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不思議のひと触れ
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不思議のひと触れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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不意に手にとって読んでみた、という流れで読むと評価が上がる気がする。 でも勧めたり勧められたりには不向きかな… いつの世にも置いててほしい作品だとは思う。 孤独の円盤について "どんな孤独にもおわりがある" には"止まない雨はない"類を感じたんだけど、他の解釈はあるんでしょうか。 かつてこの著者に救われた人が沢山いただろうな〜 | ||||
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異色作家の中でもかなり特異な作風で知られる作家の短編を集めた短編集。 はっきり言って収録作全部それ程面白くありませんでした。SF、ホラー、ファンタジー、ミステリ等バラエティにとんだ作品を幅広く集めていてセンスはいいですが、この短編集でこの作家の真の力量を推し量ることは少し厳しいと思いました。やはり長編の「きみの血を」や短編の「ビアンカの手」「輝く断片」等を読んでみることをお勧めします。でも普通の作家とは違う真っ当でなさは行間から読み取れるのでそれなりに興味深くはありましたが。 あと解説でこの作家の評伝が短いながらもまとめてあり、今まであまり知らなかったので参考になりました。 損をしたとは言いませんがやはり私みたいなマニア向けかも。人に勧めるかどうかは微妙でした。好きな作家なので残念です。 | ||||
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本書にはスタージョンの傑作短編作品から10編が収録されています。 「孤独の円盤」については,作品集「一角獣・多角獣」小笠原豊樹翻訳にて既読でしたが,本作収録の白石朗翻訳もとても良いです。 本作品集のうち,私のお気に入りは「タンディの物語」です。 子どもが中心人物として描かれる作品が二編「影よ,影よ,影の国」「タンディの物語」収録されていますが,これがいずれも素晴らしい。こどもの心の動きを見事に描写しています。そして「タンディの物語」では,更に一歩踏み込み,自らの子どもの変化を静かに,幸福に,おびえとともに見つめ続ける母親の気持ちが,じわじわと伝わります。 また,「タンディの物語」では,冒頭の1章がユニークです。この物語のレシピが記載され,それが何のことなのかさっぱりなのですが,物語が進むにつれて,ああ巧いなあと思わせる展開をみせます。 そのほかの作品も充実しており,お得な感がある作品集となっています。 では,表題作「不思議のひと触れ」から印象的な部分を抜粋します。 「どこにでもいる平凡な男に,不思議のひと触れが加わると,ほら,見てごらん。ほんのちょっとしたことでいい。たった一度でもいい。そしたら,そこから先,彼の人生は死ぬまでずっと本物なんだよ」 | ||||
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買いだとは思いますが、年を取るに従い短編がさほど好きではなくなったという個人的な事情もあってか、デビュー作である「高額保険」を最初に読んで、なぜだか「しまった」という思いに襲われました。若かった時に読んでいれば、もっと楽しむことができたはずという慚愧の念ばかりが残ったように思います。推理ものという言葉だけでは片付けられない不思議な手触りの小品が並んでおり、若ければ若いほど楽しめる佳作揃いの短編集です。 | ||||
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この短編集は前作の海を失った男とは異なり、非常に分かりやすい話が詰まっている。 といっても曲者スタージョンにかかればありふれたプロットがたちまち不可思議な佇まいになる。 丹念に紡がれた文章を夢中で追っているうちに味わい深い結末と出会った。 どんな孤独にもおわりがある。 スタージョンという作家はジャンルにとらわれなかった人なんだなと改めて感じた。 | ||||
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個人的な思いにより本書収録作「雷と薔薇」が文庫化により多くの人の目に触れるよう望んでおりました。それが現実となって感激です。 この作品を愛する人を僕は決して嫌いになれないでしょう。「雷と薔薇」はそんな作品です。 そして、他にも「不思議のひと触れ」「孤独の円盤」という切なさと癒しの絶妙なブレンドを味わえる、まさにスタージョンを好きになるための王道とも言える作品や、あとからじわりと心に沁みてくる「もうひとりのシーリア」なども収録されています。 解説が充実しているのも含めて、最初の一冊にお薦めです。 | ||||
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スタージョン入門篇。 入り口の広い作品がメインで収録されているので、SFファンのみならず、ファンタジー・幻想小説を好みとしている方にもオススメです。 どこか孤独で、やさしく、そして夢見るようなスタージョンの世界に浸りましょう。 枕元に置いておいて、就寝前にふと読み直そうと思った時、いつでも読み直せるようにしておきたい一冊です。 | ||||
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スタージョンは特異な発想の小説を書きます。 例えば、本書では「孤独の円盤」や「不思議のひと触れ」。 そのことは素直に凄いと思います。 彼のような特異な発想ができること自体、実はスタージョンが、自身が描くところの「異種」的な人間だったからではないだろうか、と思ってしまいます。 けれど、僕はそれだけでなく、スタージョンの作品のいくつかに「決して癒されることのない孤独」または「透明なまでに純粋な理想あるいは愛?への憧れ」を感じます。 ヒトがヒトであるが故に癒されぬ孤独。けれど、それが癒されることを求めてしまうもどかしさ。 本書にはそんなある種の孤独を感じさせる作品のひとつ、「雷と薔薇」が収録されています。 ぜひ読んでみてください。 | ||||
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とにかく初出にびっくり。1938年からの作品群である。「雷と薔薇」の知見が1947年に披露されていたとは、敬服するばかりだ。ネビル・シュートの「渚にて」は本作の10年も後とは…。 「閉所愛好症」の逆転劇も小気味いい。「不思議のひと触れ」にしろ、「ぶわん、ばっ」にしろ、健気な弱者が最後に報われるところは、読後にさわやかな印象を残す。「裏庭の神様」も、よくできたファンタジー。登場人物の等身大のアメリカ小市民が、いきいきと描かれている。 でも解説を読んで、5回も結婚・再婚し、7人も子どもがいたってのにもビックリした。 | ||||
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なぜかジャンル小説にこだわり続けたアメリカ史上最高の短編作家の作品集。SFと言っても、科学的思考にこだわったハードSFではないので、とっつきやすいかもしれない。不思議のひと触れの鮮やかな逆転や、裏庭の神様などのユーモラスな書き方まで、筆者の並々ならぬ才能を見ることができる一冊。 | ||||
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ハヤカワ「奇妙な触合い」とは二編が重複。 スタージョンは、アメリカでは、PKディックと並べて語られる重要作家として評価されている。 より進化したSFをあたりまえのように読んでいたから、その目では、SFとして発想や表現が素朴と感じる部分があった。「『雷と薔薇』は『渚にて』よりも前に、核の冬を書いた」と解説で読んで初めて、すごさを察した。SFとしてはともかく、ふつうに小説として、短編として、味わいがあった。 「どんな孤独にも終わりがある」という、まきこまれ型ストーリーの優しさに浸った。『もうひとりのシーリア』が忘れられないオチだった。 | ||||
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『高額保険』を読んだ諸兄は軽い失望を覚えるに違いない。あ~、これがアメリカ文学史上最高の短編作家…。でも本を閉じるのはもう少し待ったほうがいい。そんな失望は『もう一人のシーリア』『不思議のひと触れ』がきっと忘れさせてくれるはずだし、『裏庭の神様』『ぶわん・ばっ!』はオールディーズのヒット曲のように楽しげに心に響いてくる。最初に話の種を明かしてなお読ませる『タンディの物語』、重いテーマを扱って感動的な『薔薇と雷』なんかは作者の力量を十二分に堪能する事が出来る。そして最後の『孤独の円盤』の結末にはSFファンならずとも唸ってしまうし、久しぶりに読み終わった後の寂しさを感じる…そんな一冊だった。 | ||||
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『人間以上』『きみの血を』などで知られるシオドア・スタージョンの短編を集めた選集。1938年のデビュー作「高額保険」から60年代の「タンディの物語」まで10編が収められている。 スタージョンの持ち味は、社会からはぐれかけた人間への優しい眼差しだと思うが、本書にも、ほっとするような作品が多い。ややもすると、スタージョンの作品は、アメリカ的な甘ったるいセンチメンタルや偽善的な温かい人間性に過ぎないようにも感じるが、SF的な設定があることで救われている。まあ、SF的ロマンスと言ってしまえば、それまでだが。 世界の破滅、宇宙人の飛来、人魚などがほのめかされることで、読者は不安をかき立てられ、その相乗効果で結末の(甘ったるい)カタルシスに同調することが出来る。 実にテクニックのある作家だと思った。 | ||||
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スタージョンの名作が今翻訳されることは、どういうことなんだろう?老舗のブラッドベリとも多作のロアルド・ダールとも違う独特の懐かしさがある。SF、ファンタジー、ホラー、いずれのファンにもおすすめ。ひょっとしたらこういう静かなスタージョン・ブームはあっという間に消えてしまうかもしれない。 | ||||
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