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虚構船団
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虚構船団の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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ホチキスの「コココ」しか印象に残ってなかったので、いつか読み直そう・・・で読み直し。 【一章】 ほぼ全員気が狂ってる登場人物の紹介に、ほとんどのページを費やしている。 多い上に、コンパス・デバイダー等、似たような造形のものもいくつかある。 人物相関図を書きながら読むと、三章の時に役立つでしょう。 【二章】 膨大なページを使っての、史実パロディーであり、恐らく文学史上もっとも労力をつぎ込んだ”作中作(三章でわかる)”。 ただ、別に知らなくてもいいことしか書いてないので、読み進めるのには苦痛極まる。 最初は、最後の50Pくらい読めばいいのでは? で、読んでないところは、読むものがなくて活字中毒が著しい時などに読めばいいかと。 見開きで世界地図が載ってますが、それはコピーして、地名と照らし合わせて読むと良いでしょう。 【三章】 文具軍団と鼬族の戦闘の模様が描かれます。 冒頭の”あの子”こと、クズリの息子の正体が、だんだん分かってくるのがポイント。 最後の台詞のなんとも言えない余韻といい、三大奇書に勝るとも劣らない怪作になったであろうところを ”私小説”を挟んだり、句読点なしという暴挙のおかげで「台無し」に。 そこにそこ奇書に至らしめる要素と考える人もいるでしょうが、「作品」との距離感がおかしいとしか思えない。 そんなことをやってのけてしまう、肥大した自我というか自尊心みたいのが邪魔。 こんな人だから、「断筆宣言」なんてのをやってしまったんだろうなぁと思える。 | ||||
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問題は第三部なわけで、特にあの10数ページの文字の羅列にいったいどういう意味があるのか全く理解できないんだが。 それ以外の部分はあまりに出鱈目な設定であることをあっさり忘れてしまうほど素晴らしい出来なのに、どうしてあそこだけあんなことになってるんだ。 | ||||
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私はこの作品に出逢う事で、文字通り人生を変えられた。小説家を目指すきっかけとなった思い出であり、これからの目標で有り続けるだろう。 物語は三章に分かれており、 第一章は精神分析、 第二章はヨーロッパ史のパロディ、 そして第三章はシュールレアリスムの世界に突入します。 日本の三大奇書をいとも容易く嘲笑うかの様に鎮座するこの作品を貴方は読めるでしょうか? 最後のセリフは何とも言えない無常観と余韻を残してくれますよ♪ | ||||
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私は筒井のほぼ全作品を読んでいるのだが、本作はつい最近手に取った。私小説作家を中心とした文壇に対する嫌悪・軽侮を日頃から隠さない筒井の鬱憤晴らしの様な作品。作中で筒井(も登場する)自身が語っている通り、メタ・フィクションなのだが、文房具や鼬族を題材にしても、人間模様や人類史を"リアル"にカリチャライズ出来るという自負に溢れた力作。普段はこうした自負を露わにしないでブッ翔んだ作品を書く筒井なのだが、本作では思う所があったのか、作中に登場してまで自負を語っている。「大いなる助走(作中に"大いなる徐走"というギャグあり)」の流れを組み、それを骨太にした印象を受けた。 小説作法としての工夫も凝らしてある。第二章の鼬族史は人類史を10世紀程に圧縮している上に、土地(国や地域)も1/4程度に圧縮しているので、人物や国に纏わるエピソードが面妖に重なり合うという面白さ(私は「古事記」を思い浮かべた)。江戸幕府を有した島からヒトラーが出た後に、角栄が続くという風に一見滅茶苦茶な様でいて、事物の本質を衝いている。ユダヤ教の初まりから東西冷戦までの人類史も的確に捉えている。国家や社会はそれを構成する人々の基底通念の上に成りなっていて、歴史的経緯や環境が変わっても結果としての国家や社会には大差がないという筒井の信条が伝わって来る。 第三章の「神話」は、時系列や記述対象を(一見)ランダムに変えながら、それまでの絵解きをして行くという一番筒井らしいパート。「虚構船団」の来襲が<ノストラダムスの大予言>の<恐怖の大王>に当たるなんて愉快な設定じゃありませんか。筒井ファン以外の方には受け入れ難い作品かも知れないが、それだけの希少価値を持った力作だと思う。 | ||||
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ちなみにこの評価はとっつきづらさによる評価です。 作品としては文句なしの面白さ、着眼点がすごいです。 ですが… 読了労力が非常にいる本です。 まだ中盤当たりまではいいのです。 文房具側の描写と鼬側の描写部分は。 ただし本筋の戦争描写からは かなり物語を追うのがきつく感じるぐらいに 読むスピードが遅くなってくるはずです。 その要因は段落間が長いのと後半からは段落すら 欠落し、文章も断片化するからです。 本当にここはきついので根性で 読んでいってください。 この本は文章を読むのではなく 構成、感性を読む本の様に感じました。 ある種のチャレンジな本。 なので普通の読み方は通用しないということを 読む前に覚えておいてください。 | ||||
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この作品が発表された当時すぐに買って、ブッ飛んだハチャメチャSFとして、ゲラゲラ笑いながら読んだものだったが・・・。2012年末の現在、読み返してみれば、これは現在の日本そのものじゃないか!と背筋が寒くなってきた。個人は各々の強迫観念にとりつかれ異常な行動を繰り返す。(精神病の文房具!!)作品中の船団の幹部にあたる政治家は無能。不可視の上司からの不条理なな命令。そして結局時間的に間に合わないまま、取り返しのつかないとんでもない事態に陥ってしまう。そして、まさしく「いたちごっこ」のようにこの国の内外で続々と起こってくるすぐには解決しそうもない問題の数々・・・。発表当時に読んだ頃、まさかこんな事態が未来の自分自身に起こるとは思いもしなかった。やはり天才とナントカは紙一重で、筒井さんには未来の日本はこうなると見えていたのか?それとも単に悪夢の作品化なのか?ーーーそして今日も明日も僕たちは狂った文房具のように、解決しそうもない終わりのない戦いを続けていくしかないのか?! | ||||
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初めてこの作品と著者の名前を知ったのは図書館のパソコンだった。 スカンクの情報を集めるためにインターネットをしていて偶然虚構船団の記事にたどり着いたのだ。 僕はその記事を見て興味が沸き早速見てみようと本を探し見てみたのだが「なんじゃこら!?」といった感じであんまり読めなかった。 そして、この本を買って家でじっくり見てみよう!と思い、お年玉で虚構船団の文庫版を買ったのである。 三日かけて読んでみた感想は「なんじゃこら……でも面白いなあ」まあ、そんなかんじだった。 ストーリーを端折って説明するとこうである。 頭がおかしくなった文房具達が乗り込む宇宙船が鼬の住む惑星に襲撃します。 何じゃこりゃ!と思うだろう。だが!それがいいのだ。 小説は自由でいいんだ、なんて素晴らしいんだろうと読んだ後思い、著者の他の作品や色んな小説を読み始めた。 兎に角、素晴らしい。それしか言えない最強かつ最狂かつ最凶かつ最高の貴書である。 読書好きは勿論、読書をしない人にも見てもらいたい。いや、読まない人にこそ読んでいただきたい作品です。 筒井先生へ有難う御座いますと言葉を送り、このレビューを締めさせてもらう。 | ||||
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乗組員が文房具の文具船など突飛な世界観でおまけに長編。 簡単に手を出せる小説ではないと思います。 | ||||
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出版当時は「なんで文房具や鼠に感情移入しなければならないんだ?」と頭の固いヒトから攻撃を受けたこの作品。逆に若いマンガ・アニメ世代には取っつきやすいと思います。 『ネジがゆるんだコンパス』の気持ちを考えることができますよね?『世界史の残虐な部分』を鼠の習性にしてしまえば、かえってわかりやすいでしょ?そういうことなんです。 第3部はそれまでに丁寧に描かれていた登場(人)物が戦争をします。戦争のドサクサにまぎれて、作者とか#とか変なものも登場します。すべてが絶頂を目指して突き進み、その結果として… すべてが終わった静けさの中、本当の主人公が登場します。彼は物語の最後を静かに、たった一言で締めます。 作者自身の解説『虚航船団の逆襲』もありますが、できれば先入観無しで読んでほしい作品です。円熟期の筒井が持てる武器をすべて使い果たした傑作です。 | ||||
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鬼才・奇才 筒井康隆が満を持して世に出した壮大な S(シューリアリズム)F(ファンタジー)。 全3章からなるこの作品には純粋な人間は一切登場しない。 1章は文房具を擬人化したものが登場し、舞台は宇宙船。 登場人物はほぼ全員が気が狂っていると言う設定である。 2章は鼬(げっ歯類)を擬人化したものが登場。 とある星(地球を揶揄している)の高等生物である鼬連中の歴史 (中世〜現代の主にヨーロッパ史のパロディ)を追う。 3章は文房具を乗せた宇宙船が鼬のいる星に攻め込み両者の戦いが パラレル(時間および空間の平行世界)的に、 それに加えて作家自身の身の回りの世界がスラプスティックに描かれている。 ちなみに3章のほとんどは改行無しで文字が満載されていてお得感が味わえる。 とにかくハチャメチャ。で凄く面白い。 文学と言うものにある一定のイメージを持ってる人は読まぬほうがいいであろう。 間違いなく最初の数ページで嫌になるだろうから。 文学とは何でもありなのだ、何やっても構わないのだ、 と言う人にとっては傑作であろう。 この作品が今から20年も前に書かれている衝撃。いや笑撃! 文学とはよりかっこよくスタイリッシュなものだと定義づけ、 たとえ文体をいくらハードボイルド風にしても中身が伴わなければ全然意味がないのである。 誰も読みませんそんな作品。 作家を目指している人間がこの作品を読んであまりのショックに塞ぎこんだとしても それはその人間の所為でもなければ才能が無いわけではない、 筒井康隆に才能があり過ぎなだけなのだ。 ある意味罪深い傑作。 | ||||
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記憶に残る限り、初めて自主的に手にとって読んだ文学作品。 文房具たちの繰り広げるどたばた騒ぎとどこまでも続く文章に頭の中が「?」でいっぱいになり、 第三章のラストでは砂漠の中でつぶやかれる不毛な「希望」を、どう受け止めれば良いのかわからなくなった。 それがトラウマとなって筒井作品を次々と読む羽目になり、わけもわからないまま今も文学作品の世界を彷徨うことになったわけです。 初心者に向いているかといえば必ずしも自信はありませんが、 少なくとも私にとって筒井康隆の最高傑作といえばこれです。 | ||||
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まさに傑作。圧倒的な想像世界の物語。SF。実験手法。遊び。ドタバタ。歴史。心理学。狂気。正気。熱気。全てが迫ってくるようです。 しかし、あらゆる人に勧めて貸しても多くの人が未読で返してくる問題作。筒井小説未読者がいきなりこれは厳しいかもしれません。 ほとんど全員が気が狂っている文房具たちの紹介と残忍な鼬たちの歴史物語の後の第三章ではどこかブラッドベリの火星年代記に似た印象を受けます。 素直に世界観を受け入れられれば、何度でも読める、筒井氏の頂点を成す作品ではないでしょうか。 読後、ホッチキスが好きになりました。 | ||||
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筒井康隆は馬鹿馬鹿しいことを尋常じゃないバイタリティでやってしまえる人だと私は思っているのだが、その最たる例がこの作品だろう。気の違った文房具が船で旅をする、とこう聞けば単なるドタバタ小説かと思われるかもしれないがその描き方は全くもって真摯であって、数十種類の文房具による人間?模様は凄まじいことになっている。第二部にいたっては歴史のパロディで、延々と鼠の住む星について描かれる。ここがとんでもなく長い。そして二部での淡々とした進行をぶち壊すかのような第三部。ここにこの作品のカタルシスがある。600ページ超の長編小説。これを読みきるにはかなり疲れるし、上記の様な事を聞いて読む気にならない人もいるかもしれないが、筒井康隆が好きであればこれは是が非でも読まなければならない一冊である。どこまでこの人についていけるか、それがこの本では試される。最後まで読みきったからといってどうということはないが、私は筒井御大に拍手を送りたいような気持ちになったし、異常なほどの爽快感がある。長い小説を読みきったにも関わらず、それは単なる文房具の戦争である。馬鹿馬鹿しくもあるが、こんなことでも本気でやってしまえば芸術の域に達するのだということがわかる。全盛期の筒井康隆の圧倒的なパワーで描かれた傑作である。 | ||||
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筒井康隆の狂いっぷりが堪能できる大ボリュームの宇宙戦争史。 大きく分けて三章。 一章:戦闘艇内部のドタバタ 二章:惑星クォールの歴史 三章:戦闘 こんな感じ。 もう、とにかく一章の出だしで度肝を抜かれたというか、物語に引き込まれてしまった。最初の1行だけでノックアウト確定。ここで書くのは簡単なのだが、皆さんにもファーストインパクトを楽しんで貰いたいので敢えて伏せる。 最初の章はとにかく人物描写に凝っている。宇宙船の中の風景が思わず目に浮かんでくるほどリアリティがある。ドッタンバッタンしているうちに、二章へ突入。この章は正直ダルい。歴史・戦記好きにはたまらんのだろうけど、俺はちょっと……。作者の嫌がらせと思われる。そして三章。ここでついに今までの伏線が結実して一大スペクタクルとなる。 もちろん本来のストーリーだけでなく、筒井氏ならではの“大暴れ”も満喫できる。 個人的には一章全部と三章の前半のノリが好き。 | ||||
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個人的には『朝のガスパール』『パプリカ』等と並ぶ、SF作家、筒井康隆の最高傑作だと思う。筒井氏本人は、何冊も出る大長編になりえる話でも、一作に纏められるという話に出来るつもりだったらしい。。ポストモダンにおける“歴史”という概念を虚構世界だけで作り上げた逸品!『吉里吉里人』とセットで読むといいかもしれません。 | ||||
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これはな、ワシ的にいうと筒井御大の骨盤や。 超可動計測SY35取り外しOK噴射付き骨盤に脳装備でウチュウニデタらコクピットに 御大が座するんやが輪ゴムは分裂‰消しゴムは男色/元ケテル司教は踊って脱糞するわガリトデクノボク マコンコンマソクボボウジャ垂水のツツイ白い御殿に呑まれてワシ聖天ツツイ読まん奴は読まんほうがええ。 ウツクシすぎる。 10歳にならんうちに御大の洗礼受けて以来のワシが言うんでマチガイ無い マチガイとしたらアノ洗礼以来ワシは狂っとる 読むんやったら全集読まな死ぬ。猛毒やがもう死んでる奴だけ無事や 読んだら誰もおらん世界で獄死や。 ワシは極美の檻のなかぢゃ。それに気がつく。 そうゆーこっちゃ。 | ||||
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これはな、ワシ的にいうと筒井御大の骨盤や。 超可動計測SY35取り外しOK噴射付き骨盤に脳装備でウチュウニデタら コクピットに御大が座するんやが輪ゴムは分裂‰消しゴムは男色/元ケ テル司教は踊って脱糞するわガリトデクノボクマコンコンマソクボボ ウジャ垂水のツツイ白い御殿に呑まれてワシ聖天ツツイ読まん奴は読まんほうがええ。 ウツクシすぎる。 10歳にならんうちに御大の洗礼受けて以来のワシが言うんでマチガイ無い、 マチガイとしたらアノ洗礼以来ワシは狂っとる 読むんやったら全集読まな死ぬ。猛毒やがもう死んでる奴だけ無事や 読んだら誰もおらん世界で獄死や。 ワシは極美の檻のなかぢゃ。それに気がつく。 そうゆーこっちゃ。 | ||||
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個人的に筒井氏の最高傑作だと思っている。3部に別れ、1部は「文房具」が主人公であり、2部はネズミの巨大な歴史絵巻。歴史の誕生が描かれる。3部はさらに勢いをまし、ジョイス顔負けである。 氏の、ありとあらゆる「書くことへの」冒険が試みられているように思える。 壮大な実験小説。 文房具が喋ることを想像したまえ。国の叙事詩を創る筆力を考えたまえ。 三部では、執筆時の筒井氏の状況さえも「小説」に描かれている。読みきるのに非常にパワーがいるが、読み終えた時の達成感は最高。 | ||||
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あらすじしか追えない忙しい読者の方には全くおすすめできません。ストーリーでは無く、聖書のように、参考書のように、部分部分を好きなときに開いて読むのが正解とみました。特に第1章の文房具のエピソードはちょっとだけ読んでも楽しめ大好きです。子どもの頃、絵本や昔話の好きなトコだけ読んだ楽しい記憶を思い出してください。2章の世界史部分はまさに教科書のパロディで、これまた受験勉強を思い出しましょう。この作品で筒井康隆はドタバタやハチャメチャなストーリーテラーという呪縛から開放され、その後の自由な作品を次々に生み出すことが出来たと思います。最高傑作です。 | ||||
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筒井康隆という作家ほど幅広いジャンルに手を出し、そして読者の人気を獲得し、高い評価を受けている作家も珍しい。SF、コメディー、純文学、ミステリー、ジュブナイル……、それぞれに代表作を持っており、尋常ではない質の高さを誇っているからだ。今のところ、評価は賛否両論であるが、後の世で日本文学の中でも「異彩を放つ奇才」として歴史に名を残すだろう。 そのような筒井康隆の作品の中でも『虚航船団』は異常である。高い知性と狂気が尋常ではない高さで均衡しているからだ。 世界史を明らかに意識した展開で鼬族と文房具(!)の終末戦争を描き、しかも表現において実験的要素を全力投球で投げ込んでいる。この作品までの筒井康隆の濃厚なエッセンスが凝縮されている、といえるだろう。<P!>おそらく、本を読み慣れていない読者(特に実験的な純文学を読んでいない人間)は途中で投げ出すはずだ。読者を選ぶ作品だから当然である。スライムで苦戦するような人間がゾーマと戦えるはずがないのだ。 ディープに文学に陶酔している玄人の読者および筒井康隆の心底敬服している人間にこの作品を勧めたいと思う。 | ||||
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