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破裂



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【この小説が収録されている参考書籍】
破裂
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)
破裂 下 (2) (幻冬舎文庫 く 7-3)

破裂の評価: 3.93/5点 レビュー 69件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.93pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全69件 21~40 2/4ページ
No.49:
(3pt)

キャラが全員能天気すぎ

誰も彼も幼すぎの印象。 正直誰にも移入できなかった。 情報源秘匿しないジャーナリストも、35にもなって「父のせいでジャンキーになった」という医者も、取り込まれる危険性ありありの証人の証言あてにしてる弁護士も、公判始まる前から勝ったつもりになってる申立人も、誰一人として大人としてバランス取れた人がいない。 裁判の駆け引きが甘すぎ。 最終ページ、「大腿骨頸部骨折」と診断しながらも「見てるだけ」で自分の感慨に思いを馳せてる医者っていやだな…。 そういう料簡が「だれもが責任をとらない日本」の体現なのか?そこは一応良識ある人として、駆け寄って手を貸しとこうよ
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
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No.48:
(5pt)

緻密なはちみつ

この作品に登場する医師も、看護師も、厚生省の役人も、なにかしら欠点をもつので、リアリティがあって、こんなことが現実にあったのではないか?と思わせるほど、おもしろい! (上)を読みすすんで、最後は、どーなっていくのか?と、はらはらする のではなく、納得する。共感して
吐息が出る。フィクションながら、途中では、「天寿」計画を先導した役人が、もっと したたかにやってくれたら・・と、願ったりして、うまいこと
考えた「死に方」だと感心した。
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)より
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No.47:
(2pt)

短編のほうが・・・

上下合わせての評価ですが、どうもこの作家は短編のほうがうまいのではないか、という気がします。
長い話になると登場人物がどうもステレオタイプで。
他の方も書いておいでですが、麻酔科のドクターで薬物に走らない圧倒的多数の方々に失礼です。
まあ「失礼」なんて言っていると小説は書けないし。
ナースとドクターの恋愛もなんだかなあ、でした。「平成の白い巨塔」と持ち上げるむきもあるようですが比較になりません。人物造形でも描き方にしても。小説で「医者」をわからないでね、というところです。
破裂 下 (2) (幻冬舎文庫 く 7-3)Amazon書評・レビュー:破裂 下 (2) (幻冬舎文庫 く 7-3)より
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No.46:
(5pt)

感動!

こういうのが、地道に売れ続けるのが日本の文化の向上です。感動!!!
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No.45:
(4pt)

社会派サスペンス

社会派サスペンスの中でも、医学界をテーマにして、白い巨塔孤独のメスと並ぶぐらい面白い、書き手が医者と言うことで、話に真実実がある、
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)より
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No.44:
(4pt)

江崎先生!!

え、江崎先生が、前半と後半で全くの別人に!!
前半はあんなにかっこよくて、枝利子や看護師の安部さんでなくても、ほれてしまいそうなんで、私の脳内では、俳優の向井理のイメージだったんですが。後半の江崎先生ったら…。

個人的には、佐久間の「人口ピラミッドの正常化」には賛成なんです。私も、死にたくても死ねないお年寄りをたくさん見てきたんです。私自身、「認知症・老化等で自分で自分のことができなくなる前に、ぽっくり死にたい派」です。

仕事でオランダに住んでいたことがありますが、その時に「安楽死法」ができたんですよ。さすがオランダ!と思いました。オランダの安楽死は、先が見えているお年寄りだけでなく、けっこうな若者(全身マヒの障がい者、専用のPCでメール交換等の作業はできる)でも、安楽死OKですからね。ちょっとやりすぎな気がする時もあるんですけど、本人(若者で全身マヒ)が死にたいと願っているにも関わらず、体が動かないために自殺できないのであれば、それを手伝ってあげることができる法律というのは、すごいことですよね。
例えば、物語ラストの佐久間のあの状態。彼なら、あんな状態で行き続けることを拒むでしょう。(ただ、佐久間は意思を伝えられないし、日本の法律ではあの状態での安楽死認められない)

小説としては、ちょっとアラがあるのは認めますけど、面白く読ませていただきました。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
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No.43:
(3pt)

最後が・・・

この作者さんは2作品しか読んでいませんが、途中までは本当に面白くて面白くて
グイグイひきつけられていくのですが、最後がいつもがっかりです。。。
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No.42:
(4pt)

テーマと意外性は◎、物語としては△

作者の扱うテーマは『廃用身』から変わっていない。その一貫した主張は、一見きつい言葉だが、考えようによると自由で心地良い。医療を神話のように扱うマスコミに比べると、現場を知っている医師のメッセージとして「苦しい生を強要するより、本人が望む死を」「死はできるだけ安楽に、できることなら快楽に」など書かれていると、妙に安心してしまう。

医療ミステリとして本書を読むと最高に面白い。手術で針が体内に残された、医療ミスだという匿名の手紙、患者の突然の死因は針なのか否か、医療ミスの裁判は認められにくいというが、はたして勝訴できるのか否か・・・
下巻で真実が二転三転、ウラを読んだつもりだったのに、さらにウラをかかれてしまう。医療の素人でも、読んでいるうち現場を知り尽くした気分になるのは作家の腕。
登場人物も多彩。医療ミスで父親を亡くした娘、その裁判に協力したいと思うが専門知識のない夫、狡猾に立ち回る担当医、担当医を擁護するように見せかけつつ自らの野望へ猛進する官僚、事件を自らの出世作にしようと目論むノンフィクションライター、ライターに協力する麻酔医、麻酔医に想いをよせる看護師。誰もが個性的なので「誰が誰だか」という混乱は起きない。読み出すと止まらなくなる。

ただし、医療・社会問題という「小道具」を剥がして「物語」のみ読むと、結末は少々安易。
「和尚」もそうだが、特に拍子抜けなのが中心人物である麻酔医の江崎。人物はすこぶる魅力的。正義漢であろうとしつつも精神的に弱く、身勝手で人間くさく、その堕落の仕方はいっそ心地良い。ぜひ活躍してもらいたかったが、底辺まで堕ちたあと、立ち直るきっかけが陳腐、立ち直っても何もしない。
その恋心は、淡くて上品で好印象。ありふれた三角(四角?)関係も、本編にどう絡むのかと緊張感が悪くない。だがその結末もやっぱり陳腐。互いのパートナーにかえって失礼な気が。いっそ「後悔と真実の色」のように悲劇のハードボイルドに酔ってしまいたかった。だが、若干むりやりにでも、勧善懲悪で結んであるおかげで、読後感は悪くない。

あと、これは個人的な感想だが、関西在住の一人として、この作者の描く舞台は、殆どが関西、リアリティや描き分けの都合もありしょうがないのだろうが「小物の悪人」の台詞を関西弁にするのは、あまりにも古くさく興ざめなので、できればやめてもらいたい。
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No.41:
(4pt)

医療におけるそれぞれの正義

医療ミスを取り上げるジャーナリストと,協力する医師のやり取りから物語は始まる.
医療の構造的な問題を炙り出すという大義目分の下に取材が進められるが,
一方で,記事が面白くなるために,協力する医師の身に圧力がかかったり,
事件に発展したりすることすら期待するジャーナリストの姿が,率直に言って不快である.

中盤からは,ある医療過誤の真相を追う流れと,
高齢化社会への過激な対策を実現するために暗躍する官僚の活動が中心となる.
久坂部氏がモチーフとする題材はいつも現実的で,提示される対策は過剰なまでに過激である.

あらゆる手段で具体的な方策と人的資源を確保し,世論を誘導して施作を実現しようと官僚の姿は,
薄気味悪くもあり,ある種の信念に対する畏怖も感じる.

とはいえ,一官僚や国の省庁のやり方としてはいくらなんでも陰謀史観的にすぎる.
あらゆる事象を国家権力を使えばコントロールできるというのは,非現実的というより,安易な発想のように思える.

医師の良識と過剰な自意識,ジャーナリストの使命感,官僚の理想.
それぞれの立場の正義が対比されつつ下巻の結末へ向かう.
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No.40:
(4pt)

心臓の話かそれとも老人世界の話か、それとも。。。

うならされられるような話。ただ、ちょっと自己矛盾も含んでいるような気がした。確かに老人が増えてきてそれを支える若者が減っているのは確かだし、小児科が減ってきて老人医療にばかり金がかかるのはおかしいと思っている。まずは小児医療だと思うのだが。医療過誤は確かにきつい。素人ではわからない。玄人だってわからない。と、本書は謡っているように見える。わかっているのは本人だけと言うことなのか。驚くような逸話がいろいろと出ているが医療の現場のいつわざる本音なんだろうと思う。ビデオですべての手術を取り、確認してもらう必要があるのかもしれないと思うとちょっとさびしい気もする。

さて、官僚。なんだかどこかの外務省の役人を思い出してしまった。凄い官僚だ。まぁ、実際いい方向へ動いてくれるのならこれくらいの馬力のある役人がいてもおかしくない。もっと活躍して欲しかった。

医者の仕事は本当に大変だと思う。ただ、私が大学時代、動物実験を繰り返していた時に動物を動物と思わなくなり、慣れてきてただの物のように扱っていたことを思うと医者も気をつけないと人を人とは思わなくなるのだろうと思う。そういう医者がこの本に極端に出ている。医者は人と接していることを大事に考えて欲しい。
そういうことを思わせる一冊だった。

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No.39:
(4pt)

それぞれの『正義』

高齢化社会という簡単な解決法のない問題を、そのまま放置した
先にある未来を想像して怖くなりました。
だからと言って、作中の佐久間の示す方法が正しいとも思えなかったんですが。
作中の人物はみんな、自分の信じる正義というか信念というか、
そういうものに従って生きているのが印象深かったです。
少し見る角度が違ったり立場が変わると、その人が正義だと
信じているものが、単なる傲慢になったりする。
誰でもそうだと思いますが、人間はどんなことを行うにしても
自分が間違っていると自覚すると動けなくなるものなのかな
と思いました。作中でも、自分のミスを認めない態度を貫いた
香村でも一瞬弱気になる記述があったし。
身近に、医療従事者がいるので少し尋ねてみたのですが、
オペ場の看護師と麻酔医はほんとに仲良しだそうです(笑)。

破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.38:
(4pt)

リアルと想像の境が…

前の「無痛」より、より現実的で、こんな発想の官僚がいたら実際に法律作ってやりそうな気がする。

その発想は「安楽死を積極的に推進する…」というものなのだが、単に楽に殺すのではなく、一度心臓を強くして、普段と同じ生活が出来るようになって、コロッと心臓麻痺で死んでしまう方法なのだ。しかもこの発展型もあり、麻薬を打つことで幸せな幻想を見ながらそのまま死んでいく…というような事も考えられている。

世の中の老人にアンケートとって、「生きるのが辛いので殺してほしい」という声がある程度あるという実データをもとにこのような施策を進めようとするのだが、その背景には崩壊しそうな健康保険を立て直す…などの問題もからんでいて、とてもフィクションとは思えない。

この二つのテーマだけでも面白いのだが、医療ジャーナリズム、薬物問題、医療ミス問題、官僚と議員の微妙な力関係…などもからんできて、話が膨らみのきらいはあるが、一気に読ませてしまう筆力はさすが。しかも途中途中に色っぽい話もあり、その恋はなんと思わぬ方向に…。

ただ真剣に「長生きする」事が医療の目的なのか?という事をマジに考えさせられた。意識がなく点滴などで生かされている人の人間としての尊厳はどうなっているのだろう。ただまったく無反応でも本人の意識ははっきりはしていて、何とか蘇りたい…と悶々としているような人も実際にいるのかもしれないし。

この人のあまりにもリアルな医療現場の描写が、この本のノンフィクションとフィクションの境目をあいまいにしている。
そのあいまいさが私の恐怖心を思いっきり増幅させてしまう。
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)より
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No.37:
(5pt)

テーマは常に高齢化社会

「廃用身」から引き続く、高齢化問題を問い掛ける力作。だれもが頭のどこかで考えてはいるが、とりあえず見ないふりをしている問題に、こういう方法はどう?と提案してくるのだが、方法が怖すぎます、久坂部さん。だが、ずっと提案し続けていってほしい気もする。最後に、それは悪いヤツだけど、佐久間の扱い、あそこまですることはないのでは…。別の意味、働き過ぎへの警鐘でもあるのかもしれないが。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.36:
(5pt)

後期高齢者医療制度。その根幹がここにあります。

現在、65歳以上の老人は人口の20%をこえ、10年後には40%になるといわれています。老人医療により、健康保険制度は崩壊にひんしており、厚生省は老人を切り捨てるために「後期高齢者医療制度」をつくりました。長寿医療制度などど馬鹿なことを言っていますが、75歳以上は健康保険にいれないよ、病院にかかるな、さっさと死んでくれというのが本音でしょう。この作品では政府は積極的に老人を始末するために、心不全を改善するが、短期間で死を迎える薬剤の開発を進めようとします。結局、うまくいきませんが、現実問題として、長寿がもてはやされた時代は終わり、確実にお荷物になってきているのです。長生きは「悪」なのです。口当たりのいいことばかりいって、票集めにしか興味のない政治家や数字合わせにしか興味のない厚生省の役人に任せていると、あなたひとりで老人二人の面倒を見なければならないことになります。年金・医療はもはや崩壊にむけ、転がりだしている状況なのです。
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No.35:
(5pt)

一気に読めます!

医療関係の小説は、白い巨塔をはじめとしてたくさんあるが、この本はとても内容が濃い。文庫版は上下巻あるが、一気に読める。
医療過誤、高齢者問題、安楽死の是非、官僚汚職、薬物問題等々盛りだくさんである。しかし、その盛りだくさんのテーマを見事にエンターテイメントとしても楽しめる内容にまとめ上げている。
この面白さは、ストーリーの展開もさることながら、各登場人物のキャラクターによるところも大きいと思う。いずれも個性派ぞろいであり、かつ物語の展開とともに本性が暴かれていく様が、とても読み応えがあった。
ぜひ、著者のほかの作品も読んでみたくなる一冊だった。



破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)より
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No.34:
(4pt)

同業者からみて面白すぎます!

同業者として、また同窓生として読むと、面白すぎました。ストーリー自体は医療現場から考えても相当にぶっ飛んだ話だと思うし、医療ジャーナリストの性格があまりに単細胞すぎて、実際の医療ジャーナリストにちょっと失礼かも、と思ったりしました。が、舞台装置と細かい描写は、迫真どころか、ほぼそのまんまです。あえて病院名とか変えてるのが意味なさすぎ(笑)。どこがどうそのまんまかは指摘しませんが。また、老人の「死にたい」告白や医療者の「痛恨の症例」告白なども、作者の創造物とは思いますが、要するに事実のミックスなので、まったく浮ついたところがなく、真に迫っています。その中にぶっ飛んだストーリーが展開されるので、非常に面白い。非医療者にとっては、色々なテーマが詰まっていてちょっとしんどいかもしれませんが、医療者にとっては日常の問題がそのまま出てきているという印象で、むしろ読みやすいです。いや〜、お医者さんたちに読んでほしいな〜
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344409884
No.33:
(4pt)

ぽっくり逝きたいですか?

ぴんぴん生きてぽっくり逝く,人生の終盤の姿として望ましいと考える人は多いでしょう。
もし,それが医療によって仕組まれることが可能だったらという,医療SFミステリーです。
いろいろと癖がある医師達,ジャーナリスト,官僚,医療事故の遺族ががっぷりと組んで,見ごたえたっぷりの好一番。
お勧めの1冊です。

ただ,私は大失敗しました。
この小説を読む前に,作者が著した「大学病院のウラは墓場―医学部が患者を殺す」を読んでしまったのです。小説を読む前に著者の立ち位置が分かってしまっていると,どうしても小説を小説として純粋に楽しめなくなってしまいます。先の展開を読みたがってしまうというか。
この作者の著作は出版順に読んでいく方が考えさせられ,楽しめたなぁともったいなかったです。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.32:
(4pt)

台詞と論証は素人

医療の進歩に社会のあり方という視点から疑問を投げかける展開は国民的課題である
エリートが多数登場する物語でありながら方向性丸見えの単刀直入な会話が多すぎる
方向性を見えなくしたり これで会話を打ち切りたいような発言に対し巧みに押したり引いたりして
自分の希望まで話と心を操っていく会話の達人は出てくるべきだと思う 自分を取り巻く人々を
自分の望む位置づけや作用に引っ張る話術は権力者にまつわる凄み 自在さ 規範性である
せっかく虚構が舞台なのだから魂にもっと踏み込むべきだったと思う 医師の独善と内部告発と懲罰的人事の悪循環 功名心と良心 ヒポクラテスの原則の現代的意義などの追究すべき主題も上滑りである 同じく医療者の物語チャングムにあるハン尚宮の慈愛 クミョンの孤独 シン・イクピルの深謀遠慮といった胸をうつ台詞が本作にはない
またアルコール代謝と麻酔の代謝は関係ないと書いてあったが 母の知人が酒びたりのころ
虫垂炎にかかり麻酔がきかなくて看護師たちにおさえつけられての手術になったという
三島由紀夫が安楽死を論じていたら仮面の告白から夭折願望を書いていて 批評を読んでも現実感覚はあるので画期的な死生観を書いたろう
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
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No.31:
(4pt)

医師の本音がよくわかる

内部告発を発端とした医療ミス裁判。患者側に協力しながらも、医師の立場と患者の立場の間で揺れる麻酔科医江崎。告発されたエリート心臓外科医香村。

医療の力を利用して老人をぽっくり死なせ、国家の医療費を削減すべく、「天寿」なるプロジェクトを推進する厚労省キャリア佐久間。

両者を追い、スクープを狙うジャーナリスト松野。

それぞれの利害が交錯し、限界を超えた時、事件は起きた・・・!

それぞれの立場の登場人物に語らせる本音には現実味があります。特に医師と患者の間で揺れる江崎の心理描写がいいです。著者が医師なだけに真実味があります。

全体としては、医療裁判あり、厚労省の壮大なプロジェクト計画あり、と先はそうなるんだろう、と気になってどんどん読み進められるおもしろさがあります。
前作の「廃用身」より、重さがなくなり、ミステリーとしてのバランスが取れていると思います。

一読の価値は十分ある思います。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.30:
(4pt)

気持ち悪さ

「廃用身」も読んだが、そちらのほうが数段面白かった。とは言うものの、ぐいぐい引き込まれるような筆力はすごいものがある。ただ残念なのは扱ったテーマが多すぎて的が絞りきれなかった感じがある。医療ミス裁判に関しては「白い巨塔」には遠く及ばない。


老人医療に関しては「ピンピンぽっくり」(ピンピン生きてぽっくり死ぬ)を謳い文句に心臓を破裂させるという想像だにしなかった内容。麻痺した手足を切断するAケア(「廃用身」)といい、本書の積極的安楽死PK2といい、ひたすらグロテスクで嗜虐的だ。確かに日本の老人医療は危機に瀕している。しかしいくら本人が望むからといって本来「生かす」べき立場にある医療従事者が、老人の生命をコントロールするというのが恐ろしい。しかし反面「迷惑をかけずにぽっくり死にたい」と思う老人がいるのも事実で、本来なら絶対に交わるはずのない二本の線を交差させたところにこの小説の気味悪さ、気持ち悪さがある。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984

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