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黒焦げ美人



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【この小説が収録されている参考書籍】
黒焦げ美人
黒焦げ美人 (文春文庫)

黒焦げ美人の評価: 3.63/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(4pt)

他人の不幸は肉の味?

ベットベトでギットギト。脂身だらけの肉なのに、みんな美味しそうに頬張ります。

不幸というものは不思議なものです。自分には降りかかってほしくないけど、他人についてはついつい見てしまいます。

「ああ、もっと歯ごたえがあればな」「自分だったら、こういう風にするのにな」

所詮は他人。自分には関係ない。だから旨いのです。
黒焦げ美人Amazon書評・レビュー:黒焦げ美人より
4163212906
No.4:
(4pt)

独特の世界

大正の始まりの岡山で、妾で一家を支えている姉を
その妹の視点で、物語は進行します。

綺麗で、可愛い姉。この可愛いは可哀想に通じるのだとか。
薄幸を身にまとったような、美しい姉を
妹は冷静でいながらも、慕う。

姉の周りにたむろする男達。
登場人物が、キッチリと色分けされているので
分かりやすい。

姉が本当に好いてる男は「野中の薔薇」を
ヴァイオリンで弾く綺麗な誰も愛さない男。
姉を歯がゆく思う妹の心情が、つとつとと語られて行きます。
自分が好意を寄せている男は、お人好しで姉の眼中には無く。

その姉が、殺された―――。
殺された後に、焼かれて黒焦げになってしまった―――。
誰が姉を殺したのか?

犯人が分かる下りは、そこまで以外性はないものの
その後、妹宛に犯人から届く手紙で、登場人物達の色が崩れて行く。

そこが面白かった。
人は皆、色々なものを抱えて生きてきたのだと妹は知る。

岩井さんの作品は、どれも扇情的で好きです。
”レエスの手袋”…など、言葉の使い方もその時代へと思いを
はせることが出来るようで。

耳だけが焼け残った姉は、好きな男の「野中の薔薇」を聞きたかったのだろうか。
このいじらしい女心の表現は、いつもながら実に巧い。

タイトルだけを見れば、何かオドロオドロしい感じがしますが
以外にも毒性は無く、岩井さんの作品の中では
割とシンプルです。

ホラー性を期待すれば、肩透かしを喰らうかもしれませんが
この独特の世界は、一読の価値有りと思います。

表紙もとてもイイですね。
黒焦げ美人Amazon書評・レビュー:黒焦げ美人より
4163212906
No.3:
(5pt)

黒い大正ロマン

最近岩井志麻子ブームなのでチャレンジ。
感想は…著者の作品の中では1、2を争うおもしろさ!
妾を生業としていた姉が惨殺されるというおどろおどろしい事件を扱いながら、著者にしては珍しく世間知らずな妹の視点で物語が展開するせいか、著者が書いた他のホラーのような絶望的な暗さや生々しさは無くさらっと読めます。

いつも思うのですが著者の描く戦前の世界はほんとに妖しくて美しい…。著者が描く大正時代の雰囲気を楽しむだけでもモトがとれますよ。
黒焦げ美人Amazon書評・レビュー:黒焦げ美人より
4163212906
No.2:
(5pt)

本の帯を腰巻きとも呼ぶそうですが、

まずその腰巻きからジリジリとコゲているのが良い。
黒焦げ美人などという哀れで滑稽な呼ばわれ方をして言い返せぬ気の毒な女性の亡骸が纏う装束にふさわしい。
本作は大正時代に起きた実際の事件に材をとっているという。津山三十人殺しを伝奇的に描いた「夜啼きの森」の系列に並ぶ実話系伝奇ということになるのか。
語り部である少女の、美しい姉、彼女は囲われ者となって家族を養っているのだが、その彼女が殺された上に妾宅ごと放火されタイトルの如き姿と成り果てる。事件そのものはシンプルで犯人像も意外なものではない。物語の重点は事件の解決のその後、人々の身の来し方に、その如何ともしがたい時代の空気もろともの悲しさに置かれている。
ところで解説の辛酸なめ子によって著者の「××書き」という荒技が紹介されているが、それはもう本当に漫画の必殺技のようなもので真似しようとしても出来るものではなく本編の余韻も感想も消し飛ぶこと必至であるので、辛酸なめ子女史には申し訳ないのだがここはひとつ読者諸兄はこのおもしろい解説を読まれずに封印されておくことをおすすめしますよ。もったいないけど。おもしろすぎるんですよ、著者のプライベートが。
黒焦げ美人Amazon書評・レビュー:黒焦げ美人より
4163212906
No.1:
(4pt)

読みごたえあり

一家の生活を支える為に妾として暮らしていた可憐で美しい姉が、明治最後の年に突然殺害され、逝ってしまう。最後に姉と一緒だった美しくも妖しい魅力の音楽教師、彼を慕う少年、残された家族の苦悩と現実が織りなすサスペンスドラマ。主人公である妹が慕う男性が疑惑の渦中におかれ次第に人間の深層心理をつかんでいく姿が自然に描かれていて、同調できる。
黒焦げ美人Amazon書評・レビュー:黒焦げ美人より
4163212906

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