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レディ・ジョーカー
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【この小説が収録されている参考書籍】
レディ・ジョーカーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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ただ長くて複雑で疲れる。何が言いたいのか良く分からない。主に書かれているのは、世の中の金がどう廻っているのか、利潤はどこから生まれるのか。そして、巨大製造業の組織はどう動いているのか、その社長や役員はどうあるべきか、それと総会屋・暴力団などとの関係、ジャーナリズムの有り様などである。部落問題が犯行の一つの原因になっているようだが、それも副題に過ぎない。同性愛など醜い付足しだ。 人間を魔力の虜にするのは酒、賭博、ドラッグなどがあるが、犯罪もそういう魔力があるのだろう。この小説では人質を取って大企業を根底から揺さぶる恐喝が負の魔力であろう。作者が書きたいのは犯罪という負の魔力に取り憑かれてゆく人間模様であると思う。その点で「黄金を抱いて翔べ」と同じ線上ににある。 これに対する警察の捜査も誘拐された本人が事件の核心を隠しているので行き詰まる。警察の捜査も主題ではない。 また、犯罪集団である「レディ・ジョーカー」の真の狙いは何かがはっきりしない。当初は恐喝で大企業の根幹を揺さぶるというつもりだったと思う。しかし、脅し取った金がどうなったか分からないという結末、更に「レディ・ジョーカー」も最後には皆バラバラになってしまうが、やはり犯罪という負の魔力に取り憑かれた結末としか言い様がない。。 最後に、この事件は綿密に計画され周到に実行されるが、その分ミステリー的要素は薄れてしまう。マークスの山の犯行は突発的・無計画的であり、動機も最後になってやっと明かされる。その分マークスの山のほうがミステリー・サスペンス的要素は上である。もっとも作者はこの小説を推理小説とは言っていない。 | ||||
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私には読みづらかった。速読派だけど上巻を読むのに2週間かかり、下巻を読むのに3日かかった。途中で他の本を何冊も読んだ。 その理由はまず、緩急の緩がない。これだけ登場人物がいながら、誰もユーモアを醸し出さない。そのため、記者なんかは、何人いてもひとからげの平板な印象で区別がつかなくなる。笑いどころのない大長編はしんどい。 次に動機の薄さが理解しがたい。犯人側・企業側とも、え?という動機でありえない選択を重ねていく。男女間、同性間の愛憎と規範意識をまぜこぜにしてリアリティを出そうとしているのかもしれないが、ミステリーとしてはとても納得しがたい。 三つ目に、最後の方で焦点となる事件が大きく変わる。レディ・ジョーカー置いてけぼりやん。金はどうなったんよ、なんじゃこりゃ~と言いたくなる。 おそらく作者はミステリー以上の意味を込めて書き上げたのだろう。読者としての意地で読み通したが、残念ながら満足感は最後まで得られなかった。 | ||||
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上手い犯罪小説である。 当時本屋大賞があったとしたら、これが受賞していたと思う。 なんだけどやたら書き込みが細かく、読んでいて疲れる。読者に疲労を催させる。そんな作家である。 | ||||
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最後の下巻に期待しすぎたのか、盛り上がりに駆けた印象です。 完全犯罪をやってのけ、さっさと散らばり、誰もレディージョーカーとしては逮捕されないまま物語は終わる。 日之出ビールは以前から並行して進んでいた別の事情の対応に追われていたし。 モデルになった事件を調べて見ようと思います。 | ||||
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私がまだ若いのと、殺人事件等のミステリーばかり読んでいて 皆様よりもまだまだ本に触れてないというのはあるのかと思いますが、 本の裏にかいてある筋書きのような社長を誘拐して始まり完結するようなストーリーでは無かったです。 現金を犯人が手にする、しない、その後の捜査犯人特定という簡単な話では無く、 社会情勢や、大手企業の内部、警察の事情、新聞社や総会屋、政治等が絡み合っていて、専門用語も多く物語のスピードが遅いと感じました。 失踪した新聞社の記者は、なんの手がかりも得られず結局数ページで死んだ事になっていたり、 ラスト数ページで何故社長が射殺されなければいけなかったのか等 最初は部落出身者という者の手紙で始まったのに、日之出ビールの事件以降関係なくなっていたり (ラストにそこに犯人達が住むという事で繋がってるのかもしれないですが) そもそも、失踪した記者の持っていたリストは物語の何に役立ったのか等、色んな部分が伏線と見せかけて放置されてる感じを受けました。 それぞれの心情や動き等は書いてあるのですが、ミステリーというよりは文学小説に近いなと。 社会をテーマにした文学小説に近いと知っていて読み進めていたらもっと楽しめたかもしれません。 最後に合田刑事を刺して、半田が捕まった後の裁判の記述もすごく少なく (これも半田が仕組んだシナリオだったっていう事なのかもしれませんが) (まだかまだか・・・)と盛り上がりを期待しながら読む小説では無かったのかなと・・・ 最後の同性愛に気が付く記述ははたして必要だったのか・・・ もう少し短い小説なら、もう一度読もうと思ったかもしれませんが、何度も挫折しそうになりながら読んだので、 もしもう一度読むならもっと私が年を取ってからかなと思いました。 私の理解能力が低くて分からなかったのかもしれませんが、これが私の感想です。 | ||||
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ヒョンなことから映画版のDVD(主演:渡瀬恒彦)を先に見てしまい、全く訳が分からない内容に呆然とし、これはずぼらして原作を読まなかった自分が悪いか、と思い直して読んでみたのですが、文庫本3冊の分量を2時間の映像に納めるのは無理があるなぁという点しか納得できなかった。 前評判が高かったので物凄く期待したんだけどねぇ、、、登場人物に片目が義眼の老人、被差別部落出身者、在日朝鮮人二世、身障者とその家族、ドロップアウトしたバイのキャリア警官、ゲイの検事、総会屋、所轄の問題刑事、高卒の工員、自分の来し方に自信を持てない企業経営者など、立場は違えど生を実感できずに日々を過ごす登場人物は作中でそれぞれ魅力的に掘り下げられておりリアリティがあるのだが、義眼の老人が大企業へ恐喝に至る過程に必然性が感じられず、恐喝された企業が犯人グループと闇取引に応じる以外に選択肢がないという状況設定も説得力に掛け、更にこの事件に呼応した裏社会の動きも無理やり付け加えられた感が強く、最後まで物語の縦糸となるエピソードに現実味を感じることができず、物語に入っていくことができなかった点が非常に残念であった。 ただし、小説は納得できないながらも筋ははっきりしているので映画よりはマシであった。 古本屋で3冊まとめて買ってしまったので頑張って全部読みましたが、展開に無理があると感じている物語を読み進めるのは非常に辛かった。 前評判が高くて読後にこれほどガッカリするのは「ローマ帝国衰亡史」以来かなぁ。 やはり、この手の社会派小説は読んでいて「こういうこともあるかもなぁ」という説得力がなかったら、いくら細部の描写が上手くても内容がペラペラになる。 レディ・ジョーカーというタイトルは刺激的だが、こちらもこの為だけに身障者を登場人物に加わえたような無理やり感が鼻についた。 内容もミステリーではないし。 著者の描写のテクニックは間違いなくプロレベルなので評価は☆3つ未満とはし難いのであるが、この本を読むのに使った時間は他の本を読むのに使いたかったなぁといった内容だったので☆4つ以上は厳しい。 こんなレビューを書くと、''''この著者のファンから総攻撃を喰らうんだろうけどね。 話題作なので新宿鮫(大沢在昌)とか模倣犯(宮部みゆき)レベルを期待してただけに残念。 | ||||
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誘拐事件のお話で、読ませる作品だが新鮮味を感じませんでした。一見は社会派ですが、大家の山崎豊子氏のような鋭い感性が文から伝わらず力作ではあるが、なぜか私には頷けませんでした。「理由は明白です。山崎氏のような本物の筆力がなく、頭で作り上げた作品なのでリアリティが乏しいからです」。 | ||||
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映画化、ドラマ化されていますが、映像では何が何だか理解できないので 原作を読んでいます、これが読み応え十分、映像化が難しいのがよく分かります 映像化の解説書みたいなものです。 | ||||
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政界、財界、警察機構、ジャーナリズムなどがよく調査されていてその意味では欧米の作家の水準に達していると感じました。 一方で、現職刑事をはじめ引き入れられる犯罪者達の動機の不明確さ、ちょっと有能すぎるのではと感じる企業経営者、個人的に 人物像に合致しない同性愛性向など、キャラクター、物語の背景に違和感を覚えました。 | ||||
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緻密な構成、スピーディな展開、リアルな背景描写、人物の心の深み。どれをとっても文句のつけようがない。上下2冊で900ページ近い大作ながら、一気に読んでしまった。しかし、である。なんともやりきれない、この読後感。多数の作中人物で誰か、救われた人はいるのだろうか。たしかにこの世の中、いつも能天気なハッピーエンド、ってわけにはいかないのかもしれない。けれども、こんなに苦しく絶望に満ちた人生のオンパレードには、とうてい理解が及ばない。そういえば、この小説に登場する人物には誰一人、心からのバカ笑いは、ない。人間って、そんなに絶望が深いものなのだろうか。文章として、描写として、徹底的にリアルに書かれてはいるが、この小説には、だから、生きている人間のリアリティがない。人間は失意の中にあっても、毎日の生の中で見つけた小さな小さな幸せを繋ぎ合わせながら生きていけるような、本質的にわりと能天気な動物であると思う。作者はなぜ、こんな小説を書いたのだろうか。それがわからない。物語の巧みさに惑わされてしまうが、しかし、これは物語ではなく、ある種の観念小説、といってよいのだろう。ちまたに「感動の巨編」というが、少なくとも私には「感動」はなかった。 | ||||
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ビール業界最大手の会社が、さして強い動機も持たないごく普通の人から、ビールを人質に脅迫される物語。長い。とにかく長い。上下それぞれ400ページを超える分量に、おもしろさが疲れに勝てなかったというのが、読後直後の正直な感想です。しかし、カスタマーレビューの様々な人の感想を見て気付きました。私は、ストーリーがテンポよく進む作品が好きなのですが、この作品はそれにはあてはまりません。しかし、心に残るものがあったのは、新聞社や警察の内情が興味深かっただけでなく、所々で気付いた文字の裏に隠されている登場人物の心の動きに興味が引かれたからではないかと感じました。膨大な量にかまけて、ストーリーを追うことを優先し読んでいた私の読み方が間違っていたのであり、何度となく読み返すことによって、見落としていたことに気付き、その度に新たな発見ができる作品ではないでしょうか。常にストーリーを追っている私は、1読した作品を読み返すことはほとんどないが、この作品を再読し、改めてこのカスタマーレビューを書く機会があれば、星の数は少なくとも1つ以上は増えていると思われるので、最初のレビューの星の数は控えめにしておきます。 | ||||
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某ビールメーカーに起きた事件を題材にした長編であるが、これを推理小説として読むと多少甘さが残る。特に、犯行のサインに街路樹にリボンを結ぶくだりなどあの名作「樽」を書いたクロフツの時代かと錯覚させられる。 但し、かなり重厚な作品には仕上がっており、次作以降が待たれる。 | ||||
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