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カラマ-ゾフの兄弟
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【この小説が収録されている参考書籍】
カラマ-ゾフの兄弟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全554件 141~160 8/28ページ
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しおり代わりの紐がないけど、本自体は十分なクオリティでした。 | ||||
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感動した! 初めはよくわからない破茶滅茶な登場人物たちが最後には大好きになった! とにかく面白かった!へ、へ、へ! | ||||
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村上春樹は『ペット・サウンズ (新潮文庫)』のあとがきの中でこんなことを言っている。 「世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことない人だ。」 新訳については賛否両論であるが、私は肯定的。というか、新訳でなければ到底読破できるものでなかった。 非常に敷居の高い作品に感じるが、ある程度の読書量のある方であれば、普通にエンターテイメント小説として読み進めることができる。その魅力を私ごときが説明するにはおこがましいが、本好きとして生まれた以上、一度は目を通したい。 また、この物語の最も有名な部分である「大審問官」という叙事詩についてはあまり意味を深追いせず、「そういうくだりなのだ」というくらいに読み進めればいいかと思う。その真意を把握しようとするととてつもない迷路に迷い込む。まずは読み進めることをお進めする。 | ||||
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村上春樹は『ペット・サウンズ (新潮文庫)』のあとがきの中でこんなことを言っている。 「世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことない人だ。」 新訳については賛否両論であるが、私は肯定的。というか、新訳でなければ到底読破できるものでなかった。 非常に敷居の高い作品に感じるが、ある程度の読書量のある方であれば、普通にエンターテイメント小説として読み進めることができる。その魅力を私ごときが説明するにはおこがましいが、本好きとして生まれた以上、一度は目を通したい。 また、この物語の最も有名な部分である「大審問官」という叙事詩についてはあまり意味を深追いせず、「そういうくだりなのだ」というくらいに読み進めればいいかと思う。その真意を把握しようとするととてつもない迷路に迷い込む。まずは読み進めることをお進めする。 | ||||
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村上春樹は『ペット・サウンズ (新潮文庫)』のあとがきの中でこんなことを言っている。 「世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことない人だ。」 新訳については賛否両論であるが、私は肯定的。というか、新訳でなければ到底読破できるものでなかった。 非常に敷居の高い作品に感じるが、ある程度の読書量のある方であれば、普通にエンターテイメント小説として読み進めることができる。その魅力を私ごときが説明するにはおこがましいが、本好きとして生まれた以上、一度は目を通したい。 また、この物語の最も有名な部分である「大審問官」という叙事詩についてはあまり意味を深追いせず、「そういうくだりなのだ」というくらいに読み進めればいいかと思う。その真意を把握しようとするととてつもない迷路に迷い込む。まずは読み進めることをお進めする。 | ||||
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村上春樹は『ペット・サウンズ (新潮文庫)』のあとがきの中でこんなことを言っている。 「世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことない人だ。」 新訳については賛否両論であるが、私は肯定的。というか、新訳でなければ到底読破できるものでなかった。 非常に敷居の高い作品に感じるが、ある程度の読書量のある方であれば、普通にエンターテイメント小説として読み進めることができる。その魅力を私ごときが説明するにはおこがましいが、本好きとして生まれた以上、一度は目を通したい。 また、この物語の最も有名な部分である「大審問官」という叙事詩についてはあまり意味を深追いせず、「そういうくだりなのだ」というくらいに読み進めればいいかと思う。その真意を把握しようとするととてつもない迷路に迷い込む。まずは読み進めることをお進めする。 | ||||
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村上春樹は『ペット・サウンズ (新潮文庫)』のあとがきの中でこんなことを言っている。 「世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことない人だ。」 新訳については賛否両論であるが、私は肯定的。というか、新訳でなければ到底読破できるものでなかった。 非常に敷居の高い作品に感じるが、ある程度の読書量のある方であれば、普通にエンターテイメント小説として読み進めることができる。その魅力を私ごときが説明するにはおこがましいが、本好きとして生まれた以上、一度は目を通したい。 また、この物語の最も有名な部分である「大審問官」という叙事詩についてはあまり意味を深追いせず、「そういうくだりなのだ」というくらいに読み進めればいいかと思う。その真意を把握しようとするととてつもない迷路に迷い込む。まずは読み進めることをお進めする。 | ||||
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確かに長いセリフはありますが、 訳者あとがきにもあるようにテンポが良いため一気に読めます。 | ||||
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これはほとんど完璧です。私は何週間も研究した。これは完璧です。私は何に5つの星を与えていないが、これは異なっている。 本当に好きです。 操作も非常に便利です。 そのデザインにより、私は非常に快適に使用できます。 素晴らしい製品! いいぞ。 | ||||
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亀山先生(一応先生と言いますが言いたくない…) の訳から逃げてきました。 亀山訳の本を1巻 買ったのですが、 あまりに☆1が多くて不安になり、 レビューを読んで、結果逃げてきました。 句読点の打ち方が比べると全然違いますね…。 こちらの方は信頼がおけそうなので、 買って読みたいと思います。 早く気づけてよかったです。 | ||||
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ある人の助言をもとに、 名前が新しく出るたびに紙に書き込んで、 相関図(雑だけど)を作りました。 まだ最初ですが、楽に読めます(^o^) なんかすごい面白くてワクワクします。 o(^o^)o 相関図お勧めです! | ||||
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・サノーさん一言コメント 「文学史上に燦然と輝く金字塔。読んだ人、読まない人で、その後の人生が分岐するほどの衝撃と変化を与える」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「カラマーゾフ家の葛藤を中心に、人間とは、信仰とは、罪とは、裁きとはなにかに挑む、比類なき大作です。読まない訳にはいかない一冊です」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 ウノーさん(以下ウ):34日目にして、この大作に入りますか! サノーさん(以下サ):遅かれ早かれ登場する作品だし、ちょうど再読のタイミングだったんだよ。それにしても、読めば読むほど凄まじい本だ。 ウ:この物語が、その後の世界に与えた衝撃は凄いですよね。父と子、村社会、宗教界、国家、それらに対する生々しい感情が、これでもかと伝わってきます。 サ:「文学の在り方」そのものへ、衝撃を与えている。その後、数多の作家が、この領域に挑み、いまだに至れない高みに、この小説は存在している。 ウ:亀山先生訳の文庫本は、1~5巻で構成されていますね。5巻は、短いエピローグのあと、亀山先生による解説だから、初回は1巻から読んでいって、再読時は5巻を読んでから、1巻から読むのがオススメです。 サ:あるいは、カラマーゾフ関連の演劇や映像、当時のロシアの記録画像を、WEBで確認してから、読むのも面白い。 ウ:まず、この小説の凄いところは、単純に面白いんですよね。登場するキャラも、時代背景も、背後で横たわる「ロシアにおけるキリスト教」の葛藤も、全て新鮮で面白い。 サ:この本を、わりと偏見で読まない人は多いよな。難しそうとか、理屈っぽそうとか、高尚すぎてツマらなそうとか。 ウ:その一因は、登場人物の名前ですよね。主人公が「アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ」が本名で、呼び名は「アリョーシャ」で、愛着を込めた呼び方だと「アリョーシェニカ」になっちゃうという。他の登場人物の名前も、ことごとく馴染みのない発音ですから「登場人物の名前だけでムリ」とか思っちゃいますよね。 サ:この訳本では「アリョーシャ」で統一しているから、多少は緩和されているがな。他の「難しく感じる要因」としては、やはりロシアの社会、民族性、ロシア正教と歴史について、難易度が高いことがある。 ウ:ソ連だったときの印象が強くて。ロシアってキリスト教の国だったんだって、驚く人もいますよね。 サ: この1巻目から描かれる「人名の難しさ」「当時のロシア辺境の村とロシアの教会」に、つい難しいと思えてしまうが、そんなことを無視して読む進めれば、すぐに、この本の「ただならぬ面白さ」を確認できる。 ウ:1巻目では、やっぱり「フョードルさん」ですね。強欲、道化、背徳、神を恐れず、ただひたすら金を信じ、色好を追い求めるという人物ですが、その背中に積もる「業の深さ」「悲しさ」が描かれています。『罪と罰』のお婆さんを超えてるかも。 サ:その対極が「ゾシマ長老」か。単純に整理すると「俗」と「聖」の対比なんだが、それで片付かないのが、この物語の凄さなんだよな。 ウ:ええ「カラマーゾフ的」な凄さを、このあと次から次へと楽しめるわけです。 【了】 | ||||
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・サノーさん一言コメント 「修道僧見習いのアリョーシャを軸に、二人の父、二人の兄、二人の女の在り様が、浮かび上がっていく。神の存在から二分法の矛盾を問う『大審問官』により、新たな価値観が驚きとともに、読む人の内側に、拡がっていく」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「特徴的な登場人物が、だんだんステージに上がっていく過程の巻です。当時の社会や思想とともに、人間が生来持つ悲哀を、容赦なく暴いていきます」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 ウノーさん(以下ウ):2巻は、少しゆったりと話しが進みますね。修道院の解説や人間関係、当時の影響力や、当時の人々の価値観などが感じられました。 サノーさん(以下サ):だが、相変わらず衝撃は大きい。父親フョードルと長男ミーシャ、次男イワンとの関係性、三男アリョーシャの特異性が、伏線としてどんどん張り巡らされていきながら「神の存在」「父の存在」「男女と欲望の存在」について、読むものに息もつかせず、問いかけてくる。 ウ:初めて読んだときは「カラマーゾフ家殺人事件」だと思っていたので、あれ?なかなか死なないなって、思いました。 サ:フョードル、元気いっぱいだもんな。出てくる話も、アリョーシャの修道院、長老ゾシマのエピソード、兄ミーシャの乱暴者ぶり、そしてイワンの「大審問官」。殺人事件とは関係ない。 ウ:「大審問官」は、やばいです。初読で受けた衝撃は忘れられません。アリョーシャでなくとも「イワンのバカ~!」って叫びたくなります。 サ: いや、そのセリフはトルストイだから。内容としては、大昔からある神学者の検討テーマで、珍しい挿話ではない。 ウ:いえ、あんなに深く、鋭く、つきささるような問いかけは、他には知りません。しかも、あの状況下で、自分の弟に論じるような内容ではないです。 サ:それが「カラマーゾフ的」である、ということなんだよ。一貫して「カラマーゾフ一家」にコピーされている人間性が、ひとつのテーマなんだから。 ウ:神の存在を「神を信奉するべき人間」が抹殺する、わけわかんないです。 サ:そして、神の存在が「悪」の存在と同時性を持つという構造を、読むものに突き付けてくる。二分法の根幹にある矛盾を問う。これは、問われたくない人は、多いだろう。 ウ:アリョーシャ、かわいそうですよね。一人のお兄ちゃんは、暴れん坊でナイーブ、そして酒乱。もう一人のお兄ちゃんは理屈っぽくて、なに考えてるかわからなくて、無神論者。この二人の間で、散々振り回されるんですよ。 サ:そして、なんといっても父「フョードル」のゲスっぷりだよな。突き抜けていて、むしろ痛快。 ウ:普通の小説とかだと「実は隠された良心が」とかあると思うのですけど、そういった面は、キレイさっぱりないんです。潔いほど「どーしようもない」のが、衝撃です。まあ「衰えない恋心」に関しては、ロマンチストで、ちょっぴりかわいい面も、描かれていますが。 サ:極端で変人揃いの登場人物たちだが、リアリティがないわけではないんだ。三人の「カラマーゾフの兄弟」も、それぞれが、きちんと破たんせずに、人格と要素と行動が、一致している。 ウ:脇役も、ですよね。二人の美女もそうだし、子供たちも、個性的で変なのに、きちんと空間のなかで並行して存在しています。そして、読み進めると、向かっていく先が少しずつ明らかになっていく、そのあたりも、この小説の面白さですね。 【了】 | ||||
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・サノーさん一言コメント 「張り詰めた糸が切れ、物語は怒涛の如く「終焉」へと突き進んでいく。関連のない出来事が、結びつき、新たな筋となる。史上最高と称される小説の真骨頂」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「短い期間で起こる幾多の試練に、アリョーシャは翻弄され、ミーチャは足掻き、イワンは逃亡します。どれが正しいというのではなく、なにを、どのように認識するかが、読む人全てに問われる物語です」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 ウノーさん(以下ウ): 親愛なるゾシマ長老の死と、その後の民衆の対応に、アリョーシャの信仰と精神は崩壊するのかと思いました。 サノーさん(以下サ):それを救ったのは、もっとも意外な人物だったな。ただ、この巻の主役は、アリョーシャではなくミーチャだな。 ウ:ミーチャにとっての「信じるもの」が描かれます。他人が踏み込めないこと、理解できないことが、人間を構成する要素であることを、描いているのだと感じました。 サ:初めて読んだときは「そんな、大げさな」とか思ったが、再読すると極めて自然な、矛盾のない行動だったと気付ける。 ウ:それぞれ兄弟にとっての人格、尊厳、神と父親に対する感情を、言動と行動で浮かび上がらせています。イメージとしては、彫刻ではなく、版画のような小説ではないかと感じます。 サ:聖人ゾシマ長老の死と、その後のエピソードについては、2巻で語られた「神の死」とリンクして、読む者に「それぞれの思案」に直面する機会を、与えてくれる。 ウ:聖者=死を乗り越えた超人っていう定義は、万国共通ですものね。「奇跡」に期待する大衆の悲哀と残忍性、それに反応する「信じるもの」としてのアリョーシャの対比に、胸を打たれました。 サ:「二人の父」の一人が死に、一人が殺害された。いよいよ、この物語が核心に降りていくわけだな。 ウ:ミステリー小説としても、絶妙な筆さばきなんですよね。「犯人は、たぶん、ミーチャじゃないんだろうけど、やっぱりミーチャ?はたまた、老僕・グリゴーリー?やっぱり哀れなスメルジャコフ?」あのイワンへの告白があるまで、迷わされました。 サ:この巻にきて、推理小説の楽しみのも入ってくるんだから、凄い小説だよな。 ウ:登場人物も増えて、いよいよ名前が難しくなるんですが、そんなとき、びっくりするくらい助かったのが「おもな登場人物解説つきしおり」です。 サ:これ、本当にありがたかったな。人物名と呼称、役柄の説明が書いてあるんだけど、再読のときも大活躍だった。文庫買ったら、最初から中に入ってたんだよな。 ウ:これなかったら、ヤバかったです。正直、地主の付き人とか、判事、検事補、商談相手とか「名前」でセリフのなかに登場しても、誰だかすぐには思い出せませんから。 【了】 | ||||
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・サノーさん一言コメント 「世紀の父殺しに、判決がくだる。裁くのは誰か。裁かれるのは誰なのか。未完の大作、ここに終結」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「二人の父の死、二人の兄の破滅。夜明け前の暗がりを漂う魂に、革命の朝は訪れるのでしょうか」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ): いよいよ、終結だな。5巻のエピローグは、この次のシリーズへの予告編だから、この巻が、実質的には最終巻となる。 ウノーさん(以下ウ):そして、ドストエフスキーの死により、次のシリーズは永遠にないわけですよね。その事実が、この作品の凄みに、直結してます。 サ:そう。残された資料、残された伏線、将来への暗示的な文面で、次のシリーズの推測はできるし「カラマーゾフの兄弟のその後」を研究した本もたくさん出ているが、作者が死んだから、永遠に完結することはない。 ウ:「比類なき傑作」が未完だとは、驚くばかりです。 サ:ある意味、次シリーズが「永遠の謎」になったからこそ、人々を惹きつけ、賞賛を集め続けているのかもしれない。「夭折の芸術」のステレオタイプだな。 ウ:そうですね。「その後、アリョーシャと子供たちが革命家になる」とか、実際に続きが書かれていたら、ここまでの「深み」は生まれなかったかもしれません。 サ:この巻で決着するのは「イリューシャの死と少年たち」「兄イワンの破滅」「父フョードル殺害事件の真相」「ミーチャへの判決」だな。 ウ:どれも、途中で読み手が止められないので、できるだけ時間が確保できたときに、一気に読むのがいいですよね。 サ:少なくとも「イワンと悪魔」「スメルジャコフの告白」「裁判」の場面については、一気に読んだほうがいい。 ウ: 「大審問官」のところを読み返してから、「イワンと悪魔」との場面を読むと、臨場感が増します。 サ:そうだな。てんこ盛りだから、忘れてることも多いしな。「大審問官」で論じた二分法の矛盾そのもので、イワン自身が破滅するわけだから。「裁判」のシーンについても、3巻の第8編を眺めてから、読むのも楽しい。 ウ:色々な法廷劇を読みましたが、この物語を超える衝撃を与えてくれたものは、ありませんでした。 サ:凄いよな。この物語は1880年に出版されているわけで、いまだに、それを超えられないんだから、訳がわからん。 ウ:背景にあるテーマが、それぞれ無関係なようでいて、この判決のために存在しているからだと思います。人間ワザとは思えません。トレーニングや研鑽で辿り着ける領域ではないです。 サ:理屈や研究からでも、辿り着けないだろうな。だからこそ、いつまでも輝きが失われない。 【了】 | ||||
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・サノーさん一言コメント 「審判のときを終え、次節へとつなげる『ささやかなエピローグ』しかし、その次節は永遠に訪れることがない。それこそ、カラマーゾフ的終末」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「アリョーシャの言葉と、子供たちの呼応が、独特の余韻を与えてくれます。亀山先生のドストエフスキー研究の一端も知ることができる最終巻です」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):前巻で完結してるから、この「エピローグ」は次のシーズンへの予告編でしかない。 ウノーさん(以下ウ):でも、エピローグでのアリョーシャのメッセージは、この長い物語中で、もっとも希望に満ちたものとなっていますよ。 サ:そりゃそうだよ。構想では、このあとアリョーシャは街を出て、革命家になって、処刑されるっていう予定だったんだから。その旅の出発点が暗くちゃ、予告編にならない。 ウ:全編を通じて、サノーさんが影響を受けたところはどこですか? サ:人間の性や業の深さ、神という存在への考察、金と欲、聖と邪、そういった普遍的なテーマが、始まりと終わりをもって織り込まれている点だ。この本を読まなければ、知ることのないジャンル、知ることのない世界があると、確信をもって言える。 ウ:私も、同感です。本当に新しい学びを、たくさんもたらしてくれた物語でした。でも、なぜか強く惹かれたのは、アリョーシャが語る、ゾシマ長老の言葉です。死後に「聖人としての奇跡」が起こらなかった、それに対する民衆の変心、それを経て「人を愛するものは、人の幸せをも愛する」という、ゾシマ長老が生前に好きだった言葉を、アリョーシャが思い出す。そのエピソードが、ずっと、印象に残っています。 サ:読む人の状況や状態「なにを大切に思っているか」によって、読後が変わる。だからこそ、時代を超えて賞賛されるんだろう。 ウ:亀山先生の「ドストエフスキーの生涯」と「解題・父を殺したのは誰か」も、この作品を楽しむ手伝いをしてくれますね。 サ:できれば、4巻までを一気に読んで、一呼吸おいてから5巻のエピローグと、解説を読んだほうがいい。 ウ:余韻が薄くなるからですか? サ:というより、余韻が変わったり、醒めたりするからだな。 ウ:そうですね。4巻まで読んだあと、温泉に入りながら「大審問官」の話を思い出したり、ミーチャの暴走っぷりや、グルーシェニカとカテリーナの二人のヒロインのことを思い浮かべたりするのは、とても楽しかったです。 サ:で、あらためて5巻を読んでから、1巻から再読すると、さらに楽しみが深まるわけだ。そのときは、この物語がなぜ、世界中で称賛を集め続けているのかを、体感できる。 【了】 | ||||
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単純明快に思われた事件は意外な方向へと展開してゆく。キーパンソンとなるのはスメルジャコフ。そしてイワン。何かをしでかしそうな雰囲気に満ち満ちていたスメルジャコフと、秀才ではあるが影の薄かったイメージのあるイワンだが・・・。あちこちに寄り道してもどかしさかえ感じられた上巻から、物語の核となる事件の経緯をおさめた中巻。さらに下巻では事件の結末へと向かって一気に突き進んでゆく。大どんでん返しがあるのか、ないのか?ハラハラドキドキの息詰まる展開。果たしてドミートリイの運命は?ハチャメチャで破滅型と思えたドミートリイは、憎めないなかなかいい男。なぜか女にもてる。裁判の傍聴席をうめた貴婦人たちは皆ドミートリイの味方(?)だった!。ドミートリイとイワンに対してこれまで主人公と思われていたアリョーシャは存在感に乏しく、脇役に押しやられた感じである。アリョーシャはあまり女にもてないタイプだろう。子どもには好かれるが。カラマーゾフの兄弟』はドストエフスキーの作品中最も長編で読破するのにずいぶん骨が折れる。それだけに読み切った後の達成感というのは相当なもの。下巻までたどり着けば読破間違いなしでしょう。 | ||||
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読み応えがあり、その時代のロシアの世界に生きているような気持ちになった。しばしその世界観にひたった。さすがドストエフスキー。訳語にやや違和感あり。物語の世界観からややずれた軽さ。 | ||||
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見た目新品級で、とても安いので、星5つ。新品なんて買う必要なしです。 | ||||
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上巻は「大審問官」まで。兄イワンが弟アリョーシャに語る「大審問官」はドストエフスキーのキリスト教に対する考えを知るうえで最も重要と言われている部分。多くの専門家が様々な解釈をしているようだが、それほど深読みせずとも面白い。個人的にはカトリックに対する痛烈な皮肉ともとれたが、これは素人の読み方かもしれない。父フョードルとドミートリイ、イワン、アリョーシャの三兄弟、スメルジャコフ、ゾシマ長老、カテリーナ・イワーノヴナ、グルーシェニカといった物語の中心となる人物が次々登場する。一方で、話題があちこちに飛んで錯綜する。本筋が現れてこないと感じる。カラマーゾフをなかなか読破できないという人のほとんどはこの上巻で挫折してしまうのではないか。しかし上巻は今後の展開の伏線ともなっているので頑張って読もう。上巻を読み通せば、中・下巻は一気に読み通せる。ロシア文学にあまりなじみのない人は、ロシア人独特の名前の呼び方を整理してから読んだ方がいいと思う。ドミートリイはドミートリイ・フョードロヴィチ(丁寧な呼びかけ。父がフョードルなのでフョードルの息子ドミートリイという意味)だったりミーチャ(親しい間柄)だったり、ミーチカ(もっと親しい)だったりします。 | ||||
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