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哀惜



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【この小説が収録されている参考書籍】
哀惜 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

哀惜の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

罪深きは欲望か、それとも抑圧か。

シェトランド島を舞台にした「ジミー・ペレス警部」シリーズで知られるアン・クリーヴスの新シリーズ第一弾。イギリス南西部ノース・デヴォン地方を舞台に気鋭の警部が複雑な殺人の謎を解いていく警察群像ミステリーである。
マシュー警部が初めて指揮を取る殺人事件は、最近町にやって来たホームレスのようなアルコール依存の男性が海岸で刺殺された事件だった。被害者が地元の有力者が運営する施設に関わるとともに、有力者の娘の自宅に下宿していたことが判明。さらに、その施設内に設けられたデイケア・センターでボランティア活動をしていたことも分かった。マシューは直属の部下であるジェン、ロスの二人の刑事とともに精力的に捜査を進めたのだが、事件関係者はマシューの知人ばかりだし、極めつけは施設の管理責任者がマシューのパートナーのジョナサンだったため、マシューは人情と倫理の葛藤を抱えることになる…。
誠実な若き警部の苦悩を主軸に捜査側、被害者、犯人たちの心の揺れ、人間の多面性を丁寧に描き、物語は謎解きミステリーであるとともに人間観察のドラマでもある。事件の発端から解明までブレが無い構成なので読みやすく、緊張感のある結末も納得できる。
英国警察ミステリーの王道を行く作品として、自信を持ってオススメしたい。

iisan
927253Y1

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