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忘れられた花園
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忘れられた花園の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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面白かったのですが、作者の他の作品とほとんどテイストというか、プロットが変わらないのが残念。。 訳の美しさで読み切った感じです。 | ||||
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主人公の過去と現在だけでなく祖母や曾祖母、様々な登場人物の過去がタイムトラベルをミルフィーユにした様な展開で記憶力を試される作品でした。50歳半ばの私にはボケ防止になるかも… | ||||
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何気なく書店で手にとって読んで、面白かった。 はじめの頃の少女カサンドラが、自分の歯ブラシが見つからない、と震え泣くシーンは妙に心に迫った。ネルが骨董商を始めるきっかけになる時の話で、育ての父親に教わっていた大工仕事が手に馴染んでいることに気づき涙するシーンも。 だから、育ての親と生みの親は一体どちらが身に必要なものか?と読み終わってからも考えさせられた。 批評に「ハーレクイン」とあり、ハーレクインものを読んだことが無いので検索したところ「恋愛小説」とあった。確かに、恋愛に帰結したラストだったけれど、少女漫画的ではなかったな。男は割と影薄いですよね。この物語に出てくる男は、一途過ぎて頼りない人が多いような。要は女ですよ。女のキャラと関係がみんな濃い。アデリーンの行くとこまで行く悪役ぶりは、全く面白かった。 解説も面白くて、解説に出てきた作品達を調べてみようと思います。 | ||||
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やっと下巻を最後まで読み終え、禁断の訳者あとがきも楽しむことができました。 訳者さんも、思い入れたっぷりなことが伝わってきます。 上巻に引き続き、長くて複雑にからまりあった物語が100年の時を経てほぐされていきます。 一番気になっていた謎は最後の最後でした。 なんとなく予想できた展開ではありますが、登場人物の気持ちになりきってハラハラ。 些細な出来事や、タイミングのずれで人生が大きく変わってしまうことに歯がゆさを覚えながらも、 これこそが「物語」というものの面白さなんだろうなぁと思います。 謎解きをして分かったことと、実際に起きたことに少しのズレがあるのも、 過去と現在をダブルで描くからの面白さ。 哀しい物語ではあるけれど、女性たちがそれを自分で選択し、後悔せず、 与えられた状況の中で精いっぱい生きる姿には、清々しささえ感じました。 最後には救われたし、やさしい気持ちになれました。 もうしばらく、この余韻に浸っていたいです。 個人的には、フォーレのレクイエムが合いそうな気がします。 他の作品も文庫で出るといいなぁ。 | ||||
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以前から気になっていた本だったのですが、『リヴァトン館』の哀しいイメージから敬遠。 読んでみたら、謎解きの面白さにぐいぐい引かれていき、もっと早く読めばよかったと思いました。 波止場にぽつんと取り残された少女、という始まりから、物語がどんどん大きくなっていきます。 孫の時代、祖母の時代、その祖母の時代と時間が飛ぶのですが、話がうまくつながっていて 当時のことを回想した直後に、その時代が現在進行形で語られるという具合。 だから100年前のことも生き生きとしていて、古臭さがありません。 それぞれの時代のそれぞれの女性の生活や思いが丁寧に描かれていて、 どれも興味深く、それを知るだけでも価値があると思いました。 そこに謎解きが加わって、解こうとすると新たにまた謎が出てくるので、面白さ抜群。 また、タイトルから想像できる通り、バーネットの『秘密の花園』を彷彿とさせます。 特に物語の舞台がイギリスのお屋敷に移ってからは、新しい人が登場する度に、 これは『秘密の花園』のあの人だ!、とわかるくらいはっきりしていて、 ちょこっと出てくる鳥でさえ、あのコマドリを思い出させました。 もちろんストーリーは全く違うのですが、閉ざされた花園も出てきますし、 サプライズの登場人物もいました(これは下巻の最初の方でした)。 あの話の雰囲気を別の形で味わえることで郷愁に浸れるというか、 「あぁ、『秘密の花園』だ…」と感慨深いものがありました。 『秘密の花園』が好きな人には、是非読んでほしいと思います。 まだ下巻は読み終わっていませんが、ここまで緻密に物語を構成し、 一人一人の人物に世を与え、人の弱さや強さを描いたのは素晴らしいし、 どんな最後になっても満足できるのでは、と思っています。 最後を知るのがちょっと怖いですが… | ||||
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ケイト・モートンの物語は、現在や過去を交錯して進んで行く。忘れられた過去は優しく解放されるが、影は光の中で尚残像となる。主役はいつも女性。花園や意匠を楽しみ影を許していこう。 | ||||
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不可思議な出来事をスタートにじっくりと情報が追加され、本当にゆっくり話の全貌が見えてきます。 最初は大分距離の離れたプロットが多いので、ヒントはありながらも、一体何のことだろう?と感じることも多かったです。 ですが、上品な翻訳と、気になるタイミングでの場面転換があり、ついつい先が気になっていきます。 時間をかけて、ゆっくり読みたくなる一冊です。 | ||||
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<上>では上品な物語の展開を読みながら、輪郭を描いていく。絶妙なタイミングで切り替えがくるのと、読み手の意識が時代を飛び交うので、少々混乱したり、名前がこんがらがったり、ちょっと飽きる時もあった。 <下>では、そんな情報たちが一気にまとまり始める。 それぞれの葛藤、交錯する思い、そして…愛。 あの場面は、こういうことだったのかと、切ないラストへ向かっていく。 「忘れられた花園」というタイトルが、意味を持って浮かび上がってくる。 読み応えのある一冊。 | ||||
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デュ・モーリアと比較する内容紹介を目にしていましたが、実はデュ・モーリアはあまり読んでおらず、クリスチアナ・ブランドのロマンチックサスペンスみたいなものだったら面白いかなと購入。 読後感は内容紹介が正しく(笑)、ブランドではなく昔ちょっと読んだデュ・モーリアに確かに近い印象です。が、デュ・モーリアほどの鮮やかな展開はなく、むしろゴシック・ロマン設定のメロドラマ(悪口でなく本来の意味です)が手堅く語られていく印象です。 年代・場面の切り替えのタイミングが非常にうまいです。 その切り替えによって、読者は常に登場人物よりも一足先に次の手がかり、情報を与えられます。そのため謎解きを楽しむことはできないのですが、主人公の動きを応援したい心理が生じ、物語としてのリーダビリティも高まっているといえます。 惜しむらくは、ラストをラブロマンスとしてまとめてしまったこと。 ストーリーの軸がラブロマンスであるわけではないのですが、ラストで主人公の新しいパートナーとの人生を示唆してしまったため、様々な人生のありよう、憎悪や執着までもが小さくまとまってしまったようで...女子供向けになってしまったというと語弊がありますが、もう少し「毒」の要素を強調した方が鮮烈な印象を残したんじゃないのかなぁ... この点がどうしても残念なのですが、文庫としてあちこち持ち歩きながら読む本としては十分堪能できた本でした。 | ||||
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「リヴァトン館」が良かったので、久々に凄い才能の著者が現れたと思って こっちも楽しみに読んだのですが… まず、時制がバラバラの出来事が交互に語られるので、途中で思考が中断 される感じで、すんなり物語に入り込めない。 「上」を読み終えて、「下」はもっと良いかと期待したけれど、読み進めるうちに 「これってハーレクインじゃないの?」という印象が強くなりました。少なくとも、 文学とは思えないチープな後味。 ガッカリ感満載で読み終えました。 「リヴァトン館」の賛辞に「ダフネ・デュ・モーリア(「レベッカ」)の後継者」とありましたが、 この本を読んで、それはダフネ・デュ・モーリアに失礼だと悟りました。 でも「リヴァトン館」は良かったので、読むならそっちをお勧めします。 | ||||
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レビューを書きたいと思った本は久々でした。 こちらは上下巻の感想です。個人的には前作『リヴァトン館』よりも好きです。厄介だったのは、私個人の性格もありますが、なかなか話にのれなかったことでしょうか。何分長い話なので、のめり込むまでは集中力がないと読みきれません。上巻の半分くらいまでは全貌がよくわからないし、ゆっくりと話が進むのでちょっと辛抱しました。その後は個人的にはどんどん読み進め、下巻もあっという間に終わりました。 さて、本の内容ですがあらすじは既に紹介されている通りです。この本の面白いところは3人の女性の目線によって、さまざまな時代や角度から真実が見え隠れするところ。最初は頭が混乱するけれど慣れていくと様々な時代に飛び移るために、飽きがこないところが良いです。また、要所に挟まれる『おとぎ話』は物語の根幹の象徴であり、布石でもあります。ここはしっかり読んでおくことをおすすめします笑 リヴァトン館のような、衝撃的なスキャンダルみたいなことはないのですが、登場人物それぞれの心情の動きが繊細で生々しく、思わず感情移入してしまいます。特に終盤ではイライザのことを想うと、かなり切なく悲しい気持ちにさせられます。何もかも丸く収まるハッピーエンド、とはいきませんが、読了後に残るやり切れなさや甘さのようなものはここしばらくで読んだ本にはなかったもの。ゴシックロマンス、19世紀英国や秘密の埋もれた古城、、、などなどお好きな方には是非おすすめしたいですね。 | ||||
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もうすぐクリスマス、という時に綺麗な緑と赤の本が並んでいるのを見つけて「あらークリスマスカラーじゃないの」と手に取ったのが最初。1ページ立ち読みして「へえ、読みやすい訳だね。すーっと入ってくる」と思い、連れて帰りました。 まだ緑の方{上巻}しか読んでいないのですが{下巻が赤色}レモンのスライスが喉に詰まったような感じ、とか、ベルベットのスカーフをふわりと置いたような海、とかいう表現が出てきて「おおーオシャレ!なんか分かる気がするよそう言いたい感じだったんだなって」といちいち感心しました。物語はいろんな人の視点から語られるし、いろんな人の生きた時代に飛びます。ERっていうアメリカのドラマがあったけれどあれとちょっと似ているかもしれない。並行していくつかのお話が進んでいくような。源氏物語にも似ているかな?あれも視点が変わりますよね。源氏物語、っていうのに周りの女の人視点で物語が進んでいくんだよね。 えーと。このお話は、とにかく時渡りしまくるので、私はメモしながら読みました。家系図とかもね。メモしながら読んだ方が分かりやすいと思います。今のところネルが好きかな。吉行和子さんビジョンで読んでます。2番目がイライザかな。こちらは桐谷美玲ちゃんビジョンで。下巻も楽しみです。 | ||||
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あらすじは、他の方が書かれた通り。 作者は描写力も構成力もある。 世代の違う登場人物それぞれの時代や場所の雰囲気が良く伝わってきた。 ミステリーの背景となる出来事も読者の関心を離さず語られていく。 ただ人物を語ることに力が入れられていない。 作者が選んだ時点の出来事が語られるので、途中の心情変化などは言葉で説明されておしまいなのだ。 例えば、ある登場人物達は双方相手に対して偏見を持って出会ったのだが、次の時点では切っても切れない程の仲になっている。 なぜ、どのように、と気にはなるが、ストーリーは進んでしまう。 選んだ時点について書くことで、作者は登場人物の変化の部分を具体的に書くことから逃れている。 それがどの人物にも入り込めないことに繋がり、私にとっては少し物足りない作品になってしまった。 | ||||
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1913年オーストラリアの港に一人降り立った少女。 ネルと名付けられた「この少女はいったい誰なのか?」というところから、物語は始まります。 上巻でイギリスを訪れたネルの記憶がフラッシュバックし、 ネルの軌跡を追い求める孫娘カサンドラの調査によって、ネルの両親は判明します。 しかし、それだけではないのです。 「なぜイギリスの上流社会に生まれた少女が、オーストラリアに一人たどり着いたのか?」という謎が残っています。 この謎を解くために、コテージハウスとその忘れられた庭を修復するカサンドラは、恐るべき秘密を知るのです。 第一次大戦前の退廃したイギリスの上流社会の狂気が、女性たちの運命を狂わせていきます。 イライザの救いようのない、悲しい人生。 実父母に「捨てられた」と思い込み、安らかで明るい人生のぬくもりを放棄したネル。 夫と子供を事故で亡くし、その喪失感から立ち直れないでいたカサンドラ。 3代の女性たちが奏でる悲しい旋律が物語を包み込みます。 カサンドラの友人ルビーの言葉「失ったもので人生を測っては駄目」という言葉と、不思議な体験を共有した男性の出現によって、 一つの物語は幕を閉じ、「自分の居場所」を見いだしたカサンドラは 新たな一歩を踏み出します。 サスペンスとしては謎が容易に解けてしまいますが、失われたものへの鎮魂歌として深い余韻を残してくれる一冊です。 | ||||
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なにかの書評を参考に入手したが、哲学性に欠ける。上巻を読んだので、とにかく下巻も読んでみた。 | ||||
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イギリスのあの時代の雰囲気は感じられたものの、何か起こりそう、次こそ何か起こりそうと読みながら結局そのまま終わってしまった感があります。 長いため、途中でだいたい結末が想像つきますが、まさかそんなわかりやすいオチではないだろうと思っていたのに、そのとおりで残念です。 登場人物や冒頭のミステリアスな設定から、もっと劇的な展開を期待していました。 ネルやイライザの章は好きでしたが、カサンドラの章は個人的には甘過ぎのように感じました。 | ||||
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本屋で見つけて、これは!と思い一気に読みましたが、なんか期待した程ではなかったような…。「秘密の花園」+「めぐり合う時間たち」みたいな感じです。読後がすっきりしないのは、他の方と同様で、なんでだろー? 人物、背景描写、ばっちりなんだけどなあ! コーンワルの雰囲気を味わうのなら、とてもお勧めです。 | ||||
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まずは一言、作品の精緻さでは前作には及びません。 ミステリーとしての謎ときも下巻に入ったあたりで見当がついてしまいます。 (何故当事者たちがとっとと気がつかないのか疑問。ルックスにあれだけ触れているのに・・・・) できれば、裏切って欲しかったのですが・・・ 過去が幾重にも重なって謎のベールが一枚一枚はがされていくという構図では初期のロバート・ゴダードが好きなのですが、 あそこまでのカタルシスはラストにはないです。 ですが、子供の頃「秘密の花園」の閉ざされたいわくありげなさびれた庭に心躍らせた身としては ミステリーの謎とき以外で楽しい読書時間を過ごせました。 作者と同じく、イギリスのゴシックロマン好きなので。 残念なのはあの濃いキャラの伯父様が生かしきられていないこと。 もっと何かあるかと思うじゃないですか・・・・ いっそのことパリサーの「五輪の薔薇」くらいやってくれると溜飲が下がるのですが。 道具立てが良いだけに、ちょっとおしい、と思ってしまって☆3つ。 イギリスでTV映画とかにならないかな〜と期待してます。 もっと暗いのお好きな方にはサラ・ウォーターズの「エアーズ家の没落」をお薦めします。(笑) あとハーレクィンじみた感じで同じくコーンウォールを舞台にしたロザムンド・ピルチャーの「帰郷」も。(ミステリーにあらず) | ||||
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1913年、少女はひとり船に乗ってロンドンからオーストラリアへと向かった。到着地で身寄りもなく自分のことを話そうとしない少女はあるオーストラリア人夫婦に引き取られ、ネルと名付けられて育てられる。 2005年、ネルは大往生を遂げるが、彼女の遺品をもとに孫娘のカサンドラはイギリスへと旅に出る。祖母が一体何者であったのかを探しもとめて…。 100年以上の時と二つの国をまたいでミステリアスな物語が展開します。 上下巻で700頁近い大部の小説ですが、実にスリリングなストーリーラインに引っ張られ、時が経つのを忘れて読みふけってしまいました。 この物語の源はビクトリア朝時代の19世紀末にあり、ゴシック調の当時の暗く湿った時代の空気を巧みに表現しています。その一方で現代に生きるカサンドラは、物悲しい過去を背負いながら謎を追う、行動的な女性として描かれ、これもまた大変感情移入しやすい人物造形がなされているのです。 そして謎を解いていくことによってカサンドラが目にするのは、女性たちがかつて歩まざるをえなかった哀しく厳しい時代のこと。 しかしそれでも人間は昨日を乗り越えて明日へと歩み続けてきたこと。 「人生は自分が手に入れたもので築き上げるものよ、手に入れ損なったもので測っちゃ駄目」(下巻226頁)。 人生を肯定するそんな言葉が登場するのですが、その言葉が真に胸に迫ってきます。 最後にぜひ強調しておきたいのは、訳者の日本語が大変に見事であること。 物語の流れを堰き止めてしまうような硬質の訳文はひとつもありません。この小説があたかも最初から日本語で書かれたかのような錯覚をおぼえるほどです。 「survivor」を「へこたれない子」、「home」を「自分の居場所」と訳すところなどは、主人公たちの心情を鮮やかなまでにつかみとっていて、ほれぼれします。 こんな素晴らしい翻訳家がいたことを知らずにいて損をした気分がしました。 小説を読むことの悦びを教えてくれる書として、ぜひ誰かに知らせたくなる物語というのが時に私の前に現れます。 この『忘れられた花園』はまさにそのような書であると、いま私は自信を持って言うことが出来ます。 | ||||
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「嵐が丘」、バーネットの「秘密の花園」、フィリパ・ピアスの特に「トムは真夜中の庭で」・「ハヤ号セイ川を行く」、そして、スーザン・クーパーの「コーンウォールの聖杯」などを小学校高学年から思春期にかけて読み、それがきっかけで英語やイギリスが大好きになった人にぜひ!読んでいただきたい作品です。 作者はオーストラリア人。舞台は1913年、オーストラリア行きの船に一人取り残された英国の幼女の登場によって始まります。この子の「居場所」(ホーム)とはどこか、また、何かというのがこの作品の主題です。 わたくしごときが最初のレビューを書くことになって恐縮です。原書の方に読み応えのあるレビューが複数ありますので、そちらにお回りください。また、3月20日の朝日新聞に、わたくしの大好きな鴻巣由季子さんの書評が掲載されていますので、そちらもどうぞ。 謎解き自体は、わたくしががん患者なので、途中でわかってしまいましたが、美しいもの、真摯なものが何よりの薬だと思っているわたくしには、最後まで、細部に至るまで楽しめる作品でした。 それと、訳者の青木純子さんも下巻の巻末に書いておられますが、後書きは絶対に最初には読まないでください。「ああっ、あたしも思った、思った。」ということが書かれていて笑えます。青木さんご自身はユーモア精神に富む方のようですが、しらばっくれて、きっちりとお仕事されているのもよかったです。 あつかましいことに、わたくしは、この作者の最新作"The Distant Hours"をアマゾンさんに発注してしまいました。どうなることやら・・・ | ||||
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