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(短編集)
花まんま
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花まんまの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 61~80 4/5ページ
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ベストセラーを避けていたのは間違いということで、 気にはなっていても敬遠していたこの本に手を出しました。 大正解♪ 6つのファンタジー?ホラー?が、大阪方面を舞台に繰り広げられます。 時代設定は、昭和30年代から40年代かな? どのお話も切ないというか、差別や暴力が満載なのですが、 なのに懐かしいというか・・・ 考えてみると、子供時代ってどんなにひどい環境でも、 それなりになじんで暮らしていたよなぁと。 年代的に、この時代を知っているせいもあり、とてものめり込めました。 | ||||
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「第133回 直木賞 受賞作(2005年)、受賞作含む中編6編 どれも関西弁で文章が進んでいく。そもそも最初のこの時点で、ちょっと違和感と嫌悪感を覚える。またどれも著者世代(1960年代)がベースにあり、大阪で生まれ育ったこの世代の人には懐かしくていいのかもしれない。が、私にはちょっと、・・・距離を置いてしまう作品。 「花まんま」は確かにいい話ではあるが、どこかで読んだことのあるような内容で感動が薄い。また、全編の根底に「ちょっと異様な世界」が漂い、これが著者の特徴なのか、1編だけならまだいいのだが、全編となると非常に辛い。 端的な話、残念だが「ちょっと私には向かない本(著者)」であった。まー、このことが解かっただけでも「価値があった本」ではあった。 お薦め度:★☆☆☆☆ 残念ながら“私には”合わない本なので、人にお薦めすることは出来ません。誠に恐縮です。しかし、天下の「直木賞」受賞作、どうぞ私の無知な感想にとらわれず、是非お読み下さい。 | ||||
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'@「トカビの夜」 少年×少年 'A「妖精生物」 少女×青年 'B「摩訶不思議」 少年×青年 'C「花まんま」 少年×少女 'D「送りん婆」 少女×老女 'E「凍蝶」 少年×少女 の六作が収録されています。 ×表示は主人公と副主人公を意味する。 ×表示したが恋愛物語ではない。 'Aと'Eは初恋物語としても読めるが、 ホラー短編集なので、もちろん悲惨な結末を迎える。 大阪に住む貧乏人の少年少女が スーパーナチュラルに遭遇するというパターンの短編集である。 ただのホラーではなくて、 クーンツのように社会的問題意識に溢れているのが素晴しい。 在日朝鮮人問題や、 被差別部落問題が語られます。 文学としてもしっとりと泣ける良作。 作者の朱川湊人はKOボーイだが、 金持ちのボンボンが貧乏人の味方の視点で小説書いたとは意外! 実はKOの方が早生だより学費安いので、 KO出身者が全て無神経な気障なお坊ちゃんとは限らないので、 学閥による偏見は止めましょうね(←お前だろw) | ||||
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読めば分かるこの一冊。 何も言うことはありません。 とにかく読んでみてください。 | ||||
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人に勧められて、朱川湊人氏の作品をはじめて読んだ。 彼の作品には、どこか哀愁漂うような、そんな感じがした。 昔を思わせるような情景描写に優れていてとても感心する。 自分の子供時代を思い出して懐かしい気持ちになれた。 短編集にしては、その完成度はとても高く、長編を読んだような満足感が得られる。 短編は長編とは違って、短いぶん、物語編成を考えるのがかなり大変だと思うが・・・ 朱川湊人氏の手にかかれば、マジックのように私たち読者を惹きつけてやまない。 素晴らしい彼の世界をぜひ味わってみてほしいです。 きっと優しい気持ちになれるだろう。 | ||||
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朱川氏の書く小説は、構えずに読める安心感がある。 最近の小説にはやたら異常人格者や、無意味な残虐シーンなどが出てきて 読んでいて気が滅入ることが多いのだが、この人の小説は例えホラーであっても 血生臭さを感じさせずにノステルジックな気持ちにさせてくれるので後味がいい。 文章も読みやすくドラマ性に富んだ短編小説なので、「何か本を読みたいな」と 思うときには安心してこの人の本を手にとれる。 特にこの『花まんま』は、そんな朱川氏の良さが現われている一冊ではないでしょうか。 | ||||
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味わいの異なる粒ぞろいの短編が詰まっています。 大阪が舞台のお話が多いのでそこに住んだことのある人なら 「わかるわかるこの感じ」 と思えるエッセンスがあちこちにちりばめられていて思わずにんまりしてしまいます。 表紙が不思議な絵なので怖いお話かと思っておそるおそる読み始めたのですが、悲しくて、優しくて、あたたかいエピソードが子供の心に戻してくれるようでした。 気持ちがすさんだりいらいらした時にお気に入りの一編を読み返すと心が穏やかに静まるそんな本です。 | ||||
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子供と思われていても、大人には気付かれない内に成長した“感情の襞”があります。友達にも親にも言えなかった葛藤、屈折した感情、微妙な分別を、大人になって述懐した様な体裁で、「あの頃、語彙が少なくて表現出来なかった感情」が描かれています。 穏やかな文体なのに、切ない・痛い・恥ずかしい・不思議、いろいろな感情を惹き起こされました。 一編・一編が素晴らしいのですが、私のお気に入りは「妖精生物」です。 良い本に巡り合えました。お奨めです。 | ||||
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この短編集の主人公は何れも子供で、舞台は大阪の下町だ。時代は昭和40年代頃だろうか。 どの作品においても主人公の少年(少女)は、日常生活において何かの拍子で異界の物体や現象に接し、一生忘れえぬような不思議な出来事を見たり、経験することになる。 この作者の作品は、都市伝説セピアに引き続いて2作目となるが、前作と同様にその不思議な世界に引き込まれて一気に読んでしまう。そしてその世界の出来事があたかも自分自身に起きたように、自分の少年時代の懐かしい記憶と痛みが甦ってくる不思議な感覚を味わうことになる。 | ||||
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昭和の大阪にある下町で起こった不思議な六つの話。それぞれ主人公達が大人になった現在から回想する形で話は進んでいく。 どの話にも不思議なコトが起こるが嫌な不思議さではない。作者が登場人物の視点をちゃんと描き、昔実際にあった差別や物売り、怖いと思っていた話…それらをうまく使って表現してくれているからだと思う。 お勧めは「トカビの夜」「花まんま」「凍蝶」です。切なくてでも暖かくて、好きです。中でも凍蝶の鉄橋人間の部分が印象的でした。 「妖怪生物」は誰もが持っている人間の怖い部分を表現しています。もし自分が主人公と同じ立場なら、同じことを思うかもしれない…正直怖かったです。 短編なので、短編嫌いな方には軽い読み物と思われるかもしれませが、話の一つ一つはしっかりしているので、私はけっこう好きな作品です。 子供の頃はああだったなとか、あんなことが好きだったなとか忘れていたコトを思い出させてくれました。直木賞に納得! | ||||
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朱川作品を読むのは2度目、「わくらば日記」を読んで、ぜひ例の直木賞受賞作も、と思い読みました。 いや、「わくらば日記」もそうでしたが、この方の描写は実にすばらしいと思います。 行ったこともない大阪の地、しかも現代ではないその世界を、見事に私の頭のなかに送り込んでくれました! 表題作「花まんま」は、ほんとうにあっためられました・・こころ。 「トカビ」「妖精生物」他、全作不思議な、ノスタルジックな世界を創りあげていたと思います。 | ||||
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昭和の大阪の下町を舞台に、子供の視線から描かれた、少し不気味ででもとてもあたたかい、そんな小説でした。 私は大阪に行ったこともないし、昭和30〜40年代のことも知りません。 ですが、この小説を読むと、とてもなつかしく感じました。集合住宅、差別、学校、小さい頃信じていたもの、不思議なものたち、そして怪奇現象。 花まんまを読んでいると、あっ、こうゆうこと昔やったな、とか、昔は信じててコワかったな、とか思い出します。 今とは違う、せまい下町の世界。 けれどそこで繰り広げられる話は、人と人との関わりが強く浮き上がってきていて、とてもおもしろいのです。 短編集なのですが、読み始めると面白くてとまらなくなってしまいました。 日本人のこの世代を本当に生きた方でないとこの小説は描けないと思うし、実際にこの時代に少年時代を過ごした方々に特に読んでもらいたいと思いました。 漫画・20世紀少年の少年時代の描き方とちょっと似てるなって思います。 やっぱり日本っていいですね!昭和! | ||||
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70年代頃の大阪の下町を舞台に、子供の視点で描かれた、不思議な短編集。どの物語も心にじんわりと沁み入る。表題作「花まんま」は、とくに泣けた。「トカビの夜」、「凍蝶」では、差別問題も浮き彫りにしている。 6遍の中で私が一番好きなのは、「妖精生物」。この生物に触れると、甘美な感触が得られるのだ。少女がそれを寝たきりの祖母に試すという発想は、すごいと思った。これは参った!という感じ。そして、大人になった主人公が、私の体はあの生物に触れた時と同じ高みに昇ったことはないと、その感触を懐かしむ。主人公の母の選んだ道を通し、女性の生き方について考えさせられる、とても奥の深い物語だと思った。 さすが直木賞という感じですね。 | ||||
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2005年の直木賞候補作品をいくつか読みましたが、ダントツに面白かったです。 私のような素人目から見ても受賞は当然の結果かと思います。 文学的なことは良くわかりませんが、スイカに塩や、あんぱんに桜漬けをつけて食べる我々は、 物語に含まれるちょっとした『恐ろしさ』によって、話をより面白いと感じるのかもしれません。 普段、本等ほとんど読まない私に、本魅力を十分伝えてくれた一冊です。 内容に関してはネタバレになるので控えますが、ともすれば外国映画に押されがちな日本において、 このような日本人にしかない素晴らしい話を書く『才能』存在するわけですから、これからが楽しみでなりません。 | ||||
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大阪の下町を舞台にして書かれた6編の怪奇(回帰)小説。 昭和の30、40年代が舞台なので、似たような話を聞いたことがあるなーと懐かしさを覚えつつ読みました。 差別、生れ変り、困り者の叔父さん、露天商から買った怪しい物・・・等々。 ノスタルジックな短編集です。 | ||||
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少し不気味で、だけど懐かしく、読んだ後余韻が暫く残る。そしてまたもう一度読み返したくなる。そんな不思議な本です。 短編小説のオムニバス形式だから、読みやすいってのもありますが、一つ一つの話が丁寧でその時代を知らない自分でも頭に浮かんでくる・・・。情景が目に浮かび上がります。 儚げで切なくて、でもどこか力強さも感じられる。 時間を忘れて一気に読んでしまいました。 今の時代、どこかに置き忘れて来た人間の温かさを思い出させてくれます。 | ||||
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誰かに「面白い本ない?」と聞かれたら、最近なら一番にこれを推します! さすが直木賞、きらきらと輝く真珠のような、粒よりの名作短編集です。 どのお話も昔なつかしの大阪の下町を舞台にした、子供が主人公のちょっと不思議な お話です。幽霊(?)が出てくるお話、不思議な生物がでてくるお話、 「生まれ変わり」という概念が出てくるお話・・・。 どれもこれも不思議でありながらもSFっぽいタッチでは全くなく、 自然と主人公達の生活になじんでいるのです。 そんな「プチ不思議」とも言うべき出来事にぐいぐい引き込まれ、1編読み終わるまで ページをめくる手を止めることができません。 さらに、子供が主人公でありながら、身近な人の「死」や「差別」といった ちょっと胸の痛むトピックが必ずといっていいほどからんでいて、 せつない気持ちにさせられます。特に表題作の「花まんま」には登場人物たちの 優しさや家族を思う気持ちが涙なくしては読めない傑作です。 | ||||
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■第133回直木賞受賞作。6つの短編が収録されている。 ■「トカピの夜」は、60年代の大阪下町が舞台。小学校低学年をそこで過ごした主人公の思い出が描かれる。怪獣図鑑が取り持った在日朝鮮人兄弟との交流と、病弱な弟チェンホの死。やがて起こる不思議な現象の数々…。チェンホがトカピ(朝鮮に伝わるいたずら好きの子鬼)として一帯に現れたのだ。主人公は、差別問題を静かに見つめつつ、チェンホの霊に声援を送る。関西のお菓子の会社「パルナス」のCMソングの小道具も心憎い。私はこの1作で、もうメロメロにされた。 ■表題作「花まんま」は、年少の妹が「自分は彦根に住んでいたエレベーターガールの生まれ変わりだ」と言い出し、兄とその生家を訪ねる話だ。不憫な死を遂げた娘を思う親の心情と、妹の行動に隠された祈りが胸を打ち、これも涙腺をツンツン刺激する。 ■その他、遊び人だった叔父の葬式で起きた怪事を描く「摩訶不思議」、露天商から買った奇妙な生き物をめぐるにがい思い出を描いた「妖精生物」など、どれも大阪の下町を舞台に独特の味わいを醸し出す粒よりの好編が並ぶ。 | ||||
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私は関西出身ではなく、東京育ちで、昭和30~40年代の怪獣ではなくピンクレディーとキャンディ・キャンディで育った。 でも、なぜか40年代のあの雰囲気が好きで、しかもうっすら記憶らしきものもある。 タイトルの「花まんま」のフミ子ほどではないが、我が娘も2歳頃、「ずっと前、わたし髪の薄い太ったおじさんだったの」と教えてくれた。「学校の前の物売り」「異性と一緒に隠れたかくれんぼ」「お医者さんごっこ」「夕方の神社で見た不思議な人」・・・ 小学生の時の、人に言えないうしろめたいことや大人に言っても信じてもらえない不思議なこと・・・誰にも必ずあったはず。不況だと言われて久しい今にこそ、悲哀やいかがわしさを含んだ、あの昭和のシュールレアリズムを体験して、又は思い出して欲しい。 物や環境の豊かさに溺れるきる前の日本人は、一人が今より強くて、まんざらでもない。 | ||||
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僕は恋愛したことがない、家族も表面的に意識的に愛情を感じない。 いつのまに、忘れてしまった感情を無意識の奥から思い出させて もらいました。 目標は結局、金で欲望を満たすなら、家族とか本当に好きになった 人を見つけ、その忘れていた感情を精一杯満たしたいです、それが一番幸せだと感じた一冊でした。 | ||||
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