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カラマ-ゾフの兄弟



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カラマ-ゾフの兄弟の評価: 4.26/5点 レビュー 681件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.26pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全554件 41~60 3/28ページ
No.514:
(5pt)

読み切るには覚悟が要る

世界10大小説のひとつであり、作者の世界観、宗教観の集大成とも言うべき大作だ。
金原ひとみ氏が中下巻を3日間で一気に読み終えたのもうなずける。
ただ、キリスト教や19世紀当時のロシア社会に関する知識がないと真に理解する事はないだろう。
そして、やたらと長いセリフや「重厚」と表裏一体の「くどい」表現は、日本人には馴染めないのではないだろうか。
読み切るには覚悟が要る。
カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)より
4102010114
No.513:
(5pt)

挫折しないよう頑張りたい

良好な状態の中古品でした。頑張って読みたいです。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.512:
(5pt)

長い話と多彩な内容、最後に素朴な感動

ついにカラマーゾフの兄弟を読み終えました。所々、退屈に感じるところもありましたが、当時のロシアの状況や思想を知ることができて興味深かった。最後に、アリョーシャが少年たちの前で話すところでは、自然に涙があふれてきました。結局、一番大事なところはそういうことなのかなと感じました。それが死ぬ前にドストエフスキーが伝えたかったことかと思いました。
これまで、トルストイが好きで「戦争と平和」をはじめとして多くの作品を読んできましたが、また新たな感動がありました。
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.511:
(5pt)

最高の読書体験!!

箇条書きします。

※1回目は全体的には面白くない。部分的に面白い。

※2回目かなり面白いというか、2回読みたくなる。

※長男はブラッドピット、次男はプロメテウスという映画のアンドロイド役の人、三男を若い時のディカプリオに当てはめると読みやすい。

※一回読むとキリスト教のこと、当時のロシアのこと、ヨーロッパの歴史を学びたくなる。そして学習してから再読するとかなり面白い。歴史的名著と色んな人が絶賛している事がよく分かる。

※伏線の張り方などはドストエフスキー以後の小説家は全員少なからず影響受けていると思う。小説の教科書的存在だと思う。

※色んな解説本やyoutubeがあり、読後もかなり楽しめる。色んな感想を持っている人がいるので、こちらのAmazonレビューを読んでいるだけでも楽しめる。

※読後に宗教、社会主義、ヨーロッパの歴史に関する事も学びたくなるので、かなり自分自身が成長したと思える素晴らしい読書体験でした。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.510:
(5pt)

ドミートリイの悪戦苦闘が熱気帯びて活写されている。

★カラマーゾフの兄弟を読むのは三度目です。40年ぐらい前が初回、それから20年ぐらいして同じ訳(本)で二度目、そしてこれが三度目。三度目は訳者が違うのですが、まぁ、これが読みやすい!!文章が平易に頭に流れ込んで来るので、ストーリーが追いやすく、ものがたりを読む楽しみが素直に味わえます。ミステリーとして読むにも伏線とその回収が鮮やかに読み取れて楽しめます。
★本巻ではいよいよ物語が大きく動き出します。アリョーシャは試練にあって揺れ動きますし、グルーシェンカは昔の恋人と向かい合います。しかし、何と言ってもこの巻で活躍(と言うか苦闘)するのはドミートリイ。カテリーナに返す金の工面で東奔西走しますし、フョードルの家に忍び込もうとしてグレゴーリを傷つけるし、グルーシェンカの昔の恋人(トンデモ野郎でした・・・)と対決するし、グルーシェンカに見直されるし、大盤振る舞いしまくるし・・・。そして仕舞いには父フョードル殺しの嫌疑で逮捕されてしまいます。本巻の主人公はドミートリイと言って良いし、彼を描くドストエフスキーの筆はとても熱気にあふれて迫力あります。
★その迫力がビシバシ伝わって来る、亀山訳です。
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)より
4334751237
No.509:
(5pt)

ここまで来れば一気に最後まで読まされてしまう事でしょう。

★カラマーゾフの兄弟を読むのは三度目です。40年ぐらい前が初回、それから20年ぐらいして同じ訳(本)で二度目、そしてこれが三度目。三度目は訳者が違うのですが、まぁ、これが読みやすい!!文章が平易に頭に流れ込んで来るので、ストーリーが追いやすく、ものがたりを読む楽しみが素直に味わえます。ミステリーとして読むにも伏線とその回収が鮮やかに読み取れて楽しめます。
★本巻も動きの多い巻なので、ミステリー的にも読みやすい巻でしょう。謎解きあり、追い詰められてしまうイワンの悲劇あり、ドミートリイをめぐる女性二人の鍔迫り合い、それも影響しての誤審・・・。
★真犯人も深く印象に残ります。(ミステリーとして読んだとしても)忘れ得ない真犯人の造形だと思います。
★スネギリョフや少年たちとのエピソードが温かみを持って描かれていますが、このあたり、もしも幻の第二部が書かれていた場合には、重要な伏線になっていた事でしょう。そう思えば、そうしたエピソードも深く印象に残ります。
カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)より
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No.508:
(5pt)

『エピローグ』部分は短いですが、訳者による解題やドストエフスキーの生涯についての書き物も内容濃い。

★この巻には短いエピローグ(物語本文のエピローグ、ここまでで全体の17%)と訳者による『ドストエフスキーの生涯』『年譜』『解題』『訳者あとがき』の四つの書き物が含まれています。
★どうしてこの短い『エピローグ』を四巻の最後に含めず、別巻としたかは、訳者による書き物(特に解題)を読めば理解出来ます。
★『エピローグ』には、幻となった続編(第二部)への伏線も多く含まれている感触です。読み終えると、本当に『続編が書かれていたらどんな物語だったのだろう?』とどうしようもなく気になるのですが、そのあたりも四つの書き物に目を通すと少し感触が掴めるかも知れません。
★ただ、本当にそこが気になるのであれば、訳者による『カラマーゾフの兄弟、続編を空想する』と言う本を読んでみると良いかも知れません。私には非常に刺激的でした。
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)より
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No.507:
(5pt)

過去、他の訳でも読んでいますが、この訳が最も親しみやすいのでは?と思いました。

★この作品、40年前と20年前の2回、過去に別の訳で読んでいます。その際、それ程の苦闘はしませんでしたが、多少の読みにくいなぁ~感は覚えました。
★しかし、今回、亀山訳に接し、その読みやすい事に驚きました。なにか、文字がスラスラとアタマに入って来て、気が付くとページが進み、あっという間に全巻を読み通していました。
★Kindleで主に通勤途中に読みましたが、思ったより日数掛かりませんでした。
★過去読んだ際に、あまり実感がわかなかった部分への気づきも今回あります。例えば、昔読んだ折にはフョードルのトンデモオヤジ(&ずる賢い)なところの実感が、あまり感じられませんでした。しかし、こちらの訳はそのあたりがビンビン伝わって来ます。
★また、グルーシェニカの妖艶さ、危なさ、もこちらの訳の方が濃厚に伝わって来ます。アリョーシャをあわよくば誘惑してやろう、なんて考えていたところなど、前に読んだ訳では気付かず素通りしてしまいましたが(訳されていたのでしょうが、文字の山の中で埋もれてしまい、記憶に残らなかった)、こちらでは、そんなことも思い浮かんじゃう女、と言う所がビシバシと・・・。
★この第一巻に於ける物語の山はおそらく僧院での丁々発止、ドミートリイとフョードルの喧嘩あたりでしょうが、テンポよく(ある意味)楽しく読み進めました。
★あと、この訳はアタマに入って来やすいので、ミステリーとしての楽しみも倍増します。この第一巻にも数々の伏線が貼られているので、ミステリー的にも『乞うご期待』な第一巻となっています。
★なお、伏線、と言う所では、今回亀井訳で全巻を読んで、おおアソコがアレの伏線だったのか、と言う所に改めて気づかされました。既に2回も(別訳ながら)読んでいましたが、その際には何だかアタマがゴチャゴチャしてそれ程伏線とその回収と言う所が楽しめませんでしたが、こちらはそこも余裕で楽しめます。
★と言う訳で、私としては、カラマーゾフの兄弟であれば、何と言ってもこの亀山訳版をイチオシでお勧めしたいと思います。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
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No.506:
(5pt)

読んだら一皮向けた感じがする

長いし、大変だけど、面白い。
ほとんどの人が多分大審問官のところで挫折するけど、オリラジあっちゃんのYouTube大学観た後だったら割と理解できる。
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.505:
(5pt)

幸福と平和より、愛と自由

大審問官が有名ですね。

砂漠で、キリストが悪魔に3つの質問をされます。

・お前が神なら、なぜ石ころをパンに変え、貧しい人々を救ってやらないのか
・お前が神なら、なぜ高い所から飛び降りても死なないという奇跡を起こし、キリストこそが神であると示して、世界に数多くある宗教の統一をしないのか。そうすれば戦争は無くなるではないか
・なぜ世界の国を一つに統一し、平和な世の中にしないのか

これらの問いは、まさに現代人も望むところだと思います(皆、飢えたくないし、戦争の無い平和な世の中で生きたい)

ですが、これらの悪魔からの問いをキリストは全て退け、その事を大審問官に問われたキリストは、ただ大審問官の掌にキスをするのです。

これが何を意味するか、皆さんお分かりでしょうか?

これは自分の意見ですが、人は平和や幸福を求める欲深い生き物ですが、キリストは愛と自由に生きるべきと解いた、という事かと思います。

一見、自由や平和、幸福は両立しそうですが、そうではないのではないように思います。現代人は、宗教の自由や多様な国籍によって分断され、争いは続いているし、石ころは石ころのまま、飢えた人は飢えたままです。

しかし、それでも人間の自由がある状態こそが、人間のあるべき姿なのではないかと。そうキリストは解いたのだと、自分は解釈しています。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.504:
(5pt)

ドスエフスキーのすべて

カラマーゾフの兄弟を読んで何が変わるかって、言うと人生すべてと言っても過言ではない。ドスエフスキーはこれに自分の思想の全部をつぎこんだに違いない。
カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)より
4334751326
No.503:
(5pt)

アリョーシャと子供たち

良いと思います。アリョーシャと、子供たちとの会話に未来が託されます。
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)より
4334751334
No.502:
(4pt)

story

この名著をまだ読んだことがなかったが,やはり面白い。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
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No.501:
(5pt)

とても読みやすい

カラマーゾフの兄弟を読むのは三度目です。40年ぐらい前が初回、それから20年ぐらいして同じ訳(本)で二度目、そしてこれが三度目。三度目は訳者が違うのですが、まぁ、これが読みやすい!!文章が平易に頭に流れ込んで来るので、ストーリーが追いやすく、ものがたりを読む楽しみが素直に味わえます。リーザやイワンは前に読んだ時と別人のように新鮮な印象を持てましたし、フョードルのトンデモナサもこの訳でこそ際立って感じられます。これを読む前に、同じ訳者による『白痴』を読みましたが、そちらは訳する事の呻吟がそこはかとなく感じられる訳で、こちら程にこなれていない印象でしたが、こちらの訳書は初めてドストエフスキーに接する人にお勧めできます。長いお話ですが、苦役感なく楽しんで読み通せるでしょう。
カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)より
4334751172
No.500:
(5pt)

商品を受け取りました。

迅速かつ丁寧な発送で、説明のとおりの商品を受け取りました。
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)より
4334751237
No.499:
(5pt)

ひねくれたねちっこい文章は大変魅力で、癖になってしまう

新潮文庫の『カラマーゾフの兄弟』は、原卓也による翻訳で上中下の3巻構成である。

『カラマーゾフの兄弟(上)』
『カラマーゾフの兄弟(中)』
『カラマーゾフの兄弟(下)』

(下)は、スネギリョフの息子で物語の中で重要な役割を果たすイリューシャを巡る子どもたちの話から、フョードル殺しの裁判までを収録し、最後にエピローグが付されて終わりを迎える。下巻はついに裁判が集結に向かうわけで、息つく暇もなく読者はページをめくっていくことになる。翻訳は素晴らしくドストエフスキー的であって、それだけに少しも古臭さを感じさせない。ひねくれたねちっこい文章が延々と続いていくが、読者は次第にそのしつこさの魅力に取り込まれていく。最初はとっつきにくく感じられた文章も、下巻に到達する頃には「もはや癖になってしまう」状態になっているはずだ。

(中)巻同様にストーリーがひたすら進行していく(下)だが、とりわけ感動的なのは、エピローグで披露されるアリョーシャの演説である。(中)でゾシマ長老が語った「人間にとって、親の家ですごした幼年時代の思い出ほど尊いものはない」という言葉を思い出させるアリョーシャの演説は読者の心を強く揺さぶるもので、大変、感動的だ。長いドロドロとした物語の先に、こんなに優しさに溢れた感動的な演説があることに救われる思いがする。キリスト教圏で生きているわけではない普通の日本人としては、やはり「大審問官」の重要性はあまりピンとこなかったが、ドストエフスキーの思想に息づく彼の優しさには心を打たれた。誰もが一生のうちに一度は読んで損をしない、偉大な作品である。そして、全てを読み終わったあとの余韻は何とも言えず強烈で、しばらく次の読書が手に付かなくなる。

とにかく、だらだらと他の本たちと一緒に併読するのではなく、これだけを一気読みするような読み方が向いている。私は紙の本とKindle版のどちらも購入して、両者を併用しながら読み進めた。ぱらぱらめくったり、少し前に戻ったり、後ろを先読みしたりを楽しめる紙の本で読むことをお勧めしたいところではあるが、Kindle版は検索が出来るので便利でもあり、どちらも購入して損はしないと思う。
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.498:
(5pt)

ひねくれたねちっこい文章の魅力に次第に取り込まれていく

新潮文庫の『カラマーゾフの兄弟』は、原卓也による翻訳で上中下の3巻構成である。

『カラマーゾフの兄弟(上)』
『カラマーゾフの兄弟(中)』
『カラマーゾフの兄弟(下)』

(中)は、死に臨むゾシマ長老のエピソードから、ついに事件が発生して容疑者である長男ドミートリイが連行されるまでを収録している。神学的な色彩を帯びた前半から、まるでミステリー小説にしか見えない後半まで、息つく暇もなく読者はページをめくっていくことになる。翻訳は素晴らしくドストエフスキー的であって、それだけに少しも古臭さを感じさせない。ひねくれたねちっこい文章が延々と続いていくが、読者は次第にそのしつこさの魅力に取り込まれていく。最初はとっつきにくく感じられても、次第に「読み進めずにはいられない」状態となってしまう。

ストーリーがひたすら進行していく(中)には(上)とまた違った異様な面白さがあるが、とりわけ印象に残ったのは、若き頃を回想してゾシマ長老が語る「人間にとって、親の家ですごした幼年時代の思い出ほど尊いものはない」という言葉かな。(中)巻末でドミートリイが見た夢に出てくる赤子の姿を思うと、より一層、その言葉が心に刻み込まれ、こういうところにドストエフスキーの心根の優しさが感じられる。

とにかく、だらだらと他の本たちと一緒に併読するのではなく、これだけを一気読みするような読み方が向いている。私は紙の本とKindle版のどちらも購入して、両者を併用しながら読み進めた。ぱらぱらめくったり、少し前に戻ったり、後ろを先読みしたりを楽しめる紙の本で読むことをお勧めしたいところではあるが、Kindle版は検索が出来るので便利でもあり、どちらも購入して損はしないと思う。
カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)より
4102010114
No.497:
(5pt)

「カラマーゾフ万歳!」

下巻の主内容は被告ドミートリイの裁判です。上巻、中巻と、何気なく読んでいた内容が、ほぼすべてじゃないかと思うくらい数々の伏線になっており、裁判の場で恐ろしく多様な解釈を発生させることになります。目撃者のいない状況証拠だけで、裁かなければならないのです。

カラマーゾフ家の最後の希望がアリョーシャです。彼が知り合った少年たちにこれからの人生の話しをする場面で幕切れとなります。
「みなさん、僕たちは間もなくお別れします。・・・でも、もうすぐ僕はこの町を立ち去ります。たぶん非常に永い間。だから、いよいよお別れなんです」
この大作の万感胸に迫る終局です。
「カラマーゾフ万歳!」
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.496:
(5pt)

テンションが高く、読者にも興奮が感染してくる

ドミートリイが金策にむやみに走りまわる行動は爆笑ものです。ドストエフスキーの作品で笑えるなんて!
彼が用立てしたい3000ルーブルとは、現代の金銭感覚でいうと幾らぐらいなのだろうか。(サイト情報によると、「現代の日本円に換算すると、当時1ルーブル = 2000円半ば」とのことなので、3000ルーブル=600万円というところか)

この巻の中盤から、異常にテンションが高くなり、そのテンションを保ったまま予期せぬ殺人事件が発生し、さらに、容疑者の取り調べにより、今まで謎だったいくつかの点の真相が明らかになるので、読書している自分にも興奮が感染してきます。
カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)より
4102010114
No.495:
(5pt)

ひねくれたねちっこい文章の魅力に次第に取り込まれていく

新潮文庫の『カラマーゾフの兄弟』は、原卓也による翻訳で上中下の3巻構成である。

『カラマーゾフの兄弟(上)』
『カラマーゾフの兄弟(中)』
『カラマーゾフの兄弟(下)』

(上)は、主要な登場人物たちがひと通り登場する序盤から、かの有名な「大審問官」の章までを収録している。翻訳は素晴らしくドストエフスキー的であって、それだけに少しも古臭さを感じさせない。ひねくれたねちっこい文章が延々と続いていくが、読者は次第にそのしつこさの魅力に取り込まれていく。最初はとっつきにくく感じられても、次第に「読み進めずにはいられない」状態となってしまう。
 
そういえば、キリスト教圏で生きているわけではない普通の日本人にとっては、「大審問官」はあまりピンとこないのではないか。それなりにキリスト教の素養がないと深く理解するのが難しいように思われるし、エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』に慣れたわれわれには、どこか古びた内容のようにも感じられる。自分自身はキリスト教について無知であるため、正直、この章がどう重要であるのか、いまひとつよくわからなかった。が、少し勉強した上で再読してみたい気にはさせられた。そんな自分にとっては、どこかドストエフスキーの優しさが感じられるスネギリョフのエピソードが心に残った。

とにかく、だらだらと他の本たちと一緒に併読するのではなく、これだけを一気読みするような読み方が向いている。私は紙の本とKindle版のどちらも購入して、両者を併用しながら読み進めた。ぱらぱらめくったり、少し前に戻ったり、後ろを先読みしたりを楽しめる紙の本で読むことをお勧めしたいところではあるが、Kindle版は検索が出来るので便利でもあり、どちらも購入して損はしないと思う。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106

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