舞台には誰もいない
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主人公の死の謎がメインの話ではあるが、ミステリーでもサスペンスでも無い。最終的な主人公の独白も特に意外性は無く、正直、作者がこの作品で描きたかったものが伝わってこなかった。同じようなモチーフである同作者の「分身」はなかなか面白かったのに・・・。 あえて言うならば、「湊かなえ作品からミステリー/サスペンス要素を取り除いて、水で希釈したような作品」と言った感じだった。 | ||||
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若い頃の一人暮らし、自由気ままに生きていた頃を思い出せる作品でした。 | ||||
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「文身」が私小説を生きた小説家のお話。こちらは人生を演じる俳優のお話で、わかりやすく「文身」の系譜だと理解できます。事実、「文身」の登場人物も主人公に契機をもたらす登場の仕方をしています。 ただ、「文身」が狂気と倒錯を突き詰めて、虚構と現実が倒錯していくさまを描き、読書中から読後にわたって世界を歪める感覚に浸らせてくれたのに対して、こちらはそこまでの感慨は抱かせてくれませんでした。 「文身」がもっぱら書き手視点での文章だったのに対して、こちらが主人公の一人称的視点によるものであることからなのか、「文身」は主人公が(それが自分自身の人生であれ私小説の主人公のものであれ)「生きようとする」お話であるのに対して、こちらが主人公が自分自身を「生きない」ために演技者になるという、生に対する熱量や執着の差によるものなのかはわかりませんが。 とはいえ、この作者の小説では「文身」「竜血の山」が出色だと思っていて、最近の何作かは(「われは熊楠」も含めて)小説世界に浸る楽しみをおぼえられなかった中で、久しぶりに一気読みした作品でした。 | ||||
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生活上の実体験を、舞台の上で再現することで真に迫る演技をするメソッド演技。 本書は、そんなメソッド演技に魅せられた一人の女性、遠野茉莉子の生き様を描いた物語だった。 演じることに生きがいを感じ、よい演技をするために全てを費やし、演じることに快楽を感じる。 悲劇に見舞われる女性ばかりを演じることから「悲劇の女優」と呼ばれる茉莉子の、不器用で悲しい生き様に引き込まれた。 茉莉子が高校生のときに事故死した母。 茉莉子は母から「女であることを自覚しろ」、「養ってくれる相手なら我慢しろ」、「女は賢くあれ、しかし賢くありすぎるな」、など本心を押し殺す言葉を投げかけられ思考停止に陥った。 メソッド演技にのめり込むほどに母の呪縛が強くなって妄想が止まらずに心を病んでいき、お酒や睡眠薬、タバコに依存していく姿は、やるせなかった。 茉莉子の死は事故なのか、自殺なんか、事件なのか。 茉莉子と何かしらの関係にあった人物たちがその理由を考察する中、幽霊となった茉莉子はどんな気持ちでそれを眺めているのか。 ミステリ的な要素もありながら、演劇の世界に身を捧げた一人の女性の喜びと苦悩が交錯する展開は最後まで楽しめた。 | ||||
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不可解な死を遂げたひとりの女優。 事故なのか、自殺なのか、それとも――。 という作品紹介の言葉から、殺人事件の真相を描くミステリーなのかと思ったが、一人の女優の人生を描いた作品だった。憑依型の役者を主人公とする小説は それほど珍しいものではなく、その苦悩が描かれるのもよくある展開といえるだろう。しかし、生まれた時から常に周囲の人に合わせた演技をしてきた、生きることは演技でしかないという主人公の思いに、自分自身を重ねあわせてしまう人は少なくないのではないだろうか。人は誰しも周囲の人が想像する自分に合わせた演技をしているのかもしれない。それに苦痛を感じるのか感じないのかは、その人の性格さらには育ってきた環境に左右されるだろう。毒親の下で育てられた女の不幸とそこからの解放の物語だ。 | ||||
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