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わたしを離さないで



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【この小説が収録されている参考書籍】
わたしを離さないで
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないでの評価: 4.11/5点 レビュー 714件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全550件 41~60 3/28ページ
No.510:
(5pt)

はじめてのカズオ・イシグロ、ゆすぶられる感情

ほぼ先入観無しで取り組んだ初めてのカズオ・イシグロ

なぜ、彼らは身体の一部をヒトに提供するものとしての立場をそのまま受け入れることができるのだろう
なぜ、自分の寿命が他者に握られていることを受け入れているのだろう
なぜ、自分が臓器提供を目的に作られた存在であり、かつ自我があり考える人間であることに違和感を持たず、そのまま受け入れているのだろう
なぜ、世の中が自分たちを理解していないことを受け入れているのだろう

大切な人は大切
SEXすることは自然
大切な人ともいずれ別れることは必然
自分は若きまま死ぬことは必然

人間として育てることが人間的な行為だという信念で人間として育てるいわゆる人間たち

食べらるために生まれた動物をより平穏な時を過ごせるようにし、いのちを食べていることを認識し感謝して食べる。
その行為と変わらないのではないか。

社会的弱者の上で世界はできていることをふつうのひとは知らない、むしろそこから目を背けたいし、知らなくてすむなら知りたくない

自分が作者の意図することを理解できているとは思えない
が、

生を受けた理由をありのまま受け入れ、社会のために死んでいき、それをして使命を終えると表現する。

キャスの淡々とした告白と細かい描写、幼少時代のエピソード、タカラモノ、その宿命、
良かれと思い活動したそれでもあくまでも人間目線のエミリーとマダム、

最後においても
あなたの人生は、決められた通りに終わることになります。と伝える人間

先生にとってはそれだけのことかもしれません。でも、そこに生まれたわたしたちには人生の全部です。とキャス
どうしようもない気持ちを空き地でぶちまけぶつけて暴れるトミー

一方で人生をそろそろ振り返る時期にさしかかっている自分
日本人であること
女性であること
娘であること
妻であること
必ずしも当初目指した仕事ではなかったこと
夢中で30年働いたこと、あっという間だったこと
そんなこんなを納得し、満足しようとしていること

自分の価値観を揺さぶられる、わかっていたつもりでわかっていないことを突きつけられる。

この作品を知ってしまった今はしばらく揺らいでいようと思います。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.509:
(4pt)

挑戦的小説。

内容については、数年前に放送されたテレビドラマを見ていたので先に知っていました。ドラマを見ずにこの本を読んだとしたら、最後の最後まで、真実は何なのか?何が隠されているのか?わからずに混乱したのではないかと思います。自分が何の物語を読んでいるのか、わからなくなるようなところがあると思います。肝心の単語がはっきりと出てきたのは本当に数ページの部分。うーん、なかなかすごい小説です。個人的には「日の名残り」の方が好きです。
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4151200517
No.508:
(5pt)

特になし

特に問題なし
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4151200517
No.507:
(5pt)

重いけど大事

一度甘い蜜を知ってしまったら過去に戻ることはできない。便利な暮らしから原始時代に戻ったほうがいい、と言う人はいても実際にはそうならない。一度クローン人間を作って大切な誰かが生き長らえたら、その事実をなかったことにはできない。過去に戻ったほうがいいと言ってももう戻れない。でもその事実は存在するから、クローン人間を「モノ」と見て我々は心安らかに暮らそう。でもそれは生命の冒涜の上に成り立つ幻の幸福。それでは、真正面からクローン人間を人間として扱おう、がんばって人らしく生活できるように支援しよう。そんな大人とクローンの子どもたちの葛藤の物語。
没入するほど苦しい。しかし今生きているこの現実から誰も逃げることはできない。
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4151200517
No.506:
(5pt)

そういう表現なのだとわかるものの…

何か、嫌かなぁ…

疑問を持つことを許されない、のとは違う、
あらかじめ誰かに決定づけられた運命が苛酷すぎて
誰もがうすうす感じ取りつつも
現実を直視できない
ルームメイト同士で笑い合ったりふざけ合ったりしながら、
「何か、変よね」って言いながら
誰もが本題から話をはぐらかしてしまう
で、ある一人が先生に際どい質問をすると
「何てことするの?!」
と慌てながら、先生の反応を確かめたがる

日本によく似てると感じました
福島の原発事故のボランティアに来られた(たぶんアメリカ人)方が
「それにしても、福島の皆さんは礼儀正しくておとなしい」
と感嘆されていたのを思い出しましたが、
この作品はあの事故以前に書かれたのですね

提供者としての「使命完了」とか
(好印象な)ルーシー先生に「去ってもらった」とか
「死」と言明されていないところですら
希望がないに等しい

何度も読み返したいとは、正直思わない
でも、ちょこちょこ確認したくてページをめくってしまう
後できっと読み直したくなる小説の一つになりそうな気がします
そのときにならなければわからない
「そのとき」に

自分の常識や感覚とかけ離れたものを
「そういうものもあるであろう」と思いつつ、
今の段階で自分の価値観を標準にしてしまうと、
どうしてもわだかまりが…最後に残るのは

「なぜ?」
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4151200517
No.505:
(5pt)

人類への警鐘

世界がうずうずしながら待っているクローンによる臓器提供。架空のシステムを通じて人間が生きていく上でしてよいことといけないことをしっかり見つめながら時間をつないでいかなければならないと考えさせられた。良し悪しは判断できないが人間が生き命をつないでいくことの重さを改めて考えさせられた作品でした。
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4151200517
No.504:
(5pt)

素晴らしい

あえて内容については何も語りませんが、間違いなく一生心に残ると思います。
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4151200517
No.503:
(5pt)

現代の「ピノキオ」物語

作品中で幼い生徒たちは「展示館」に選ばれるほどの出来栄えの美術作品を創作することに没頭する。展示館の意味は最後に明かされるのであるが、それは読む人をはっとさせる当たり前の理由だった。「ピノキオ」の物語の裏返しなのである。神ならぬ人が創り出し得た命にも魂は宿るのか。宗教者や敬虔なキリスト教徒はこれに嫌悪を覚えるかもしれない。創造されし万物に魂の存在を認める日本的な宗教観ではあまりにも当たり前のことなのに。私はイシグロが日本人だからと言いたい訳ではない。これが「人の為すが故」と思えたのだ。
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4151200517
No.502:
(5pt)

面白い

面白い
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4151200517
No.501:
(5pt)

まるで絶滅収容所に送られた人々の運命のようだ

カズオ・イシグロの最高傑作は、この作品だろう。多くの読者が同感であろうと思う。個人的には「充たされざる者」が好きなのだが、その衝撃度は他の作品群を上回り、「日の名残り」よりも傑作である。ナチス政権下で絶滅収容所に送られたユダヤ人達の運命を彷彿とさせられた。クローンの人権問題を考えさせられるSF小説であるが、彼らは何故、ここまで素直に自分の運命を受け入れられるのか、幼少時からの洗脳教育のせいなのか、不自然さに納得できないところもある。しかし、そのような部分を含んでの傑作なのである。本のジャケットもカセットテープであり、「わたしを離さないで」の曲に合わせて、主人公が枕を抱えてゆらゆらと踊るシーンには胸が締め付けられる。
 この心を揺さぶる小説の翻訳も素晴らしい。土屋氏の翻訳はまさに絶品であり、この翻訳なしでこの作品は語れないだろう。さすがは翻訳のプロである。
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4151200517
No.500:
(4pt)

ロストコーナー

この小説の中の一カ所だけ、とても惹かれたシーンがある。エミリ先生の授業でのシーンだ。

「「ご覧なさい。ノーフォークは国の東端です。海に突き出す半島にありますから、ここからどこかへ行くということができません。北へ行く人も、南へ行く人も。」先生は棒を上下に動かしました。「みなここを敬遠します。いまでも僻地であり続けるのはそのためです。静かないいところですが、見方によってはイギリスのロストコーナーとも言えます。」ロストコーナーー先生のその言葉が発端でした。ご存じの通り、ロストコーナーには二通りの意味があります。一つは「忘れられた土地」の意味で、先生が言おうとしたのはこちらです。そして、もう一つは、実はヘールシャムの四階にも「ロストコーナー」と呼ばれている場所がありました。遺失物置き場、つまり落とし物や忘れものが保管される場所です。(中略)何か大事なものをなくしてさ、探しても探しても見つからない。でも、絶望する必要はなかったわけよ。だって、いつも一縷の望みがあったんだもの。いつか大人になって、国中を自由に動き回れるようになった、ノーフォークに行くぞ。あそこなら、必ず見つかる、って。ルースの言うとおりでしょう。ノーフォークはわたしたちの心の拠り所でした。」引用終了。

「ロストコーナー、忘れられた土地に自分の探してたものが見つかる、、、」この感覚に私は強く惹かれた。私も自分のロストコーナーを探したいと思ったのだ。
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4151200517
No.499:
(5pt)

人生の思い出

ものすごく感動し、心が揺さぶられた作品です。
淡々としながらも何か違和感のある生活。心理描写や人物描写の繊細さがすばらしいと思いました。
読み終わった後、涙が溢れました。そして、本の冒頭に戻るとまた涙が溢れてきました。
愛情、友情、子供時代のたわいもないこと、すべての思い出を胸に抱いて、キャシーは残りを過ごしていくんだろうな。
私たちの人生もそうだけど、みんな確実に死ぬ。でも、それがさらにはっきりと運命づけられてるキャシーたちにとってこそ、さらに思い出って大切な、貴重な、ものだったのかもしれません。エミリ先生が言ってたように。
カズオ・イシグロさんの作品は初めてでしたが、他の作品もぜひ読みたいと思いました。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.498:
(4pt)

主人公は信頼出来ない語り手なのか?

語られていないことで語る作家と言うことでそこに注意して読んでいました。主人公達にとっての最も大きな探求のテーマは予め決められた運命から逃れる術はあるのかという事になります。
スペアとしてのクローンと言う部分の倫理的な観点については皆さんが議論されている所ですが、最後の主人公のあまりにも淡々とした態度、自分のこれからについて自分には未来が有る様に見えることには違和感を禁じ得ませんでした。はっきりとは語られていないのですが、運命から逃れた様に見えるのです。
本文の何処かにその鍵が隠されていたのか、1回だけ読んだ私には見つける事が出来ませんでした。いつか読み直事が有ればその鍵を見つけ出したいものです。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.497:
(5pt)

最高に気品のあるSF小説

イギリスの風景のなかで静かに進む生活が描き出されながら、人類にとっての大きな課題を扱うという大胆なプロットで、読んでいる最中は淡々とした印象だったのですが、読後に圧倒され余韻が深く残る作品でした。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.496:
(4pt)

あり得ると思います。

内容はウィキ等で調べていたのですが思ったより文体がふにゃふにゃしていて締まりが無い感じと性的な内容が多すぎると感じました。しかしカセットテープの曲でエミリー先生が泣いたのはキャス達の状況を思ったからと思いましたが科学の発達によりキャス達さえ不要となる未来を考えたと言うのが意外でさすがと思いました。又最後のノーフォークのごみが打ち上げられたり、不幸な結末は予測出来ませんでした。全体としてはなんとなく月と六ペンスの作りに似ていると感じました。設定が現代なのは警告の意味かとも思いました。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.495:
(4pt)

生まれた命は同じ

三浦春馬さんが演じた事で、ドラマからみました。それで、とても感動して是非原作も読みたいと思い購入しました。個人的にはドラマの方が、とても解りやすく入りこめました。儚いからこそ美しいと。目的はなんであろうと、命は命なのです。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.494:
(4pt)

淡々と紡がれるノスタルジー

主人公キャシーの回想として語られる物語。

イギリス文学らしい精緻さ、時に回りくどいとも思われる時もあったが、それらの積み重ねにより作品がよりリアルを伴ったものになっていると思う。

海外文学に慣れていないこともあり、とにかく読み終わるのに時間がかかった。
他のレビューにもあったが、これは劇的な結末がある物語ではない。

ただ、SFであるはずの世界の登場人物に、心が締め付けられるような共感、ノスタルジーを得られることは、その淡々とした語り口によるものだろう。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.493:
(5pt)

覚めることのない悪夢を生きる

取り返しのつかないことをしてしまった、という絶望の中で目が覚める悪夢があるが、これは……。覚めることのない悪夢を生きる人間たちのストーリー。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.492:
(5pt)

異質なSF小説

これまでに触れてきたどのSF作品よりも静的で、登場人物のクローン達が使命を全うするまでひっそりと生きている。無機質に生きている自分としては、クローンである彼らの方がよっぽど「生きていた」と思う。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.491:
(4pt)

原書と訳書のニュアンスを超えた傑作!

原書NEVER LET ME GOで最初に読み、本書を読みました。やはり原書の方が語呂が多い(Kazuo Ishiguroもいってlive interviewsで言っていますが)ので感情移入しやすいです。
さておき、内容的には人類は人類を犠牲にして生きている、正に実際に起きている事を英国を舞台にして描写しているようです。登場人物の恋愛は作品の一部であり、全体的に見れば彼等が私達の知覚出来ないinnocentな部分を射影しており、今まで読んだ同氏の作品の中で最高傑作だと思います。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517

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