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愚か者の祈り



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【この小説が収録されている参考書籍】
愚か者の祈り (創元推理文庫)

愚か者の祈りの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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(8pt)

犠牲者の身元探しと犯人捜しという二重構造の謎解き

1954年、ヒラリー・ウォーの初期の警察ミステリーとして発表された長編第5作。アメリカ東部の閑静な町の警察が地道な捜査で難事件を解決する、オーソドックスな警察捜査ミステリーの傑作である。
小さな町の公園で頭を砕かれた若い女性の死体が発見された。ベテランのダナハー警部と若いマロイ刑事のコンビは失踪人届を調べ、被害者が身に着けていた指輪の写真を公開するなどしたのだが確たる情報が得られず、マロイ刑事の発案で砕かれた頭蓋骨から顔面を復元する手段をとった。すると、5年前に女優を夢見てN.Y.へ家出した少女・ミルドレッドであることが判明した。しかし、ミルドレッドは家出してから一切家族に連絡を取っていなかったため、殺されるまでの5年間は完全な空白になっていた。彼女がなぜ故郷の街にいたのか、そして、だれが、なぜ殺害したのか? 5年の空白を埋めるために、ダナハーとマロイのコンビは聞き込み、推理、確認作業を繰り返し、ミルドレッドの悲劇の真相を解明していくのだった…。
事件の背景解明、犯人捜しの謎解きが複雑かつ巧妙で、しかも論理的。顔の復元から始まって被害者の激動の5年間を再現していくプロセスは実にスリリングで、これぞ警察捜査の王道といえる作品で、いささかも古さを感じない。主役の二人の刑事のキャラクターも魅力的で、なぜこのコンビがシリーズ化されなかったのか、疑問になった。
フェローズ署長シリーズのファンはもちろん、リアルな警察ミステリーのファンには絶対のおススメだ。

iisan
927253Y1

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