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わたしを離さないで
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わたしを離さないでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全544件 281~300 15/28ページ
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イワオイシグロの作品で、映画化された作品は数々あるが、原作を読んで、映画を楽しむというキャッチコピーは、古いが!!この本を読まれる方は、映画も鑑賞されたし。 | ||||
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小説の冒頭で読者の前に、登場人物の逃れられない運命がほのめかされていて、小説を読み進めながら、ひょっとしたら登場人物はその運命から逃れらるのではないだろうかと期待するが、結局、逃れることができず、予想通りの結末で終わるとき、読者は憐みと同情、そして、自分がその小説の登場人物ではなかったという安心感から、カタルシスを感じる。典型的なギリシア悲劇の構成である。 しかしながら、作者の技術力が高いので、ステレオタイプに陥らず、瑞々しい感動を与えてくれた。逃れられない運命と自己規定の痛みが、女性主人公の一人称回想形式で、静かに語られている。男性作家が女性の回想形式で書くのは困難だと思うが、違和感なく最後まで読めた。これ一つとっても作者の技量がわかる。 | ||||
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あまりに有名で、どのような内容か知っていてもなお、静かな悲しみが胸に広がるお話でした。 諦めるとか、受け入れるとか、言葉にすれば一言になるとしても、その悲しみは長い物語にしなければ伝わらない。 だから、小説はあるのだと思います。 一言ではわからないことを、この本を読んで知ることができました。 | ||||
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スマホのキンドルで読了。 読書は、どんな形でも楽しいことを実感。 長いものがたりだったけれど、読んでいるという手応えがあった。 | ||||
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2005年に書かれた小説であるが、当時でも近未来的な内容かと思われる作品である。ある施設でのいかにもありそうな人間関係が丹念に語られていくが、その先に何があるのかついつい引き込まれる不思議な小説である。 | ||||
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自然細部の描写が美しい。人間の感情の動きが細やか。最近あまり読んでない種類の 本だと思いました。 最初のうちは、なんだか退屈な話のように思えるのですが、それらの描写が、後で 次第に強烈な意味を持ってきます。悲しい話ですが、淡々と書かれているので、 余計に悲しみが増します。 日本語の翻訳がややこなれていないのが少々残念です。 | ||||
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SF的設定を借り、ミステリ風の趣向を利用しながら、「苛酷な運命を決められてしまった人々」の心の襞を静謐に描き切った秀作。ヒロインはヘールシャムという施設で教育を受けたキャシーと言う介護人。物語はキャシーの回想の形式を採った一人称で語られる。 その回想の中心はヘールシャムという施設であり、特に、ルースという女友達、トミーという男友達との愛憎の描写が根幹となっている。次第に明かされる謎を除けば、良くある少女時代への回想と読者に想わせる構想が秀逸である。その「謎」については書けないのだが、衝撃的な設定でありながら、それを飽くまで透明感を持って語る手腕がこれまた秀逸。最終的に、キャシーは介護人としてルースとトミーを看取る事になるのだが、「Never Let Me Go」という原題の悲痛な叫びが胸に突き刺さる。本作は「愛と孤独」の物語でもあるのだ。 上でSF的設定と書いたが、ヘールシャムという施設は不治の難病患者を抱えた病院であっても良いし、ナチの強制収容所であっても良いという普遍性を持っている。回想中でノーフォークを「遺失物保管所」と喩えている辺りは、作者は認知症患者を意識しているとも考えられる。重いテーマでありながら、独特の透明感と静謐かつ緻密な筆致で読者を魅了する秀作だと思った。 | ||||
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『夜想曲集』に次いで、二冊目のイシグロさんの本を読みました。 正直、評価が高い『夜想曲集』が個人的にはあまり面白くなかったのですが、 この『わたしを離さないで』は、ページを進める手を止めることができない位、 引き込まれました。 プロットへの批判は随分あるようで、アマゾンレビューでもSF小説もどき、あるいは 科学への妄想などと書かれている方もいます。私自身はこのプロット自体が 奇想天外だとは思いませんでした。むしろ想起したのは 1920年代から70年代にかけてスウェーデンなどの福祉国家で行われた 優生学の隆盛です。少なくともその時代、多くの人にとっては 健康で優秀な人類を社会的に維持することにこそ、リアリティがあったことは 歴史的事実です。 にもかかわらず、私はプロットそのものよりも主人公であり語り手であるキャス、 友人のルース、トミーと過ごしたヘールシャムでの描写や、それ以降の邂逅などの 描き方に心を奪われました。その描写はその一文一文が 自分の感情を揺さぶり続けるようなそうした力をもっています。 おそらく私がまだ十代や二十代だったら、こうした小説を読んでもつまらなかった かもしれません。四十代を迎えることによって、自分の過去を振り返る、 自分自身が過ぎ去った時間のかけがえのなさを実感するようになったからこそ、 こうした本に巡り会えたのではないか、と。 イシグロさんの英語の文体を、村上春樹さんはどこかで絶賛していましたが、 土屋政雄さんの翻訳も素晴らしいです。 心を揺さぶる小説を書いてくださったイシグロさんに感謝します。 | ||||
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とても読みやすい訳でした。 読んでくうちにどんどんこの物語の世界がわかっていくので、一体何なの何なの??という感じで すらすら読みました。 普通に考えてとても奇妙です。それでも細かいところまで書かれていて、その状況が 頭の中に結構はっきり浮かんできますし、何より登場人物たちの会話や行動や思っていることがとてもリアルだなあと思いました。 登場人物たちの存在が、本の中だけでなく普通にそこらへんにいる普通の子のような感じなのです。 登場人物たちはクローン人間であり、人としての価値、自分の人生を自分で決める権利もなく、 最後は提供によって命を落とすというなかでも、もちろん私たちと同じように心があり、 友人がいて恋人かいて、好きな人がいて、大切な思い出もある。 とても残酷ですね。しかも本人たちはなんだかすんなり受け入れているんですよね。 あまりにもさらっと書いてあるので、私もとりわけ考えず読んでいたんですが、 最後の方や、特に読み終わったあとは「いや、おかしい、ほんとはすごくおかしいことなんだ」 と悲しくなりました。 もちろんそう教育されて、ずっと隔離されて成長してきたからなんですが…。 でもほんとに少しの抵抗はあっても、みんなそれに従い生きていて、それが当たり前のようで、 とても残酷ですね。 登場人物たちの関わり合いとかも、普通に誰にでもありそうな感じだったので、 「私たちのなんら変わりはないのに、クローン人間として生まれてしまったから この人たちの人生も命も、この人たちのものではないんだ…」と、 上手く言葉に出来ませんが、いろいろ考えました。 | ||||
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その哀しさが、案外生きてる人間全部の抱えてる哀しさにつながってる気もした。 | ||||
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人生においてはどんな命も無傷ではいられない。それが生きるということ。 自分の命と人生を過去も含めてよくみつめてみよう。 そんな気持ちにさせてくれる唯一無二な小説です。 感じるか感じないかは人それぞれだと思いますが。 | ||||
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運命を受け入れていながらも、やはり人間として、恋もし、葛藤もし、読んでいてせつない・・・過去にあったか、現在進行中か、未来にありそうな。そんな、余韻の残る話でした。 | ||||
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苦しく避けがたい終わりを待ちながら自分のやるべきことをすることが生きる事だよ、と教えてた本。 | ||||
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少年・少女たちの日常生活と、その中での心の動きを丁寧に綴っているが故に痛ましく切なく・・・。恋、友情を繊細な心で悩み受け止め、生きる喜びに溢れる彼らをどうして物扱いできるのか。実際にありそうで怖い設定です。後味が悪く辛い読後感でした。しかし★5つに十分値する作品です。 | ||||
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なんとも不思議な空気感を感じながら読了しました。 施設での日常の生活観や仲間との感情の起伏など、懐かしいような気持ちで読みました。 恐ろしいテーマがベースにはあるのですが、だからと言って単純なオカルトにはなっていないところが作者の筆力だと思います。 | ||||
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お願いだから、日本の○○牛は霜降りで肉が柔らかい。餌にビール飲ませてるから、とか自慢げに力説しないでください。私が絶句していると 信じていないと思ったのか、そんなことも知らないのかとむきになるあなた。 健康で固い肉を食べるか、それとも薬漬けで頭が気が狂ったやわらかい美味しい肉を食べるかという議論ならわかるけど。。 いやこの小説ではもっと先をいってる。 どんな環境で育とうが臓器にはあまり問題がないのだから。。 それでもできるだけ子供たちに限られているが自立と自由を与えようと試みる大人達もいる。 だがその大人たちには読者は何のシンパシーも抱くことができない。 いつまでも心に残る数少ない本の一冊。 | ||||
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主人公のキャスは目前に迫った自分の運命を見据えながら、人生を振り返る。 初恋のトミーと親友ルース。 ヘールシャムという箱庭のような寄宿学校で出会い、ともに育つ。 自分たちが何者か知らず、小さな希望や、愚かな夢のたぐいを抱きしめ、 人生を怖れ、愛し合い、憎み合い、諍いと和解を繰り返し、 死の香りが色濃く漂う日々は過ぎていく。 「なぜ『彼ら』はこんな過酷な運命をやすやすと受け入れるのか」 読みながら、ずっとそう思っていました。 「SF、ミステリーなら、この設定アウトだよね」とも。 物語の終盤です。 ルースが亡くなった後、結ばれたキャスとトミーは 一縷の望みをかけて、自分たちの運命を握っている「マダム」のもとを訪ねます。 言うまでもなく「マダム」は神ではありませんでした。 「マダム」と同居するかつての「保護官」が醜悪な世界の仕組みを語ります。 威風堂々としていた彼女は衰え、車椅子で現れる。 理想は潰え、借金まみれで、口をつくのは自己弁護、後悔、呪詛ばかり。 「彼ら」の生命を弄び、都合のいい仕組みを作り上げた社会。 それに加担(しかも善意!で)しておきながら、 自らも病み、死すべき運命から逃れられない愚かな「我々」。 いったい彼らと我々のどこが違うのか……。 そこでやっと思い至りました。 「彼ら」などそもそもいない。 これは「設定」ではなく、「我々」が生きている、この世界そのもの。 まもなく最初の提供を控え、 荒涼とした約束の地で、 有刺鉄線にひっかかったビニールの切れ端を眺めているキャス。 それはこの世界に放り出され、 幼い頃には楽園のように思われた世界が、 地獄であることを知り、 人生に意味などないと、うすうす知りながら、 不公平で醜悪な社会を受け入れながら生きている、 我々自身の姿と寸分の違いもありません。 さらに秀逸なのは、この作品がキャスの一人称で語られることです。 ちょっとエキセントリックだけど聡明で優しいトミー。 わがままで自己中心的だけれど、いつも側にいてくれるルース。 自分は、やや距離を置いて冷静に二人を眺め、 ルースを受け入れながら、一途にトミーを大切に思っている。 トミーもそんな自分を心の底では思ってくれている。 ……とキャス自身が考えているに過ぎない。 最初の違和感は、語ることの大半がルースについてであること。 ルースがどうした、こうした。 いかにルースがわがままか、いかにルースが見えっ張りか、 いかにルースが愚かで、世界のことをこれっぽっちも理解していないか。 そう言った後で「でもルースは気遣ってくれる」などと付け加える。 キャスはとても不誠実な語り手です。 キャスはトミーと結ばれるべき運命だと思っていますが、 実際にトミーと付き合っているのはルース。 二人が付き合うに至る過程は一切語られません。 ルースのトミーへの愛情がうわべだけのものであるかをしつこく語った後、 ルースに指摘された自分の性体験をしぶしぶ付け加えます。 語りが前後し、エピソードの挿入が多いのも効果的です。 キャスの言葉は、ほぼ言い訳に聞こえます。 事実関係だけ見ると、ルースとトミーは、 子供の頃から青年期までずっとステディな関係。 トミーとキャスはルースが亡くなるまで性的関係はない。 むしろキャスの方が行きずり含め、結構おさかん。 それについてはキャスはほとんど触れません。 ルースは自分の死を目前にして言います。 「私はあなたとトミーの仲をさいた」 キャスその謝罪を受け入れます。 でもそれは本当に謝罪だったのでしょうか。 うがった見方ですが、 私にはルースの方が他人を思いやり、 人生をまっとうに生きている、 いい娘であるようにしか思えません。 キャスはトミーのこともあまり触れません。 特に内面についてはほとんど語りません。 自分の目に映った美化されたトミー像と、 奇跡のような偶然をとうとうと語るだけです。 キャスは本当にトミーを愛していたんでしょうか。 ルースへの対抗心だけだったのではないでしょうか。 そんな疑問さえ芽生えます。 最後にキャスはトミーにも別れを告げられます。 キャスはそれをトミーの思いやりとして折り合いを付けますが、 トミーは重要なことを二つ言います。 「自分とルースは理解し合っていた。君にはわからないこともある」 「介護人って意味あるのか?」 トミーが見ている世界が垣間見える、数少ない場面です。 キャスの現在の支えは自分が優秀な介護人であることです。 それを自分の一番の理解者であるはずのトミーに否定されます。 私はキャスという歪んだ鏡を抗いもせずに受け入れ、 キャスの目を通して世界を見ていました。 荒れ地で風に吹かれて立っているキャスの姿。 世界には何もない。 もうどこへも行けない。 それはもはや「我々」でさえもありません。 歪んだ鏡に映し出された自分自身の姿に他ならない。 そう思い知らされました。 他人事に思えず、あまりに親近感を覚えたので、 キャシーではなくキャスと呼ばせていただきました(笑)。 | ||||
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本もきれいだったし、中身もすごかった。このアイディアはすごい。 | ||||
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とても読みやすい。 スッと入ってくる。 というか、スッとこの世界に入り込ませる文章。 最後まで読者を離さない。 | ||||
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ジャンルをあまり知らずに読んだのですが、 SFと言えば良いのかな。 主人公の淡々とした語り口の中で深く語られない違和感が はっきりとした時 切なさとかやるせなさがこみ上げます。 | ||||
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