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(短編集)
赤々煉恋
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赤々煉恋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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朱川湊人のホラー小説は、ノスタルジックなものと暗くて病的なものと、どうやら2種類あるようだ。本書は後者のカテゴリーに属するだろう。 1話目の「死体写真師」。主人公は悲劇的な結末を迎えるが、もともと妹の死体写真を撮ろうとした時点で「お前も病気」と思うのは私だけ? 4話目の「私はフランセス」はもっと病的。恋人のために健康な自分の腕を・・・。おっと、この先はネタバレ。 どちらの話も暗くてオエっとなりそうな話。でも、読み終えた今もその余韻が残る。そんな不思議なお話が詰まった短編集。私は好き。 | ||||
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世にホラー小説は数多あれど、ことそこはかとないエロティシズムを漂わせた恐怖といえばこの作家は第一人者で、 その作者の真骨頂ともいえる短編集。 恐ろしいが惹きつけられるという背徳感と生々しさは、 あまりに現実からの乖離が甚だしく、 一幕の映画を見ているような気にさせられます。 | ||||
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花まんまとか、かたみ歌とかから想像した朱川さんの 作風をイメージして読むと、ちょっと怖い一冊です。 連作集と書いてあったので、所謂常野物語みたいな イメージかしらと思っていましたが、内容は短編集でした。 それぞれが、それぞれの業を負った一つ一つの物語。 これまでは昭和の香りなんて枕詞がついたのですが、 明らかにこの作品はホラー系。 とても一つ一つの言葉が丁寧に綴られているので、 読むのに思ったより時間がかかります。 その分、一つ一つがしみこんで、より深く心に届くのが 不思議。 80点。 これが本来の朱川さん。なんでしょうね。 恐れ入りました。個人的にホラーが苦手なので。 ホラー好きにはもう少し評価される作品です。 | ||||
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朱川湊人のホラー物。 レイニー・エレーンの内容が、重松清の「なぎさの媚薬」と同じでしたが、もともと実際にそう言う事件があったんでしょうか? 私はフランセス いつか、静かの海に の二つが良かったです。 ホラーなんで内容はかなり奇抜なんですが、彼の文章自体が淡々としているので、物語に引き込まれます。 直木賞作家なだけあります。 | ||||
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5つの短編が収められており、何れも作者の得意とするモダンホラーであるが、大人の愛を描いた作品が多い点が今まで読んだ作品と一味異なる感じがした。そこに描かれた愛情は、通常の男女の愛の形とは異なる形を取っており、読者は背筋が少し寒くなる思いを味わうことになる。 中には先が読める作品もあるが、冒頭の「死体写真師」の思いもかけない展開、「アタシの、いちばん、ほしいもの」や「私はフランセス」の最後の落ちは、なかなか鋭い切れ味がありました。 | ||||
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最後まで一気に読みました。 この本の世界にどっぷり浸かりました。 まだ余韻が残っています。 もしかすると、純粋に涙してしまった「花まんま」よりも印象に残ったかもしれません。 5編に共通したテーマはなく、どれも独立した話なのですが 怖かったり、悲しかったりする話でも何故か心が暖かくなりました。 それは作者が、どの登場人物にも愛情を注いでいるからでしょう。 殺人者であっても、虐待されている子どもであってもそれは同じです。 誰だって好きでその境遇に陥ったわけではないですよね。 作者は、その切なさを感じ取った上で物語を展開させています。 上っ面だけを文字にしているのではないのが伝わってくるので、 私の心にこんなに響いてきたのだと思います。 どの作品も途中まではある程度予想通りなのですが、 やっぱりラストはひとひねりあって、やられた!と言う感じです。 そしてどれも現実には有り得ない話なのですが、 もしかするとこれは本当の事かもと思わせる、 作者の筆のうまさに脱帽です。 | ||||
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朱川さんといえば“ノスタルジックホラー”の名手ですが、 今回のはちょっと違う! 妖しく美しい中に哀しみを帯びたホラーとでも言うべき作品集です。 どの話も心で愛するのにとどまらず、 一個の肉として繋がりたいと切望する悲しみを感じます。 死体とセックス、愛する人の為に腕を切り落とす・・・ こんな愛し方は一見グロテスクで、 他人にはなかなか理解できないものだけど、 本来、愛なんてものは美しいものではなくて、 見栄やプライドをかなぐり捨ててしまえば どんな愛もグロいものなのではないでしょうか? いわゆる霊現象の殆んどは この世に未練や怒りといった感情を残して 死んでしまった人が現れる現象だけど、 それをこんなに美しく描く朱川さんの手腕はやっぱり凄い!! どっちかといえばノスタルジックなものが好きだけど、 こういう朱川さんもいいですね。 | ||||
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そうなんです。花まんまであまりにも脚光を浴びた直木賞作家は本当はホラー専門なのです。でも、血で血を洗うようなスプラッタ的なホラーではなく、どこか悲しげで幻想的なのは、朱川湊人の底力なのかもしれません。どんな人間も持っている危うげな部分をうまく書き描く彼の世界は、はまる人にははまるのではないかと思います。 | ||||
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今作は全編に「愛」が散りばめられた作品ばかり。だが朱川さんが淡々と愛を描くはずもなく、「死体写真師」のようなドロドロした愛もあれば、「私はフランセス」のような愛ゆえの切なさが残る作品もある。どう思うかは人それぞれだが、私はオススメしたい。 | ||||
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