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(短編集)

最後の鑑定人



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最後の鑑定人

最後の鑑定人の評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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(6pt)

最後の鑑定人の感想

科学捜査もの。推協賞にノミネートされていたので手に取りました。
元科学捜査研究所にいた風変わりな鑑定人が探偵役。確かな技術力をもって弁護士や判事から依頼を受けて事件の真相を暴くというもの。作風はリアルで硬派なので扱う事件も重苦しい部類です。ただ読み辛いという事はないです。
でてくる単語が専門用語寄りなので、理系や科学捜査ものが好きな方向けの作品です。

1話目『遺された痕』
読者を掴む1話目で扱う事件は性犯罪です。最初にこの事件を配置しているあたりで本書は軽いミステリではなくて硬派な作品なのだなと気を引き締めた次第。本書は楽しく読む作品ではなく事件を真摯に科学を通して見つめる作品だと雰囲気を感じ取りました。
2話目『愚者の炎』
ベトナム人技能実習生による放火事件。これは社会派ミステリ模様でした。1話目2話目と読み進めるとフィクションの小説というより現実の事件の捜査模様を体験するような感覚を得た次第。
3話目『死人に訊け』
少し気を抜いたエピソードがあり緊張感が解れるラストが面白い。鑑定人土門誠の技術ではなく人としてどういう人なのかちょっとだけ感じられた内容。
4話目『風化した夜』
それまで匂わせていた過去のエピソードが繋がる物語となっています。

作品の雰囲気は重苦しく真面目な内容。全体を通して感じる事は、真実は人間のアナログ的な感情で左右される事無く科学的な証拠に基づいてきちんと導きだす事。そして隠さず暴く事という正義を感じました。数年前のミステリで真実を暴く事で不幸になる場合があるという探偵の悩み問題がありましたが、それに対する真摯の想いを感じた作品でした。

egut
T4OQ1KM0

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