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フリッカー、あるいは映画の魔



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フリッカー、あるいは映画の魔の評価: 4.80/5点 レビュー 25件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.80pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 21~24 2/2ページ
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No.4:
(5pt)

すばらしい

最高のミステリ小説のひとつ。
 映画と秘密結社をめぐるめくるめくような物語。キリスト教の異端思想がどうして映画と結びつくのか、驚くべきあわせ技で、光と闇の世界が描かれる。
 特に、古い映画が好きな人なら最高の一冊になるだろう。ドイツ表現主義や、オーソン・ウェルズ、ジョン・ヒューストンなど、実在の映画や映画人も登場し、物語の魅力を増している。
フリッカー、あるいは映画の魔Amazon書評・レビュー:フリッカー、あるいは映画の魔より
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No.3:
(5pt)

まずは上巻を読み終えての感想

物語の時代設定は1970年代初頭です。マックス・キャッスルという今はなき異才の映画監督にまつわるミステリーの歯車がゆっくりと回り始めます。 上巻だけで460ページ強ありますし、各ページ隙間無く文字が詰まった大部の本です。しかしかなりの映画好きには間違いなく楽しめる一冊ではないでしょうか。 かなりの映画好きには、と但し書きをするのにはワケがあります。「天井桟敷の人々」、「カリガリ博士」、D・W・グリフィス、ジョン・ヒューストン、アンディ・ウォーホール、オーソン・ウェルズ、フリッツ・ラング、ネオ・リアリズム、非米活動委員会、ヘイズ・コード、ヌーベル・バーグといった70年代までの映画史にまつわるあれやこれやがこの本には畳み掛けるように盛り込まれています。しかしこの物語ではそうした用語のどれにも一片の脚注すら加えられることはありません。ですからよほど映画史に関する知識が身についていないと、著者ローザックのその博覧強記の大海を泳ぎきれず、やがて精根尽き果てて波間に沈んでしまいはしないかという老婆心が働くのです。したがって、上記の名称のひとつでも耳にしたことがないという人の周章狼狽ぶりを予期してしまい、私はこの本をすべての読者に薦めるだけの責任をもてずにいます。 訳者・田中靖氏の翻訳文は実に流麗、絶妙のテンポで読ませます。ひとつ難点を言えば、「すべからく」という日本語を多用していますが、その使い方がことごとく間違っています。「すべからく」というのは「ぜひとも」という意味ですが、田中氏はこれを「すべての」という意味で誤用しています。そこだけ目をつぶれば、日本語の豊かさを感じさせるなかなかの訳文だといえるでしょう。
フリッカー、あるいは映画の魔〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:フリッカー、あるいは映画の魔〈上〉 (文春文庫)より
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No.2:
(5pt)

映画好きのための「薔薇の名前」

堪能した、とはまさにこのこと。読み終わってしばし茫然とした。「サンセット大通り」と「薔薇の名前」が出会った、という紹介文があるそうだが、これほどの読み応えは確かに「薔薇の名前」以来だった。ミステリーベスト1という帯の宣伝に惹かれて買ったので、良くできたミステリだろうぐらいに思っていたら、その予想は完全に覆された。ミステリーベスト1という宣伝文句がむしろ損なのではないかと心配になる。「天井桟敷の人々」「市民ケーン」など数々の映画への言及、大胆で唖然とするような誇大妄想じみた発想、それを力ずくで納得させてしまうマニエリスティックなディテール。映画ファンの心をくすぐるオマージュのような小説かなと思いながら読み進めていくと、マルタ十字やヨハネ騎士団の話が出てくるあたりから怪しくなり始め、ゾーエトロープ、稲妻ライティング、サリーランド、神経記号学が入り乱れるあたりでめまいを起こし、天才少年サイモン・ダンクルの悪夢のような「サブサブ」を「観る」頃には映画というものの恐ろしさに凍りつきそうになる。そして何より、綿密に描写されるマックス・キャッスルの映画の魅力的なこと!自分もかつて、深夜映画でキャッスルの幻の吸血鬼映画を見かけたことがあるような気になってくる。映画好きは必読、「薔薇の名前」が好きな人も必読。
フリッカー、あるいは映画の魔〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:フリッカー、あるいは映画の魔〈上〉 (文春文庫)より
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No.1:
(5pt)

虚構の存在感

この小説は上下合わせて非常に長い。かといってその展開は急なわけではなく、非常にゆったりと進んでいく。その中で、特におもしろいのは、中に登場する「映画」、存在していない映画のはずなのだが、実際にあたかもあるように、そしてその一部を見ているかのような錯覚に陥っていくことである。日本語訳であるにもかかわらず、この迫力は一読の価値はあるであろう。
フリッカー、あるいは映画の魔〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:フリッカー、あるいは映画の魔〈上〉 (文春文庫)より
416713621X

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