■スポンサードリンク


(短編集)

作者不詳 ミステリ作家の読む本



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

作者不詳 ミステリ作家の読む本の評価: 8.00/10点 レビュー 4件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

短編集というのは少し違う……作中作を題材としたホラー&本格ミステリとでも言うべき作品?

『作家シリーズ三部作』の二作目。
前作の『忌館 ~ホラー作家の住む家~』はホラーとしてもミステリとしても中途半端な上に、全てが消化不良ではっきり言って全く面白くもなければ納得もいかないと感じた作品でしたが、今作については点数にも表れているように、結論から言うと面白かったです。
しかしなんとも説明するのも、感想を述べるも、どう評価すべきかも非常に難しい作品だと感じました。

まず紹介ページのタイトルの後ろに(短編集)とついていますが、この作品そのものを短編集と分類するのは少し語弊があります。
この本の作中に出てくる”迷宮草子”という本が短編集の形式で出来ており、その一作一作の謎を主人公達が解き明かしていくという、作中作形式の話になります。(ややこしいですが)
ただ当然ながら”迷宮草子”はただのミステリ短編集ではなく、読んだ者の身に一話ごとに怪異が襲い掛かり、そしてこの本の謎を解かない限りその怪異が消えることはなく、さらには読んだ者はやがてその姿を消すことになる……という恐ろしい曰くを持ったもので、主人公達は日々襲い来る怪異に悩まされながら、命がけの謎解きを行っていきます。
そんなオカルトな題材を扱ったホラー作品でありながら”迷宮草子”の個々の短編の謎はあくまで「本格ミステリ」の形式がとられており、導かれる回答も極めて論理的という、まさにこの作者の代名詞でもある、ホラーと本格ミステリの融合を果たしている作品と言えます。
また作中作となる個々の話もいろいろな本格ミステリのジャンルやテーマをバラエティ豊富に取り揃えながら、それ単体でも十分楽しめるクオリティを携えており、上下巻のボリュームながら飽きることなく楽しませてくれる、まさに「力作」とも言える作品だと思いました。

なお、この作品はクローズドサークルタグが付いていますが、この作品自体は全くクローズドサークルではありません。
ただ、上にある作中作の短編作品の中にクローズドサークル形式の作品が含まれるほか、謎解きの際にもクローズドサークル談義(?)が交わされるので、クローズドサークル好きにもおすすめできる作品であると言えるでしょう。



▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

マリオネットK
UIU36MHZ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

作者不詳 ミステリ作家の読む本の感想

古本屋から曰く付きの『迷宮草子』という同人誌を入手した飛鳥と三津田。そこには7つの物語が。作中の謎を解決できなければ、作品と同じ怪異を体験しやがては・・・この同人誌を読んだ読者はいずれも行方不明になっているという死の読書に挑む二人。この設定だけでワクワクします。そしてラストはあぁ今回はそうくるのね的な感じで、二転三転、読者を相変わらず振り回した感がありましたが、個人的にはちょっと余計だった気が。一つひとつの短編はすごく楽しめましたし、なんとも言えない世界を堪能しました。

タッキー
KURC2DIQ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

作者不詳~ミステリ作家の読む本の感想

上)これぞ「刀城言耶シリーズ」に至る作家三津田信三の原点!古書店で見つけた同人誌「迷宮草子」の一編を友人の飛鳥とともに読んだ私は、次々と現実でも不可思議な怪異に襲われる!もしや、この「迷宮草子」の謎を解かなければ自身の命すら危ういのでは?一編一編が独立した推理短編になっており、刀城言耶シリーズでおなじみのどんでん返しに次ぐどんでん返しの手法は本作から誕生したのでしょう。さあて、この連作全体を包む謎の答えは如何に?

(下)ついに明かされる同人誌「迷宮草子」の戦慄すべき真実とは?その後の「本格ミステリ作家三津田信三」を創りだした原点がここに!「そして誰もいなくなった」に始まる「テン・リトル・インディアン型ミステリ」を著者が「朱雀の化物」、「首の館」と大胆にも両極といえる二つの理想的な作例を提示してみせたのも高評価!

ジャム
RXFFIEA1

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!