魔者
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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時代が抱える社会病理にファンタジー色を散りばめた書き下ろし長編ミステリー。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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週刊誌の記者である今井柊志は、ある小説に自分と亡くなった姉の幼い頃の体験が描かれていることを知り、封印していた27年前の事件の再調査を始めることになる。 19歳だった兄がリンチによる殺人で逮捕、その後、父と母は失踪し16歳の姉の小代子は自殺、6歳だった柊志は母方の伯母に引き取られた。 伯母夫婦の助けを借りて生きて来られた柊志が、職場に自分の過去を暴露する嫌がらせの電話や手紙が届いていることを知り、自分を守る手段として逃げずに過去と戦う道を選ぶ。 読んでいてつらくなるほど壮絶な経験をした柊志が、自分の面倒をよく見てくれた姉の死が本当に自殺だったのか、姉に何が起こったのか、を当時の関係者の話を聴きながら丁寧に調べていく過程は読み応えがあった。 物語の中に出てくる「優しい人」の定義が印象に残った。 「男でも女でもない。子どもでも大人でもない。日本人でも外国人でもない。みんな同じ心を持った、傷つけば痛い、バカにされたら悔しい、そう思える人。境界線の少ない人がいちばん優しい生き物なんだと思う。子どもの心も、大人の気持ちも、傷ついた動物の痛みも、みんなの気持ちを理解できるから」 本書では、リンチや虐めなどの残虐な場面や、敵意や悪意に満ちた内容も多く描かれているが、優しい人の存在が救いになっている。 プロローグとエピローグで魔物を遠ざけるための全く同じ物語が書かれている。 プロローグでは意味が分からなかったが、エピローグで改めて読むと小代子の優しさや、彼女たちの絆の意味がよく分かる優しい内容になっていたことに感動した。 | ||||
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ホラーではなく、物悲しさがあふれるミステリー。 ギフトは”苺ミルク味の金魚飴”だった。 その真相を求めていく。 虐めが蔓延している。 ドット柄のシュシュ。 友情は”私たちはエスポワール(希望)”だと。 魔物がいると自覚しつつ、境界線の少ない優しい世界に生きたいと。 | ||||
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