■スポンサードリンク
I'm sorry,mama.
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
I'm sorry,mama.の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者近影がいずれもゴージャスな装いにハイセンスな髪型、自信たっぷりな笑顔ばかりなのですが、それも納得。そうでなきゃ嘘だ! と思えるくらい、もうコテコテの邪悪。あまりにも悲惨、ものすごくひどくて逆に笑ってしまうようなおそろしい本です。 登場人物の視点を章ごとにいれかえながら、養護施設と置屋という、ある意味極限の設定の中で濃密な人間関係をクロスさせ、ホテル王(女性ですが)の子息誘拐(ちゃちすぎる)など、主役のアイ子のいきあたりばったりで無計画で何も考えてない「気分」のままに繰り返される悲惨な事件。 これだけヒドい内容を疾走感すらもたせて一気に読ませてしまうのはさすがです。きっと若書きの作家だったらこの本の1章ごとに1冊書いてしまいそうなハチャメチャな内容。 しかし「現代」をこれほど端的に表現した本もないのではないでしょうか・・・「その先」への危惧を一番強く感じさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
40代の女性、アイ子が主人公。 これ以上最悪な状況で生まれ育った人はいるのだろうか。 主人公は、人を殺すことにマイナス感情を持つどころか、プラスの感情を持っている。 自分のためなら、人を殺す事はなんてことない!という雰囲気でストーリーが展開した。 最後になって盛り上がりが欠けてしまった感はあったが、ストーリーとしては結構引き込まれてどんどん読み進めることが出来た。 主人公のアイ子を見て感じたこと。 人は、やっぱり愛されて育つことがどんなに幸せなのかって感じました。もっとアイ子が愛されて育てば、誰かにその存在を認められていたら、、、?もっと、ちがったオトナになれたんじゃないか?って思います。 そしてこの本のタイトル。 このタイトルのママとは? そしてアイムソーリーとは?? 誰に伝えたかったのでしょう??? 何通りにでもとらえられるこのタイトル。奥深いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これ以下はないんじゃないか?と思ってしまうくらい救いようの無い境遇の主人公。薄汚く生々しい登場人物。行間から思わず悪臭すら漂ってきそうだった。しかし、読むことがやめられなかった。「グロテスク」のときと同様、ものすごい負のパワー、邪悪なものを感じながらもページを繰る指が止まらなかった。不幸、邪悪、陰険さ、おどろおどろしさなどなど人間の負の部分を描くと桐野さんはピカイチだと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アイ子=スズカ容疑者という感じです。 ↓2人はこんなことを思ってそうな気がしました。 私が信頼に値する人間なんていない。 将来的展望――。そんなもの考えているほど 私は馬鹿じゃない。 瞬間、瞬間に生きてやる。 私はそのとき東京に行きたいと思った。 どうせ短い人生なのに。 お前らにはできないだろう。 希望というコトバは私が終わらせてやる。 凡人はすぐに意味を見出そうとする。 不条理という言葉を知っているか? 私が育った環境。 すぐに原因を探す者よ。 一貫性を持たないという一貫性を持って私は生きている。 刹那に生きる私の切実さを持ってお前らは持っているか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
暗黒小説といってもいいほどのハードボイルド小説です。なんといっても語り手は、ずーっと殺人者アイ子の目線。そして、そのアイ子は、誰の子供でもない、邪魔者としてこの世に生まれ落ちただけの人間。モンスターという映画がありましたが、それよりハードな人生です。社会派だけど、問題提起型とはとうていいえない。女は世間と個人としてどうやって戦っていくものか?て感じ?いや、戦っても負けは見えてるんだけど、どうやって、朽ち果てていくのか?っていうのが淡々とかかれているんですね。グロテスク・残虐記の一連のシリーズですが、ここまでいくと、邪悪も一本すじが通ってます。色恋、生き死に、の小説が多い中、結構本格的な小説を読めたなていう充実感があります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
発売当初から注目していて読みたかった本です。 宣伝文句では、アイ子は邪悪、怪物と言われているけれど、 読んでいる限り、そんな風には思いませんでした。 そこにいるのは、純粋に、欲望のままに動く、子供。 純粋な殺人鬼。 アイ子はどんどん人を、ためらいもせず、後悔もせず、殺してゆきます。 だけど、そんなアイ子に抱く感情は、憎悪ではなく、哀憫でした。 この、かわいそうな子供が、いつか、幸せになりますように。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野氏の「グロテスク」「残虐記」と同時期に書かれた作品です。上の2作が、文字通り人間の内面的な葛藤、心理的な闇を掘り下げたものだとすれば、本作品はそれをアクトアウトした女の話。主人公のアイコは、内面的思索にはふけりません。本能的に行動することのみによって、生きています。心の闇ではなく、行動することのみが存在になってしまったアイコを作り出した「ある社会の闇」を感じる本です。桐野氏のハードボイルドな一面が色濃く出ています。「OUT」よりも、よりハードボイルド。少し猟奇的な描写もみられるので、じくじくと内面葛藤を読むのが好きな方には不向きかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この著者の作品は後味が悪いです。 でも面白い。 どれだけ後味が気持ち悪くても、 他の作品を読みたい!!と思わせる衝撃が常にある。 今度の『怪物』は見た目は何の変哲もない中年女性。 松島アイ子。 置屋で産み捨てられ、 やり手婆や娼婦に邪険にされながら育った子ども時代。 長じて養護施設にはいってからも皆に邪険にされ、 小狡く生き抜いていくことを体得していく少女時代。 やがてたどり着く場所は最悪の現在。 気に入らないヤツ、都合の悪いヤツは消してしまえばいい それはとても刹那的で衝動的な生き方。 何かを学ぶことなく、ただ動物的にその場その場をやり過ごす日々。 ここまでグロテスクではなくても、自らを顧みるとうそ寒くなります。 とりあえず、とか、いちおう、って言葉で自分をほったらかしている現状。 面倒くさいヤツだな、って思ったらケータイメモリからそいつを削除。 はい、ばいばい。 自分の中の『松島アイ子』を、 見なかったことにして いなかったことにして ばいばい、するのは恐ろしいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
リアルでグロテスク、読後は重たい~ 登場するアイ子が本当に怖い。人が愛を知らずに育っていくとここまで恐ろしい人間になれるのか・・・他に出てくる人物もとてもリアリティがあって、読むたびに自分の中で映像となって浮かんでくる。桐野夏生さんの本は凄みがある。どうしたらこんなにリアルな文章が書けるのだろう、と感心するばかり。でもこの本を読んだあとはしばらく胸焼け状態だった。アイ子のどろどろしすぎに圧倒されてしまった。重たいパンチを食らったような感じ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冒頭はなにげなく始まって、なにげなく主人公のアイ子が登場します。そのペースでなにげなく読んでいたら、すぐに驚愕の展開。 アイ子って、アイ子って、いったいどういう人なんだろうか、とどきどきしました。 多くのエピソードの中でアイ子について語られるうちに、またそこで登場してきた多くの人物たちがアイ子にかかわって、こちらもアイ子のことを知ってはいくのですが、逆にアイ子の謎も深まります。 そして、ラストのころ。多くのエピソードの中でぼやけてしまったアイ子がくっきりと姿を現し、物語もきゅっと絞られたようにまとまる。 おお、そうであったか、と膝を叩いたら、物語が幕を閉じます。 作中で語られる現在の日本の世相や、そこで生きる人たちの様子に身につまされながら、一気に読んでしまいました。 アイ子の邪悪はその成り立ち方も発展の仕方もすごくリアルでした。納得がいく邪悪。納得がいくだけに、より怖いのですが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これほど主人公に感情移入できないお話もめずらしいと思った。サイコホラーではなくミステリーでもなく、でも怖い。怖いやつ。でも読み出したら止まらない。私もあまりよい育ちはしていない方だけどアイ子は本当に最悪だと思った。現実では最悪な環境で育ったからといって悪人になるわけではないと思う。ただの意地悪な人やただの考えの足りない軽薄な人物ではなく根っからの悪人は現実に存在するんだなと大人になってから確信したのでアイ子が本当にどこかにいそうな気がする。こういうタイプの本は私には新しかったので星5つだけれど全ての人におすすめできるかというとそうではないです。文章は軽快で読みやすいけれど内容は重たいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
題名と表紙から、子供を虐待する話かと思ってたら勘違い。中年のばぁさんじぃさんばっかり出てきてびっくりでした。 思ったよりも上手かった。心の中にある闇というか、親子の愛を歪んだ形で超捻くれたカーブで書いたような作品。みんな歪んでる、歪んでる。それはいいんだすけど、終わり方が唯一不満だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
邪悪の主人公を描きながら、文章はどこか軽やかで、 途中から登場する老女たちの描写には笑ってしまいました。 これまでの作品と一味違いますが、面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あれあれ、と思う間に桐野ワールドにひきこまれ、一気に読んでしまう本です。変な人ばっかり出てきます。それがとても現実感があるのです。主人公のアイ子も存在感たっぷりの、ある意味、悪いやつなのに妙に味方になってしまいそうなほどの魅力を感じました。桐野さんの筆力でしょうね。気持ち悪さは感じませんでした。結構残酷なシーンがあるのに不思議とさらりとした感じがします。私は好きですよ、この本。最後はアイ子がかわいそうで涙が少し出ました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野さんの最近の作品は、とにかく、いっちゃてる世界、というか人物を延々と描いており、今回もまた主役級のキャラクターに、脳天をぶん殴られるような衝撃を受けました。またそれを取り巻く連中の怪しい面々が面白く、ある種これはダークファンタジー(!?)というような、人間の裏側の御伽噺のようなお話です。とかく妙な表現、妙なキャラクターなど、読む人によっては、リアリティの欠如と受け取られるかもしれませんが、それは無粋というもの。小説だからこその、この異様な世界を体験できる事を素直に受け止めたほうが良いでしょう。 お話は、昔存在した娼婦館、そこにいたアイコという名の女性をめぐるお話。なんだか怪しげな人物たちだなあ、と読み始めたら、あっという間の惨劇。そのあとはもうノンストップ。人間の不毛な世界が延々と描かれています。良くも悪くも、これぞ桐野ワールドといった世界が描かれています。 個人的には、やや物足りなさの残る作品ではありました。物語が短すぎると感じました。やはり桐野さんの真髄は長編でこそ発揮されるような気がします。同じような世界をとことん描ききった「グロテスク」と比べるとやや物足りなさが残るのも事実。「残虐記」もそうでしたが、この本も260ページ弱とあっという間に読めてしまいます。やはりここは桐野さんに骨身を削っていただいて、長編の復活を望みたいところですね。作家の苦悩を知らない一ファンの願いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の中年女は、殺す盗む逃げる・・の繰り返し。 顔もおたふく系だし小太りだし頭わるそう。 出てくる人達も、ちょっと素直じゃないくせのある人達。あまりにも簡単に人を殺していき、自分探しをしていく様は、やりすぎなので逆に好感度をもてました。作者はちょっとした文章で、その人の内面のイメージ広がらせてくれるので、読んでいていやーな気持ちになる人もいると思いますが、 けっこう一気に読めるので、別世界にいく気持ちで、たまにこういうひどい主人公とその周りの人々のいる世界を見るのも楽しいと思います。私は楽しく読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野作品が好きな私にとってはこの作品も期待通りでした。 主人公アイコは表紙からなんとなく若い女性だと思ってたのですが、 どこにでもいそうな中年女性。そこがかえってリアルで、 こうゆう人間、いる。と単純に怖くなりました。 桐野さんが「トラウマものにはしたくない」とおっしゃってたように、 アイコの過去が話の核にあっても、そこだけに話が収束されずにうまく展開していきます。 キャラクター設定、心理描写が非常にリアルでうまいので、 登場人物達が話したりするちょっとしたエピソードも、まるで誰かの本当に経験した話を立ち聞きしてしまったかのような感覚に襲われます。 主人公アイコは本当に狡猾で憎らしく、人を殺したり欺いたりする事をまるでなんとも思わず平然と手を変え場所を変え、次々と罪を犯していきます。 自分をばかにした者、少しでも嫌な気持ちにさせた者には 必ず報復=殺害という図式が彼女の中ではいとも普通に成立していて、 迷いも罪悪感もなく、衝動的に犯罪に突き進んでいきます。 それだけ過去の生い立ちからもコンプレックスの強い人間だとも思えますが、だからどうした~!と、みじんの同情も沸かないほどです。 ちょっとしたおちゃめ?な部分も見え隠れはしますが、 これを許しちゃいかんだろという感じで、私には許しがたい人間でした。しかし作者は主観をいれずに淡々と話を進めていき、 彼女を良いとも悪いとも決め付けてはいません。 勧善懲悪ものにしない、読者の想像力に委ねるところがこの作者らしいと思います。 また随所に桐野流のブラックユーモアがちりばめられていて、 重いのだけど、時々笑える、こゆうところも好きです。 桐野さんの作品は皆さんも書いてるように読後感がかなり重く、これも例外ではありません。 想像力豊かな人は胸が悪くなるでしょうね。でもその原因を直視したり 考えたりすることってとても大切なんじゃないかなぁと、桐野作品を読むと思うのです。 できれば目を塞ぎたい汚い人間の心理や行動、最悪な人間関係。 そんなものが出てくると、自分のさまざまな行動や思考と照らし合わせてみて、色々と考えさせられます。 何かしらモヤモヤっとしたものが残るのですが、それは自分の中の 汚い気持ちや世の中の閉塞感、不条理な物事をうまく切り取り、 細部まですくい上げて文章で表現されてしまうからではないかと思います。本を読んだ読者に何らかの感情(それが嫌悪でも好感でも)を抱かせ、読者に素通りを許さない筆力を持っているのがこの作家だと思います。 ちなみにこの本を読んだ時にある量販店の連続放火事件が起こり、 その後の報道でちょっとこの話とかぶるような感じがして、 現実の事件の裏側に、こうゆう物語が隠れているかもしれない。 そんな事を考えつつ、桐野作品の深さにまたもや唸ってしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野さんは犯罪を犯してしまう人間の汚い部分をリアルに描かせたら天下一品! 黒い人間が出来上がってしまう理由を丁寧に書いています。 読者を不快にさせ、後味の悪いイヤ~な気分にさせる。 桐野さんの作品を読めばそういう気持ちになることはわかっています。 でも、それがわかっていても読んでしまう。 ある意味、麻薬的な魅力を持った作品の書ける作家だと思います。娼館で、実の母親が誰かもわからずにドブネズミのように生きてきた少女・アイ子。 そのせいか物心つく頃には妙に大人びて、そ知らぬ顔で盗みを繰り返す子供に育っていく。 物語は40代になったアイ子を描きますが、数々の犯罪で自らの手を汚し、罪悪感などまったく感じていないアイ子を、読者はそれぞれどう受け止めるのか・・・そこが大きなテーマだと思います。アイ子は実の母の形見と言われる靴を持っています。 何かあるたびにアイ子はそれに語りかけます。 そんな姿に人間的な部分もかんじはしますが、次の場面ではまた残虐な犯罪を犯し、また汚い部分を見せ付けられて・・・。アイ子に同情の余地はあるのでしょうか? ぜひ、一人一人の目で確かめてみてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野夏生さんの本はほんとにはずれがなく この本も一気読み。 主人公が途中で気持ちわるくなったりましたが、 期待を裏切らない作品でした。 誰もがもってる心の汚い部分をおもしろく書いてますよね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野夏生作品は全て読んでますが、新作が出るたびに裏切られることはない。特に「ダーク」以降の作品は、登場人物のほとんど(含む主人公)が救いようのない闇を抱えていて、読みながらその闇に自分を投影することに心地良さを感じる。本作品も快作。T・カポーティの「冷血」を思わせる展開ではありますが、手法は全く別。作者独自の絶妙の間合いで人物が描かれています。良いか悪いか別にして読後感は重い。好き嫌いが分かれるのかもしれません。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!