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アンダー・ザ・ドーム
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【この小説が収録されている参考書籍】
アンダー・ザ・ドームの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 41~56 3/3ページ
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久しぶりのキング大長編は、私が「あぁこの人は生き延びて欲しいよなぁ」と願っていた人も巻き添えにしながら地道に、しかしローギア状態で読ませてくれた。 体力的に、明け方までは続けられなかったからで、本来ならトップギアで飛ばしたかった。 それはさておき、閉じ込められた人々の変容の物語が、2011年という「今この年」に日本で発売された事。これは単なる偶然なのだろうか? 下巻に出てくるカーターの言葉ではないが、既に起こってしまったことは仕方がないのだろう。けれど、他の何かもそこには存在している気がする。 今日(8月24日)現在、上のほうにしがみついている御仁がビッグ・ジムのような悪の力とテクニックをお持ちだとしたら、日本は今頃どうなっていただろうか? 空気は吸えるしその辺に銃があるわけでもない日本と、小説の中の状況を比べるのは失礼なのだけど。 物語後半では、何人かの人物が感じてきた「後悔」の感情が印象を残す。 対手にも読者にも、それは何も押し付けたりしない。あるとしたら「あぁ自分にもあるある」という共感だろう。 その共感によって、読者もいつの間にかドームの中にいることに気付いた時、物語は既に終わっていた。 さり気のないつながりの描写が、この人は本当に上手い。 精一杯のもてなしで出してくれた、ぬるいサン・ティー(太陽熱を利用した水出し紅茶)の色は、とても綺麗な筈だ。 それにしても、フィル・ブッシーのパジャマの柄といい、惨禍の中でも笑いを入れたがるキングという人が、私は好きだ。 アンドレアの描写には、自らも苦しんだ事故の後遺症が生きているのだろうか? | ||||
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しばらくキングの著作から遠ざかっていましたが、本作は帯につられて購入しました。突然一定の区域が閉鎖空間化してしまうという、SFなんかでは比較的ありがちなシチュエーションをキングがどのように料理しているのかということにも興味がわきましたし。 まあもの凄い分量なので1日2日徹夜した位ではとても読了出来ないのが恨めしいところですが、とにかく圧倒的な面白さに、仕事が終わって読書のできる夜が来るのが楽しみでなりませんでした。本作のキング、凄いです。 作品自体の面白さに否定的な方はあまりいらっしゃらないのではないかと思いますが、評価が分かれるとすればドームの「成因」に対してではないでしょうか。ここが納得出来ないとやや低めの評価になるのかもしれませんが、私は全くOKでした。新聞発行人ジュリアの少女時代の体験と、この「成因」がクロスオーバーするクライマックスには胸が熱くなりました。 それにしても、多数の登場人物をきちんと交通整理し、ばらまいた伏線を見事に回収していくキングの筆力には改めて唸らされます。(白石さんの訳も相変わらず素晴らしいです)こちらの想像力を遙かに超えた後半の地獄絵図は絵が立ち上がってくるようでしたが、やはりこれは本物の映像作品で見てみたい!噂ではスピルバーグが製作するTVシリーズが予定されているとのことですが、実現を心から望みます。 | ||||
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読者が期待する(しそうな)ものは、確かにありました。 それを超える何かがあったかと問われれば答えに詰まってしまいますが(苦笑)、 分量に最初圧倒される感覚はプロローグ時点で早くもスっ飛んで行きます。。。 あとがきを読むと、このプロローグにかなり前に手をつけてそのあと塩漬けに していたそうですが、この出だしが秀逸。一気に引き込む筆致・筆力は流石です。 一気です。 | ||||
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もうずっと追いかけていなかったキングの長編を読もうと思ったのは、設定が大好きな中編「霧」に似ているように思ったからです。 ストーリーの類似を期待したわけではなく、キングの真骨頂ともいえるシチュエーションだろうと。 期待は全く裏切られませんでした。 確かにアクセル踏みっぱなし、でも説得力をなくすほどエピソードが詰め込まれすぎてはいない。キングらしい悪役というよりは嫌な奴といいたい胸くその悪くなるようなキャラクターの魅力。群衆心理によるパニックの描写。 特に普通の市民が暴徒と仮していくさまは、読んでいるこちらにも後ろめたさを感じさせるような、キングの独特な人の悪さで描かれ見事です。 登場人物が類型的だとか、反応や行動が予想通りだとかいう点もいつものキングですが、それらはなんの欠点にもなっていないと思います。元来「物語」とはそういうものだし、そういうものだからカタルシスを与えてくれるのだし。 21世紀になっても、きちんと「物語」をつくり、それをこのボリュームに仕上げる筆力を持ったキングという作家に感謝です。 上巻の帯コピーにあるように徹夜で一気に読んでもいいのかもしれませんが、3晩くらいかけて、好みのお酒やスナックをお供に読むのがおすすめです。錯綜が少なく読みやすいので、どの章で中断しても、次に読むときまたすぐストーリーに没頭できるのです。 ただし上巻と下巻の分かれ目はあまり切りがよくないので、持ち歩いて読もうとしている方は、次のページが手元にないフラストレーションにはご注意ください。購入はもちろん上下巻同時にしておいたほうが良いです。 | ||||
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筆者の小説でおなじみのアメリカのメイン州の小さな町が、原因不明のドームにつつまれるというお話です。数千人の人が囲い込まれると何が起こるのか? 冒頭数ページ目からショッキングな事件が起こり、そこから次から次へと事件の連鎖。 これも筆者の小説ではおなじみの「分厚い」ページ数があれよあれよというまに進んでしまいます。 面白いです。 | ||||
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主人公らしき人物が拘束されているシーンから始まります 訳者あとがきによればTVドラマもドリームワークスが作成中とか。 面白いです。ベテラン健在です。 | ||||
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面白くはあったが、1400ページはやはり長すぎである。 もっと凝縮できなかったものか。ビッグジム・レニーのお山の大将さ加減にも、いまいちリアリティがないような気がする。 あの町ひとつ手に入れたところで、ドームが永遠に存在するなら、いずれは空気が無くなることは明白。 人物が皆、底が浅いように思えるのは、私だけか? | ||||
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ここ数年(いや十数年)キングの作品がいまいちだなあ〜 最近キレないなあ〜……と思っておられた諸兄にマジお勧めです! 皆さんはキングの全盛期、油の一番乗ってた頃っていつですか? ごく個人的な好みなのかもしれませんが、僕は1975の「呪われた町」から 1987の「ミザリー」ぐらいまでだと思ってます。 「トミーノッカーズ」ぐらいまではまあ、ありですが「ダークハーフ」あたりから あれれ??? なんか乗れないなあ〜みたくなって私は現在に至ってます。 これはとみにキングの加齢とともに生じた小説作法の変化であったり 常に新しいストーリーを……というチャレンジ(サービス)精神だったり すると思うんですが、「リーシーの物語」に至ってついにキングは 一部の好事家が読む作家に成り下がったのかと危惧しました。 その圧倒的な筆力でぐいぐいと読ませていく内容は、まさにド級で 誰が読んでもこれこそエンターテインメントだ! と万人に勧めていたのですが 上記作品に及んでもうこれは人には勧められないな……などと思っていました。 長くなってすみません。私はキングのダークタワーシリーズだけどうしても読めなくて 放っておいたのですが、2002〜2005の出版点数が激減したころ、ついに渇望のあまり 読み始めました。するとやはり1987の「運命の三人」あたりが べらぼうにおもしろいわけです。それを痛感したわたしは、もうキングは終わったのかと 思い悲しくなりました。 ところが本作! これは本当に、久しぶりに、面白い! まさにキング!! どうしちゃったんでしょう!?w じいさんになってふっきれたのかな? | ||||
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メイン州の小さな町が正体不明の透明なドームで覆われてしまう。隙間はどこにもない。上空1万メートルほどから、地下3000メートルほどまで確認されている。閉じ込められた約2000人の住人はパニック状態になる。銃で撃っても穴があかない。わずかに空気や水を通すようだが、物流、インフラは完全に遮断される。テロの可能性を考えたアメリカ政府は町を軍隊で包囲し、情報もほぼ全面的に遮断した。政府は住民を救出しようと様々な作戦を開始する。住民たちは二つの派閥にわかれ、対立を深めていく。 パニック時に悪玉と善玉が壮絶な死闘を繰り広げるというパターンは、『スタンド』でも見られる、キングの十八番である。これを読んで思ったのは、パニックの時の国民性はずいぶん違うものだということである。東日本大震災のとき、非常事態でも、日本人が秩序正しく行動し、冷静であったことに、世界の人々が驚嘆の声を上げていたが、これがアメリカだったら、この本の登場人物まで極端なことにはならなくても、秩序を優先しようという意識で行動できる人はもしかしたら少ないのかもしれないなどと思ってしまった。日本人の作家なら、パニックに陥った世界の描き方がまったく違うものになっただろう。 それにしてもキングの迫力ある描写にまたもや引きずり込まれた。この人には筆力の衰えというものがないのだろうか。モンスターである。いや、世界のキングである。 | ||||
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僕にとっては、「暗黒の塔」読了依頼、久々のキングの大長編だった。 はっきり言って、上巻は辛かった。 人物設定の細かさは、昔の作品の比ではないほど細密なのだが、物語にどうにもうまく入り込めなかったのだ。僕のキングへの気持ちは、もうずいぶん変質してしまったのかもしれないと、寂しさを感じた。 しかし、下巻に入ると、そんな感想はどこかに吹き飛ばされてしまった。 面白い。ほんとうに面白い。下巻について、文句を云っている人もいるが、昔からキング作品っていうのはこういうものだ。上巻で挫折しなければ、極上の楽しい時間をこの本はあなたに与えてくれる。 この本は面白いか? 面白く読めたのか? ああ、すごいもんだ!! | ||||
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キングの作品の中でも分量も多く、圧倒的な一巻であるが、一瞬足りとも退屈させない手腕は見事で、数日間で読破せざるを得なかった。イラクの人質問題や、独裁者・衆愚の問題など、現代的に問題となっている話題をを織り込みながら、また人間への信頼・愛情を欠かすこと無く物語は進んでいく。いつ死体は生き返るのか、かぼちゃのおばけはいつ出てくるのか、期待した私がいたことも確かであったが、そんな物語では無かった。読むべし。 | ||||
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20年くらい前にキング作品を読もうとしたが、訳が悪かったのか?あまり受け付けなかった。 しかし、映画とかドラマをみて知っているおなじみの作品もあったので すごい作家という認識はあった。 この作品は週刊誌と新聞の書評を読んで、ちょっと読んでみようと まず上巻のみ購入。 あまりの厚さと登場人物一覧が2ページにもわたっているのに驚いた。 はじめこそ、作中人物と、登場人物表などを見比べつつ 慎重に読み進めたが、思いのほか読みやすかった。 翻訳もすごく読みやすいし、どんどん物語に引き込まれ 100ページ読んだ時点で、下巻を急いで注文した。 映像が目に見えるような物語 アメリカの田舎町が舞台で、その土地独自の感性が濃厚に 語られているが、ストーリーは普遍性の恐怖をじわじわ 感じさせる。 自分の街でも、起きるのでは、いやもうその兆候があるのでは なんて気がしつつ、ハラハラドキドキ 極上のエンターテーメントでありながら 人間社会とは政治とはの問題も読者内部に語りかけてくる 読んでよかった | ||||
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あらすじや本の分厚さから,久方ぶりに5千円以上のお金を払ってでも買って読んでみたいと期待させられたスティーヴン・キングの最新作。 その期待は裏切られませんでした。 私は「シャイニング」「呪われた町」「ザ・スタンド」「デッドゾーン」といったキングの初期の作品が大好きで,本作のオープニングに初期作品の雰囲気を感じましたが,それもそのはず本作を最初に書き出したのは1976年のことで,技術的な問題で頓挫していたのだという。 さて,ドームの正体はいったい何なのか。 本作はその謎解きがテーマではありません。キングの描きたかったことは,追い詰めれた人間の行動なのです。 外部から遮断され閉ざされた空間や異常な状況下における群像劇という設定は,今回が初めてではなく,キングの得意とするジャンルです。 自らの常識を覆されるような状況に追い込まれた人間は,ほんの少しのきっかけで,普段からは想像できないような行動に出てしまう。 閉鎖され追い詰められた人間が持つ恐れは,怒りや憎しみといった感情によって誤魔化され,同じ状況下にある集団が形成されることにより,その感情はますますエスカレートしていく。 そして,その増幅された怒りが取り返しのつかない結果を招いてしまう。 怒りをいかにコントロールするのか。分かっていても難しいことです。 しかし,異常な状況下でこそ冷静に考え行動できる者が生き残ることができるのです。 キングの作品に共通して言えることですが,本作品でも非常にたくさんの人々の命が奪われます。 神は残酷だ,というキングに妥協はありません。 それでもまた新作を読みたくなり,そして読み出したら止められなくその筆力には相変わらずうならされます。 本作は,傑作「ザ・スタンド」や「IT」なみの長編ですが,ザ・スタンドよりも読みやすく感じました。 何か面白い本をお探しの方,お奨めです。 | ||||
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キングの長編の中でも「スタンド」「IT」に続く三番目に長い本書は、しかし、その長さがまったく気にならない、キングがアクセル全開でぶっ飛ばす凄まじいページターナー本なのであります。透明でまったく破壊することができないドームに囚われた一つの町。閉塞された異常な状況の中での住民たちの群像劇が描かれてゆく。同時進行的に語られる様々な物語はキングの巧みな筆さばきで演出され、読者は一旦ページを開くと、あれよあれよという間に物語の中に引きずり込まれていくことだろう。本書の上巻のオビに書かれている文句は嘘ではありません。みなさん、本書はそれほどまでに強烈な吸引力をもっているんです。 | ||||
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『リーシーの物語』以降ストレスが溜まっていたので、本作の刊行はとても嬉しい。久しぶりのキングらしいストーリーテリングを堪能。初期に確立されたキングスタイルにどっぷり漬かり、朝刊の配達を知るなど、体力的には後で堪えました。 | ||||
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今作は「スタンド」「IT」に次ぎ、キング作品で三番目に長い大作です。 内容は世界の破滅、神と悪魔的な善悪の戦いを描いた「スタンド」の世界が、それこそアメリカの片田舎にドームとして閉じこめられ、ぐっと収縮された感じでした。 しかし、当然ただ世界が小さくなった訳ではありません。そのぶん密度は濃くなり、人間の誰もが持つ欲や狂気が逃げ場のない世界で、とんでもない恐怖となって主人公たちに迫ってきます。 個人的には結末の所でクーンツっぽい「アメリカの正義」が押し出され気味だったスタンドよりも、今作の方がキングらしい気がしました(ちょっと政治的に偏りすぎな気もしますが)。 アクセル踏みっぱなしの小説だと本人も言うように、息をのむサスペンス、胸を締め付けるような圧迫感、そして解放。キングの真骨頂がいかんなく発揮されています。 ただ、確かにアクセルは踏みっぱなしなのですが、昔のように崖から落ちたり同乗者の頭が木っ端みじんに砕け散りながらゴールまでたどり着くような、ハチャメチャさは少し薄れたでしょうか… それから本書の中では、世間から隔離された場所、権力者の保身、汚染された空気、放射線にガイガーカウンター…。昨今いやが上にも私たちが詳しくなってしまった事柄が、作品のメインテーマのようになっていることも興味深いのではないかと思います。 上下で5600円ですから、買う人はそもそもそうとうなキングファンでしょうが、初めてキングを読むと言う人には今作はあまりおすすめ出来ません。まずは中編の「ランゴリアーズ」や短編集「骸骨乗組員」収録の「霧」あたりを読んで、SF設定はこんなもんでも気にならん! と言ってくれるなら今作も当然気に入ってくれるでしょう。 あと、本筋とは全く関係のない少年のサブストーリーがあるのですが、彼は本作の隠れた主人公のように思えました。その少年のある場面で、 ”〜はたいした兵士ではない。しかし、心根のやさしい立派な若者だ。” という言葉があります。今、こんなことをストレートに書くアメリカの作家はキングだけじゃないでしょうか? もちろん今現在のキングです。 | ||||
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