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(短編集)
赤々煉恋
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赤々煉恋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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朱川湊人のホラー小説は、ノスタルジックなものと暗くて病的なものと、どうやら2種類あるようだ。本書は後者のカテゴリーに属するだろう。 1話目の「死体写真師」。主人公は悲劇的な結末を迎えるが、もともと妹の死体写真を撮ろうとした時点で「お前も病気」と思うのは私だけ? 4話目の「私はフランセス」はもっと病的。恋人のために健康な自分の腕を・・・。おっと、この先はネタバレ。 どちらの話も暗くてオエっとなりそうな話。でも、読み終えた今もその余韻が残る。そんな不思議なお話が詰まった短編集。私は好き。 | ||||
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世にホラー小説は数多あれど、ことそこはかとないエロティシズムを漂わせた恐怖といえばこの作家は第一人者で、 その作者の真骨頂ともいえる短編集。 恐ろしいが惹きつけられるという背徳感と生々しさは、 あまりに現実からの乖離が甚だしく、 一幕の映画を見ているような気にさせられます。 | ||||
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著者の「花まんま」そして「かたみ歌」が傑作だったのでこの本を手にしたのですが・・・・。本当に酷かったです。全編とも作者の変な性的嗜好を見せつけられたような気がした(「気がした」だけで決して断言していないので悪しからず!)だけではなく、オチもバカバカしくて・・・。彼の他の本と比べるとこの短編集は本当に駄作です。 | ||||
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朱川氏の小説は「花まんま」に続いてまだ2冊目です。「花まんま」が”なつかしい昭和”というような言葉でよく表されるのに対して、こちらはあまりにも作風が違うのでちょっとびっくりしました。 最初の「死体写真師」。以前どこで見たのだったか、確か1900年代前半のアメリカの古い本だったと思うのですが、死者にお化粧して服を着せ、生きているかのようなポーズを取らせて撮影した写真集がありました。不思議なような悲しいような不気味なような・・・なんとも言えない雰囲気の写真ばかりだったのでよくおぼえているのですが、その本のことを思い出しました。 妹が亡くなってしまい、両親もすでになく天涯孤独になってしまったヒロインは、葬儀社のすすめのままに、着ることのなかった花嫁衣裳を妹に着せて写真を撮ることに同意します。体を曲げ、折り、服を着せ、靴をはかせ、そして立たせて写真を撮るのですが、その過程はほとんど芸術的と言えるものの、死後硬直などを考慮して体をあれこれいじるわけで、なんともいえない不気味な気持ち悪さが残りました。そして最後は屍愛へ・・・ショッキングな結末です。 「私はフランセス」。体のパーツがない人に惹かれる男と運命の出会いをした女性の話です。愛する男性のために下半身を切り落としてトルソーのようになってしまったバーのママが出てきたり、これもかなり異様な話です。次の「レイニー・エレーン」は、東電OL殺人事件をテーマにしています。昼は東電のエリートでありながら、渋谷で売春をしていた彼女のエピソードが使われています。「いつか静かの海に」は、科学的な種あかしのオチはないファンタジーですが、雲母のようにキラキラ光る肌を持った胸までしかできていない部屋に横たわったままの女の子を月のお姫様と称して、月から取ったという水で育てていく話です。これも言わば異形の愛でしょうか。「アタシの、いちばん、ほしいもの」だけは現代風のホラーで、映画化されているそうで、ほかのものとはちょっと作風が違います。 いずれにせよ、読み終わってなんだか物悲しい気持ちになる作品ばかりでした。自分の好みとして、怪奇、ホラーは大好きなんですが、この短編集はかなり異様な、言わば奇形の愛の形が多く、正直言って読んでいてちょっと気分が悪くなりました。ただ、だからよくないというのではなく、小説としては大変よくできていると思います。人を選ぶ作品ですが、もしかしたら朱川氏の本質は、”ほのぼの”よりこちらの方かもしれないという気がします。 | ||||
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映画の予告編を見て興味を持ったので、読んでみることにした。 評価としては、良い作品、イマイチだった作品半々くらいだったので星3個にした。 印象に残っているのは、一本目の『死体写真家』と『アタシの、一番、ほしいもの』。 まず『死体写真家』は、単純に怖かった。 ホラーとしてというよりも、人間の『欲望』というものが、時に恐怖になるのだということが、恐ろしかった。 『アタシの、一番、ほしいもの』は、映画の原作になっているんだけど、まさかあんな終わり方をするとは思わなかった。 読んだすぐあとはよくわからなかったけど、たぶん逆説的に考えて見ることが、作者の意図ではないかと思う。 だから、小学校高学年や中学生の道徳の教材にしてもいいかもしれないと思う。 | ||||
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2006年に出た単行本の文庫化。 「死体写真師」「レイニー・エレーン」「アタシの、いちばん、ほしいもの」「私はフランセス」「いつか、静かの海に」の5本を収める短編集。たぶんホラー小説に位置づけていいと思う。 「アタシの、いちばん、ほしいもの」を除く4本は、いずれも変わった性愛の形を描いている。屍愛や肉体欠損の怪しい世界が、グロテスクかつ美しく構築されており、こういうのが好きな人にはたまらないだろう。 しかし、ストーリーとしてはイマイチ平凡な印象を免れない。予想通りの展開であり、オチが読めてしまうところが興をそぐ。 | ||||
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ホラーというか、幻想小説のジャンルでしょうか。短編集です。表紙の色使いやタイトルからも想像できるように、全てのお話が、「性」にまつわるお話で構成されています。従って大抵のお話で性描写が出てくるのですが、表紙やタイトルを見ても気づかず、機内の時間つぶしのために機内に持ち込んだ私は、読書中、隣の人の視線が少々気になりました。 マイノリティな性癖といいますか、そのような世界も出てきますので、その点では私にとっては新鮮さも無いではなかったのですが、そんな初めて垣間見る世界の話でさえ、どこかで見たこと、聞いたことのある感が否めませんでした。何かのお話の真似っこという意味ではなくて、新鮮であるはずのお話ですら新鮮さを感じないというか、あぁ、こういう話ね・・・と、妙に冷めてしまうというか・・もっと単純に言えば、面白さを感じられませんでした。他の方のレビューを見ると、とても面白いとか、ホラーの大家であるとかいう感想が出てきますので、ただ単に「私には合わなかった」のでしょう。 ふわふわと、ゆらゆらと、とりとめもない感じが漂っているのですが、それが功を奏していないというか・・・ そもそも、私は恒川光太郎で、ホラーというジャンルにのめりこみ(ホラージャンルでありながらホラーではない作品が好きです)、彼の作品を全て読み終わってしまったので、同じような感じの他の著者の本を探していてたどり着いたので、期待していたものが違ったというのもあるのかもしれません。 恒川作品では、ゆらゆらしながらも、ググーーッと物語の世界に引っ張り込まれ心をわしづかみにされ、簡単には帰って来られないほどのめり込み読後は放心状態にさせられたのですが、この作者のこの作品は同じような世界ながら、深くないというか、そこまで異世界でないというか、期待していた「なにか」はありませんでした。感動もありませんし、心にも残らない、面白くもない、といった感じの感想しか残念ながら出てきませんでした。同じようにして、森山東作品にもたどり着いたのですが、この人の作品は、祇園が興味深かったのいうのと、ただ単に面白かったのでアタリでした。 ただ、この作品を読んだ後、こんなはずはない、こんなに評価が高い著者なのだから私に合う作品もあるはずだと探し「鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様」を読んでみました。この作品は「アタリ」でした!その作品大正時代の東京が舞台で私の好きなジャンルのひとつでしたし、面白かった!この作品は続編が待ち遠しく続編がたくさん出てほしいと思う作品でした。まだ未読ですが「わくらば日記」も私に合いそうなので読んでみたいと思います。 | ||||
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花まんまとか、かたみ歌とかから想像した朱川さんの 作風をイメージして読むと、ちょっと怖い一冊です。 連作集と書いてあったので、所謂常野物語みたいな イメージかしらと思っていましたが、内容は短編集でした。 それぞれが、それぞれの業を負った一つ一つの物語。 これまでは昭和の香りなんて枕詞がついたのですが、 明らかにこの作品はホラー系。 とても一つ一つの言葉が丁寧に綴られているので、 読むのに思ったより時間がかかります。 その分、一つ一つがしみこんで、より深く心に届くのが 不思議。 80点。 これが本来の朱川さん。なんでしょうね。 恐れ入りました。個人的にホラーが苦手なので。 ホラー好きにはもう少し評価される作品です。 | ||||
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朱川湊人のホラー物。 レイニー・エレーンの内容が、重松清の「なぎさの媚薬」と同じでしたが、もともと実際にそう言う事件があったんでしょうか? 私はフランセス いつか、静かの海に の二つが良かったです。 ホラーなんで内容はかなり奇抜なんですが、彼の文章自体が淡々としているので、物語に引き込まれます。 直木賞作家なだけあります。 | ||||
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創元推理文庫なのでミステリかと思って読んでみたら、幻想的ホラー小説でした。全編、ほぼなんの救いもない物語で、『世にも奇妙な物語』に採用されてもおかしくない出来。最初からホラー小説だとわかっていれば、もうちょっとこの蠱惑的な雰囲気を味わいながら読んだのに……という点が悔やまれます。なかなか面白かったですが、悪夢のような小説でした。 | ||||
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「花まんま」「かたみ歌」「都市伝説セピア」「いっぺんさん」などのハートウォーミングなお話とは一線を画した感じの一冊です。いつものほのぼの感はない。 本書を最初に読んでいたら、この著者の他の本をぜひ読もうとは思わず、したがって朱川氏のファンになることもなかったと思われます。 グロテスクな題材が多く、後味もよくない。 とはいえ、どんでん返しの妙味もあるし、どれもよくできた短編だとは思います。「花まんま」などの世界を愛する人にはお勧めできませんが。 その中で「アタシの、いちばん、ほしいもの」は唯一いつもの朱川ワールドに近いものがあって、ほっとさせられました。 | ||||
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著者はノスタルジックホラーの大家で、期待して読みましたが、 今回の作品はとても後味が悪かったです。 「死体写真師」は、職業としてあっても不思議ではないと思い ます。でも結末はとても怖ろしかった。「レイニー・エレーン」 は渋谷という場所も東電OL殺人事件がモチーフになっている のはすぐわかりました。また、「私はフランセス」も同様、 結末は想像していたが怖かった。 朱川さんの描く世界は、時に倒錯した愛や性の世界です。そんな 中、仄かな愛を感じたのは「アタシの、いちばん、ほしいもの」 です。この作品だけには、確かな愛とユーモアが感じられました。 | ||||
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5つの短編が収められており、何れも作者の得意とするモダンホラーであるが、大人の愛を描いた作品が多い点が今まで読んだ作品と一味異なる感じがした。そこに描かれた愛情は、通常の男女の愛の形とは異なる形を取っており、読者は背筋が少し寒くなる思いを味わうことになる。 中には先が読める作品もあるが、冒頭の「死体写真師」の思いもかけない展開、「アタシの、いちばん、ほしいもの」や「私はフランセス」の最後の落ちは、なかなか鋭い切れ味がありました。 | ||||
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最後まで一気に読みました。 この本の世界にどっぷり浸かりました。 まだ余韻が残っています。 もしかすると、純粋に涙してしまった「花まんま」よりも印象に残ったかもしれません。 5編に共通したテーマはなく、どれも独立した話なのですが 怖かったり、悲しかったりする話でも何故か心が暖かくなりました。 それは作者が、どの登場人物にも愛情を注いでいるからでしょう。 殺人者であっても、虐待されている子どもであってもそれは同じです。 誰だって好きでその境遇に陥ったわけではないですよね。 作者は、その切なさを感じ取った上で物語を展開させています。 上っ面だけを文字にしているのではないのが伝わってくるので、 私の心にこんなに響いてきたのだと思います。 どの作品も途中まではある程度予想通りなのですが、 やっぱりラストはひとひねりあって、やられた!と言う感じです。 そしてどれも現実には有り得ない話なのですが、 もしかするとこれは本当の事かもと思わせる、 作者の筆のうまさに脱帽です。 | ||||
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朱川さんの作品を初めて読みました。 ミステリーの方だと思っていたのですが ホラー系が主流の方なのですね。 どちらかといえばホラーは苦手なのですが この作品は短編集ということもあり どうにか読むことができました。 そこにはアブノーマルながらも「愛」が 感じられるからかもしれません。 | ||||
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朱川さんといえば“ノスタルジックホラー”の名手ですが、 今回のはちょっと違う! 妖しく美しい中に哀しみを帯びたホラーとでも言うべき作品集です。 どの話も心で愛するのにとどまらず、 一個の肉として繋がりたいと切望する悲しみを感じます。 死体とセックス、愛する人の為に腕を切り落とす・・・ こんな愛し方は一見グロテスクで、 他人にはなかなか理解できないものだけど、 本来、愛なんてものは美しいものではなくて、 見栄やプライドをかなぐり捨ててしまえば どんな愛もグロいものなのではないでしょうか? いわゆる霊現象の殆んどは この世に未練や怒りといった感情を残して 死んでしまった人が現れる現象だけど、 それをこんなに美しく描く朱川さんの手腕はやっぱり凄い!! どっちかといえばノスタルジックなものが好きだけど、 こういう朱川さんもいいですね。 | ||||
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そうなんです。花まんまであまりにも脚光を浴びた直木賞作家は本当はホラー専門なのです。でも、血で血を洗うようなスプラッタ的なホラーではなく、どこか悲しげで幻想的なのは、朱川湊人の底力なのかもしれません。どんな人間も持っている危うげな部分をうまく書き描く彼の世界は、はまる人にははまるのではないかと思います。 | ||||
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今作は全編に「愛」が散りばめられた作品ばかり。だが朱川さんが淡々と愛を描くはずもなく、「死体写真師」のようなドロドロした愛もあれば、「私はフランセス」のような愛ゆえの切なさが残る作品もある。どう思うかは人それぞれだが、私はオススメしたい。 | ||||
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