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琉璃玉の耳輪
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琉璃玉の耳輪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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レトロで奇想天外な物語だしキャラクターもなんか可愛いいし楽しく読みました。 しかしこれが津原さんの腕によるものなのか尾崎さんの原作が優れてるせいなのかいまひとつ解らないので、尾崎さんの他の著作を買うべきかどうか迷ってます(笑) 色んなキャラが沢山出て来ますが皆丁寧に書き込まれてて可愛いし、 悪人は見事に悪人だし、 ストーリーも気持ち良く二転三転して楽しかったなあ。 楽しい冒険活劇でした。 | ||||
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まずもって、今作のアウトラインは随分と変わっている。原案は尾崎翠。まさしく知る人ぞ知る、という類の作家だが、彼女が1926年にとある映画の公開募集に送った映画脚本がその大元。およそ六十年のときを経て『定本尾崎翠全集』に収録された脚本、それを眼にした津原泰水。そんな長い長い時間の流れと、2つの才能の奇跡的な邂逅をもって本書は生まれている。 「三姉妹を探して下さい。手掛かりは、三人とも左の耳に、一粒の瑠璃玉が嵌った白金の耳輪をしています」 舞台は、素晴らしき猥雑さが闊歩する昭和の東京。謎の貴婦人の依頼により、瑠璃玉の耳輪をした三姉妹を探し出すことになった女探偵・明子。手掛かりを手繰り寄せながら、隠微な気配漂うナゾのシルエットへと近接するほどに、どこか現実離れした夢幻的な世界が立ち昇る。背徳的な官能に煙る南京町の阿片窟、モダンなものへ熱狂する人々の熱気ひしめく電気館、異様を放つ見世物小屋、謎の療養所etcetc... 舞台も舞台ならば、登場する人物も女探偵から掏摸、売笑婦、貴族の放蕩息子、医師、物理学者、芸人、警部と多岐にわたり、かつそれぞれが多重人格に異常性癖、ヘタレ、天才などなどとクセありまくりの個性をもって、それぞれの思惑の下に歩き回る。活き活きとした狂騒をもって。 登場するモノたちの魅力的な息遣い、ときにグロテスクにも膨張するユーモラスな機微に富みながら、全体は決して濁らず、明度の高いスマートなシルエットとして構築される。そんな津原泰水の素晴らしき手腕が、尾崎翠が用意した素材を最高の形で料理した、そんな感じもする。昭和初期の探偵小説というフレーズが醸し出す、どこかゾクゾクするような興奮を、見事に体現してくれる快作小説。 | ||||
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まずもって、今作のアウトラインは随分と変わっている。原案は尾崎翠。まさしく知る人ぞ知る、という類の作家だが、彼女が1926年にとある映画の公開募集に送った映画脚本がその大元。およそ六十年のときを経て『定本尾崎翠全集』に収録された脚本、それを眼にした津原泰水。そんな長い長い時間の流れと、2つの才能の奇跡的な邂逅をもって本書は生まれている。 「三姉妹を探して下さい。手掛かりは、三人とも左の耳に、一粒の瑠璃玉が嵌った白金の耳輪をしています」 舞台は、素晴らしき猥雑さが闊歩する昭和の東京。謎の貴婦人の依頼により、瑠璃玉の耳輪をした三姉妹を探し出すことになった女探偵・明子。手掛かりを手繰り寄せながら、隠微な気配漂うナゾのシルエットへと近接するほどに、どこか現実離れした夢幻的な世界が立ち昇る。背徳的な官能に煙る南京町の阿片窟、モダンなものへ熱狂する人々の熱気ひしめく電気館、異様を放つ見世物小屋、謎の療養所etcetc... 舞台も舞台ならば、登場する人物も女探偵から掏摸、売笑婦、貴族の放蕩息子、医師、物理学者、芸人、警部と多岐にわたり、かつそれぞれが多重人格に異常性癖、ヘタレ、天才などなどとクセありまくりの個性をもって、それぞれの思惑の下に歩き回る。活き活きとした狂騒をもって。 登場するモノたちの魅力的な息遣い、ときにグロテスクにも膨張するユーモラスな機微に富みながら、全体は決して濁らず、明度の高いスマートなシルエットとして構築される。そんな津原泰水の素晴らしき手腕が、尾崎翠が用意した素材を最高の形で料理した、そんな感じもする。昭和初期の探偵小説というフレーズが醸し出す、どこかゾクゾクするような興奮を、見事に体現してくれる快作小説。 | ||||
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ブームなんでしょうか。私自身は尾崎翠に注目したことがなかったのですが、こういう本が出たと知り、気になって読んでみました。いいですね。読んで正解でした。匂い立つような、それでいてテンポのいい文章にぐいぐいと引き寄せられ、エロティックでミステリアスな世界観に、読めば読むほど、この世界から出たくないという気持ちにさせられました。登場人物一人一人の人生も数奇で、本当に予想外で、もったいないぐらいに楽しめました。なんと言っても、著者が乗っている感じが伝わってきて、それが心地いいです。これほど楽しめるエンターテイメント小説って、そうは読めないんじゃないでしょうか。尾崎翠に興味があってもなくても、カバー絵を見て好きそうだと思ったら、読んでみたほうがいいと思います。背表紙のクエスチョンマークもいいですよね。おすすめです。 | ||||
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ブームなんでしょうか。私自身は尾崎翠に注目したことがなかったのですが、こういう本が出たと知り、気になって読んでみました。いいですね。読んで正解でした。匂い立つような、それでいてテンポのいい文章にぐいぐいと引き寄せられ、エロティックでミステリアスな世界観に、読めば読むほど、この世界から出たくないという気持ちにさせられました。登場人物一人一人の人生も数奇で、本当に予想外で、もったいないぐらいに楽しめました。なんと言っても、著者が乗っている感じが伝わってきて、それが心地いいです。これほど楽しめるエンターテイメント小説って、そうは読めないんじゃないでしょうか。尾崎翠に興味があってもなくても、カバー絵を見て好きそうだと思ったら、読んでみたほうがいいと思います。背表紙のクエスチョンマークもいいですよね。おすすめです。 | ||||
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尾崎翠のもともとシナリオだった作品を、 津原泰水が小説に仕上げた作品だ。 尾崎翠は名前くらいしか知らない。 でも、この作品はとてもおもしろかった。 ひと昔まえの、江戸川乱歩や横溝正史などの 探偵小説の世界に、そのまんま連れていって くれるようで、どんどん引き込まれた。 この小説ができあがるまでの過程も、 津原泰水のあとがきの筆致もあって (いい意味で、時代がかっているようで)、 とても印象深いものがあった。 | ||||
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尾崎翠のもともとシナリオだった作品を、 津原泰水が小説に仕上げた作品だ。 尾崎翠は名前くらいしか知らない。 でも、この作品はとてもおもしろかった。 ひと昔まえの、江戸川乱歩や横溝正史などの 探偵小説の世界に、そのまんま連れていって くれるようで、どんどん引き込まれた。 この小説ができあがるまでの過程も、 津原泰水のあとがきの筆致もあって (いい意味で、時代がかっているようで)、 とても印象深いものがあった。 | ||||
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ものを読む女、書く女である尾崎翠のうちに沸々とわき起こっていた、背徳の美学。 進化論をかじりながら、「適者生存」とか「進歩」とか、「淘汰」とか「弱肉強食」といった半可通を笑い飛ばしていたに違いない翠。 出版社のガラス越しの女作家と編集者の接吻を目撃して、きびすを返し二度と足踏みしなかったという翠。 翠の誇りと激しさと、知性と、意外なる行動力、時代風俗を切り取る粋な感覚。 それらの映像が、津原泰水という現代まれに見る持続的な文体をもち、作品の時空を精緻に飾る演出家か舞台美術か、時に音楽家をもかねるような、作家の手によって、生々しく、熱く、汗ばむテクストとして、私たちに手渡される。 なんという志の高い一冊。 篤実な尾崎翠研究グループが、いまごろ腕まくりをして、津原氏の「尾崎翠論」を待望している姿が彷彿とする。 | ||||
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ものを読む女、書く女である尾崎翠のうちに沸々とわき起こっていた、背徳の美学。 進化論をかじりながら、「適者生存」とか「進歩」とか、「淘汰」とか「弱肉強食」といった半可通を笑い飛ばしていたに違いない翠。 出版社のガラス越しの女作家と編集者の接吻を目撃して、きびすを返し二度と足踏みしなかったという翠。 翠の誇りと激しさと、知性と、意外なる行動力、時代風俗を切り取る粋な感覚。 それらの映像が、津原泰水という現代まれに見る持続的な文体をもち、作品の時空を精緻に飾る演出家か舞台美術か、時に音楽家をもかねるような、作家の手によって、生々しく、熱く、汗ばむテクストとして、私たちに手渡される。 なんという志の高い一冊。 篤実な尾崎翠研究グループが、いまごろ腕まくりをして、津原氏の「尾崎翠論」を待望している姿が彷彿とする。 | ||||
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尾崎翠の作品に魅了された身には、これ以上ない贈り物です。 もともと映画の脚本として書かれた作品なのですが、そのプロット・雰囲気を見事に写し取り、見事な「探偵小説」として甦らせてくれました。 特に、前半は尾崎翠その人が書いているのではと思えるほどの雰囲気を醸し出しています。 後半は流石に平成の小説になっていますが、あくまで尾崎翠を感じさせてくれます。 そして、今更ながら尾崎翠の先見性を感じます。 この小説のプロットが、昭和2年のものであるとはとても思えないでしょう。 改めて、尾崎翠の作品を読みなおしたくなりました。 | ||||
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尾崎翠の作品に魅了された身には、これ以上ない贈り物です。 もともと映画の脚本として書かれた作品なのですが、そのプロット・雰囲気を見事に写し取り、見事な「探偵小説」として甦らせてくれました。 特に、前半は尾崎翠その人が書いているのではと思えるほどの雰囲気を醸し出しています。 後半は流石に平成の小説になっていますが、あくまで尾崎翠を感じさせてくれます。 そして、今更ながら尾崎翠の先見性を感じます。 この小説のプロットが、昭和2年のものであるとはとても思えないでしょう。 改めて、尾崎翠の作品を読みなおしたくなりました。 | ||||
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昭和モダニズム期を代表する女性作家の一人、尾崎翠の光と闇が、ようやく真価を問われようとしている。 映画をこよなく愛した尾崎翠の、生前未刊行シナリオ「琉璃玉の耳輪」。 セクシュアリティの多様性、エロスとタナトスを追求した問題作が、緻密な読みと詳細な考証と、そうして津原泰水ならではの重層的なトリックによって、現代文学として甦生した。 オトメのアイドルとして君臨する尾崎翠を、ここまで読みこみ、書きこむ男性作家の登場は、それ自体が事件である。 心の広いオトメらは、(花田清輝によってミューズとたたえられた尾崎翠もまた)こういう時代がやってくる日を待ちわびていたのではないだろうか。 装丁もすばらしい。 最新の研究成果と照らし合わせても、小説「琉璃玉の耳輪」の功績と問題提起は、尾崎翠読者にとって避けて通れないものがあると考えられる。 尾崎翠 砂丘の彼方へ | ||||
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昭和モダニズム期を代表する女性作家の一人、尾崎翠の光と闇が、ようやく真価を問われようとしている。 映画をこよなく愛した尾崎翠の、生前未刊行シナリオ「琉璃玉の耳輪」。 セクシュアリティの多様性、エロスとタナトスを追求した問題作が、緻密な読みと詳細な考証と、そうして津原泰水ならではの重層的なトリックによって、現代文学として甦生した。 オトメのアイドルとして君臨する尾崎翠を、ここまで読みこみ、書きこむ男性作家の登場は、それ自体が事件である。 心の広いオトメらは、(花田清輝によってミューズとたたえられた尾崎翠もまた)こういう時代がやってくる日を待ちわびていたのではないだろうか。 装丁もすばらしい。 最新の研究成果と照らし合わせても、小説「琉璃玉の耳輪」の功績と問題提起は、尾崎翠読者にとって避けて通れないものがあると考えられる。 尾崎翠 砂丘の彼方へ | ||||
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