■スポンサードリンク


薬指の標本



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
薬指の標本
薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本の評価: 4.31/5点 レビュー 85件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.31pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(2pt)

肝心な所は読者の想像にお任せします、な話

雰囲気を味わう、フランス映画にありそうな話。何がどう、何故?を知りたい人には向かない。靴も標本も、どこから給料もらってるかも不明。主人公の自分の無さが悲しい。短いからすぐ読めるが「え、それだけ?」がっかり感は長く続く。古本屋へ直行。
薬指の標本 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.4:
(2pt)

汚れと帯なし、古書かと思いました

なぜ新品なのに、表4に汚れがあったり、写真にある帯が付いていないのでしょう? 一瞬古書かと思いました。書店で買えばよかった!誠意あるご回答をお願いします。
薬指の標本 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.3:
(1pt)

彼女はブルマ―を履いている。

ひさびさに気の進まない読書をした。

小川洋子さんの作品はあの有名な「博士の愛した数式」でさえ、私は数ページで挫折してしまった過去を持つ。
なんだか端々まで苦手な作家さんなのである。この世界には本当に心のきれいな人間がいる、とか思っていそうなあの感じが。

しかし今回は短編なので、修行と思い挑戦してみた。

内容は、薬指の先端を失った21歳の女性が主人公。
彼女が標本技術者のある男と出会い、彼の標本の材料として自らの薬指を差し出すまでの過程を描いた作品。

肉体の欠損(サイダー工場で働いている最中に、薬指の先っぽを機械にはさまれて失う)をきっかけに、主人公が自分の肉体の性的な部分やその価値について、自覚的になっていくように読めた。

自分の欠けた薬指に興味を示す標本技術者との出会い。

これは少女が事故のような形で処女を失うことにより、自らの身体が半ば強制的に女性性を備え、時と場合に応じてそれを発揮するのだという自覚を余儀なくされる過程とよく似ている。

けれど、主人公が自分の身体に性的な主体性を持つことと、他者と積極的に人間関係性を結ぶようになることはイコールではない。
むしろ彼女の薬指はそういった人間的な関係性を阻んでいるのではないか。
そんな問いが繰り返し頭に浮かぶ。

主人公と、謎めいた標本技術者。

2人の交流は、恋愛関係、主従関係、友愛その他、いずれからもはるかに隔たった、関係性未満の一方的な確認作業に終始しているように見受けられる。(標本技術者についての描写も、生身の実在しそうな男性というよりは、少女マンガに出てくるような浮世ばなれしたイメージだ)

標本技術者の存在は、あくまで主人公が自らに見出した自分の新しい価値(それは標本の対象物として魅力的な、特徴ある薬指に象徴される)を映し出すための鏡であり、標本室とそこの主である標本技術者の男は、主人公のファンタジーをお膳立てするための格好の舞台装置である。

主人公の一連の行動は、「自分という存在が他者にとって最も意味を持ち、輝く瞬間というのは、自らがその肉体の一部(あるいは全体)を人間性から切り離し、一個の譲渡可能・交換可能な「物」として差し出すときである」という自覚に基づいているので、時として受け身で、一方的に標本技術者に支配されているようにも見えるが、本質は異なる。

主人公の行動原理は、自らの薬指(またはそれと地続きである女性としての身体)の価値をよりはっきりと実感したい、確かめたい、という自己承認願望にもとづいている。
そういう意味で、この作品は女性の自己愛のひとつの典型を描いた小説とも読める。

今回この作品を読んでみて、小川洋子さんという作家はすこぶる健全健康なメンタリティの持ち主で、フェチズムや倒錯の世界とかおよそ無縁なのだろうなぁと思った。

たぶん、小川さんにとって性的倒錯やフェチズムといった現象は自分という世界の外側にあるもので、それを「観察」することはしても、自分自身の実感として腑に落ちたり、どうしようもない性(さが)として向き合ったり、ということはする必要がないのだと思う。

だから小川さんの作品というのは、事細かな観察日記のようなもので、その緻密さだとかはある種の美しさを醸し出すものではあるけれども、そして観察日記的な美を楽しみたい場合にはまずまず愉快なのかもしれないけれど。

けれど、小川さんの小説においては道具でしかない人間の業の所産で苦しんでいる人間にはガツンと腹に響くものは少ないのだと思うし、むしろ弱い人間の生き方の片鱗(生き方そのものではなくて、あくまで片鱗です)を、舞台の小道具とか書割なんかにしちゃっている健康人の無神経さが際立っていて、読んでるとなんだか腹が立ってしまう。

『博士の愛した数式』を途中で挫折したときも思ったのだけれど、小川洋子さんは世界には心のきれいな人間がいる、とか思っていそう、と今回また思った。
まっさらな紙のような、穢れを知らない人間がいる、とか信じていそう。どんな怪奇やホラーよりも、私はそういう原理主義っぽい思い込みが一番こわい。
その思い込みの枠からはずれたものは、ものすごく特殊な、もっと言えば異常な人間だと見なされてしまう気がして。

私は小川洋子氏のメンタルが健康健全であるがゆえに無神経なことを平気でやってのけてしまうという、そのがさつな感じが苦手なのだと思う。
がさつ、というとアレだから、鈍感、と言ってもいいのだけれど。

小川さんはスカートの下にブルマ―履いてそうなのだ。心は女子高1年生なのだ。(この人の心が履いているスカート&ブルマ―の話ですよ、念のため)
つまり、よくもわるくも自分しかまだ世界に存在していない、という感じがする。

・・・と、今回の『薬指の標本』を読んで思ったのが以上。
たまに苦手なタイプの小説の何が苦手かを考えてみるのも発見がある。
ちなみにこの短編はフランスで映画化されていて、そちらはもう少しヨーロッパらしいです。
薬指の標本 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.2:
(1pt)

小川さんの本は初めて読みました。

現実にはありえないような内容で、そこに出てくる周りの人々は何か不思議な感じのする方たちばかりで・・・。
私は「不思議な感じの本」を読みたくて、この本を買いました。
でも私は、なにやら全てが中途半端に終わってしまった気がします。
全てを追求するつもりも、追及するような本でもないと思います。
しかし、別に書かなくてもよさそうな余分な設定や、『不思議な感じ』を出すためだけに描かれたような物があり、それがとても邪魔でした。
主人公の女の人にも感情移入できるどころか、本に出てくる『不思議な感じの人々』に対して主人公とは全く違う感情を抱きました。
本を読んでいて最後の方はもう飽き飽きしていて。
でも私は「買ったら最後まで読まないともったいない」的な考えなので頑張って最後まで読み干しました。
終わった瞬間「やっと終わった!!」という、悪い意味での開放感を感じる本も珍しいんじゃないかと・・・・。
この本の中に、一度も「面白い」と感じたところはありませんでした。私は初めて小川さんの本を読んだんですが、文章が全く好きじゃありませんでした。
その理由も込みで、星ひとつ・・・・。
小川さんの本は多分この先買わないと思います。
間違って買っちゃったってことはあるかもしれませんが。。私は今まで読んだ本の中で一番と言っていいほど受け付けなかった本だったので、「万人受けする本ではない」と思ってください。。
でも小川さんの本がお好きな方は「この本好き!」と思うかもしれませんけれど。
薬指の標本 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.1:
(2pt)

寂しい恋愛

収められている2作品とも寂しい恋愛
非生産的で
非日常空間
心の揺れ動く心理を
病む心を持った人を
ただ描いている
失った薬指
失った男性への愛情
失うことから始まる物語
更に失うか、再生するか
あなたならどうしますか?
薬指の標本Amazon書評・レビュー:薬指の標本より
4104013013

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!