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虹を待つ彼女



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【この小説が収録されている参考書籍】
虹を待つ彼女
虹を待つ彼女 (角川文庫)

虹を待つ彼女の評価: 5.67/10点 レビュー 3件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.67pt

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(7pt)

虹を待つ彼女の感想

人工知能による死者の再現を軸に、何故彼女は自殺したのか?という謎を追いかける物語。

横溝正史ミステリ大賞受賞を受賞した本書。作品雰囲気は"横溝正史"から連想する古くアナログ的なミステリとは違い、人工知能を始めとしたプログラム要素となる機械学習や音声合成のワードもでる近未来風な作品。過去の受賞作品群と比べても少し毛色が違う為、受賞作品の審査時では新しく感じたのではないかと思う内容でした。

本書の主人公はかなりクセがあり読者に嫌悪感を与えやすい為、その感覚が本書の物語自体の評価に繋がりそうな危険を孕んでいると感じました。冒頭から主人公の特性付けとして紹介される内容は、勉強もスポーツも恋愛も何でも予想通りで人生が退屈であり自分の真の性格を表に出さないように仮面を被って生きている。みたいな流れでとても痛々しい。ただその痛々しさも最後まで貫いていけば一本筋で通る気がしますが、死者の水科晴に酔狂していく辺りから心境の変化と前向きに感じる良さもあれば、弱弱しくぶれていくと感じる面もある為に魅力を感じずでした。1番がっかりした所は頭の良い人工知能のエンジニアという設定で尖がっていたのに、写真のExif情報を知らないエピソードが出た時。をい!と思わずツッコミたくなってしまいました。一般人も知られてますし、エンジニアでは基礎知識であり人工知能学習ならそもそもExifも学習パラメータで使うでしょ。という感じでして所々設定が浅く感じてしまうのが残念に思いました。

主人公の癖が強いだけで物語の展開は面白く読めました。
水科晴の自殺の謎、それを調査していく流れ、人工知能開発の現場、調査していく内に不穏な流れとなる緊迫感、、、etc.
物語の起伏要素が多く飽きずに最後まで読めました。文章も読みやすかったです。

結末や真相についてはあまり納得できるものでなく、なんとなく当事者達で収束してしまった感が強くて好みに合わなかったです。横溝正史ミステリ大賞作品というのも違う気がしますが1つの作品としては面白く読めたので、あまりミステリを気にせず"人工知能で死者を再現する者達の物語"として捉えると、とてもよいドラマかと思いました。

egut
T4OQ1KM0

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