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破裂



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【この小説が収録されている参考書籍】
破裂
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)
破裂 下 (2) (幻冬舎文庫 く 7-3)

破裂の評価: 3.93/5点 レビュー 69件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.93pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全69件 41~60 3/4ページ
No.29:
(4pt)

作為的にならざるを得ない「死」

自らも医療ミスに晒されたことのあるジャーナリスト。
医者が一人前になる過程で患者を死なせてしまう事例を集める医師。
高齢化に歯止めを掛けるべく、人為的な「ぴんぴんポックリ死」を生み出そうとする厚労省官僚。 などなど。

自らの信念に従う個々の人物の描かれ方が実に鮮やかで、ストーリーの流れもさることながら、一人一人の生き様にぐいぐい引っ張られて一気に読みきった作品でした。
ただ、後半になるにつれ、人物描写(特に厚労省官僚・佐久間)が戯画化されすぎていく気がしたので星4つです。

佐久間のように、世代人口を望ましいバランスに誘導するため、医療の方向をコントロールするのには、単純に抵抗を感じます。しかし、その政策が作為的だというのなら、現在の医療のあり方も「死」に対して、干渉しすぎなのかもしれません。
人間の寿命に対し、「自然に還れ」という警句に応えるような態度をとるのは容易ではない、と考えさせられました。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.28:
(5pt)

医学関連ごった煮エンタテイメント

医療裁判、高齢化社会、尊厳死問題に大学病院の教授戦を絡めて、ぐいぐいストーリーを展開させていく。暗殺、薬物乱用、恋愛もあって、エンタテイメントとして飽きさせない。
 焦点ボケと感じる読者もいるだろうが、作者のサービス精神と割り切って、身を任せて読んでいくと気持ちいい。最新医療技術も散りばめられ、センスがいい。
 ずいぶん前から気になっていた小説だが、読んで損のない面白さだった。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.27:
(4pt)

星の数3.5以上4未満

人物像が曖昧で、ピントのずれた家族写真を見せらている印象を持ちました。ただ面白くなかったか?と言われれば、そんなことはなく面白かったのですが、宮部みゆきや松本清張のように人間のこころの奥底に潜んだ恐ろしさや哀しさを描いてくれたらもっとおもしろい小説になったのではないかと思います。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.26:
(3pt)

フィクションなのかノンフィクションなのか

フィクションには間違いないのですが。
どの業界も知らない方には結構読みごたえがありそうな感はありますが、私のように妻の家系が公立の大病院勤務で院長やらその子供(妻の妹)が某大付属病院医長(心臓外科でも麻酔科でもないですが)なんてのばかり、自分自身が元某中央官庁勤務(これまた厚労省ではないですが)、友人に弁護士や検事多し、だと、どの出演者も脚色がありすぎて(これって、著者のそれぞれに対する潜在的なステレオタイプが描かれている気がしなくもないですが)、それぞれの業界の立場や本音を知っているだけに、いくらなんでもここまであるかなぁという印象でした。少なくとも佐久間主任企画官みたいなのはあり得ないでしょうね。彼の存在以前にもっと強大な「潰し」が役所の中にはあるんで・・・。
外務省のラスプーチン某がモデルなのは明らかですが(笑)、
防衛から内諜借りるって時点でもう・・・(苦笑)。
ただ、この人物がいないと、この本は成り立ちませんが。裁判過程などはほぼ現実だと思いますし、PPPなんていう概念は、方法論は別として私も賛成だったりもします。
まぁ、フィクションなのですから人物像の描き方に脚色があるのは当然なのです。本の出来としては、終章に近くなるにつけ文章が粗いというか、後半疲れちゃったか久坂部さん!という感じです。結局、殺された松野の犯人が分からないのが消化不良ではあり、香村もストーリーの登場者とは直接的には関係ないといえば関係ない理由(単に医師としての属人的資質の問題ですね)で最後に殺されてしまうわ、小説上、孝太の存在は結局何のためだったのかよくわからず、案外、上川がいい味出してるよな、とか、江崎が最後に本当のところを聞き出すのにああいうこと言っちゃっていいのか?みたいな、いろいろ思うんですが、一気読みしたくなるストーリーではあります。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
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No.25:
(3pt)

少子高齢化への警鐘

うたい文句は「医療事故」を扱った医療小説でしたが、実際は高齢者問題を扱う役人の立場を借りて、この問題を深刻に見つめた小説でした。

介護を受けておられるかなり高齢の方々は「不自由な身体で、皆に迷惑をかけるくらいなら、元気なままポックリ死にしたい。」と思っていて、ある登場人物がその手助けをしようとする。その方法は久坂部氏の前作「廃用身(はいようしん)」ほどドラスティックではないもののショッキングな方法です。

ある意味この国の少子高齢化に警鐘を鳴らし、高齢者の声を聞きながらの対策を促すような問題作でした。

私も自身が将来のこと、老後がそろそろ不安になる年齢であるとともに、私も妻も高齢の両親(幸い健康ですが)を持つ身なので他人事とは思えませんでした。


破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.24:
(4pt)

誰が正しいのか?混乱を楽しんでほしい

本書のテーマは、医療訴訟、高齢化社会、厚生労働省の腐敗、
安楽死など多岐にわたる。

10月19日に発表された厚生労働省の医療制度構造改革試案を
読んだ後に、この「破裂」を読むと、ストーリーの中の登場人物
の誰が“正しい”のか混乱する。その混乱を楽しみながら読んだ。

読後に、「長生き」について考えさせられる一冊だ。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.23:
(3pt)

むずかし~

「白い巨塔」の1巻で挫折した私にとって、この本はあまりにも難解でした。
医療用語がたくさん出てきて、医療関係者以外のみなさんは飛ばさずに読んだのでしょうか???
人間ドラマにだけスポットを当てると、興味深いものがありました。今まで漠然と”長生きしたいな~”と思っていたのですが、
それがそんなに簡単なことじゃないと言うことが分かってしまい、
急に怖くなりました。
ラストの大団円は2時間ドラマみたいでした(笑)
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.22:
(5pt)

ある意味凄いよ

医療関係者です。
小説としては、「白い巨塔」の二番煎じの感を否めず、物語や登場人物の煮詰め具合も「白い巨塔」を越えられなかったのでは、と思います。
しかし、医師、看護師、官僚の心情や行動、また医局、医学部、医師会といった組織の実態は、「白い巨塔」を含め他の医療モノを凌駕するリアルさで描かれており、凄みさえ感じました。医師でもある作者の面目躍如といったところでしょう。医療を取り巻く法曹界やマスコミの実情はどうなんでしょうか。業界筋の感想を聞きたいです。
佐久間のプロジェクトも現実味を帯びていて不気味です。基本的な方向性は、現実に役所が描いているロードマップと同じですから。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.21:
(4pt)

恐ろしい。

何て言うか、この著者の考えは、「いらないものはカット」「邪魔なものは削除」ではないかと思ってしまった。前作の「廃用身」でも感じたことだけど。理論的に考えるとすごく合理的だけど・・・でも 自分自身とか身内におこると、そんな風に割り切れるか疑問。最終には、プロジェクトを進める佐久間は、哀れな姿になる訳だけれど。実際のところ、年寄りの「ポックリ死にたい」「早くお迎えを」と言う言葉は、その瀬戸際まできたら、本当にそう言えるか、はなはな疑問だと思う。医師会、大学病院の実態、マスコミ、行政 ETC いろいろ内幕をそれなりに書いているが、キャラクター(特に佐久間)もう少し現実味があるといいと思う日本の高齢化社会を考えさせられたが、こんな事有???
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
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No.20:
(4pt)

「破裂」が高齢化社会を変える?

ある医学部で教授昇進への野望でいっぱいの医師が心臓に関する画期的な療法を開発します。(ここらへんが白い巨塔の財前先生みたいなのですが)
本人はこれで教授選は間違いなし、と思うのですがその療法には、一旦全快状態にまでなった患者の心臓が表題通りに「破裂」して、患者が突然死を遂げるという致命的欠陥が発見されたのです。
本人はこの結果に愕然となります。教授選どころではなくなってしまうのですから。
彼はなんとかこの事実を研究室内に止めようとひた隠しにするのですが、ここにまたある野望を胸に秘めた厚生省のキャリアが現れます。
このキャリアは、この欠陥を利用して、ぽっくり死にたいと考えている高齢者が多いことに目をつけ、この療法をほどこせば日本の高齢化社会問題が一気に解決できる、というとんでもない政策を推進しようとするのです。
ここから、この政策をなんとしても進めたいキャリアと、それをかぎつけたジャーナリスト、教授選や医師会の不透明な関係、医療事故など、いろいろな問題がからみあってきて・・・・ このキャリアは怖いほどの切れ者で、そのキャラクターは少し漫画チックなほどにまで描かれています。
かなり、面白い本ですのでお薦めできます。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.19:
(5pt)

読後背負う課題が残る本

平成版『白い巨塔』かと錯覚するような医療ミスから始まる
主人公を5人に設定し、それぞれの立場からの感情を含ませながら
医療裁判へ物語りは傾斜してゆくが・・・・
一見医師会への告発的小説に見えるが、読後視点は老齢化社会へ変化する
日本社会が抱える高齢化の将来
国家は破綻せざるを得ないかのような高齢者が増加する
その原因とも言えるのが、進歩した医療であり
生きながらにして、寝たきりの生活を余儀なく強いられる老後でいいのか?
その問題に個人的見解で老人を天寿させようと
プロジェクトを組む厚生労働省の佐久間
医療ミスを犯し裁判に持ち込まれた香村
2人が迎えるラストは強引ではあるが
この小説は読後に背負う感が否めない
高齢化をどうしますか?と問いかけられて終わるからだと思う
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.18:
(4pt)

アメリカ的エンターテイメントではなく...

面白かったです。確かに人物像やプロットの甘さ、詰め込みすぎはあり
ます。それがかえって、エンターテイメントに極端に走りすぎず、医療・
行政・マスコミ等々の問題提起との不思議なバランスとなっているとも
いえます。やや強引ですが、アメリカ映画でなく、ちょっとフランス
映画のような…。こんなにどろどろとした社会でも、希望を抱き、また常に疑問も持ち
続ける、というのが著者の姿勢かと思います。「痛恨の症例」など、
本書で追求しきれなかったテーマが沢山あり、今後に更に期待します。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.17:
(4pt)

盛りだくさんでした。

この作品は、本当に最近の医療問題を沢山詰めて描かれていました。こんなに問題を挙げて、結末はどうなるんだろう。。。と先が気になるのもあったし、
テンポがとても良いので、あっという間に読めてしまいました。結末は、「あれ。。」という感じで、少し物足りなさがありました。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.16:
(5pt)

高齢化社会への踏み絵

天寿というプロジェクトを厚生労働省のお役人が進めていく。
現代医療、あるいは、医療行政に対する踏み絵ともいうべき内容だ。
唾棄すべき思想なのだが、部分的には「そういうこともあるかも」と
つい、シンパシーを感じてしまう自分がいる。人間の心の中に潜む
いやらしい側面を暴き出してしまう。
それが本書の、本当の魅力なのかもしれない。
メディカルミステリーとして期待し読み進めると、楽しめませんよ。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.15:
(3pt)

結末も”破裂”させるべきだった

この結末では扱ったテーマが泣く。作者が医者ではこの程度で収めるしかなかったかも知れない。医者とて人間、神ではない。人の命は皆平等、地球より重いなどということがありえないように、患者の命が医療の前には皆平等、等しく安全ということはありえない。それでも、そのタテマエを信じて進むしかないのかもしれない。小説は思考実験なのだから、思い切って結末を”破裂”させてしまった方が核心に迫れたのではないかと思う。導入部分が良かっただけに、残念。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.14:
(4pt)

いろいろ詰め込みすぎた感はありますが

今年の正月の新聞広告でこの本の存在を知り、
取り扱ってるテーマが
「医療界での権力争い」
「人・立場によるそれぞれの正義」
「マスコミの力」
「医療訴訟」
「尊厳死」
「政治・政略」
など、僕好みの要素が多く含まれているということで、
読んでみたいな、と思っていた作品です。読んでみると僕好みのテーマらがほどよく絡み合っていて、
その絡ませ方、その絡まったものを読者にどう読ませるか
(読者への提示の方法・順番等)もよく考えられていて、
心地よく読み進めることができました。登場人物も「絶対的」な存在な人はいなく、
どの人間もそれなりに人間的な存在となっていて、
善・悪の狭間で揺れ動くし、人間的な弱さもあり・・・
と、そのあたりも納得できる内容であったと思います。ただ、最後、方々に伸びた複線を強引にまとめあげた感があるのは残念です。
ひとつひとつにちゃんとした終焉を書いてほしかったですね。
その強引さがちょっと強烈な強引さだったので・・・その分だけ☆1つ減です。
でも、それでもいいんじゃないか?って思うくらいの作品です。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.13:
(3pt)

生きたまま焼かれた人間は、ファイティングポーズをとる

破裂 病院や医者ってほんとにピンキリです。しかも、いかにも横柄で患者の話を聞きもしないって感じじゃなく、一見親切そうで話もよく聞いてくれるんだけれども藪医者!っていう医者もほんとにいます。 見た感じでわからないとよけいタチ悪いですね。
 本書は小説の形態ではありますが、ドキュメンタリーのようなテイストで、実際の医療過誤の実例や、医療過誤裁判の一部始終を描いています。 小説としては、人物の人間関係描写も浅薄、シナリオに大した捻りも無く、結末もご都合主義で何のカタルシスも得られず、少々お粗末。
 しかし本書の本質はそこではなく、我々日本人全員が直面している「高齢化社会」問題と、ある解決手段の提起にあります。
 筆者自身はどうやらそれを肯定的に提起する為に本書をしたためたようですが、私は、少々極論すぎるのと、考察も不十分な気がして、嫌悪感を覚えました。 本書のPRが、医療過誤をセンセーショナルに扱っていることにフォーカスし、高齢化社会問題を扱っていることが伏せられているのも、出版社側がその内容への反発を恐れてのことでしょうね。それくらい大胆で危険ともいえる思想と手段を本書は提起しています。 高齢層増加による公費負担増の若年層へのしわ寄せや、若者のワガママが通りにくい社会システム等をことさらあげつらって、ステレオタイプに「高齢化社会」=悪、「世代の若返り」=善とする風潮が蔓延している気がしますが、先人に学び敬意を払わない世の中に未来はないでしょう。
 とはいえ、医療過誤裁判の現実など、ドキュメンタリーとして読み応えのある部分も多く、筆者の熱い問題意識はひしひしと伝わる書です。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.12:
(4pt)

総論あと一歩。各論リアル。

筆者の医師の経験が随所に活かされた医療ミステリー。
諸兄のご指摘のとおり、
全体的にご都合主義的ストーリーは否めません。しかしながら医療業界という極めて専門的かつ閉ざされた世界を
リアルに判りやすく描写している点は、この本の最大の魅力でしょう。
また「延命医療」「医局制度」「日本の麻酔科医の立場」といった
諸問題に対する、いち医師の批判書と見てもおもしろいと思います。ただ日本の医療制度の限界を見据えて計画的に行動する、
敵役(?)の冷徹な厚労省キャリアが作中に登場しますが、
彼が話が進むにつれ、エゴ丸出しの漫画チックなキャラに堕した点は
いただけませんでした。
このキャラが活き続ければ、話の軸となる「計画」も際立って、
二倍くらい面白くなったんじゃないかなぁ...。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.11:
(3pt)

現実をよく表してると思います。

私も大阪で働いているので地名とか馴染みがあって面白いです。どうやら実際モデルとなっているのではと思われる人物がいるらしいですね。どうもかなり最近の現場事情を知る人が書いているんでしょう(あくまで噂ですが)。この本が提起している問題点を読者一人一人が真剣に考えてくれればいいですね。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984
No.10:
(3pt)

ミステリー?

新聞広告や帯にあったキッチコピー?に惹かれて読んでみました。
出だしは引き込まれたんですが、中だるみ、
そして不完全燃焼のまま読み終わりました。
ミステリーと呼ぶには物足りず、なんだか中途半端な感じです。
題材はとてもいいのに残念です。
破裂Amazon書評・レビュー:破裂より
4344006984

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