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少年時代
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少年時代の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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少年の視点を通して描かれる1年間に起こる様々な出来事。読み続ける中で浮かび上がるのは、BoyからYoung manへ成長する主人公や家族愛、地域社会の有機的な繋がり等で、マキャモン一流の緻密な構成と彫りの深い人物像によって、ぐっと引き込まれてしまった。 「大人」になった私たちや、軸が細くなった現代社会の忘れ物が集合している様に思えた。 | ||||
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60年代のアラバマの田舎町、暮らしは楽ではないけれど正直に働いている父親たちがいて、 街角にビーチボーイズが流れ、学校が終わると親友たちと自転車で駆けめぐり、 胸をときめかせる少女がいて、乱暴者の悪ガキがいて…。 一応、殺人事件が軸になっていますが、それが本筋というよりも、 そうした日々のなかで、貧困を知り、差別を知り、戦争の影を知り、人間の弱さと醜さを知り、 少年が大人になっていく物語です。 Stand by Me やThe Bottomsに胸をきゅんとさせた人にはたまらない世界かもしれません。 あるいは king とLansdale との筆力との差を感じる方もいるでしょうか。 個人的な感想としては、ノスタルジックな表現が冗長で、 細切れのエピソードがてんこ盛りすぎで、ちょっと胃がもたれる感じでした。 新聞連載だったのかもしれませんね。 | ||||
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こんなに素敵な物語には滅多に出会えるものではない。主人公コーリー と、父・トムが目撃する殺人事件を縦糸に、現実と空想・魔法が交錯する世界へ、あの懐かしい子供時代を一緒に旅できるのだ。様々な困難を、死を乗り越える度、大人へと近付く成長の過程。だが、空想する力、魔法を信じる力を失うな、と物語は語りかけてくる。不思議な美しさを持つ作品である。 | ||||
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たまたま駅前の古本屋の店頭に積まれていたペーパーバックの山の中から見つけた一冊でしたが、これがどうしてなかなか、面白いのなんのって。わずか一年の間に主人公の少年の身に起こった怪事件の顛末を、時にユーモアをまじえ、時に幻想をまじえながら描いた長編小説です。 誰しも少年時代には世の中が、大人の理屈では割り切れないような不可思議な姿を伴って見えるものです。そんな自分自身のあの頃を思い出しながら、ぐいぐい引き込まれて一気に読み通しました。年の初めに起こった事件がその年の終わりに解き明かされていくのですが、その間に少年が一歩大人へと近づいていく姿に読み手は自らを重ねていくことができます。 主人公の少年が大人になって故郷を再訪する場面が描かれている最終章はなかなか粋ですよ。 McCammonの書く英語はとても平易です。この本は600頁近くありますが、ペーパーバック初心者でも臆することなく挑戦できます。なお、もう一冊McCammonの小説を英語で読んでみたいというかたには「Mine」を強くお勧めします。 | ||||
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極上のエンターテイメント。おいら上下2冊づつ持ってる。おいら自称「結構うるさいミステリファン」だけど、これは傑作だと思うよ。時に大笑いしたり(教会に蜂のシーン)、不覚にも泣いてしまったり(どこかは内緒)。誰にも少年や少女だった時があるけど、その頃を思い出して大人になった今が、せつなくなる。マキャモンのクセの強いところと、年をとってエンターテイメント的にこなれた所が絶妙なバランスで凝縮されてる大事な作品。こういう本に出会うとうれしくなっちゃうんだよね。ミステリ新旧問わず漁ってると。ミステリだけど、今でも読み返す稀有な大好きな作品。もちろんラストの真相も驚愕するはず。損はしないよ、絶対オススメ。 | ||||
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これは、1960年代のアメリカ南部の田舎町を舞台に、12歳だった少年コーリーの冒険に満ちた青春回想記。 もうすぐ思春期を迎えようとして揺れ動く少年期の貴重で純粋な1年間のエピソードが、鮮やかによみがえる。1960年代のアメリカといえば人種差別問題を抱えていたことだが、この物語でも苦悩するアメリカの姿が描かれている。また登場人物が実に愉快で笑えてしまう。いつも素っ裸でいる金持ち、町のギャング一家、魔法使いのような黒人女性、ハナクソ少女、悪魔のガキ大将兄弟、クソを撒き散らすサル、川に潜んでいる謎の生物etc・・・、とにかくスゴイの一言。このようなメンバーで飾られる面白おかしいエピソードのなかに、殺人ミステリーまでが実に巧みに書かれている。あまりにも衝撃的な真相に、思わず息を呑んでしまうほどだ。 この『少年時代』はただの回想記でも冒険小説でもない。1つのジャンルではくくれないほど大きなスケールの物語のような気がする。 | ||||
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ジュヴナイルとしても読める。ミステリや冒険小説というカテゴライズもされているようだし、幻想文学大賞を受賞しているように、ファンタジーとも言える。僕はたまたまこの本を書いたときの作者とほとんど同じような年になってしまった。僕にはこの話は書けないし、マキャモンには僕の話は書けない。思うに、ノスタルジーというものはそのように非常に個人的なものなのだ。しかし、不思議なことにそれはいかに自分とかけ離れたものであろうと、共有できる感覚でもある。あふれんばかりのヒューマニズムとユーモア、そしてイマジネーション。作者が実はほとんど両親を知らない環境で育ったことを読後に知って驚く。そして納得する。彼はそれゆえに、理想的な父親を作り出した。僕は星をひとつ減らした理由を考えた。たぶん、作者の理想を求める想いがあふれてしまった分。逆に言えば、その分この小説はファンタジーに近いとも言える。冒頭に書いたようにジュヴナイルとしても読めるが、欲を言えば、今の僕のように、作者の年になってから読んで欲しい本。ノスタルジックに。 | ||||
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『ボーイズ・ライフ』ホラー作家マキャモンの異色の作品。ホラーが苦手な人でも、抵抗なく読める。ストーリーは、作者マキャモン自身の回想記だろうか? と思わせる書き出しで、ある作家の十代にさしかかったばかりの少年時代を振り返った話だ。牛乳配達する父親と少年コーリーが、殺された男の体が湖に沈んで行くのを目撃するところからストーリーは始まる。アメリカの小さな町を舞台にした人々との触れ合いや様々な出来事が、フィクションだと分かりつつも、「十代の純粋な少年の目には実際にそう映ったに違いない」と思わずにはいられない。またコーリーと友人たちとの関わりも爽やかで、読んでいて古き良きアメリカを感じさせられる。目撃した父の苦悩、コーリーにつきまとってくる恐怖が浮き沈みし、最後に意外な知人が殺人犯だったことが判明する。スリリングなストーリー展開で、先を読み進まずにはいられなくなる。少年少女期のキラキラして大切だったものが思い出され、自分の十代の頃に引き戻された様な気がした。私の息子たちにも、是非読ませたい一冊。 | ||||
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