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(短編集)
失はれる物語
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失はれる物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全143件 81~100 5/8ページ
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初めて手に取り、イメージから新しいタイプの作家かと思いきや、 冒頭の『Calling You』からしてロバート・ネイサンの『ジェニーの肖像』だし、 印象としては結構オーソドックスな作家さんでした。 多岐のジャンルの作品を書き分け、現代風な小道具を多用、 淀みない職人芸振りはコンスタントに若い読者を獲得するであろうし もちろん玄人にも教科書的に一読にの価値はあろう。 個人的には『手を握る泥棒の物語』のスラップスティック振りが スムーズなストーリー進行を綻ばせており、逆に楽しく読めた。 | ||||
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初めて手に取り、イメージから新しいタイプの作家かと思いきや、 冒頭の『Calling You』からしてロバート・ネイサンの『ジェニーの肖像』だし、 印象としては結構オーソドックスな作家さんでした。 多岐のジャンルの作品を書き分け、現代風な小道具を多用、 淀みない職人芸振りはコンスタントに若い読者を獲得するであろうし もちろん玄人にも教科書的に一読にの価値はあろう。 個人的には『手を握る泥棒の物語』のスラップスティック振りが スムーズなストーリー進行を綻ばせており、逆に楽しく読めた。 | ||||
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八篇からなる短篇集。最初の短篇『Calling You』から、架空の携帯電話で話をするというデティールの巧みな使い方に惹きつけられる。終わり方にもどこか希望の光がある。リリカルな怪作と言われている『ぼくの賢いパンツくん』にはパンツくんと明るいお話をするようになって、穴があいたから「さらばだ」というところで笑ってしまった。このようにどうしようもない主人公でも最後に光明を見いだせる文章に勇気づけられる。また映画にもなった『傷』や、『失われる物語』では、主人公のとてつもない優しさに言葉を失う。『KIDS』の前作を読んでみたかったのだが、他の短篇も傑作ぞろいで是非ミステリー好きの皆さんに読んで欲しい一冊となっている。 | ||||
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オレにとってはじめての“乙一体験”となったこの本は、一度、いわゆるライトノベルという形で、複数の文庫本で出版された5つの短編に、書きおろしの短編(というか、100ページ以上あるので中編と呼ぶべきか)「マリアの指」を加え、2003年に単行本として出版されている。文庫化にあたり、楽曲でいうと“ノベルティー・タイプ”と呼べそうなショートショート「ボクの賢いパンツくん」、そして文庫版へのあとがきのかわりとして書きおろされた「ウソカノ」の2編が追加され、全部で8編、およそ380ページという分量である。 ほとんどの作品には、一定のパターンのようなものがあり(“何か”が欠落した登場人物たち。やたら主人公自身やその身近で交通事故が起こる。リアルで“乙一ワールド”の住人になるのは、ちょっと勘弁…。)、「流れ」というか「持っていき方」の感じは、おおむねどれも一緒だ。「えー。ありえねぇよ、それ!」という展開や、「なんだこれ。読めたよ、先」ということも、けっこうある。 でも、だからこその感動が、最後に待っていたりするんだろうなと思う。 物語の底に流れているもの―それはおそらく、乙一氏自身の本質的なものだろう―がゆるぎないことと、たとえハッピーエンドでなくとも、どこかに希望のもてる終わり方であることが多いため、読んでいておだやかな、やさしい気持ちになれるのがいい。 個人的には表題作と「マリアの指」がいまひとつだったが、それ以外はどれも好きだ。 特に、『KIDS』として映画化された「傷」は、珠玉の青春小説だと思う(ここでのメインのふたりは小学生だけど、“青春”って感じがする)。 国内での実写映画化が続く乙一作品だが、アニメーション(たとえば原恵一監督)、あるいは香港や台湾などの映像作家によって映画化されたものも観てみたい。そんな気にさせられた、はじめての“乙一体験”であった。 | ||||
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どの話にしても、正直微妙…。 感動誘おう誘おうとして、それがあからさまになっちゃってるのが冷める。 | ||||
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乙一的なエグさが影を潜めていて、より一般向けな感じ。かろうじて「マリアの指」に見られる気がする程度です。 収録作品の多くに「人間の紐帯からの疎外または紐帯の欠損」という設定がみられます。 「Calling you」が斬新でおすすめです。 あと「ウソカノ」も自分の殻にこもる人を叱咤してくれる良作です。 | ||||
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切なくて、泣かせる短編小説集。 本書に収録されている大半の作品は、何年か前に角川スニーカー文庫で出版された3冊が初出である。 数年前に読み、切なくて泣いた短編小説を再読して、また切なくて泣いた。 特に冒頭に収録された、「Calling You」 そして巻末に収録された、本書が初出の「ウソカノ」 この二作はとことん泣けた。 この二編は着想もテーマも共通する部分が多い。 「Calling You」 人付き合いが苦手で、携帯電話を持っていない女子高生が主人公。空想の中でイメージした携帯が徐々に存在感を帯びてきて、ついには同じような境遇の同世代の男子と通話するに至り、恋に落ちるという話。 二人の気持ちは高まり、空港で待ち合わせして、会うことになる。 そして・・・・・ 「ウソカノ」 ちょっとしたはずみで、彼女がいると友達に嘘をついてしまったシャイな高校生男子の話。 嘘を突き通すために、細部にわたってプロフィールのディテールを築いてゆくうちに、空想の彼女はリアルに実感できる程の存在感を伴うようになる。 主人公と「ウソカノ」の蜜月な関係はやがて・・・・・ 共通する部分は多いのだけど、先ず心を打たれたのは、主人公が恋をして理解者を得ることによって、性格が前向きで明るく変化してゆく点だ。 「Calling You」の女の子は可愛くなってゆく。 「ウソカノ」の男の子は強くなってゆく。 そして、切ないのは、喪失。 でも、涙を誘うのだけど、やるせない気持ちの読後感ではない。 愛する人が去り、一人残される。 それでも、それまでの自分とは違う。 程度の差はあれど、きっと誰もが経験することなのだ。 だからこそ、切なくて、泣けるのだと思う。 | ||||
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この話の主人公たちは皆、辛い境遇にいます。 事故…人とうまく付き合えない…親に捨てられた… でもその真っ暗な中に、明るさが見える話ばかりです。 どれもさくっと読めて、感動、ミステリー、不思議、 色々な空気が楽しめてお得ではないでしょうか??笑 私のお勧めはなんといっても「傷」 友情や勇気、苦しさや痛々しさ。 そしてなにより人間の持つ優しさに、感動!! というよりココまでくると圧倒です。 他にも素晴らしい物語ばかりです! 一つ一つの話で全く違う気分になれますので さっきも言いましたが、お得です。 | ||||
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いずれの主人公たちも、大事な人から裏切られ、だれかれ問わず傷つけられ、誰も彼もが信じられなくなった。自分は周りに馴染めないのだとあきらめきっているところから、物語が始まる。彼らのもう一つの共通項は、事故や病気など、親の不在や別離である。 そんな孤独感にかられるときに、この短編集は希望をたぐりよせるような魅力があるのではないか。理想は幻想だったとわかっても、現実もそう捨てたものじゃないと思えることがあるのだと。 通じ合えた暖かいときは一瞬であり、いつか遠い過去の思い出になるとしても、とても貴重に輝く一瞬で。通り過ぎていくのは寂しいけれど、だけど、確かにそこにあった温かいものを忘れないし、未来は悪くなるとは限らないし。 子どもの頃の思い出がよみがえるような、ほっと一息つく感じがよかった。若い人向けといわず、ラノベ対象年齢以上の方にも勧められると思った。 | ||||
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読みやすくて、心に残る話。 乙一さんの作品の中でも失はれる物語が一番深く印象に残っています。 | ||||
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「さみしさの・・・」に続いて読んでみたのがこの短編集。 すべてが良い短編でしたよ^^ さらっと読めるし。 でも・・・ それ以上でもそれ以下でもないかな^^; 「ZOO」が最高だったので仕方ないですが。。。 | ||||
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『失はれる物語』は怖い!!! 実際植物人間になってしまった人は、もしかしたら みなさん こんな感じだったりするのだろうか?と思うと・・・。 ホラーのみならずホンワカした内容の短編もあり、 バラエティーに富んだ1冊。 | ||||
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本書のあとがきにもあるように乙一がライトノベルの媒体ですでに発表した 『きみにしか聞こえない』から2編、『さみしさの周波数』から2編、 『失踪HOLIDAY』から1編の5編に書き下ろしを加えた計6編で構成されて いるのが本書です。つまり本書は再リミックス短篇集と呼べると思います。 あとがきによると読者層を広げるために一般書の体裁で再構築したという ことだそうです。 (本書の文庫では「ウソカノ」という作品が新たに書き下ろされています) この短篇集『失はれる物語』は『ZOO』と違って奇抜なアイディアや ストーリーを軸にした物語はありません。どちらかと言うと乙一の真骨頂 である「せつなさ」に重きを置いた作品集と言えるでしょう。 以下が収録作品それぞれの感想です。 『Calling You』★★★★★ ひとつ目からやられてしまいました。素晴らしいです。冒頭の掴みから 中盤の展開、そして終盤からラストへと一気に加速するスリリングな プロット。秀逸なアイディア。そしてせつなさと共にやってくる衝撃の真実。 映画化もされている傑作です。 『失はれる物語』★★☆☆☆ 表題作ですが、これは少し物足りなかったです。主人公の奥さんが腕を鍵盤 に見立てて曲を弾くシーンは秀逸ですし、素晴らしいですが、展開がスロー テンポで少々飽きてしまいます。一本調子なんですね。 『傷』★★★★★ あとがきによると乙一さんが一番「語りたくない作品」だそうです。この作品 を執筆当時は作品を生み出すということの模索中で手探りで書き進めていった そうです。そのためか読み直すのも恥ずかしいとあとがきに書いてありました。 ですが、僕はこの作品に凄まじいエネルギーとパワーを感じました。確かに 若書き的な部分もあるのですが、メインアイディアの秀逸さと終盤の怒涛の 展開が素晴らしいことこの上ないです。終盤の病院でのシーンを映像として 想像するとあまりに衝撃的すぎて鳥肌が立ち、涙が出てきます。せつなすぎま す。ですが、ラストで主人公の二人に少しでも微かでも希望の光が射してよかっ たです。 『手を握る泥棒の物語』★★★★☆ この作品はホントに設定が面白いです。この状況設定だけで一見の価値があり ます。ネット・ムービーで映像化もされています。ラストにもっとカタストロフィ を味あわせてくれたら星5つでした。惜しい。 『しあわせは子猫のかたち』★★★★★ 伏線が散りばめられ、それを見事に回収し驚かせてくれる一編です。が、この 物語はその謎解き要素を楽しむものではありません。キュートさとせつなさと 誰かを大切に想う気持ちを。ラスト、子猫が鞄の中から出されるシーンには息 を呑み、そして打ち震えました。目頭が熱くなり、結末の手紙によって涙が溢れ てきました。この物語に出会えたことを本当に感謝します。乙一さん、ありがと う。何度も何度も読み直してしまいます。 『マリアの指』★★★☆☆ 乙一さんが思う「モンスターとしての神様」という存在がこの中に投影されて います。ドキドキしながら読むことのできる一編でした。 総合評価は文句なしの星5つ、満点です。 ぜひ読んでみてください。 | ||||
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乙一さんの作品は、ホラー作品ばかりかと思っていたけれど この作品は、短編小説集と思えないほど一つ一つの作品が丁 寧に書かれていて感動的です。 読んだ後、心が満たされると思います。 | ||||
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久々にショックを受けました。 「失はれる物語」これは凄い。小説はこういうものだと感動しました。 たった一本の腕を題材に、これまで話を膨らませられる作者の腕に驚きました。 稀に見る才能というんでしょうね。 胸が苦しくなる程感動しました。毎月20冊以上の本を読んでいる私でさえ、しばらく他の本を読まずに考えてしまいましたからね。読後は思わずかたまってしまいましたよ。 書くという作業に行き詰っている方、是非読んでみて下さい。世界が変わります。 | ||||
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久々に「これが小説だ!」と云いたくなる本です。破滅的で暗い話が多いですが、「幸せは猫のかたち」は最高に感動しました。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、残された手紙にある最後の一文は泣けます。私は年間100冊ほどの小説を読みますが、その中でもベスト3に入る傑作だと思います。 | ||||
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読んでいて心が温かくなったり、でもなんだかもやもやしたり、そんな短編集です。 面白いところもある、けどよく考えたらこわい。恐ろしい。でもやさしい。 一番いいお話だなと思うのは『しあわせは子猫のかたち』。 深夜家族が寝静まった後独りで泣きながら読みました。 ホラーというか、探偵モノも入ってるんだけど、 ほんとうにやさしくて、泣けました。登場人物のこころが切なくて、悲しい。やさしい。 日常にありそうでないお話ばっかりなんです。だから面白い。 買ってよかったと思える本です。 できたら静かな場所でどうぞ。 | ||||
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この著者の存在は、以前ホラー短編のアンソロジーに収録されていたことで知って、いつか他の作品も読もうと思っていました。そして今回読んだのがこの短編集です。独特の透明感があり、人間の心のディープな部分を描いているのに現実感が希薄な感じがするというか、自分自身の一大事なのに何か他人事みたいに感じているような不思議な気分になりました。どれも佳作で良いですね。 | ||||
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短編全て満足。本作にはグロ系がなく、全体的に切ない系。乙一さん独特の世界観にどっぷりと浸れた。 読むたびに思うけど、乙一さんの文には読ませる力がある。かたく退屈な場面がなく、終始ワクワクできる。 また、思い切った設定がこの人の特徴であり、魅力でもあると思う。本作は短編集なので、様々な不思議な世界を味わう事が出来る。非現実的ではあるものの、どこか現実味のある物語。絶対にあり得ないとはわかっていても、「もし自分がこんな場面に出会ったら・・・」と必ず考えてしまう。それくらい自分が乙一ワールドに引き込まれてる。本作でなぜ読者の支持を集めるのかが実感できた。 実際今自分の中で、『ボクの賢いパンツくん』が意外な感じで印象に残ってる。登場からやけに好印象なパンツくんに最初は笑ってしまいそうになったが、ボクとパンツくんのふれ合いたった数ページの中に、子供の純真さ素直さが詰まっている。この作品で、乙一さんの新しい一面を見ることが出来た。 | ||||
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乙一の小説を初めて読んだ。未体験の作家だったため、手に取るまでは長かった。しかし、初体験を終えるまではとても短かった。全編をすんなりと読めたのは、第一編の「Calling You」でこの作家に好感を持てたからだと思う。とにかく第一編は印象深かったし、一番面白かった。 全編通していえることは、先(結末)が気になる展開と、あっさりした読後感がライトノベルのようでありながら、地の文が純文学と呼ばれる小説に劣らない濃密さを持ち合わせていることだ。少ない時間で多くの充実感を得られる。どちらかといえばエンターテインメント性の強い作品のように思える。通勤、通学のお供やちょっと空いた時間には強い味方になるだろう。全編面白い。 ただ、ずっと付き合っていくならば、味気ない部分は否めない。心に強く残る作品には、なりにくいと思う。それでも普段あまり本を読まない人には、かなりお薦め。乙一、体験されたし。 | ||||
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