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レディ・ジョーカー
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【この小説が収録されている参考書籍】
レディ・ジョーカーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全127件 41~60 3/7ページ
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文庫化に当たって大幅に手を入れるのが高村薫の流儀でありますが、この作品は文庫化されて登場人物の精神性というか内面の難解さが増した気がします。 エンタメ性はこちらの方が高く、オススメです。 当時そうした『闇に消えた怪人』(一橋文哉・新潮文庫)を先に読んでからこれを読むともっと楽しめると思います。 | ||||
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最後の下巻に期待しすぎたのか、盛り上がりに駆けた印象です。 完全犯罪をやってのけ、さっさと散らばり、誰もレディージョーカーとしては逮捕されないまま物語は終わる。 日之出ビールは以前から並行して進んでいた別の事情の対応に追われていたし。 モデルになった事件を調べて見ようと思います。 | ||||
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事件の展開が凄すぎます。 実際の事件を題材にしていると知ってから、どこまでがフィクションでどの辺りがノンフィクションか想像しながら読み進めています。 企業のトップの心情や葛藤の部分も非常に面白いです。 下巻でどのようなクライマックスになるのか楽しみです。 | ||||
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戦後間もない企業への手紙、競馬仲間、同和、身体障害者等の暗い感じで始まり、描写が緻密に表現されていて、場面をイメージしながら読み進めて行けました。 時代背景が意外と最近、といっても20、30年前というのが親近感が湧きました。 レビューを書こうとして、初めて、グリコ森永事件を題材にしたことを知り、中巻以降の展開が楽しみです。 | ||||
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私がまだ若いのと、殺人事件等のミステリーばかり読んでいて 皆様よりもまだまだ本に触れてないというのはあるのかと思いますが、 本の裏にかいてある筋書きのような社長を誘拐して始まり完結するようなストーリーでは無かったです。 現金を犯人が手にする、しない、その後の捜査犯人特定という簡単な話では無く、 社会情勢や、大手企業の内部、警察の事情、新聞社や総会屋、政治等が絡み合っていて、専門用語も多く物語のスピードが遅いと感じました。 失踪した新聞社の記者は、なんの手がかりも得られず結局数ページで死んだ事になっていたり、 ラスト数ページで何故社長が射殺されなければいけなかったのか等 最初は部落出身者という者の手紙で始まったのに、日之出ビールの事件以降関係なくなっていたり (ラストにそこに犯人達が住むという事で繋がってるのかもしれないですが) そもそも、失踪した記者の持っていたリストは物語の何に役立ったのか等、色んな部分が伏線と見せかけて放置されてる感じを受けました。 それぞれの心情や動き等は書いてあるのですが、ミステリーというよりは文学小説に近いなと。 社会をテーマにした文学小説に近いと知っていて読み進めていたらもっと楽しめたかもしれません。 最後に合田刑事を刺して、半田が捕まった後の裁判の記述もすごく少なく (これも半田が仕組んだシナリオだったっていう事なのかもしれませんが) (まだかまだか・・・)と盛り上がりを期待しながら読む小説では無かったのかなと・・・ 最後の同性愛に気が付く記述ははたして必要だったのか・・・ もう少し短い小説なら、もう一度読もうと思ったかもしれませんが、何度も挫折しそうになりながら読んだので、 もしもう一度読むならもっと私が年を取ってからかなと思いました。 私の理解能力が低くて分からなかったのかもしれませんが、これが私の感想です。 | ||||
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著者の作品は初めてでしたが、非常に読みごたえがありました。 多少抽象的だったり、文学的だったりして硬い印象がありました。 また、出来事や会話よりも、個人の独白やその心象描写に紙面を割いているので しっかり読まないと逆にだれてきてしまう場合がありました。 しかしながら、その読みにくさを補ってなお余りありすぎると言っていいほどの 言葉選びの巧みさがあります。読みながら、本当にいちいち感心しながら読んでしまいました。 著者は限界まで言葉の精度というものを高めようとしていると感じました。 また、それを読むと私自身も、その感性に触れ、少し賢くなった気がしてますます 読むのが楽しくなっていきました。 ただ、ほかのレビューが高得点ばかりなのであえてここで苦言を呈するならば 純粋にミステリーやサスペンスとしてエンターテイメントを読みたい方は、あまり楽しめないかもしれません。 事件そのものは、非常に難しく理解しにくいし、あまり親切に解説もしてくれません。それに 事件はストーリーの中である種の起動ボタンであって、事件そのものがどうなるか、ではなく、 事件のその後というのがストーリーになります。 また、以外に人物描写が実は薄くて、各人の心は描かれますが、印象は皆似ていてのっぺらぼうな 感じなので、あまり感情移入して楽しめる方も少ないと思います。 | ||||
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今読み終えましたよ上中下巻約1400頁。 これは面白い。傑作だ。 | ||||
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高村作品は初めて読みました。ジャケット買いです。 最初の頃は、買って失敗したかと思いましたが、進んでいくうちに合田に傾倒する自分がいました。 結局面白かった。 以前は、桐野作品を割りと読んでいましたが、違った面白さでした。 | ||||
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ヒョンなことから映画版のDVD(主演:渡瀬恒彦)を先に見てしまい、全く訳が分からない内容に呆然とし、これはずぼらして原作を読まなかった自分が悪いか、と思い直して読んでみたのですが、文庫本3冊の分量を2時間の映像に納めるのは無理があるなぁという点しか納得できなかった。 前評判が高かったので物凄く期待したんだけどねぇ、、、登場人物に片目が義眼の老人、被差別部落出身者、在日朝鮮人二世、身障者とその家族、ドロップアウトしたバイのキャリア警官、ゲイの検事、総会屋、所轄の問題刑事、高卒の工員、自分の来し方に自信を持てない企業経営者など、立場は違えど生を実感できずに日々を過ごす登場人物は作中でそれぞれ魅力的に掘り下げられておりリアリティがあるのだが、義眼の老人が大企業へ恐喝に至る過程に必然性が感じられず、恐喝された企業が犯人グループと闇取引に応じる以外に選択肢がないという状況設定も説得力に掛け、更にこの事件に呼応した裏社会の動きも無理やり付け加えられた感が強く、最後まで物語の縦糸となるエピソードに現実味を感じることができず、物語に入っていくことができなかった点が非常に残念であった。 ただし、小説は納得できないながらも筋ははっきりしているので映画よりはマシであった。 古本屋で3冊まとめて買ってしまったので頑張って全部読みましたが、展開に無理があると感じている物語を読み進めるのは非常に辛かった。 前評判が高くて読後にこれほどガッカリするのは「ローマ帝国衰亡史」以来かなぁ。 やはり、この手の社会派小説は読んでいて「こういうこともあるかもなぁ」という説得力がなかったら、いくら細部の描写が上手くても内容がペラペラになる。 レディ・ジョーカーというタイトルは刺激的だが、こちらもこの為だけに身障者を登場人物に加わえたような無理やり感が鼻についた。 内容もミステリーではないし。 著者の描写のテクニックは間違いなくプロレベルなので評価は☆3つ未満とはし難いのであるが、この本を読むのに使った時間は他の本を読むのに使いたかったなぁといった内容だったので☆4つ以上は厳しい。 こんなレビューを書くと、''''この著者のファンから総攻撃を喰らうんだろうけどね。 話題作なので新宿鮫(大沢在昌)とか模倣犯(宮部みゆき)レベルを期待してただけに残念。 | ||||
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丁寧な人物描写で、上・中・下全て楽しんで読み終えることができました。 2回読んでいるのですが、以前読んでから時間がだいぶ過ぎてから今回再度読んでみましたが、大変良かったです。 また高村薫さんの作品を読んでみようと思っています。 | ||||
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エンターテインメント小説、人間ドラマの極北。作者が女性ならではの、きもいホモ描写や男目線ではちょっと有り得ない心理描写等もあり、これらは大きな減点要素ですが、それでも決して満点は揺るがない、犯罪小説の輝ける金字塔、いや日本文学史に残る傑作です。文庫化する際の大幅改稿が有名な作家ですが、本作は個人的には単行本の方が断然良いと思います。単行本はちっこい文字で上下2段ぎっしり、それが上下巻900頁の弩級作品ですが、未読の方は是非。 | ||||
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高村薫を最初マークスの山を読んで構成力、筆力に感服 大いに期待し今日に至る、社会派の、女性作家とは思わず 彼女の評論も読するに値する。 | ||||
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とにかく骨太で、すごい女性社会派作家と感嘆! 山崎豊子を凌駕し、松本清張に肩を並べる。 | ||||
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高村薫作品はすべて筆力現代の作家で最高水準。 グリコ事件に題材を求め、暴力団、被差別部落、障害者 アンタツチャブルな世界を描き、映画より、NHKの数時間 ドラマででの映像化されたのを見てみたい。 | ||||
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誘拐事件のお話で、読ませる作品だが新鮮味を感じませんでした。一見は社会派ですが、大家の山崎豊子氏のような鋭い感性が文から伝わらず力作ではあるが、なぜか私には頷けませんでした。「理由は明白です。山崎氏のような本物の筆力がなく、頭で作り上げた作品なのでリアリティが乏しいからです」。 | ||||
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上・中・下巻とぐいぐい読ませてくださる高村先生さすがです。 大企業の社長誘拐という大犯罪もこの世の中の巨大悪の闇の中ではすぐさま消えうせる小さな中州でしかなかった、ということでしょうか。 実際誘拐事件自体は読み進むにつれ次第にぼやけていって犯人グループについての描写はほとんどなくなっていきます。 下巻にさしかかった頃にはもうそろそろ出て来てほしいな、せっかく一癖もふた癖もありそうな犯人の面々なのに・・・犯人側からの視点や事件との絡み、その後の変化などはどうなっているんだろうと期待しつつ読み耽りました。 けれど、いよいよ犯人との対決となり山場かと思いきやそれさえもなんだかとってもあっけなくてポカンとしました。 本を閉じて充分な読み応えは感じたもののなんだろうこの読後感は。 そして本の帯「レディ・ジョーカー事件。男たちは何を得、何を喪ったのか。」を見て、それだと。 個人的にはやはり犯人たちにもっと迫ってほしかった訳です。が、しかしこの話は詰まる所レディ・ジョーカーに翻弄された人々の物語であり、 というか下巻はそもそも合田の物語なのでしょうね。 それにしても一命をとりとめた合田刑事のあの言葉は・・・本を読んでいる間中なにやら妙にざわざわと落ち着かない気分でしたがまさかの・・・。 そういうところである意味確かに「魂を揺さぶ」られたのは私の品性が下劣なせいなのでしょうか。 | ||||
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高村薫先生の本は奥が深い。最初が読み進みませんがだんだん読むとドキドキです。 | ||||
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ここ10年の日本ミステリーで一番の傑作! 一言で言って、割り切れる思いとは縁遠い作品であるけれど、その割り切れなさこそが、現代という朧な時代のの最もリアルな活写であるという気もしてくる。ましてや、あまり光を当てられることのない、タブーに属するような被差別民や在日他民族の世界が、同じ日本という狭い時空の中にまぎれもなく混在していて軋轢を起こしているその断面をこそ、この小説がテーマにしているのでないのにも関わらず、何のためらいもなくすっぱりと切り出して見せる。 前作『照柿』では、ドストエフスキーの『罪と罰』のように、個人の内面を深くえぐった地獄行のような世界がひたすら描かれていたが、今度の『レディ・ジョーカー』は、より社会を取り込んだ、よりマクロ的な視野において、より巨大な時空間を意識した、新しい世界を見せている。想像するだに書くのはかなり困難だろうと思われる描写が多く、手間ひまかけて準備されて書かれた作品特有の密度がここにある。 そして、大きな小説であるだけに、集中力を削がれるところは否めないものの、人間がいかに社会的な存在であるのか、という作者なりの方向がきちんと見えてきて、純文学とは一線を画しているような新たな転換のようなものを、ぼくは作者の書く姿勢に感じて嬉しかったのだ。 ぼくは以前から高村は、ドストエフスキィの世界を規範にしているように感じていたのだが、それはまたもこの作品で裏打ちされる。ドストエフスキィの魅力は一言で言えば「混沌」。トルストイのように正邪をきちんと整理してキリスト的「道」を解いてゆく作家なのではなく、「混沌」そのものをいかに表現し、その中でいかに生そのものを描き切るのか。具体的にはいかに社会とより真摯に切り結んでゆくかという物語であり、一人一人の心の中の悪霊たちの物語でもある。 ドストエフスキィは『作家の日記』という時事評論をものにしているが、まさに文学だけにおさまらない懐の深さ、視点の多さ、視野の広さを、そうした地点で示してくれていて、この辺り高村のやり方には近いものがあるのではないだろうか。 現代でドストエフスキィの犯罪を中心に据えた小説作法をやろうとしたら、高村のこの『レディ・ジョーカー』は、非常によくできた手法と言えるように思う。犯罪そのものを物語とするのではなく、もっと書きたいものごとのために、犯罪を中心に据えるのだ。『レディ・ジョーカー』はそういう小説ではないかと思うのである。 馳星周がエルロイの影響をダイレクトに受けたという『鎮魂歌』は、まさに『ホワイト・ジャズ』の文体に機を得たものだと言われるが、今、小説世界の闇の深さという一点だけに絞ってみると、この『レディ・ジョーカー』こそエルロイのあの深い闇に再接近したそれではないだろうか? ぼくはこのことだけでも大変この小説に衝撃を受けた。 以前から鼻についていた高村小説特有の男性同士の同性愛的気配は相変わらずだけれど、そんなものはこの際許してしまおうとさえ思った。 ラストのラストで感動させられた。闇に抛り込まれた人や事件があまりに多い。しかし、ぼくらが生きている世界はそうした闇にいつでも繋がっているし、ぼくらはその中で何の痛痒もなく無関係な顔をして生きている。そうした平穏から滑り落ちてゆく闇の怖さ、のようなものをこの小説は非常にシニカルに描き切っているように思うのだ。 さて、最後に値段のことだが、一冊1,700円で、こうした「質量ぎっしり本」を買うことができるのは驚きである。そこらの文庫本数冊分より遥かに安い買い物となったのは、かつて『砂のクロニクル』でハードカバーの四段印刷という荒業をやらかし革命的コスト・パフォーマンスを見せてくれた毎日出版社という良心のたまものであろう。こうした出版姿勢を持った版元にこそ、いい作品が集まって欲しいと、願ってやまない。 | ||||
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映画を先に観ました。まだ下巻の途中ですが、東大生がなぜ二次面接を中座したのか、なぜいきなり自殺したのか、分かりません。出自のことは寝耳に水の話のはずで、父親に問い正しても良さそうな話です。それに、野心家とは思い辛い理系君の彼が、付き合っている彼女の父・叔父が役員をやっている日之出を受けるものだろうか、という疑問も捨てきれません。 | ||||
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人生の目的を失った男たちが企てる犯罪。 金、会社、権力、そして自分のために...複雑に絡み合い蠢く人間模様。 がっしりとしたプロットに硬質な文章がぴったりで頁をめくる手が止まら ない、凡百の小説とは一線を画す至高の一作です。 | ||||
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