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スウェーデン館の謎



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スウェーデン館の謎の評価: 4.00/5点 レビュー 31件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 21~24 2/2ページ
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No.4:
(4pt)

「パズルを解く」に近い感覚。

火村&アリス第3弾。国名シリーズの長編だけど、先に読んだ「46番目の密室」よりもおもしろかった。この人の作品は、謎解き部分のおもしろさもさることながら物語の部分がよりお気に入りで、この作品でも事件自体は悲しいのに物語部分での登場人物の美しさに救われている部分が強いと感じる。  作中、パズルを解く部分が出てくるが、この本を読むときの感覚は「パズルを解く」に近いと思う。気軽に取り組める。それは決して「作品が軽い」という意味では無い。この傾向は短編集でより濃厚に発揮されると思うが、中編でも短編と同じ程度の気軽さで読ませてしまうというのも、素晴らしい技術なんじゃないかと思う。
スウェ-デン館の謎 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:スウェ-デン館の謎 (講談社ノベルス)より
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No.3:
(5pt)

清潔な殺意

最近、またいろいろな推理小説を読み返してみた。子供のころ「面白い!」と感動したものが、今度は別な感慨を持って迫ってくるあたり、やはり、本とはいいものだな、と思う。 この「スウェーデン館の謎」は、登場人物や舞台設定が典型的な「嵐の山荘」状態の中起こる殺人事件。4年前に起こった、ログハウスに住む家族たちの悲しい出来事に端を発する。 アリスの一人称で描かれる為、登場人物の心理面はアリスの目を通して語られる。ゆえに、おどろおどろしい異常性心理が垣間見られない。この物語(ものがたりといってしまえるくらい、すてきなのだ)は、ちょうど、上質な紅茶を飲んでいる英国の妙なる時間と同じように、甘く、そして切ない。それが作者自身の清潔な視点ゆえに描きだされているこ!とは、重要だ。 雪降る夜、紫の闇の中、ぽっかり浮かび上がる北欧風のログハウス。インテリアなど、想像しただけで心地よさそうである。設定、描写、トリック、動機、どれをとっても、すばらしい。 この作者は推理小説を通して、私たちに何を語りかけてくれているのだろう。作者は 推理小説の別の新機軸を生み出したように思えてならない。 この小説は、時を経たあとに読み返すと新たな感動を呼び起こす何かを持っている。そうした意味で、きちんと本棚に置いておきたい、宝物のような一冊である。最終章などは、不覚にも涙があふれてきてしまった。 
スウェ-デン館の謎 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:スウェ-デン館の謎 (講談社ノベルス)より
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No.2:
(5pt)

二つの謎解き

ミステリー小説でありがちな『消えた足跡』の謎を解く事件です。この本では館で過ごしていた6名と近くのペンションにいたアリスをいれた4人が関わります。全ての人物にアリバイが成立し、足跡の謎だけでなく他に消えたある物、そして折られた煙突など多くの謎が出てきます。そして事件から4年前の哀しい事故の真相が表に出てきたときに火村の推理により事件が真相に向います。犯人らしき人は浮かんでくるのですが、足跡のトリックが解けるまでとても楽しめます。途中で出てくるパズルも楽しめる1冊ではないでしょうか?
スウェ-デン館の謎 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:スウェ-デン館の謎 (講談社ノベルス)より
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No.1:
(5pt)

トリック、シチュエーション、キャラクターすべて良し。

犯罪学者火村&有栖川コンビの第5作で、長編としては第4作にあたる。『ロシア紅茶の謎』に始まる「国名シリーズ」の第2作。期待にたがわぬ面白い作品で、同作者のほかの作品に続いてまたも一気読みしてしまった。この人の作品は、というより推理小説そのものだが、ほとんどがトリック自体がオリジナルで驚かせてくれるものだが、一部トリックはオリジナルでなくてもシチュエーションへのはめ込み方が素晴らしいものとがある。この長編は前者で、トリックが本当に見事。舞台設定がうまいのは勿論、キャラクター配置も無理がなく、テンポもいい。そして、たまたま居合わせた有栖川が火村を呼び出すや、あとはいつもの通り2人のやりとりを楽しみつつ、はめ絵のごとく全てが解決されていくのを目の当たりに出来る。本当に、カタルシスをたっぷり味わわせてくれるので、読んで疑問や義憤が残らず、精神衛生上とても有難い。それにしても、有栖川が電話で状況を伝えたその日のうちに京都から裏磐梯まで駆けつける火村は、犯罪学のフィールドワークのためとはいえ何という身軽な男であろうか。コンビの第2作『海のある奈良に死す』あたりから有栖川の言及が思わせぶりになってくる、火村の過去とは一体どんなものなのか。全て明かされて欲しいような、明かされた時はシリーズが終わりなのか、気になって気になって仕方ないのは彼についてだ。もともとが正統派で、謎解きの面白さを堪能させてくれる、推理小説らしい素推理小説といえる作風だが、クイーンを敬愛しているというだけあって、まさにクイーン張りの面白さ。敬愛している作家がいて、その作家のような作品を書くことに成功できるとは、有栖川有栖とは何という幸せな人だろう、と思う。
スウェ-デン館の謎 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:スウェ-デン館の謎 (講談社ノベルス)より
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