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蝋燭は燃えているか



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蝋燭は燃えているか

蝋燭は燃えているかの評価: 5.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
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No.1:
(5pt)

蝋燭は燃えているかの感想

前作『星くずの殺人』に登場した真田周が主人公となる本作。前作はあれで完結していたと思っていたので、まさかの続きとなるお話に驚きました。
ただ、続きものとは言っても大きな関連性はないので本作から読んでも問題ありません。

前作の宇宙を舞台にしたお話から一転、今回はその宇宙旅行から帰ってきた真田周の高校生活から始まります。事件に巻き込まれた者への好奇心からの街頭インタビューやSNSでの攻撃、YouTuberによる突撃取材などの迷惑行為に巻き込まれていきます。ネット上の"炎上"と言葉を合わせる形で、京都市内での放火事件("炎上")が描かれているストーリーです。
扱うテーマの要素が結構重苦しく、毒親やカルト、被害者と加害者問題など、社会派小説となります。著者のデビュー作からの流れを考えると、武侠、SF、社会派という流れで色々な作品が描ける方なんだなと感じました。今作は社会的なテーマがしっかりと描かれている為、これまでの作品の中では最も江戸川乱歩賞らしい内容だと感じました。過去の作品を真田周を主人公としたシリーズとしてリメイクしたものではないかと感じます。

社会派ミステリーとしてのテーマは興味深かったのですが、個人的にはいくつか気になる点がありました。
例えば、放火事件で名所が次々と炎上する場面では、警備やセキュリティの存在が感じられず、リアリティに欠ける違和感がありました。事件自体の映像は華やかですが、どこか都合よく描かれており、実現性が低く感じられました。さらに、京都や関西に関する雑談が多く、話が脱線してしまい、大切なテーマが散漫になってしまった印象を受けました。事件の構造に無理を感じる為、読んでいる最中に何度か引っかかり、テーマやミステリーを純粋に楽しめなかった次第でした。

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T4OQ1KM0

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