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(短編集)
失はれる物語
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失はれる物語の評価:
| 書評･レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評･レビュー一覧です
※以下のAmazon書評･レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全143件 121～140 7/8ページ
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| 私は昔友人に「夏と花火と私の死体」を薦められてからずっと乙一さんのファンです。乙一さんはミステリーとしての印象が強いかもしれませんが、一つ一つ、たとえどんなエグイ話でも読んだ後にポッカリと口があいてしまうような、本の中に心を半分置き去りにしてしまったような、なんとも言えない気分になります。それは、切なさからだったり。驚きからだったり。緊張からだったり。失われる物語は切なさが溢れます。ストレートに気持ちを伝えているセリフがある訳ではない。主人公が魅力的な訳でもない。どこにでもいるような不器用な人々が主人公。なのに切なさがこみ上げてくるのは文の端々に少しのぞく気持ちや態度。涙で本を汚さないようにティッシュ必須の本です。 | ||||
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| ファンタジーな趣きが強いストーリー重視の作品集です。 やはり表題作の「失はれる物語」は、琴線に触れるものがありました。 我孫子武丸絶賛の「しあわせは子猫のかたち」も、心に切なく響く いい作品でした。 本作品集は、乙一の中では変化球のような気がしますが、テクニシャン ぶりは相変わらずです。装丁も、思わず手に取ってまじまじと見てしまうこと間違いなしです。 | ||||
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| 人間の持っている闇と、そこから見出された光、その２つが上手く重なり合って、胸をうたれます。６編の物語はすべて、正直な人間の感情が表れています。特に、書き下ろしの「マリアの指」はユニークなつくりです。表紙もかわいいです。 | ||||
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| 相変わらず小説というよりは、発明品がたまたま小説という形をとっている感のある乙一の作品集。乙一の小説を読むと「一度この人の頭の中を見てみたい…」といつも思ってしまう。 あとがきでの「いつものことだが、小説を通して主張したいことなどひとつもない」という著者の言葉が気持ち良い。ミステリー作家にはこれくらいのふっきれ感があってほしい。とは言っても、空想の中の携帯電話にある日突然電話がかかってくる「ｃａｌｌｉｎｇ ｙｏｕ」などは乙一お得意のセツナイ系。泣けます。 | ||||
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| とめどなく湧き上がる切なさと悲しさを凝縮させて宝石という形に変えてしまった様な一冊でした。装丁も特殊加工と美しく凝っており、思わず何度も触れ眺めてしまう。私個人、特にＣａｌｌｉｎｇＹｏｕが非常にいたく感銘的でした。これだけ泣けてしまうものなのだろうかというくらいの号泣。短編集では滅多に泣けないのですが、さすがは短編集の名手と謳われるだけの乙一先生です。 | ||||
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| 僕は表題作の「失はれる物語」が一番好きです。主人公の悲しいほどのやさしさに胸を打たれました。指以外の感覚が失われて何も見えない聞こえない言えないという世界にいてもなお、お互いに気持ちは通じ合ってると思えます。そこに感動して、そしてとても悲しい。絶対映像化はできないテーマだし、小説だからこそ主人公や奥さんの気持ちがひしひしと伝わってくるのだと思います。こんな題材を思い付くなんて、尊敬します。 他の短編もみんなせつなくて、感動します。個人的には「世界の中心~」より泣けると思います。 | ||||
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| 人生の中で、「孤独」を選択したいようなときがある。 ほんの数日のあいだ、「やりきれない」気持ちを自分の中に沈殿させておきたいときもある。 そんなときに、この作品がお勧めのような気がします。 表題作は、繊細な描写に、泣けてくるというより「やりきれなさ」を感じます。でも、苦しいものではなく心地いいようなフワフワしたような・・・。読んでみてください。 | ||||
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| 短編集でどれもこれもいろいろなジャンルがあり…退屈しなく一気によめました。 とても興奮させられました。この乙一さんの本は読むべきだと思います。 | ||||
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| 表題作で号泣。 『ＧＯＴＨ』『ＺＯＯ』に引き続き、３冊連続で読んでしまった乙一作品。 乙一は、初期の「せつなさ」の時代と、後期（というか現在の）「ミステリアス」な時代とに分けられるが、こちらは初期の作品を集めた「せつなさ」の一冊。 特に表題作は傑作。右手の指以外全て、全身不随になってしまった夫に妻がしたことと、それに対して夫が示したある愛情…。美しい短編。 ただ、実は私は、収録作の最後の１編は読まずに放り投げてしまった。なぜか「もういい」という気分になってしまったのだった。乙一作品ばかりを立て続けに読みつづけてきたからなのか、それとも乙一作品に限界があるからなのか、そこはまだ、分からないのだが。 | ||||
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| 既に角川スニーカー文庫で発表済みの5作に、新作「マリアの指」を加えた6作と、あとがきからなる短編作品集。あとがきによると、「ライトノベル」と呼ばれる形式の本（富士見ファンタジア文庫や前出の角川スニーカー文庫など）では手にとってもらえない客層が存在するため、一般書の形式に作り直した作品集であり、これを著者自体「ある種の敗北」と表現しています。しかし、この中に収められた作品はどれも味わい深く、著者独特のちょっと奇妙だったり、変わった味わいがありながらも切なく、悲しく、そしてあたたかい作品に溢れています。それだけに、「ライトノベル」だからといって、これまで敬遠していた人にも、ライトノベルを見直してもらえる内容ではないかと思います。また、熱心な読者としては既に既読の5作品に新作が1作と、少し物足りない感もあるかとは思いますが、装丁が素敵なので、単行本なりの良さも実感できるのではないかと思います。右手以外の全ての感覚を失い、それだけが世界とのつながりとなってしまった男の物語「失はれる物語」や、世間の汚い部分、いやな部分を浮き彫りにしながらも純粋な、素敵な世界を見せてくれる「傷」などは非常に泣けました。また、著者が3部作として、主人公に思い入れのあるのはこの3作品のみ、と言い切る作品のうちの2作、ほのぼのしみじみとした自己回復を扱ったゴーストストーリィ「しあわせは子猫のかたち」と、自分の心の中の想像の携帯電話がある日つながり... という設定も引き込まれる「Calling You」が収録されているのもポイント。 | ||||
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| 書き下ろしのマリアの指は中々よい作品だったと思うがいまいち乙一スパイスが薄い。 失はれる物語の味が濃い分これでもいいのだろうが、少々不満が残った。書き下ろしのために1500円払えるかどうか。それが問題だ。 | ||||
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| 「ＧＯＴＨ」や「seven rooms」のようなグロテスクな表現が苦手だった人には、こっちの方が読みやすいんじゃないかなぁ、と思います。表題作「失はれる物語」は、右手以外の全ての感覚を無くした、植物状態一歩手前の男の、一人称で語られます。 視覚も聴覚も機能していない人間の胸中を、ここまで描く作者の表現力に驚きました。今までの世界を失い、違う何かを手に入れる。 収録されている６編は全て、生きる上での切なさに溢れ、 しかし、読後に残るのは虚無ではなく、不思議とあたたかさでした。ちなみにこの本の装飾はとても綺麗なので、文庫ですでに読んでしまった方にもおすすめです。 | ||||
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| くどいようですがライトノベルです。 未発表書き下ろしの作品がひとつしか収められていないのも 読んでいてアイタタ…というところも これで全部説明がつくのでとても便利です。個人的には1.小学生のころに戻ったような気持ちになり 2.ドキドキしながら推理小説を読んでいる気分を味わえました。 もちろん1.が強調したい部分です。著者自身もあとがきで「語るのも恥ずかしい」と書かれていますが 「男友情ネタ」「子どもネタ」は気恥ずかしくても 「青い恋愛ネタ」には特に赤面されないのですね。近作に「GOTH」「リストカット」など現代風のテーマが多いので かなわぬ恋、汚れのない愛が究極であるという伝統的な恋愛観を あたりまえに継承されている、という点が意外でもあり、興味深くもあり… | ||||
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| 自分を考えさせますね。同じ世代だけに！ 読む価値はありなり~！ | ||||
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| この本の中に入っている話はすでに出版されているものばかりで、新しく載ったものは、「マリアの指」である。この「マリアの指」のマリアとは、主人公の姉の友達である。主人公が後輩と花火をしているとき、彼はマリアの死を目撃し、彼女の指を拾う。しかし指には・・・と言う内容で、犯人は意外だが、途中から自分で謎が解けるのが面白いし、快感である。切ない話もあり、涙がこぼれるものもある。人を感動させ、不思議な気持ちにさせ、驚かせ、読者を夢中にさせる。これらが彼の凄いところだと思う。 | ||||
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| 角川文庫から出ていた作品の中からいくつかを抽出して、プラス書下ろしを1作というのがこの本を説明する言葉として上げられるがこの本に載せられた作品のどの作品もラノベとしておくにはもったいなさ過ぎる作品であると思う(別にラノベ批判しているわけではないのであしからず)中々ラノベを手に取ることに抵抗がある人でも抵抗なく読むためにはもってこいの形かもしれない。 この中に載せられた作品の載っていた文庫は実は全巻持っていたのだがどれも好きな作品だったためつい買ってしまったが損はなかったと思う。 | ||||
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| 書き下ろし以外は全て読んだ事があったので残念でしたが、 載っている作品が好きな事と書き下ろしが面白かったのでこの評価です。 オススメはやはり「失はれる物語」ですが、どの作品もミステリーの乙一とは違う面白さがあると思います。 それとＧＯＴＨと同じ方のカバーデザインが乙一の斬新さに合ってとても素晴らしいです！ | ||||
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| スニーカー文庫からの再録５本と、書き下ろし１本を収めた短編集。装丁がキレイ。収録作を既に読んだことのある人だけでなく､初めての人も 読後にこのデザインを見ると、何かしら感じるものがあるのでは｡決して高尚な文学ではない｡だけど、だからこそ伝わってくるものもあると 改めて思わされた作品｡ | ||||
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| 以前角川に出版されていた本が２冊合本されるということで、 そんなに期待はしていなかったのですが・・・ 表紙がまずすごい！ びっくりしました。 あえて写真がのってないので、みなさんもその目で確かめてください。 書き下ろしのマリアの指もよいですよ。 | ||||
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| ライトノベルとして出版された過去の作品やブロードバンド映画原作となった「手を握る泥棒の物語」などを含めた6編からなる短編集。どの作品も乙一のもつちょっと暗い（？）独特の世界に浸れる物語ばかり。個人的には「ＧＯＴＨ」のようなミステリ色の濃いストーリーが好きなのだが、書下ろしとなる「マリアの指」がその点ではとても面白かった。既に他の作品を読んだ人はこの1篇を読むだけでも価値あり！余談だか、譜面をデザインした本の装丁が凝っていてかっこいい！ | ||||
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