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(短編集)
赤々煉恋
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赤々煉恋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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朱川氏の小説は「花まんま」に続いてまだ2冊目です。「花まんま」が”なつかしい昭和”というような言葉でよく表されるのに対して、こちらはあまりにも作風が違うのでちょっとびっくりしました。 最初の「死体写真師」。以前どこで見たのだったか、確か1900年代前半のアメリカの古い本だったと思うのですが、死者にお化粧して服を着せ、生きているかのようなポーズを取らせて撮影した写真集がありました。不思議なような悲しいような不気味なような・・・なんとも言えない雰囲気の写真ばかりだったのでよくおぼえているのですが、その本のことを思い出しました。 妹が亡くなってしまい、両親もすでになく天涯孤独になってしまったヒロインは、葬儀社のすすめのままに、着ることのなかった花嫁衣裳を妹に着せて写真を撮ることに同意します。体を曲げ、折り、服を着せ、靴をはかせ、そして立たせて写真を撮るのですが、その過程はほとんど芸術的と言えるものの、死後硬直などを考慮して体をあれこれいじるわけで、なんともいえない不気味な気持ち悪さが残りました。そして最後は屍愛へ・・・ショッキングな結末です。 「私はフランセス」。体のパーツがない人に惹かれる男と運命の出会いをした女性の話です。愛する男性のために下半身を切り落としてトルソーのようになってしまったバーのママが出てきたり、これもかなり異様な話です。次の「レイニー・エレーン」は、東電OL殺人事件をテーマにしています。昼は東電のエリートでありながら、渋谷で売春をしていた彼女のエピソードが使われています。「いつか静かの海に」は、科学的な種あかしのオチはないファンタジーですが、雲母のようにキラキラ光る肌を持った胸までしかできていない部屋に横たわったままの女の子を月のお姫様と称して、月から取ったという水で育てていく話です。これも言わば異形の愛でしょうか。「アタシの、いちばん、ほしいもの」だけは現代風のホラーで、映画化されているそうで、ほかのものとはちょっと作風が違います。 いずれにせよ、読み終わってなんだか物悲しい気持ちになる作品ばかりでした。自分の好みとして、怪奇、ホラーは大好きなんですが、この短編集はかなり異様な、言わば奇形の愛の形が多く、正直言って読んでいてちょっと気分が悪くなりました。ただ、だからよくないというのではなく、小説としては大変よくできていると思います。人を選ぶ作品ですが、もしかしたら朱川氏の本質は、”ほのぼの”よりこちらの方かもしれないという気がします。 | ||||
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映画の予告編を見て興味を持ったので、読んでみることにした。 評価としては、良い作品、イマイチだった作品半々くらいだったので星3個にした。 印象に残っているのは、一本目の『死体写真家』と『アタシの、一番、ほしいもの』。 まず『死体写真家』は、単純に怖かった。 ホラーとしてというよりも、人間の『欲望』というものが、時に恐怖になるのだということが、恐ろしかった。 『アタシの、一番、ほしいもの』は、映画の原作になっているんだけど、まさかあんな終わり方をするとは思わなかった。 読んだすぐあとはよくわからなかったけど、たぶん逆説的に考えて見ることが、作者の意図ではないかと思う。 だから、小学校高学年や中学生の道徳の教材にしてもいいかもしれないと思う。 | ||||
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2006年に出た単行本の文庫化。 「死体写真師」「レイニー・エレーン」「アタシの、いちばん、ほしいもの」「私はフランセス」「いつか、静かの海に」の5本を収める短編集。たぶんホラー小説に位置づけていいと思う。 「アタシの、いちばん、ほしいもの」を除く4本は、いずれも変わった性愛の形を描いている。屍愛や肉体欠損の怪しい世界が、グロテスクかつ美しく構築されており、こういうのが好きな人にはたまらないだろう。 しかし、ストーリーとしてはイマイチ平凡な印象を免れない。予想通りの展開であり、オチが読めてしまうところが興をそぐ。 | ||||
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「花まんま」「かたみ歌」「都市伝説セピア」「いっぺんさん」などのハートウォーミングなお話とは一線を画した感じの一冊です。いつものほのぼの感はない。 本書を最初に読んでいたら、この著者の他の本をぜひ読もうとは思わず、したがって朱川氏のファンになることもなかったと思われます。 グロテスクな題材が多く、後味もよくない。 とはいえ、どんでん返しの妙味もあるし、どれもよくできた短編だとは思います。「花まんま」などの世界を愛する人にはお勧めできませんが。 その中で「アタシの、いちばん、ほしいもの」は唯一いつもの朱川ワールドに近いものがあって、ほっとさせられました。 | ||||
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著者はノスタルジックホラーの大家で、期待して読みましたが、 今回の作品はとても後味が悪かったです。 「死体写真師」は、職業としてあっても不思議ではないと思い ます。でも結末はとても怖ろしかった。「レイニー・エレーン」 は渋谷という場所も東電OL殺人事件がモチーフになっている のはすぐわかりました。また、「私はフランセス」も同様、 結末は想像していたが怖かった。 朱川さんの描く世界は、時に倒錯した愛や性の世界です。そんな 中、仄かな愛を感じたのは「アタシの、いちばん、ほしいもの」 です。この作品だけには、確かな愛とユーモアが感じられました。 | ||||
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朱川さんの作品を初めて読みました。 ミステリーの方だと思っていたのですが ホラー系が主流の方なのですね。 どちらかといえばホラーは苦手なのですが この作品は短編集ということもあり どうにか読むことができました。 そこにはアブノーマルながらも「愛」が 感じられるからかもしれません。 | ||||
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