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鼓動



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【この小説が収録されている参考書籍】
鼓動

鼓動の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

他人の罪を盗んでまで、自己承認が欲しかった・・・

8050問題をベースに、時代に翻弄される孤独な魂の切なさを描いた社会派ミステリーである。
公園でホームレスの老女が殺害され、燃やされた。その場で逮捕された犯人・草鹿秀郎は18年間の引きこもり生活を送ってきた中年男で、自宅で父親を殺害したと供述した。身勝手極まりない犯罪で、極刑を課して世間の納得を得るための証拠固めとしてホームレス老女の身元確認を担当することになった刑事・奥貫綾乃だが、自分と同年代の草鹿がなぜ、ここまで残虐な事件を起こしたのか、今一つ納得が行かなかった。川底に沈んだ凶器を探すような手探りの捜査でホームレスの身元を調べて行くと、被害者と犯人が思いもよらぬ因縁で繋がった。
犯人が孤独な魂を抱き抱えて生きる引きこもりで、さらに担当刑事も我が子を愛せなかった過去のトラウマに引き摺られて生きる孤独な中年女性という、二人の主役の人物像とそれぞれの魂の軌跡が交わってくるところが面白い。大きな社会問題となっている8050問題、その背景に何があるのか、何があったのか、自己責任の話ではないことがリアリティを持って伝わってくる。重い課題の作品だが、事件の真相を解明するミステリーの部分もよく出来ていて読みやすい。
社会派ミステリーのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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