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ブラックペアン1988
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ブラックペアン1988の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全124件 81~100 5/7ページ
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タイトルにあるように1988年の5月から11月にかけての、東城大学医学部付属病院で起こった出来事を扱っています。 従って、「チーム・バチスタの栄光」から20年弱年代を坂のります。 ですから、この本には「チーム・バチスタの栄光」のメンバーたちの、若き時代が垣間見られる作品になっています。 この本のテーマは「医師」そのものです。 「名人」としての手技で完璧な手術をして人を救うのか、それとも合理的にいろんな機器を駆使してでも「医師」の数を増やし多くの患者を救うのかと言う問題です。 確かに、絶対的な「名人」がいても一人の「医師」が助けられる人数は限られます。 そこそこの技術力でも数が多ければ、それだけ多くの人に助かるチャンスが与えられます。 そのことは又、「医師」が何を第一に考えるいべきか?と言う問にもなっています。 「患者第一」 今の時代にあっては、当然そんな答が返ってくるでしょう。 しかし、それを実践する難しさがあります。 旧態依然たる保守的な組織や体質、意識の問題が頭に浮かびます。 それは又、一般の社会にも通じることだと思います。 現代の企業であれば、少なからず「顧客第一」を目標に掲げます。 企業の存続と企業の社会的責任の関係の両立が求められます。 この本も、何となく二種類の「医師」の両立と言うか協力を求めているような気がしてなりません。 | ||||
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外科研修医である世良が大学病院がいかなる場所かを知り、徐々にその内情に首を突っ込んでゆく。 昔の因縁「ブラックペアン」、権力争い。 これらが絡み合い、少しづつ明らかになってゆく。 この本筋はなかば想像できる結末でした。 しかし登場人物が実に個性的かつ魅力的。そしてその熱意や想いが伝わってきたので十分満足でした。 特に田村さんの手術でのいざこざ。 ここはリアルではない。こんな研修医はいないでしょう。 しかし、これこそがエンターテイメント―私が小説に求めているものです。 リアリティとエンターテイメントのバランスがいい。 中だるみしやすい中盤では、著者のシリーズの主人公が登場。 彼らの過去がわかるという粋な計らい。 飽きさせません。 病院内のリアルを描いた、まさに海堂尊らしい作品。 新人の成長、確執、因縁、あの人の過去。 いろいろな要素が散りばめられていて楽しく読めました。 | ||||
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黒のペアンの意味は後半重要なキーワード。田口、島津、田口、藤原婦長、猫田、花房等々「バチスタ」以来の登場人物の20年前の話としても面白く読めました。「バチスタ」「ナイチンゲールの沈黙」「ジェネラル・ルージュの凱旋」と一連の作品を読破してからだと一段と面白く読めるでしょうチーム・バチスタの栄光 | ||||
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これまで読んだ著者の作品で最も良かった。研修医になったばかりの世良が初めて経験する手術、院内権力闘争、医師の仕事の厳粛さと命の重み。ひとりの青年の成長物語としても胸を打たれるし、病院がどのように運営されているか知れる点でもとても興味深く読めた。登場人物たちはすべて個性的なキャラクターだが、その奥には温かい人間性を感じさせる。いがみ合いの中でも後進を育てようとする意志がある。組織の中での自分の生かせ方としても読めるし、そのへんのビジネス書を読むよりよっぽどためになる。手術後の患者の言葉はどれもリアリティがあり、2度ほど読みながら胸がつまって、涙ぐんだ。 | ||||
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20年前、がんの告知もままならなかった頃、医療ミスの隠蔽などいくらもあったのでしょう。しかし、いくら政治、金、権力に翻弄されようと医師は医師としての気概を持って、生きていた時代だったと思います。雑事に振り回され、小銭の勘定に奔走しなければならない今の教授など誰もなりたいと思わないのではないでしょうか。官僚のような人間がその後を引き継いでいます。 | ||||
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海堂尊の作品はこれまで『チーム・バチスタの栄光』と『ナイチンゲールの沈黙』を読んでいた.本書の時代設定は,著者の処女作『チーム・バチスタの栄光』の20年前となっている.そのため前作でお馴染みの登場人物(田口公平,高階権太,垣谷雄次,藤原真琴,猫田麻里,速水晃一,水落冴子)も20年前の姿で登場している. 海堂作品の良さは,現代の日本医療が抱える問題点を,分かりやすいミステリー形式(メディカルミステリー)で読者に提示している点であろう.特に医学界の内情は,国民に分かりにくく,秘匿される傾向にあるように思われる.著者はそういう問題点を,医療従事者側(医師,看護師)と医療政策者側(厚生労働省)の双方から,厳しくえぐり出し,世論を味方につけながら,問題解決の糸口を模索しているように思える. 本書で描かれているような医療事故は,普段あまり表には出てこないが,これこそ日本医学界がもつ隠ぺい体質という悪の枢軸ではなかろうか.医学界にもこれまで以上の情報開示が必要と思う. | ||||
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外科医の生きざまを理想的に書いていて面白い。しかし何故渡海はラプソディーを聴けているのかな?まぁ波乗りトロピカルはリリースされていないみたいだがw | ||||
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衝撃の「チーム・バチスタの栄光」の脇を固める「ナイチンゲールの沈黙」桜宮サーガを広げる「螺鈿回廊」「夢見る黄金地球儀」、そして華麗なるドラマ「ジェネラル・ルージュの凱旋」と「ジェネラル・ルージュの伝説」さらに過去を固める本書「ブラックペアン1988」 最初の主人公の田口医師ほかの原点までみえる このころ白鳥は何をしていたのでしょうね こうまで全く違う作品で、逆に桜宮サーガを深めるのはすごい ぜひともこの次の「死因不明社会」を含め、発行順に全て読みたい そのなかで海堂尊ワールドの原点、バイブルとして必読の本書でしょう ここまでのフィクションで、現実の医療に対する真剣な攻撃と研究に頭が下がるとともに 購読することで、少しでも支援できればと思います 海堂尊、がんばれ aya | ||||
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アラフォー現役医師です。主人公の世良くんと自分のレジデント時代がかぶります。80年〜90年初頭のバブル時代。医師の生活はまさにこんな感じでした。糸結びから始まって、製薬会社との癒着までこれが医者の世界でした。あらゆる場面でニヤリとしてしまいます。 海堂先生の学生時代(螺鈿迷宮)、医師時代(バチスタ、ナイチンゲール、ルージュ)に続く、外科レジデント時代の思い出をつづったものなんでしょうか。記憶に新しい腹腔鏡手術の死亡事件を暗示するイベントを盛り込んだり、実際の医療現場で日常的に起こっていた問題が筆者の目線から描き出されています。 これまでの作品の魅力的なキャラクターたちがあちこちに出てくるので、こちらもニヤリ。 あっという間に読破してしまいました。アラフォー医師(特に外科系)には当直の合間にでも是非呼んでもらいたい1冊です。 | ||||
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今まで読んだ海堂氏の作品の中では 一番好きかも。 相変わらず難しい医学用語(?)がたくさん出てくるので そのへんはちょっと読み辛かったけど 最後まで一気に読めた。 とにかく、海堂ファンにとっては思わずニヤリとしてしまう 登場人物が魅力的。 高階院長の若かりし頃って こんな風だったんだなぁ…とちょっと意外に思ったり 田口、速水、島津が研修医だった頃がちょこっと出てきたり (ホントにちょこっとしか出ていないのに 現在の性格がしっかり現れているところが面白いw) 藤原、猫田、花房看護師が出ているのもすごい。 ストーリー的にもなかなか面白かった。 特に最後にタイトルになってる「ブラックペアン」の意味が わかるところなんて、おおっっ!と思ってしまった。 それにしても あの強力なキャラの渡海先生や 主人公の世良先生は、今はどうしているんだろ?? それがとっても気になる。 これだけ濃いキャラなんだから 今後また何らかの形で出てくれることを望まずにはいられない。 海堂氏のシリーズは登場人物が色々絡んでいるので 発売された順番に読むのが一番面白いよなぁ…。 また時間のある時に一気に全部続けて読んでみたい。 | ||||
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チームバチスタで期待を裏切られたが、本書はまずまずの作品でした。 読み始めは何のことだかわからなかったが、最後にブラックペアンが重要な意味を持ってきます。 医学生の息子にも読むように薦めました。 | ||||
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「チームバチスタ」の単なる昔物語の番外編かと思っていたが、 この作品はバチスタを読まずとも単独で読める、 実におもしろい内容だった。 バチスタのように回りくどい記述がなく、 医療問題本質を突く物語がぐさぐさと展開されていくので、 バチスタよりはるかに読みやすくはるかにおもしろかった。 一貫しているのは、患者の命のために医者はどうあるべきか。 医者も人間として弱さや欲望や失敗もある。 でも患者のために何をすべきかを考えたら、 取るべき行動は見えてくる。 そんなテーマがしっかり語られている物語として、 実に素晴らしい作品だった。 おすすめです。 | ||||
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2007年9月20日リリース。初出は『小説現代』2007年4月号から8月号。『田口&白鳥シリーズ』の番外編とも言うべき存在で、主人公の一人は若き日の高階院長である。『チーム・バチスタの栄光』に出てくる面々の若き日が描かれていて、ちょうど京極夏彦の『前巷説百物語』のような話が展開していく。実に楽しい。 筆力は相変わらずの剛速球(この作者は書くのも速い。文学界の新ジョン・ロード、とぼくは呼びたい)で、魅力的な医者がここでも登場してくる。そんじょそこいらのちょっと取材して空想文学を書いてみましたみたいなへなちょこの文章はひとつもない。まさに切った貼ったの外科医の言葉で書かれている。現実の大学病院の世界が実によく分かる。 現在まで3作、氏の作品を読了して思った。なぜここまでの作品を書いている人物に直木賞がいかないのか。はっきり言って不自然である。この作者より素晴らしい作品を書いている直木賞作家がいるなら連れてきてみろ、と言いたい。そこまでのレベルに到達している。 | ||||
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「チームバチスタの栄光」に続き読みました。 現役医師の作家ゆえに医学用語がばんばん出てきますが、それもさして問題なく、すらすら読めます。「チーム…」よりも読みやすいような気もします。 大学病院での権力抗争、製薬会社との駆け引き、医療ミスの問題、医師側から見るとこんな風なんだ、と思うにつけ、「患者」というのはつくづくただ医師の前を通り過ぎていくだけの存在なんだなぁとも思いましたね。 | ||||
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同業者の読者が、読むに耐える作品はどのくらいあるのだろう? 警察ものなど皆無ではないかと思うほど、ありえない舞台設定がなされていたりするし、日常の細かいディテールにこると、小説としての面白さが減少する例もある。 そんな中、本作は、手術という外科医にとっての日常行為と、大学病院内部における教授を筆頭とする格付け社会を、小説らしいありえない筋書きに組み込み、読者を外科助教授ぐらいの気分にさせてくれる。 細かい医療用語を、いちいち読者に媚びて説明付けないのも、読むリズムを壊すことなく、小気味よかった。 私は、本作が著作の初見なので、佐伯教室を舞台とした他の作品があるなら是非とも読みたい!と思わせる100点満点の出来だった。 | ||||
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「チーム・バチスタの栄光」の約20年前の同病院外科が舞台。「バチスタ」「ナイチンゲールの沈黙」「ジェネラル・ルージュの凱旋」では、前半は状況説明が多く、後半白鳥が登場して俄然盛り上がるように思ったが、本作では最初から、息もつかせぬ展開である。 新人医師世良が出会った、佐伯教授、高階講師、渡海医師という3人の才能溢れる外科医の大先輩たち。それぞれが鮮やかな手術手技を披露しつつ、医師としての主張を闘わせる。 一気に読めるエンターテインメント性を有しながら、よくある格好いいだけの「名医」物語にはない、深みがある。現実に医師である著者ならではだろう。医師であることの矜持だけでなく、それを維持するための苦悩をも、誰にでも分かる形で描いている。人間臭く葛藤しながら、それぞれの信念を貫いていく彼らがいい。 素晴らしく盛り上がったクライマックスのあとの終わり方は、確かに物足りないような気もするが、そこまで要求するのは酷かも。 世良のその後が気になる。後日談がありそうな気もする。 | ||||
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「チームバチスタ」から「ジェネラルルージュ」までは好調だったシリーズが、「螺鈿迷宮」で少々がっかりさせられたので、どうしようかなとかなり迷ったが、結局、手にした。杞憂だった。まずは研修中の田口先生以下3名の書くレポートがいい。それぞれの性格を端的にあらわして、見事。あと主役ではないが、やっぱり高階院長はこの作品の要だけあって、若いころも実に素敵だ。なぜお名前が「ゴンタ」なのか、いつかわかるといいと思う(笑)。 | ||||
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推理小説かと思いきや、そうではありませんでした。でも、概ねおもしろかったです。 ただ、外科手術の現場が事細かに書かれているので、専門用語が多く、想像できない部分が多かったのでちょっと大変だったかも。せめて、どんな器具なのか絵とかがあると助かるのにナー。 その反面、外科手術の現場ってこんなものなんだというのはなんとなく身近に感じることができました。 | ||||
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医者ならではのストーリー展開で読ませます。ブラックペアンに関わるどんでん返しが素晴らしい。私は本職の外科系医師ですが、すっかり乗せられました。良質のエンタテインメントだと思います。 | ||||
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大学病院、外科学教室を舞台に研修医世良の成長を描く一冊…ではないです。 事件も殺人も起こらないのに、グイグイを読者を引き込んでいく人間模様。 医療の難しい用語もたくさん出てくるのに、それも気にならない・・・。 一気に読み進みました。 私は海堂尊さんの本はこれを初めて読みましたが、とにかく文章がうまい! そして、人物の描き方がとっても丁寧なので、その人の心の動きに 自分自身も同化していきます。 ひさびさ他の作品も全部読んでみたいと思う作家に出会いました。 医療、特に外科関連に強くなれそうです。 結末、感動的です! | ||||
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