魔者



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    初公開日(参考)2024年08月
    分類

    長編小説

    閲覧回数768回
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    魔者

    2024年08月28日 魔者

    誰も知らないあなたの過去が、もし、小説で暴かれていたらーー。 言葉で私たちを攻撃する魔者は誰だ? SNSの炎上、加熱する週刊誌報道……人の不幸を喜ぶ人間がいる。 ──お前たちを守るため、人間を喰おう。そうしよう。 衝撃のデビュー作『ジャッジメント』の著者、書き下ろし長篇ミステリ(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    魔者の総合評価:9.00/10点レビュー 3件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (7pt)

    すれ違い、勘違いで起きた悲劇。魔物は自分にも周りにもいる

    時代が抱える社会病理にファンタジー色を散りばめた書き下ろし長編ミステリー。
    週刊誌記者の今井柊志は偶然手に取った小説に激しく動揺した。そこには封印してきたはずの自分の過去、兄によるリンチ殺人と姉の死が描かれていたのだ。ことに自分と姉が二人だけ残された時の悲しい記憶が、自分の日記を読まされているように克明に描写されていた。さらに柊志の編集部に「今井柊志の兄は少年を殺した」という匿名の通報があり、両親に見捨てられた柊志を育ててくれた伯母にも同じことが起きた。誰が、何のために攻撃を仕掛けてきたのか。柊志は必死の覚悟で思い出したくもない過去に向き合い、真相を探ろうとする…。
    元々崩壊していた家族が兄が犯罪者になったことでバラバラになり、唯一自分を庇ってくれていた優しい姉まで事故で亡くすという悲惨な過去を持つ週刊誌記者が、自分の過去を調べることで自分の秘密を守ることと他人の秘密を暴露する自分の仕事の意味を考え直すというのが一本の筋で、そこに巷に溢れるいじめや言葉の暴力の問題を絡めている。隠してきた過去が小説に描かれているのを発見するという発端と、その小説の作家が判明し、動機を明らかにしていく終盤は意外性のある展開で惹きつけられた。リンチ殺人といじめの実相が明らかになる部分は、やや展開がまどろっこしい。
    ファンタジー色のあるミステリーが好き、という方にオススメする。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.2:
    (5pt)

    リンチや虐めなどの残虐な場面や、敵意や悪意に満ちた内容も多く描かれているが、優しい人の存在が救いになっている

    週刊誌の記者である今井柊志は、ある小説に自分と亡くなった姉の幼い頃の体験が描かれていることを知り、封印していた27年前の事件の再調査を始めることになる。

    19歳だった兄がリンチによる殺人で逮捕、その後、父と母は失踪し16歳の姉の小代子は自殺、6歳だった柊志は母方の伯母に引き取られた。

    伯母夫婦の助けを借りて生きて来られた柊志が、職場に自分の過去を暴露する嫌がらせの電話や手紙が届いていることを知り、自分を守る手段として逃げずに過去と戦う道を選ぶ。

    読んでいてつらくなるほど壮絶な経験をした柊志が、自分の面倒をよく見てくれた姉の死が本当に自殺だったのか、姉に何が起こったのか、を当時の関係者の話を聴きながら丁寧に調べていく過程は読み応えがあった。

    物語の中に出てくる「優しい人」の定義が印象に残った。

    「男でも女でもない。子どもでも大人でもない。日本人でも外国人でもない。みんな同じ心を持った、傷つけば痛い、バカにされたら悔しい、そう思える人。境界線の少ない人がいちばん優しい生き物なんだと思う。子どもの心も、大人の気持ちも、傷ついた動物の痛みも、みんなの気持ちを理解できるから」

    本書では、リンチや虐めなどの残虐な場面や、敵意や悪意に満ちた内容も多く描かれているが、優しい人の存在が救いになっている。

    プロローグとエピローグで魔物を遠ざけるための全く同じ物語が書かれている。

    プロローグでは意味が分からなかったが、エピローグで改めて読むと小代子の優しさや、彼女たちの絆の意味がよく分かる優しい内容になっていたことに感動した。
    魔者Amazon書評・レビュー:魔者より
    4344043391
    No.1:
    (5pt)

    希望を捨てず、優しい世界を求めて。

    ホラーではなく、物悲しさがあふれるミステリー。
    ギフトは”苺ミルク味の金魚飴”だった。
    その真相を求めていく。
    虐めが蔓延している。
    ドット柄のシュシュ。
    友情は”私たちはエスポワール(希望)”だと。
    魔物がいると自覚しつつ、境界線の少ない優しい世界に生きたいと。
    魔者Amazon書評・レビュー:魔者より
    4344043391



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