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(短編集)
わくらば日記
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わくらば日記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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夢中になり過ぎ、ずーーっと読んでしまいました・・仕事の忙しい人にはお勧めできない一冊です。朱川さんの本を知らない人にプレゼントしました 花まんま いっぺんさん とセットで。 | ||||
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直木賞受賞作「花まんま」を読んで以来大ファンになった朱川さんの作品。昭和レトロが大好きな人ならハマること請け合い。私も一晩で一気に読んだ。 本作は今までのホラータッチとは少し趣を変え、SF的人情話とも言える内容に仕上がっている。あるひとつの定型的なキャラクターを作り上げた点でも、新境地を開いたのではないか。 超能力を持つ姉が何ゆえに死んだのか。お父さんとはどういういきさつで離れ離れに暮らしていたのか。語り尽くされていないことが多い。続編があるでしょう。 | ||||
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体が弱く心優しい「姉さま」と 姉思いの「ワッコちゃん」が、 姉の持つ不思議な力(透視能力?)で、 人情味溢れる推理をしてゆきます。 銭湯や白黒テレビなど、 昭和の描写も飛び出し、 懐かしい気持ちになります。 ホラー的なものはありませんので 朱川湊人のホラーを求めている方は、 物足りないかも知れません。 | ||||
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「わくらば」とは、草木の若葉を意味する「嫩葉」と,病気におかされた 「病葉」という正反対の語義だ。 それはそのまま主人公の姉妹に当てはまる。 美しく聡明だが、病がちの姉、お転婆な下町っ子の妹。 今回の『不思議』は姉の超能力だ。その人の身に起こった過去が「見える」。 透視といえばいいのだろうか。 秘密にしていたその能力をある時、刑事が知ることとなり、未解決の殺人事件を 解決する手助けをするようになる。 姉妹で事件を次々に解決!というわけではない。妹と違い、「病葉」であった姉は テレビのプロレス中継を見ただけでも発熱してしまう性格。殺人事件の透視は、心と 体に大きな負担をかけていく。 昭和32年から35年までの5編を収録。 「日記」というよりか、妹が小学生から中学生になるまでの回顧録(事件簿?)である。 内容はこちらに語り掛けるような文体だ。 もしかしたら、妹は当時の思い出を私たちと共有することで、姉とのことを覚えていたいの かもしれない。 いつもながら感心するのは、その舞台背景である。 スプートニク、建設中の東京タワーから始まり、「ハンカチタクシー」、「慎太郎カット」、 随所に出てくるヒットソングや流行の映画。 これらが作品の土台を作り、盤石にしている。 妹の語り口では、続編にまだまだ秘密がありそうである。 そして追記したいのが、浅野いにおの装丁とイラスト。 さすが、である。特に表紙は細かいところまで見てほしい。 | ||||
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一度読んで、タイトルから内容から、記憶に残る文学作品。 加齢と共に一度読んだだけでは頭に残らない物語が増えた。 この本は別格。すばらしいです。 まず、登場人物がそれぞれキャラ立ちしていて 見紛うことがない。 「姉さま」「ワッコちゃん」「母さま」「百合丸さん」。 各章の物語は実際に起こった事件が出てきてリアリティーがあります。 スプートニクに乗って命を亡くしたライカの話が出てきます。 私自身、それを知ってかなり長い間引きずった経験があるのでぐっと引き込まれました。 この本を読んで、「ああ…。私にも姉がいたらなあ。」と強くおもいました。 | ||||
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わくらばを 今日も浮かべて 街の谷 川は流れる ささやかな 望み 破れて 哀しみに 染まる瞳に 黄昏の 水のまぶしさ 『わくらば』なんて言葉を聞くとやはりこの歌だ。 | ||||
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昭和30年代の日本が豊かになっていく頃の話です。 作者は、怪奇めいた不思議な話が好きな方ですね。 人の心の真実は、不思議な力を借りなければ本当のところはわからないものと言う事でしょうか。 | ||||
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とても、よかったそうです。他の作品も必見と申しておりました。 | ||||
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とても切なく甘い記憶が蘇るような気がします。笑いあり涙ありです。朱川湊人さんの作品の中で一番好きだと言えます。妹さんのわっこさんの語りが、昭和の懐かしさを引き寄せさられます。オールウェイズと違った切なさを味わいたい方オススメします。 | ||||
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この物語の主人公が持つ能力そのものは、京極夏彦による「京極堂シリーズ」に登場する榎木津礼二郎が持つものと全く同じであると言える。 だが、作中でのその扱いは対照的である。榎木津が読み取った「記憶」は、事件そのものの遙か彼方を見通すものであり、そのために返って事件の中にさらなる「謎」を生じさせるのである。そして榎木津自身も事件を解決するのではなく、事件を混乱させる。 一方本書の「姉さま」の能力は事件の解決へと一直線に通ずるものであり、それだけに「京極堂シリーズ」よりは単純であると言える。物語でのこうした「能力」の活かし方としては実にスタンダードな方法ではあるが、それを平凡なものにしていないのは、昭和30年代という舞台設定のみならず、下町の人々が生き生きと描かれている人物造形の巧みさ及びストーリーテリングの滑らかさが理由だろう。何より「百合丸」が出色である。 尚、特殊能力を持つ人が庶民に混じって暮らす、という設定は半村良『岬一郎の抵抗』にも通ずるものである。 | ||||
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かたみ歌が素晴らしかったので、この本も手に取りました。 時代はやっぱり昭和の、それこそオリンピックの前後の足立区が舞台です。 タイトルにもあげた主人公のお二人の姉妹。力をもった鈴音さんと、妹の和歌子ちゃん。 この二人のリズムがいいですね。 知らないでいい犯人を追っかけてしまった「追憶の虹」。 そして、刑事登場の「夏空の梯子」。 茜ちゃん登場の「いつか夕陽の中で」。 鈴音さんの淡い期待の「流星のまたたき」。 クラさんを語る「春の悪魔」。 かたみ歌を越えるか?と言えば、そこまでではありませんが、秀逸です。安定した 筆さばき。安定したストーリー。安心していられる結末。 作者は、昭和38年生まれ。オリンピックの前の年の生まれで、どうしてその生まれる 前の東京の景色を、生き生きと描けるのか、不思議です。 伊坂幸太郎さんなんかは、仙台の風景を描くこと、精妙ですが、あまり他の都市は、 そして他の世代の描写は、あえて試みないのに、ホント、不思議です。 同系統では、恩田陸さんの「光の帝国」が連想される作品です。この作品も、同じ ような感覚に陥ります。 色々な意見があると思いますが、80点。わくらばとは、若葉と病む葉の二つの重なりを 意味しているそうです。お勧めします。 | ||||
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著者お得意(?)の昭和30年代を舞台にした、特殊能力を持つ少女の物語。 といっても、派手なアクションはなくてむしろ静謐。 「母さま」「姉さま」といった美しい日本語、ですます調の優しい語り口、懐かしい昭和の情景の描写(懐かしがるほど30年代の記憶はないけど)が心地よい。病弱で聡明な美少女である姉と、活発でミーハーな妹のコンビネーションも微笑ましい。 第4話「流星のまたたき」が特に好きだった。自分が元気で生きているかのように見せる青年の最後の手品、それを信じるふりをし続ける少女、さらにそれを静かに見守る妹、誰も「誰それのために…」なんて声高に叫ばず、自分の分を守っておせっかいを焼いたりもせず、静かに気を使いあっている。すてきだなと思った。 お仕事や子育てで疲れ気味の人こそ読んでください。癒されます。 | ||||
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いいひとだと思ってた人が、じつは悪い人だったり。 怖い人だと思ってた人の笑顔が実は優しかったり。 そんな経験の積み重ねで人間が大きく成長していくという話。 読み終えたときに、あなたはささやかな幸せが感じられると思います。 | ||||
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この本は、読んでる途中何回も これって本当にあったお話なんじゃ?と 疑ってしまうほど丁寧に書かれてあって 面白かったです。 途中お姉さんの能力がばれて 事件の犯人を捕まえるために 協力する事になったとき 怖いお話しになってしまうのだろうか? と心配しましたが、心配したほど 怖いお話しになる事はなかったので 安心して楽しく読むことが出来ました。 | ||||
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昭和三十年代前半、人の記憶を見ることができる姉・鈴音(りんね)が解決した事件を、妹のワッコちゃんこと和歌子が語っていく一冊。姉さまと私が、千住のお化け煙突を見に行く場面からはじまる五つの連作短篇集。 昭和三十年代の、昔なつかしい風情をたたえた作品の空気感がいいですねぇ。私はこの時代のやや後に生まれた世代ですが、昭和のあの頃にタイムスリップして路地裏を歩いているみたいな、昔なつかしい思いに誘われました。 その頃の町中に確かにあったに違いない人と人とのつながり、信頼の絆を、あたたかな眼差しで見つめ、描き出していく筆致もいいなあ。感傷的に過ぎるよと嫌う向きもあるでしょうが、私は好きだな、この世界。生き生きした好奇心、しなやかな感受性いうのを感じさせる語り手の「私」の描き方も上手く、共感を抱きながら読んでいくことができました。 参考までに、各短篇で取り上げられた事件簿の設定年と、その年に実際に起きた事件、刊行された国内推理小説をひとつずつ、挙げておきましょう。 「追憶の虹」・・・・・昭和三十二年(1957年) ◆ソ連(当時)、人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功(10月4日) ◆仁木悦子『猫は知っていた』 「夏空への梯子(はしご)」「いつか夕陽の中で」・・・・・昭和三十三年(1958年) ◆東京タワー完成(12月23日) ◆松本清張『点と線』 「流星のまたたき」・・・・・昭和三十四年(1959年) ◆現在の天皇・皇后両陛下のご成婚パレード(4月10日) ◆松本清張『ゼロの焦点』 「春の悪魔」・・・・・昭和三十五年(1960年) ◆カラーテレビの本放送開始(9月10日) ◆鮎川哲也『黒い白鳥』 2009年3月、本書のシリーズ第2弾として、『わくらば追慕抄』(角川書店)が刊行されました。この連作短篇がどんなふうに展開していくのか。楽しみです。 | ||||
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この人の小説を読むといつも昭和の時代にタイムスリップ できる。時間がゆっくり流れていた昭和30年代、犯罪に すら哀愁を感じてしまう。 でも、お姉さんの人物設定は超ファンタジックで、その ギャップがこの時代のゆったり感とブレンドされて微妙に いい味だしているのかもしれない。 この人の本、読みやすくてとても好きです。何か仕事で 疲れた時に清涼剤になるので病み付きになるかも。 | ||||
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他人の視覚的な記憶を幻視する超能力を持った少女・鈴音を主人公とする連作短編集。昭和30年代を背景に、病身で若くして亡くなった彼女の妹による回想として語られ、悲劇的なトーンで幕が開く。話の多くは犯罪譚である。ところが、第二話あたりからユーモアの豊かさが前面に出てきて、思わず吹き出してしまうような箇所も再々なのだ。悲劇は悲劇として直視しつつも、不思議な明るさとゆとりを失わない点がすばらしい。惚れ惚れするような表紙(とイラスト)もふくめ、愛蔵したい1冊。 | ||||
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朱川氏の作品のなかでも一番温もりを感じました。 作品のなかに過去に実際に起った事件がでてきますが、 この悲惨な事件にはさまざまな背景があって、時代といえばそれまでですが 妙に感慨深いものがありました。 姉さまの緊急時には必ず守ってくれるワッコちゃんですが、 ひょうきんなところもあって、それが魅力にもなっています。 人の暖かさ温もりといったものを感じられる作品です。 この作品や「かたみ歌」など昭和ノスタルジーものといえば 朱川湊人といえるぐらい定着したかと思います。 | ||||
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昭和30年代のまだ貧しかった日本を舞台にした、二人の姉妹が主人公の5つの短編集だ。妹の和歌子には、美人だが体の弱い姉がいて、人や物を見ると、その人や物の周りで過去に起こった出来事を遡ってみることができる不思議な能力を持っている。 この不思議な能力により、この二人は普通では経験できない、忌まわしい事件に関わったり人間の心の内側を覗くことになる。5つの短編には異なるエピソードが描かれているが、何れも人間の善意・優しさと、現実の厳しさや残酷さが描かれていて、暖かくそして少し哀しい気持ちになる。 常に別れの予感を感じさせる本書は読んでいてちょっと辛い部分もあるが、最後のシーンにあるように、美しいものが現実には過ぎ去ってしまっても、一人ひとりの心の中ではきっとその人が生き続ける限りは永遠なのだろう、だからこそ今を大切に生きるしかないのだろう、と思った。 なお、タイトルの「わくらば」というのは耳慣れない言葉なので辞書で調べてみたところ、漢字では「病葉または嫩葉」と書いて、「病気におかされた葉」と「木の若葉」の二つの意味があるそうだ。 | ||||
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その場所で起こった事やその人の体験した事が透視できる、という不思議な能力を持った 病気がちの美少女。それゆえ巻き込まれる様々な事件や出来事を妹の回想で綴る物語。 親しくなった警官を通じて、殺人事件や猟奇事件の犯人探しや真相追及というミステリー 的要素もあるのだが、この著者が得意とする昭和三十年代の風物描写や、穏やかな語り口 で、不思議な懐かしさを感じさせる作品だ。姉妹が散歩でよく行く東京・千住の「お化け 煙突」(表紙にも描かれている)の風景が読後も印象に残る。続編も今から楽しみ。 | ||||
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