特捜部Q 檻の中の女
評判
特捜部Q 檻の中の女の評価:
4.23/5点 レビュー 82件。 S ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全169件 161〜169 9/9ページ
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特捜部Q 檻の中の女の評価:
4.23/5点 レビュー 82件。 S ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
コペンハーゲン警察の殺人捜査課のベテラン警部補カール・マークは部下二人をそれぞれに死亡と瀕死の重傷で戦列から失い自らも心身共に傷を負った凶悪な銃撃事件からようやく復帰したが長年務めて来た仕事への情熱を失いつつあった。そんな彼に上司が命じたのは迷宮事件専門に再捜査を行う新部署「特捜部Q」を統括する仕事で、執務室が暗い地下室なのに加え部下が正体不明の怪しいシリア人アサド一人だけという呆れた実態に最初は適当にやっていたカールだったが、やがて刑事の本能がムクムクと湧き出し5年前に起きた女性議員失踪事件の再調査に積極的に乗り出して行く。
本書の構成は冒頭から2002年に始まる悲劇のヒロイン「檻の中の女」ミレーデ・ルンゴーの過去の物語と2007年の主人公カール・マーク警部補の現時点での物語が交互に描かれる手法で、勘の鋭い方ならば最初の方で全体のからくりが朧気に見えて来ると思いますが、そこからでもまだまだ大丈夫で興味深く大いに楽しんで読めます。究極の生き地獄と呼ぶべき悲惨な環境でひたすら耐えて生きる悲劇のヒロインの運命がどうなるのか気懸かりでしょうがない思いに引き摺られながら、途中で挿入されるカール警部補が出世の誘いを頑なに拒み続けて世間からどんなに非難されようと全く気にせず執念で捜査に当たる姿勢に女性心理学者モーナへ寄せる愛の愉快な顛末等が示す彼の飾らない人間的魅力や得体の知れないシリア人アサドが垣間見せる意外な実力とカールが彼の独断的な行動に怒りながらも本能的に信じる道を選ぶといった人間味溢れるドラマに感動を覚え、そして遂に二つのドラマが重なり合って終盤に迎える興奮のタイムリミット・サスペンスへと怒涛の如く一気に雪崩れ込みます。私が本書で特にお奨めしたいのは、全ての動的なドラマが終わった後に訪れるある意味とても静的なラスト・シーンで、悲惨な運命の過酷さも先行きに待つ不安をも忘れさせてくれる人間の生命力の奇跡に唯々息を呑み深い畏敬の念に打たれました。
第1作目にしてこの完成度の高さに驚き非情でリアルな迫真の描写と温かな情感に満ちた人間ドラマの硬軟併せ持つ魅力に感銘を受けました。私としては一読後まさしく本物だと確信した次第で、現在の既刊の残り3冊が非常に気になりますので、一刻も早く次作が紹介されます様にと祈ってその日を心待ちにしたいと思います。