最後まで一気に読み終えてしまった。非常にもったいないことをしてしまった。 小説を読み終えて、見届けたという気持ちになったのはこの作品が初めてだった。 最後に現れた人物は、もしかしたら読者自身なのではないかな。 是非、多くの人に読んでほしい。 | ||||
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筒井作品は、凡その作品を文庫で回顧的に楽しみました。 それは、エロティック街道に至り新作に追いついたのですが、それ以降の作品からは、何故か疎遠になっていました。 当サイトの評価にも見られるように、本作は、その後の作家の躍進を示す重要な作品と見ることが出来ます。 今一度、遠い記憶に照らしてエロティック街道に於いてその印象に特筆出来るのは、作品世界の成熟でしょうか。 これをある種の老成、衰えなどと、自分も若かった当時の浅薄な感慨に催したものか、以降の作品を手にすることは、 ありませんでした。何気なく本作のレヴューに惹かれて本作を読むまで、実に長いブランクを経ました。 著者の妙譚、枚挙には遑もないのですが、SFを主調とする構成は、各々よく巧みを凝らして笑わせ、驚異に漂わせ、 読後にきっちりと感傷を与えつつ、この現実へとつき帰してくれるものです。 そうしてそれ以上、経巡る(経捲る)ページのないのが、そのお話の終わりという訳です。 秀れた作には、凡そそんな言い知れぬ読後感がありますが、この作品にはそれも顕著です。 本作も古い作品なのですが、他のレヴューにもあるように、筒井作品の到達点のひとつと感じます。 ピュアなサイエンスファンタジーは、社会風刺物に並ぶ、もう一方の筒井作品の魅力です。 それは、著者の時空間感覚(SF作家必須の才)の優れた一面に加えて、その歴史観に帰する成果と言えます。 巻末解説には、人生は帰還である云々の評があります。肯ける一文です。作家は、よく初作に帰ると言いますが、 筒井氏の場合は、どれに当たるものか私には定かではありませんが、未だ旺盛な氏の作意と執筆には、 更なる距離の行こうことを期待しています。SFの真髄とは、あらゆる時空、人の生/死、その可能/不可能性を 超える想像力です。無限や超越性、或いは日常に向ける愛情ともそれは言えます。 青春の座右を懐かしみつつ、近作もまた手にしたいと思います。 | ||||
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旅先で一気に読了しました。 冒険小説、探検小説、恋愛小説の全ての因子がうまく盛り込まれていて筆力に感服しました。ただ、時代設定や話しの展開が、サルの惑星やジュール ヴェルヌの探検物と自分の中では結びついてしまい、それでデジャブー感を感じ、独創性が減じてしまったのが最高評価としなかった理由です。素晴らしいエンターテイメントで久々の痛快小説であることは間違いありません。宮崎アニメで画像化したら素晴らしいのではないでしょうか。 期待しています。 | ||||
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知識を求め旅をする男を描いた、ラゴス伝とも言える作品。 唐突に始まり唐突に終わる印象ですが、それは連載作品だったからでしょうか。そんなことをはじめに思ったことを覚えています。 読み終えてみると、そんなつまらない考えは頭の片隅にもありませんでした。 自分の知識欲を満たすための旅であると同時に、それを纏め上げ、経験とともに後世に伝える使命を帯びた旅は それでも、彼にとってすばらしく輝いていた時間であったと思います。 時には遊牧民の暮らしに身を置き、時には賊に追われ、年月を忘れ本を読み漁り、そして心を通わせた女性を思い、彼女を求め全てを投げ打って世界の果てへ旅をする。その様子を見ていくうちに、彼とリンクするように私の好奇心が刺激され、もっとこの世界を知りたいとページを捲る手が止まりませんでした。 最後は人外魔境へ踏み入る彼の背中で(小説として)幕を閉じる事になりますが、私にはその小さくなっていく背中を見てなお、彼はこの先も旅を続けているのだと確信しています。 書かれていないから存在しないなんていうのはナンセンス。 彼はこの小説が執筆される前から旅を続け、どこかでのたれ死ぬまで終わらないのでしょう。 | ||||
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この作品は私の読書人生でも1.2を争うほどの傑作である。 読書後の余韻でしばらくは他の本を読もうとは思わない。人生の教科書である。 | ||||
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ここには、どこまでも、自分の人生を生きていく人間の姿があります。 多くの出会いと別れを経ながら、旅を続けるラゴスの姿に、なぜか泣けてしまいました。 | ||||
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一遍一遍が長編小説になっていいんじゃないかと思うくらい濃密です。 人間一人の長く短い人生がこれには詰まっています。 この厚さでこれだけ感銘を受けた小説は数えるほどしかありません。 筒井康隆さんの偉大さが身にしみるようでした。 おすすめです。 | ||||
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面白くて、通勤電車の中や昼休みなどに、寸分を惜しむようにして、一気に読んでしまった。 読後、しばらくたって、ふとこの本のことを思い出した。自分はこの本を読んでいる間、自宅(新宿区)と職場(港区)の間を往復していただけなのだけれど、なんだか長い間とても遠くに旅をしていたような不思議な感覚がした。 | ||||
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遥か昔に、異星(恐らく火星)から高度な文明を持ってやって来た祖先が、時が経つに連れ文明を失う代償として、人類が転移、予知などの特殊能力を身に付けた時代を背景に、ひたすら旅を続ける「ラゴス」の姿を描いた作品。「ラゴス」がナイジェリアにあるアフリカ第二の都市名である事と、乾いた文体から舞台はアフリカ北西部と想像される。 ラゴスの旅の一応の目的は、祖先が降り立ったという"キチ"という南の村で祖先が残した書籍を読む事である。"キチ"は宇宙"基地"の意であろう。しかし、キチに辿り付くまでの過程を読むと、旅そのものが宿命とも言える。壁抜け芸人の悲哀。怪鳥と大蛇の町。ラゴスを愛する女達との非情とも言える別れ。銀山での奴隷生活。全ての人に愛着を持たれながらも、ラゴスは南を目指すのである。そして愛馬スカシウマとの友愛は詩情さえ感じさせる。元々北の都市部で教育を受けたラゴスが書籍で得た高度な知識を活かす事によって、キチの村は栄え王国になるが、ラゴスは現代人がその高度な知識を用いる事の危険性を感じる。逆進化論者の筒井としては格好の題材の筈だが、物語はあくまで静かに進行する。そしてラゴスはキチを去り、また旅に出る...。 出逢いと別離、そして再会。略奪賊と友好的村人。現実と甘酸っぱい回顧。旅の最中でのこうした感情・状況が構成力豊かに描かれる。特に、スカシウマとラゴスが同化して谷を飛ぶシーンは美しく、ここで終っても良かった。故郷に戻ったラゴスはダ・ヴィンチよろしく万能学者として活躍するが、時代のレベルを忘れない。技術先行の現代への警鐘と言える。「人生そのものが旅である」。"氷の女王"を目指して、ラゴスはまた旅に出る...。詩情とロマンに溢れた秀作。 | ||||
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大崎梢の「平台がおまちかね」で、「出版社営業マンが選ぶ10冊の文庫」に入っていたので久しぶりに手にした筒井康隆。 筒井康隆は昔、何冊も読んでいたが、こんな作風があったとは。 前半、時間の関係で途切れ途切れに読んだせいで、若干入り込めなかった。後半は一気読みしたので、ぐんぐん引き込まれた。ううむ、最初から腰を据えて読むべきだった。 ここでの皆さんのレビューを読んで大後悔。 次回は初めから一気読みしようと思う。 SFの要素をふんだんにちりばめつつ、壮大なファンタジーと、そして旅とは何か、人生とは何かを考えさせられる作品だった。 知性にあふれ、モラルもあり、醜い欲も無く、 いつも旅を求めて遠くを見ている、かっこよすぎるぞ、ラゴス。 きっとラゴスは今も終わり無き旅を続けているのだろう。 | ||||
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とてもきれいなお話。1年に1回は読みたくなります。読み終わった後、さわやかな気分になりたい人にお勧め。 | ||||
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一人の男の壮大な旅を描いた物語。 あるいは題名に則せば、旅をするラゴスを描いた作品と言ったほうが適切かもしれません。 世界観、人物、展開どれをとっても秀逸で、ラゴスの生き様に瞬く間に引き込まれていきました。 読後に「読んでよかったなぁ」と思える数少ない作品の一つです。 SF的な設定は簡潔であるため、SFに抵抗がある方や、SF初心者の方にもおすすめできる作品です。 | ||||
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世界1000万部の大ベストセラーといわれるパウロ・コエーリョの『アルケミスト』と似たような不思議な雰囲気を漂わせた名作。 どちらも主人公が愛する人を心残りに思いながらも旅をし続けて歳を重ねていくという点で非常に似通っているのだが、 『アルケミスト』がやや宗教的というかスピリチュアル的な要素が強いためやや説教じみた部分を感じるのに対して 『旅のラゴス』はややSF的であるが癖がなく読みやすい。 そして人生についてより深く考えさせられるのも『旅のラゴス』の方である。 ただ、もしご興味があれば『アルケミスト』と読み比べてみると面白いと思う。 | ||||
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「人生そのものが旅である」と書かれた文章に触れたりする事がある。 非常に漠然と抽象的なコピーだからいまいちイメージがつきにくい。 まだ年端も行かない子供に、若者に、そしてある程度人生を送ってきた年配者に、 具体的に人生とはどういったものかというヒントを与えてくれる1冊 と言っても良いのが本作である。 この作品を読了した最初の感想は「この作品が日本人作家によって 日本語で書かれたこと自体が奇跡である。」というものであった。 本作の性質から言って筒井の数多ある作品の中でも異彩を放っている点 については異論を挟まないであろう。 本作はSFファンタジーの世界を舞台にしているが ようは一人の男の青年時代から老年時代までの時間を それぞれ印象に残るエピソードを交えながら 淡々と冷静に書き連ねていく人生物語である。 頻繁ではないかもしれない。 しかし年に一度は手にとって読みたくなるような1冊。 「傑作」と言う意味を知りたければ本作を読めば分かるであろう。 | ||||
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久しぶりに,かなりよいと思える小説に出会った。筒井作品の中では異色と言われているが,全然よいと思う。地球によく似た,しかし異なる世界(時間的にはだいぶ未来だろう)を旅する主人公ラゴス。彼の求める「何か」を通して,他者との関わりと愛情,知識と実践,実社会から一歩引いたところにある内的な人生観に関する,著者の考察と思考実験が綴られてゆく。この小説は,一種のシミュレーションとも取ることができそうだ。ラストに「旅の答え」がはっきりと提示されるわけではないが,そのような終わり方をするのがもっとも効果的な物語の1つだと思った。 | ||||
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最高に面白かったです。旅先での出会い、別れ。そしてまた旅。読み終わった後、とても心地がよかったです。 私はザムラの話、ポロ村での話が一番好きです。 | ||||
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異世界の話、と聞くと「ファンタジーかよ、こどもっぺぇな」となりがちな私が「おお、すげぇ」と思った作品。 筒井氏の作品の中では異色な存在らしいが、それが少し残念だ。しかし、何作も続けて書いたとして大人を満足させられる質を維持できるようなジャンルでもないので、しかたないとも思う。 超能力だとか滅亡した高度文明だとか、いかにもな設定を設けながらも読ませるのは、そこに大人の思考や観察があるからだろう。馬鹿馬鹿しい話だと感じたページはなかった。 主人公がいとも簡単に年を重ねてしまうのが、切ない。一番の印象はこれ。 | ||||
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