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月桃夜
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月桃夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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女性ならではの、細やかな感情が盛り込まれた佳作。あまりにも哀しすぎる話なので、読んでいて辛かった。したがって、ストーリーは好きとはいえないけど、山の神のフィエクサに対する母性――それゆえの厳しさであるとか、言葉の軽くなった現代だからこそ、その重みが大切なのだという作者の強く、はっきりした主張には大変同感した。惜しむらくは、兄妹の罪…というには中途半端なことである。思いだけで(あるいは未遂行為のみで)裁かれなければいけないとしたら、あまりにも酷なのではないか。綺麗すぎてドロドロに至らないのは、この作品の品をよくしているが生々しさには欠けると思う。まあ、始終ファンタステックな空気で統一する必要性があったのかもしれないが。 文章自体はこの賞の受賞作にしては読みやすく、場面転換も無理がなかったことがよかった。沖縄言葉も興味深く読ませてもらったし。ただ、もう少し漢字を考えて欲しかったなあ。とくに植物名はカタカナにできなかったのだろうか。沖縄言葉と同じカタカナ表記でよかったのに、と思う。 ラスト、茉莉香が生き抜こうと必死でカヤックを漕ぐ動機――「兄を貪る」ということ――が、私には多少違和感があった。「兄を貪」った後で、今度こそ自分の足で生きていけるだろうという未来が、そこにはまだ見えなかったから。まあ多分、そうなるということで。 | ||||
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