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月桃夜
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月桃夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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冬雷がスゴく面白くて、デビュー作品という本作品を期待して手に取りましたが、私には相性が悪かったです。島の話のつまらな過ぎた。次の作品に挑戦です。 | ||||
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ファンタジーノベル大賞はクセもの揃いの名作が多い。本作はそのなかでは比較的読みやすかった。 文庫化の帯の文句は「この世の終わりで、きっとおまえを抱いてやる」あらすじでは「禁断の恋物語り」 これだけ読むと直球ど真ん中の恋愛ものかと思ってしまうが、違う。 ストーリーの大部分は奄美の緻密な歴史と、そこに生きる人々と風土の描写にさかれている。 この部分がこれでもか、と言わんばかりに書き込まれている。 ファンタジーノベル大賞だからファンタジー一辺倒というわけではない。 帯に書かれているような恋愛のみを期待すると肩透かしを喰う。 だからと言って面白くないのか? と問われると否だ。少々のファンタジーと兄妹の禁断の愛。 そして歴史風土描写が重なりあってかなり面白い物語りとなっている。 難をあげれば現代のふたりよりも、過去の二人の物語りが格段と面白いという点。 それとラノベちっくな文庫からでているが、内容は(得に過去編)かなり重いのでご注意を。 | ||||
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江戸時代、薩摩藩から徹底的に搾取された奄美大島を舞台にした物語。 奄美の人たちはサトウキビを作ることを強制され、税として砂糖を納めなければならなかった。足りない分は、人から高利で砂糖を借りて上納する。貸し付けられた分を返せないと、ヤンチュという身分となって貸し主の家の労働力となる。返済すればヤンチュからは抜け出せるのだが、もとが高利なので、抜け出せるものなんていない。そして、ヤンチュの子どもは「ヒザ」と呼ばれ、この子らは親が借金を返すか返さないかに関わりなく、死ぬまでその家の労働力、持ち物、財産として扱われることになる。 主人公は、ヒザであるフィエクサで、ヤンチュで血のつながらない妹サネンと二人で厳しい生活を生き延びる姿を描きつつ、兄妹としての愛情だけでなく、二人の男女としての恋情も、痛みや切なさを伴って描写してある。 全体を通して、搾取に喘ぐ人々の重苦しさが漂う。選考委員の椎名誠は、 「これだけ緻密に奄美を描いた小説は初めて」 と評したらしい。理不尽すぎる身分制度の中にあって、主人公らは逞しく、人を思いやる気持ちを失わない。そんな懸命な生き方に胸を打たれる。決して明るい話ではないが、日本ファンタジーノベル大賞の大賞を受賞したのも納得の作品だった。 | ||||
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奄美地方の描写が緻密で素晴らしいです。 奴隷生活の描き方もエグい。 2層構造で進む物語もいい。 2つの世界が交錯しかけた瞬間もあり、ハッとさせられた (意図的な演出かな?) 逆に唯一の欠点ですが、ある兄妹の関係が明らかになった時に 物語のミステリアスさが薄れ、少し平凡になった感がありました それはともかく、この賞の受賞作品は、 一般読者よりも審査員受けするようなハードルの高い物も多いが、 この作品は違いましたね。キャラクターも、皆、魅力的。 ただ女性が書いた作品のためか、男性キャラがちょっと清涼的で優しすぎるかな…? | ||||
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夜中に目が覚めて読み始めたら朝まで一気(笑) 200年前の奄美大島の兄妹(血のつながりはないけど神に誓った兄妹)の、 お互いを想う気持ち故の苦しみ。 そして、 現代の自分のために兄が苦しんで死んだということで成仏?できない妹の、 屈折した兄への愛。 結構どろどろしたことが満載なのだけど、ただ「切ない」 哀れといえばいいのか、それだけ執着できる相手を見つけられたことを幸せと思えばいいのか・・・ 「鳴いて血を吐く」もそうだけど、愛をつきつめたら人間死ぬしかないのよね。 で、死んでもその愛に縛られ続ける。 ん。ファンタジーだな(笑) しばらく遠田 潤子さまを追いかけてみましょっと。 アマゾン中古で150円+送料250円 大変にお買い得でした♪ | ||||
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言葉を話す鳥、山の神やきょうだいの幽霊などの要素を、絵空事にならずに織り込む力量が見事です。 圧政下の奄美の奴隷階級の悲惨さ、夢見ても報われない主人公を躊躇せずに描いていることが要因かもしれません。 お互いだけを切実に必要とする二人の切なさが胸に迫りました。月桃の香りをかぐたびに思い出して哀しくなりそうです。 | ||||
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女性ならではの、細やかな感情が盛り込まれた佳作。あまりにも哀しすぎる話なので、読んでいて辛かった。したがって、ストーリーは好きとはいえないけど、山の神のフィエクサに対する母性――それゆえの厳しさであるとか、言葉の軽くなった現代だからこそ、その重みが大切なのだという作者の強く、はっきりした主張には大変同感した。惜しむらくは、兄妹の罪…というには中途半端なことである。思いだけで(あるいは未遂行為のみで)裁かれなければいけないとしたら、あまりにも酷なのではないか。綺麗すぎてドロドロに至らないのは、この作品の品をよくしているが生々しさには欠けると思う。まあ、始終ファンタステックな空気で統一する必要性があったのかもしれないが。 文章自体はこの賞の受賞作にしては読みやすく、場面転換も無理がなかったことがよかった。沖縄言葉も興味深く読ませてもらったし。ただ、もう少し漢字を考えて欲しかったなあ。とくに植物名はカタカナにできなかったのだろうか。沖縄言葉と同じカタカナ表記でよかったのに、と思う。 ラスト、茉莉香が生き抜こうと必死でカヤックを漕ぐ動機――「兄を貪る」ということ――が、私には多少違和感があった。「兄を貪」った後で、今度こそ自分の足で生きていけるだろうという未来が、そこにはまだ見えなかったから。まあ多分、そうなるということで。 | ||||
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狙いだろうけど、漢検?って思うくらいの漢字とか奄美独特の言葉とかが読み辛い。ファンタジーなのに奄美の史実に基づいた所とかも重い。 ただ、面白かった。Amazonから届いて一気に読みました。 奄美大島で育った私には、匂いや湿度、木々の息づかいも体感しながら読みました。元ちとせさんの唄声が今もグルグル回ってます。 是非、読んでみてほしいです。 | ||||
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出だしはどうもピンとこなかったんですが、奄美大島での話になってからはぐいぐいと引き込まれました。兄と妹が主人公ですが血のつながりはありません。 江戸時代の奄美大島は薩摩藩の圧政に苦しめられていました。その中で琉球の独自の文化が守られています。感動の大作で涙なしには読めません。女性にもってこいの話だと思えました。 | ||||
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独特の世界をもち、今後がすこぶる楽しみな新人作家が現れました。 神話と現実の間を巧みに行き来する、ファンタジーとしての出来映えに関心が奪われがちですが、実は人間の「孤独」をテーマとした、胸に迫る人間物語です。絶望的な運命から解き放される幻想を抱いては、踏みにじられるフィエクサの哀れに、涙せずにはいられません。 | ||||
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日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作である。 一気に読んだ。 この賞の受賞作は読むのに苦労する作品が結構ある。 良く言えば枠にとらわれることがない、悪く言えば一般受けしないマニアックな作品が多いからだ。 ごく普通の読書人にはちょっとハードルが高い。相当の読書家でないと作品の面白さがわからないことがある。 が、この作品は一気に読めた。 けれんのない、物語性の豊かな作品である。 舞台は200年前の奄美大島。そこに現代の奄美の海上を漂う少女と鷲の語りが交わる。 琉球は歴史の授業に出てきても、奄美については習ったことがない。 こんな過酷な歴史があったのだ。 その時代に生きた兄妹の愛。 理不尽な世の中を生きる人々の生。 人の弱さ、狡さ、悲しみを見事に描いている。 物語の最後で語られる言葉は、そこまで読み進んできた者の胸に深く刺さる。 「おまえも一粒の椎だ」 この本を手に取り、この言葉の意味をぜひ知って貰いたい。 この言葉を必要としている人が、現代にも多くいるはずだ。 読書の喜びを存分に味わわせてくれる物語だと思う。 | ||||
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