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9人はなぜ殺される



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【この小説が収録されている参考書籍】
9人はなぜ殺される (創元推理文庫)

9人はなぜ殺されるの評価: 6.00/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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(4pt)

9人はなぜ殺されるの感想

タイトルが一品で興味が沸きました。ただ少し期待値が高すぎたのもありますが合わない作品でした。

同じ著者の『そしてミランダを殺す』は大変読みやすく好みであり、翻訳者も同じの創元推理文庫であったのですが、本書は読み辛く内容の把握が難しくて楽しめませんでした。後述しますが、本の構成として、読みやすくする工夫はあると思うのですが、本書はその丁寧さが欠けている気がします。

物語は、アメリカ各地の9人に、自分の名を含む9つの名前だけが記されたリストが郵送されます。差出人も意図も不明。そのリストの人物が殺されていくという事件。9名の繋がりは何なのか、なぜ殺されるのか、といったミッシングリンクもののサスペンスです。

■内容の把握が難しかった理由について。

第一に膨大な登場人物です。主要9名に加えて一時的な登場人物も現れるため、誰が誰なのか混乱しがちでした。しかも人物表にすべて載っているわけではなく、「この人は誰だろう?」と思って確認しても見つからないこともあるわけです。
登場人物表にはまず主要9名が描かれ、さらにそれぞれに関わる人達が一覧で並んでいますが、それぞれが誰に絡む人物なのかが分かりづらく、画が浮かぶような特徴のあるキャラではないので、カタカナ名の把握が困難でした。
改善してほしい点としてはサブキャラは2段組や複数ページでも良いので全員を一覧に載せ、主要キャラに対して絡むサブキャラを余白や区切りで分けて掲載するなどして、人物を把握しやすくしてほしかったです。

第二に、視点の切り替え方です。
9人の視点を行き来する構成自体は面白いのですが、章の冒頭には「日時」だけが記され、誰の視点なのかは本文を読み進めないと分かりません。そのため「これは誰の視点だろう?」と確認してから冒頭に戻って再読するという、テンポの悪い読み方を強いられました。せめて視点人物の名前を章頭に明示してくれれば、ずいぶん読みやすくなると思った次第です。

さらには、事件の区切りに挟まる、9名のリストの扱いです。
物語の節目にリストが挟まれ、人数が減っていく演出自体は効果的ですが、英字で9人の名前が並ぶだけなので被害者の把握が困難で効果的ではありません。例えば「名前はカタカナ表記」にし、事件で「亡くなった人物には打消し線を引く」などの工夫があれば、読者はより物語を追いやすくなったと思います。
英字や死亡者の表記に何か意味がある演出なのかと思いきや、特になかったので、ただ素材を載せるだけでなく、読者が楽しめるように丁寧に処理をしてほしかった心境です。

というわけで、内容そのものよりも「読みづらさ」が強く残ってしまいました。同じ著者・翻訳者でも、編集者が違うのでしょうか。ここまで印象が変わるのかと考えさせられる一冊でした。内容についても最後まで読んでよかったかというと、肩透かしな印象なので、好みに合わない作品となりました。

▼以下、ネタバレ感想

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