まだ人を殺していません
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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著者が得意とする罪と罰の葛藤を加害者家族の視点から描いた再生の物語である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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小林由香さんの作品3冊目です。一番初めに読んだのは「罪人は祈るだけ」でした。次が「ジャッジメント」で3冊目がこの作品です。1冊目を読んだとき、私は小林さんは、人は多面的である人から見たら良い人で、ある人から見たら悪い人で...というのを物語を通して伝えたいのかなと思い読み進めました。しかし、この作品をこの順番で読んだとき、一貫して小林さんは、”人は善だけでもなく悪だけでもなくどっちも持ち合わせて生きている。生きる中で人と関わり、言葉を交わし交流していく中で、生きる希望も生きる絶望も味わう。だからこそ優しく靭やかな世界になってほしいと願いを込めて、人と人との関わりがエグいまでに描かれる題材を扱い、この物語を書いたのではないか、と感じました。 | ||||
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損われる前の状態からやり直させてあげたい …と思ってしまうなあ それじゃ話始まんないけど すべてを話さなくても罪悪感を持たずにいて下さい うしろめたいと思わないでください って感じかな 切なく読みました | ||||
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死体遺棄の容疑で逮捕された南雲勝矢の息子で9歳の良世を、出産と同時に亡くなった母親の詩織の妹である翔子が引き取ることになった。 翔子にも良世と同じ年に生まれた娘がいたのだが、5歳の時に交通事故で亡くなり、夫とも離婚している。 本書はお互いに大切な人を失った翔子と良世の再生の物語である。 親から愛情を与えられず頼れる人もおらず、自分で自分の身を守って生きていかなければならない良世の境遇が本当に不憫で、中盤は読むのがつらくなった。 そんな良世とどのように接して、どう育てていくか、苦悩を重ねながら成長して距離を縮めていく翔子と良世の関係性は読み応えがあった。 最後はどうなるかとヒヤヒヤする場面もあったが、読後感もよかった。 大人の世界も子どもの世界も利害関係で成り立っており、人間関係を築くのがとても難しい状況において、詩織の友人のサナや児童相談所の二之宮など、頼れる人間が傍にいるのが心強く感じられた。 児童相談所の二之宮が翔子に言った言葉 「この世界に同じ気持ちを抱えた仲間がいることを忘れないでください」 サナが良世に言った言葉 「人を疑いたくなる気持ちは理解できるが、私はそんなことをしない。すごく時間がかかってもいいから、いつか私を信じられる日が来たら、一緒に写真を撮ろうって言ってくれる?」 二之宮やサナの優しい想いは、翔子と良世にすごく響いたと思う。 「誰もが善の芽も悪の芽も持っているからこそ、誰に出会い、どのような人に助けられ、支えられたかで人の運命は大きく変わる。だからこそ、自分を好きだと言って傍にいてくれる人たちを信じて生きていけばよいのだ」 手探りで懸命に良世を育てている翔子の言葉が印象的だった。 | ||||
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