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舞台には誰もいない
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舞台には誰もいないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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生活上の実体験を、舞台の上で再現することで真に迫る演技をするメソッド演技。 本書は、そんなメソッド演技に魅せられた一人の女性、遠野茉莉子の生き様を描いた物語だった。 演じることに生きがいを感じ、よい演技をするために全てを費やし、演じることに快楽を感じる。 悲劇に見舞われる女性ばかりを演じることから「悲劇の女優」と呼ばれる茉莉子の、不器用で悲しい生き様に引き込まれた。 茉莉子が高校生のときに事故死した母。 茉莉子は母から「女であることを自覚しろ」、「養ってくれる相手なら我慢しろ」、「女は賢くあれ、しかし賢くありすぎるな」、など本心を押し殺す言葉を投げかけられ思考停止に陥った。 メソッド演技にのめり込むほどに母の呪縛が強くなって妄想が止まらずに心を病んでいき、お酒や睡眠薬、タバコに依存していく姿は、やるせなかった。 茉莉子の死は事故なのか、自殺なんか、事件なのか。 茉莉子と何かしらの関係にあった人物たちがその理由を考察する中、幽霊となった茉莉子はどんな気持ちでそれを眺めているのか。 ミステリ的な要素もありながら、演劇の世界に身を捧げた一人の女性の喜びと苦悩が交錯する展開は最後まで楽しめた。 | ||||
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不可解な死を遂げたひとりの女優。 事故なのか、自殺なのか、それとも――。 という作品紹介の言葉から、殺人事件の真相を描くミステリーなのかと思ったが、一人の女優の人生を描いた作品だった。憑依型の役者を主人公とする小説は それほど珍しいものではなく、その苦悩が描かれるのもよくある展開といえるだろう。しかし、生まれた時から常に周囲の人に合わせた演技をしてきた、生きることは演技でしかないという主人公の思いに、自分自身を重ねあわせてしまう人は少なくないのではないだろうか。人は誰しも周囲の人が想像する自分に合わせた演技をしているのかもしれない。それに苦痛を感じるのか感じないのかは、その人の性格さらには育ってきた環境に左右されるだろう。毒親の下で育てられた女の不幸とそこからの解放の物語だ。 | ||||
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