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マークスの山
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【この小説が収録されている参考書籍】
マークスの山の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全178件 61~80 4/9ページ
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題名から「ホワイトアウト」のような活劇を予想していたが、まったくもってそうではなかった。 いい意味でも悪い意味でも。 直木賞受賞作ということだが、芥川賞の間違いではないの?と思うくらい、文章の密度が濃ゆい。 全体としてストーリーの進み方はのろく、決して読みやすい小説とは思えないが、なぜか特に滞ることもなく読み進めることができた。 しかし全体の半分以上を占めてるんじゃないのと思うくらいの、警察での捜査描写には少しばかりうんざりした。 同僚同士の怒号に駆け引き、あら捜し、厳しい追求などと、実際の現場でこんなだったら刑事なんてみんなおかしくなってしまうんじゃないのって思ってしまう。 読んだ後に特に思ったことは、この作家は他の作品でもそうだったが、個々の事件に対しての説明がなされていないままに物語が終わってしまっていることだ。 確かに物語の本題ではないのだろうが、どういう理由、いきさつで殺人に至ったかくらいは示してほしかった。 最初の飯場での誤っての殺人なんか、あれはどういうことなのよ。 | ||||
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題名から「ホワイトアウト」のような活劇を予想していたが、まったくもってそうではなかった。 いい意味でも悪い意味でも。 直木賞受賞作ということだが、芥川賞の間違いではないの?と思うくらい、文章の密度が濃ゆい。 全体としてストーリーの進み方はのろく、決して読みやすい小説とは思えないが、なぜか特に滞ることもなく読み進めることができた。 しかし全体の半分以上を占めてるんじゃないのと思うくらいの、警察での捜査描写には少しばかりうんざりした。 同僚同士の怒号に駆け引き、あら捜し、厳しい追求などと、実際の現場でこんなだったら刑事なんてみんなおかしくなってしまうんじゃないのって思ってしまう。 読んだ後に特に思ったことは、この作家は他の作品でもそうだったが、個々の事件に対しての説明がなされていないままに物語が終わってしまっていることだ。 確かに物語の本題ではないのだろうが、どういう理由、いきさつで殺人に至ったかくらいは示してほしかった。 最初の飯場での誤っての殺人なんか、あれはどういうことなのよ。 | ||||
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今まで読んだ中で、警察小説です。 単なる事件にとどまらない、高村薫ワールドが素晴らしい。 | ||||
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サスペンスって、事件が起きてそれを解明していって一件落着!てな感じの物語なんだけど。これ読んでると、一件落着するまでの 逃げる犯人、追いかける刑事、それを取り巻く人間、それぞれの人間の生い立ちや成長の中でつくられた人間性の交わりなんだと、あらためて思う。読み応えある”文学”だった。 | ||||
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このほど放映されたテレビドラマを面白く見た。 昔読んだがもう一度手に取ることにしたが、できれば出版当時の勢いが読みたいので出版年の古いものを探した。 テレビドラマは現代に時代を映しているし、当然のことながらエピソードや設定も違っているのだが、映像化するには致し方のないことだし、表現方法が違うのだから核が変わっていなければよいと思っている。 昨今のテレビドラマはバカバカしくて見ていられない軽佻浮薄な作品ばかりだが、さすがに原作がしっかりしているとドラマもその色をきちんと押さえてよくできていた。 それほど、マークスの山、暗い山、という設定は揺るがせない象徴だ。 重厚な筆致は主人公合田の存在感を際立たせ、暗い山に取り込まれてゆく水沢のあまりにも悲惨な生きざま、刑事たちの縄張り争いや垣間見せる獣じみた人間性などが太く強い力で物語に編みこまれて読みでがある。 やはり、その辺のサスペンスものとはレベルが違うと再認識させてくれた。 | ||||
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WOWOWドラマ化で上下巻を読みました。読み難いほど重厚で緻密な文章の割には、書かれておらず、つながらず、納得出来ない、スッキリとしない読後感。さらに読み返したくならないので、私とは相性が合わないようです。しかしドラマの方は実に良かった。人間ドラマとしても、組織対個人としても、犯人像も、山梨県警も。原作で描かれていない部分を補足してあったり、狂言回し的記者を補強していて、つじつまの合う内容になっていた。テントの中の写真は説得力があった。5時間中だるみすることなく、原作の重厚さも表現していた印象。WOWOWドラマは映画よりも面白い。でもそのためにはこれぐらい歯ごたえのある原作が必要なことも事実。表現力のある人が仕立て直してくれると、ようやく楽しめる。私にはハードルが高い文章、すごいんだと思う。 | ||||
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WOWOWドラマ化で上下巻を読みました。 読み難いほど重厚で緻密な文章の割には、 書かれておらず、つながらず、納得出来ない、スッキリとしない読後感。 さらに読み返したくならないので、私とは相性が合わないようです。 しかしドラマの方は実に良かった。 人間ドラマとしても、組織対個人としても、犯人像も、山梨県警も。 原作で描かれていない部分を補足してあったり、狂言回し的記者を補強していて、 つじつまの合う内容になっていた。テントの中の写真は説得力があった。 5時間中だるみすることなく、原作の重厚さも表現していた印象。 WOWOWドラマは映画よりも面白い。 でもそのためにはこれぐらい歯ごたえのある原作が必要なことも事実。 表現力のある人が仕立て直してくれると、ようやく楽しめる。 私にはハードルが高い文章、すごいんだと思う。 | ||||
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WOWOWでのドラマ上映に触発されて、改めて本を手にしました。 この本は、捜査を進める合田刑事と殺人を犯す“マークス”の二人の視点から書かれています。 その書き方が効果を上げているのでしょうか、捜査側の問題点(それは制度的な問題にも及びます)と人間の心の問題(その中心は水沢=マークスにあります)と言う二つの大きなテーマが、読む者に重く圧し掛かってきます。 前者は、検察や警察の上層部の問題やテリトリーの問題などです。 後者は、端的に言えば、二重人格者の問題です。 ただ、こうした二つの問題は、ただ単に言葉通りの問題としてでなく、更に詳細な部分にも反映しています。 特に、後者の心の問題は、単に犯人水沢だけの問題とはしていないように思います。 そうした二重人格的な要素は、多かれ少なかれ誰にでもあるのだと言っているようです。 従って、そのことはすべての人に、水沢と同じ様な立場に立たされる可能性があるのだと、警告しているかのようです。 今回読んでみても、いささかもミステリーとしての楽しみは失せていませんでした。 良い作品は、何度読んでも、その時々の感慨を齎してくれるのでしょう。 | ||||
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高村薫はレディ・ジョーカー以来でした。レディ・ジョーカーは面白かったんですが読みづらかった記憶がありました。マークスの山はそれに比べかなり読みやすいと思いました。人間って、こんなにいろいろ考えてるっけな・・・?と思うほどの心理描写。どの登場人物にも感情移入できちゃいます。刑事物好きだし。 | ||||
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ずっと、ずっと読みたいと思いながら、中々手が出なかった1冊。 やっと読み終えることができました。 女性作家とは思えない。 それが最初の印象でした。 上巻の付箋的な始まりから、成長していくマークスの姿。 危なっかしくも、どこかに鋭さがこっそりと隠れてる。 そして、少年から青年へと。 主人公は、上巻の途中に出てくる合田刑事。 関西弁で、たたき上げの骨の髄までデカ。 この合田刑事の内心の葛藤が素晴らしく、たんなるミステリーではないと思わせる。 上巻の途中、合田が陣を取ってからの下りあたりから 読むスピードも加速していったような気がします。 普段使うことのない、専門的な用語などもありましたが そんなことは二の次。 脇を締める、登場人物達の魅力的なこと。 あだ名とか、その個性が映像のように頭の中で想像できてしまいます。 あぁ、この役は誰が合いそう…なんて、思いながら。 会議のやりとりなどの臨場感も感じることが出来ます。 この本の魅力は、やはり人間模様とても言うべきか。 完全なる縦社会の「警察」という組織の中で 右往左往しつつ、真実を突き止めて行こうとする、刑事たち。 縄張り争いや、管轄違いなど色々な摩擦が、捜査の進展を遅らせる。 ある意味「邪悪」というよりも「無垢」という方がどこか馴染む、殺人犯マークス。 そして…。そのマークスの影に怯える者達。 最後へのファイナルは、色々な意見がありますが個人的には とても良かったです。 マークスの瞳に映るものが、読後心の芯に何とも言えない 余韻の残るような終わり方でした。 それにしても、人間というものは 「罪悪感」というやっかいなモノに、取り付かれてしまうものですね。 いくら年月が経とうとも。 祓っても、祓っても拭いきれない。 それでこそ「人」なんだな…と素直にそう思いました。 | ||||
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ずっと、ずっと読みたいと思いながら、中々手が出なかった1冊。 やっと読み終えることができました。 女性作家とは思えない。 それが最初の印象でした。 上巻の付箋的な始まりから、成長していくマークスの姿。 危なっかしくも、どこかに鋭さがこっそりと隠れてる。 そして、少年から青年へと。 主人公は、上巻の途中に出てくる合田刑事。 関西弁で、たたき上げの骨の髄までデカ。 この合田刑事の内心の葛藤が素晴らしく、たんなるミステリーではないと思わせる。 上巻の途中、合田が陣を取ってからの下りあたりから 読むスピードも加速していったような気がします。 普段使うことのない、専門的な用語などもありましたが そんなことは二の次。 脇を締める、登場人物達の魅力的なこと。 あだ名とか、その個性が映像のように頭の中で想像できてしまいます。 あぁ、この役は誰が合いそう…なんて、思いながら。 会議のやりとりなどの臨場感も感じることが出来ます。 この本の魅力は、やはり人間模様とても言うべきか。 完全なる縦社会の「警察」という組織の中で 右往左往しつつ、真実を突き止めて行こうとする、刑事たち。 縄張り争いや、管轄違いなど色々な摩擦が、捜査の進展を遅らせる。 ある意味「邪悪」というよりも「無垢」という方がどこか馴染む、殺人犯マークス。 そして…。そのマークスの影に怯える者達。 最後へのファイナルは、色々な意見がありますが個人的には とても良かったです。 マークスの瞳に映るものが、読後心の芯に何とも言えない 余韻の残るような終わり方でした。 それにしても、人間というものは 「罪悪感」というやっかいなモノに、取り付かれてしまうものですね。 いくら年月が経とうとも。 祓っても、祓っても拭いきれない。 それでこそ「人」なんだな…と素直にそう思いました。 | ||||
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映画化もされていますが、この改訂前の作に準拠していて、良かったです。 犯人の青年役も、萩原聖人で正解でした。 著作では、青年の精神状態や心理の推移を通して、人間の真実を描いてみせた 洞察力と手腕が、秀逸でした。 | ||||
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この人本当に女性なの?と思うぐらい正確で隙間の無い文章で綴られているミステリーです。 登山も警察も精神障害も実生活ではあまり馴染みの無い世界なのですが、こんなふうにリアルに描かれるとたじたじとしてしまいます。 連続殺人の犯人は最初から県等がつくし、登山をちょっとかじった人なら凶器もすぐにわかります。 ただ、その動機やなりゆきが知りたくて、休日1日つぶして読みきってしまいました。 物語の終わりに希望が見えないのがちょっと残念。 どうも、ハードカバーの方はちょっと内容が違うらしい。 そちらを読んで見たい気もしますが、書き直しているのにはそれなりの理由があると思うので、文庫本の方だけにしておきます。 | ||||
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この人本当に女性なの?と思うぐらい正確で隙間の無い文章で綴られているミステリーです。 登山も警察も精神障害も実生活ではあまり馴染みの無い世界なのですが、こんなふうにリアルに描かれるとたじたじとしてしまいます。 連続殺人の犯人は最初から県等がつくし、登山をちょっとかじった人なら凶器もすぐにわかります。 ただ、その動機やなりゆきが知りたくて、休日1日つぶして読みきってしまいました。 物語の終わりに希望が見えないのがちょっと残念。 どうも、ハードカバーの方はちょっと内容が違うらしい。 そちらを読んで見たい気もしますが、書き直しているのにはそれなりの理由があると思うので、文庫本の方だけにしておきます。 | ||||
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感想は、ひとことで表すなら、壮大。 女性とは思えない文章の力強さに圧倒され、ぐいぐいのめりこんでいった。 犯人は分かっていて、それを追う警視庁の合田警部補が主人公になり、 彼を取り巻く警察内部の複雑な人間関係、組織というものの真の姿、 非常に緻密に構成された人間ドラマがとても読み応えがあった。 これだけ沢山の人物達の複雑な人間関係を描きながらも内容は薄っぺらくなく、 むしろものすごく重厚でかつリアリティがあり、とにかく凄いのひと言。 精神異常者の犯人であるがゆえに殺人の動機や彼の心情がはっきりしなかった点だけ 不満と言えば不満ですが、ミステリーだと思わなければ納得はできる。 そしてラスト、ようやく「そこ」にたどり着いた彼と合田達警察の心中、それまでの各々の人生、 全てがひとつに繋がり眼前に迫ってくるときは涙を流さずにはいられません。 警察が、そして読み手である自分が追っていたのは、一体何だったのか? 久々に、読み終えた瞬間にまた最初から読み返したくなった作品。 | ||||
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感想は、ひとことで表すなら、壮大。 女性とは思えない文章の力強さに圧倒され、ぐいぐいのめりこんでいった。 犯人は分かっていて、それを追う警視庁の合田警部補が主人公になり、 彼を取り巻く警察内部の複雑な人間関係、組織というものの真の姿、 非常に緻密に構成された人間ドラマがとても読み応えがあった。 これだけ沢山の人物達の複雑な人間関係を描きながらも内容は薄っぺらくなく、 むしろものすごく重厚でかつリアリティがあり、とにかく凄いのひと言。 精神異常者の犯人であるがゆえに殺人の動機や彼の心情がはっきりしなかった点だけ 不満と言えば不満ですが、ミステリーだと思わなければ納得はできる。 そしてラスト、ようやく「そこ」にたどり着いた彼と合田達警察の心中、それまでの各々の人生、 全てがひとつに繋がり眼前に迫ってくるときは涙を流さずにはいられません。 警察が、そして読み手である自分が追っていたのは、一体何だったのか? 久々に、読み終えた瞬間にまた最初から読み返したくなった作品。 | ||||
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殺人鬼マ−クスによる連続猟奇殺人。 その影に潜むもう一つの事件。 捜査を行う警察内部でも、密告なら内部闘争やら複雑。 官僚や人物の生い立ちなどなど、 とにかくリアルなんだけど、それでもしっかりロマンを感じさせる高村薫の代表作です。 ミステリ好きはゼヒ。 | ||||
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1 最近、読み始めました。以前に読んだ「半落ち」、 「砂の器」「マネーロンダリング」と似た感動 を覚えました。 2 執筆の時期の前後はわかりませんが、こころ の問題への関心が高まっている現代的な作品だと 思いました。 | ||||
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1 最近、読み始めました。以前に読んだ「半落ち」、 「砂の器」「マネーロンダリング」と似た感動 を覚えました。 2 執筆の時期の前後はわかりませんが、こころ の問題への関心が高まっている現代的な作品だと 思いました。 | ||||
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高村薫は初めて読んだ作家だが、警察や地検の組織内部の描写や山の描写などは、ハードボイルドを思わせる冷静沈着ぶりで、女流作家なのに文体は非常に男性的(、というのが適当か分からないが、リアルで一部の隙もない感じ)で驚いた。 名門大学山岳部が過去に葬ったはずの「暗い山」が捜査当局の鋭いメスによって切り刻まれるあたりは背筋が凍りつくような感覚がし、先を読むのが怖くなるが、それでも一気に読めてしまう。 凶悪な事件の連続で救いもなく進行する物語のなかで、主人公合田刑事を筆頭に警視庁捜査一課七係の個性溢れる現場刑事たちが「暗い山」に挑んでいく姿勢、その潔さのみが救いだった。 また終盤は、山(に登る)とは何か、について改めて考えさせられる。 ぜひこの著者の他の作品も読んでみたい。 | ||||
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