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夜の真義を
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夜の真義をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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重厚長大な大河ミステリー。 内容はただ一言、復讐劇。自分を陥れた男への復讐を果たせるのか否か。 その一点だけなのだが、なぜか後を引いて最後まで読まされてしまう。ハマると寝不足必至? 古書、珍本(?)、稀覯本などの話がふんだんに出て来るので、その方面が好きな人は 更に楽しめるかもしれない。 バックグラウンドとなるのはロンドンやその郊外のどんよりと暗く、冷たく湿った世界。 読書中は終始、その鬱々とした世界に浸ることができる。 読み終えてしまうと楽しみがなくなってしまって寂しい。 しかも、著者マイケル・コックスはすでに亡く、次作がない。残念である。 | ||||
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手放しで面白いと言える本でした。長らく積み本だったけどこんなに楽しめるとは! 分厚いし細かいし基本二段組だし、ムツカシソーみたいなぱっと見印象は、だいたい本編1ページ目で裏切られるでしょう。本編、といったのはこの本のちょっと凝った構成によるものです。 本書は、現代の研究者が発見したある私的な述懐を記した古書をその研究者が注釈を加えながら紹介する、という体裁になっています。その研究者は作者マイケル・コックス(オクスフォードの研究者)自身の立場を反映してはいてもフィクションです。つまり、フィクションの研究者が発見した「実在する」古書を、内容について「フィクションかもしれない」と前提しつつ著述してゆく、といったもの。面倒そうですが大丈夫。スグ気にならなくなるから。「本編」はその古書の内容部分で、主人公であり述懐の主であるエドワード・G氏の一人称で書かれています。 19世紀の英国、特にリヴァイアサンと喩えられる夜のロンドン雑踏のうねるような描写はリアリテイをともなう体験をもたらしてくれます。また当時の「本」に対する価値観が随所に表れてとても興味深く、文献からの引用もすばらしくカッコイイ。作者が愉しんでいることが伝わってきます。 本書が処女作である作者の描き出す物語に、人物関係や愛情についての表現が洗練さに欠けるとか、御都合主義とか稚拙とか評論することは可能ですが、上記の構想があくまで素人が書いた日記のような内容だから仕方ない、といった「納得できる理由」を用意しています。その辺も作者の意図があると確信しています。 読み進めるにつれてどんどん引き込まれ、半分過ぎた辺りでジレンマに陥ります。読み進めたい!でも読み終わりたくない!ま、ちびちび読んでいくのですが最後のある時点から、もう止められないとおもいます。そして読了後も、色々考えています。主人公のこと、そして周りの人々のこと。そして いちばん口惜しいのは作者の次作が読めないこと。マイケル・コックス氏は2006年に本書を出版しましたが2009年に亡くなってしまった。つまりこれは処女作にして遺作ということになります。残念のひと言。 旧いイギリスの雰囲気、階級社会、寄宿学校、英国式庭園、人の意志と愛の力の残酷で暴力的な強さとそれに弄ばれる運命、宿命。ミステリーではあっても、謎解きを楽しむ類ではありません。エドワード・Gに対する共感はおそらくくるくる変わるでしょうが最後には落ち着きます。自分にとっては、積み本消化で2014年に読んだ本のベストと言えるものでした。 | ||||
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たとえ手垢にまみれた物語内容であっても、凝りに凝った形式と緻密なディテールによって、これぐらい面白くなるという、お手本のような作品。 翻訳も素晴らしい。 ゴダードの『闇に浮かぶ絵』・『千尋の闇』よりもずっと上。 | ||||
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『このミステリーが読みたい!』のベスト10にランクインしていたので期待して読んだが、ミステリーというより文学小説。主人公が仇敵に復讐を果たすため、試験的に見ず知らずの男を殺害するのだが… 凝った構成なのだが、スピード感もリズム感もサスペンスもなく、難解な註釈のてんこ盛りでさらに混沌とした物語になり、あまり面白くない。期待外れ。 | ||||
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下巻もミステリーというより文学小説の展開が続き、つまらなかった。三部作の構想らしいが… 違和感を感じた主人公が仇敵の復讐のための見ず知らずの男の試験的な殺人。しかも直接的に手を下した殺人。果たして、こんな事が起こり得るのか。復讐しようと思ったら、最初から仇敵を殺害するのでは。間接的に殺害しようとするなら、試験的な殺人も理解出来るのだが… | ||||
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19世紀のヴィクトリア調の流麗な文体と、深みのある心理描写が素晴らしいです。 ディケンズの小説を思いだします。 ゆっくり、じっくり読んでいくことで、読書というものの極上の楽しみにひたれます。 本文の最後の一行にはしびれました。 | ||||
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600ページもの長大な物語だが、仇敵フィーバスの人間像が最後まで薄い。そのためカタルシスが得られない残念な作品。 ついでだが、翻訳が難しい単語を使いすぎ。作者マイケル・コックスが日本人であったとしてもこうは書かなかっただろう。 | ||||
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痛い本ですよ、これは。 『宿敵』っていうのは、いるところにはいるものなんでしょうねぇ。 こまかいことはもうインスパイアー"富士弥"さんが書いてくださっているので省きますが、「才知に長け」前途洋々だったはずの、 "基本善玉"主人公のヤラレっぷり、転落の物語はさながら「チャングム」です。 しかし(「チャングム」同様?)、渡る世間に鬼ばかりじゃないあたりが、私は大いに胸うたれました。 恩師の愛情、雇用主との絆。 彼らの厚情に報いるために、もっと別の生き方もあったんじゃないかっ(涙)、エドワード!? 結局、「真実の愛」に命を賭けちゃった、愚かなる男の純情の末路やいかにっ!? クライマックスは現代版シェイクスピア風です。 が、謎解き部分は「忘れられた花園」同様、「ありえね〜!」です。 英国貴族の女性の考えることはっ!! 理解不能です。 人騒がせきわまりない。 そのうえ中途半端。 許しがたい。 なんだか続編があるような雰囲気なので、「チャングム」のようにどん底から浮上できるかどうかは、今後のお楽しみ、ですね♪ | ||||
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<題名、表紙絵、時代設定(1850年代)の古さ、註釈の多さ、分厚さ>から恐ろしく取っ付き難い話の様に 思われるかもしれませんが、全くそんな心配は無用でした。 一旦読み始めると、登場人物が多いので、誰が誰だったか時々確認する必要がありましたが、それ以外は、始めは疎く 感ぜられた註釈も、適当に目を通していると<あ〜ッ、そういう意味か>など越前氏の翻訳の確かさの御蔭もあり、 病み付きになり、作者の時代考証の念の入れ方、博識なのには感服しました。 流石は構想30年小説、根掘り葉掘りな部分もありながら、スーッと4日ほどで読了完了、結構なページターナーな小説ではありました。 お話の方はTVの親の代から続く<ドロドロ>連続愛欲ドラマ風復讐物語で< カリスマ極悪人チーム VS コケにされ続ける小悪人の悲哀>物語と言う感じで、 結構ショボイ復讐譚の為、どうも☆5は付けられませんでした。最後に<がーーん>というオチでもあれば...しかし あまり筋書きを如何のこうのと言う小説ではないのでしょう。 好みから言うと、<極悪人側>からの話のほうが、より楽しめただろうと思うのですが、 作者自身、本作品を<あざとい>どんでん返し話にするつもりがなかったようで、結構あっさりな幕切れでした。 面白くないことは絶対無いので、読んで見てください。 続編が出たら、是非読みたいと思います。 | ||||
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